遊戯王ZEXAL 知られざる八人目の七皇   作:瑞田高光

25 / 76
波乱の交流戦第1戦目もいよいよ終盤!

ガチデッキ寄りの【アーティファクト】扱う優也に対して中堅(?)の域を超えそうで超えない【ビークロイド】の京はどこまでくらいついていけるのか……?


No.23 交流戦第1戦目prat2

 勝てるかどうか不安だけど……多分いい線までは行けるかな?

 

「バトル! セイクリッド・プレアデスでカードガンナーへ攻撃!」

 

「う、うわぁ!? で、でもデッキからカードを1枚ドロー!」

 

「(通すかなぁ、これは)」

 

京LP4000→1900

 

「まだまだぁ! デュランダルでドリルロイドを攻撃! マルブル・デストリュクシオン!」

 

「せ、セットカード……“スーパーチャージ”発動!」

 

「(これは通さない!)残念、デュランダルの第1の効果発動! オーバーレイユニットを1つ使ってスーパーチャージの効果を相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を選んで破壊するという効果に変える!」

 

「え、ええっ!?」

 

「さ、俺の伏せカードの中で選んでくれ」

 

「う、うぅ……(で、でも伏せられた3枚の中のうち何枚かはあのモンスター群のはず……それ以外が分からないけど、でも当たる確率はモンスターの方が高い気がする。なら……)僕はデッキ側の伏せカードを選択!」

 

「……破壊された“呪われた棺”の効果発動だ! 手札をランダムに捨てるか場のモンスターを墓地に送るか……選んでな?」

 

「えっ……!!?? (正直、この手札をランダムで捨てられるのだけは嫌だ……だから……)エクスプレスロイドを墓地に送るっス」

 

京LP1900→1100

 

 よし、こいつでフィニッシュになるはず!

 

「デスサイズでダイレクトアタック!!」

 

「それは通せないっす! 手札から“カイトロイド”のモンスター効果! 僕の墓地に機械族しかいないとき、手札からこのカードを捨てることで相手の直接攻撃でのダメージをゼロにする!」

 

カイトロイド(TF3オリジナル調整版)

☆1 風属性 機械族 ATK200 DEF400

自分の墓地に機械族しか存在しない時に(1)と(2)の効果を発動できる。

(1):相手の直接攻撃による戦闘ダメージ計算時、このカードを手札から捨てて発動する。その直接攻撃によって発生する自分への戦闘ダメージを0にする。

(2):自分の場に表側表示で存在する「ロイド」と名の付く機械族モンスターが破壊されたターン、自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、相手の直接攻撃によって発生する自分への戦闘ダメージを1度だけ0にする。

 

 あれま……これ以上のダメージは期待できないか…………一応プレアデスもいるから何とかなるはず……

 

「しょうがないな……手札を1枚伏せてターンエンド」

 

優也LP4000

手札1

・アーティファクト-デュランダルATK2400

・セイクリッド・プレアデスATK2500

・アーティファクト-デスサイズATK2200

・アーティファクト-カドケウスDEF2400

伏せカード

伏せカード

伏せカード

 

「僕のターン……(手札はこれから引いて4枚。あのモンスターを出す手筈は整ってるから、後はあのカードを引くだけ……)ドロー!」

 

手札3→4

 

 さて、相手の場にカードはない。カイトロイドを考えても俺の場にはまだ展開に余裕がある……俺の優位に変わりはない筈だ。でも、問題は……相手がサイバー流の子息であること。サイバーデッキではなかったにしてもデッキは大輔から聞いてた通り、機械族デッキの一角に位置する【ビークロイド】……気にするべきはやはり速攻魔法である“リミッター解除”だ。デュランダルの隙を付く上に1kill要素にも成りうる。でも、プレアデスがいることもあって展開及び攻撃はし辛い筈だけど…………

 

「……まだ、足りない……手札から“エクシーズ・トレジャー”を発動。場には2体のエクシーズモンスター……2枚ドロー……! 手札から“貪欲な壺”発動、墓地のモンスター達をデッキに戻して2枚ドロー!!」

 

手札

3→5→4→6

 

戻したカード

・フォートレス

・トラックロイド

・ドリルロイド

・カードガンナー

・エクスプレスロイド

 

 うっ……一気に手札補充してきたか…………さっき、カードが足りないって言ってたけど……まさかこの布陣を突破出来る算段がついてるってのかよ!?

 

「(よし、防御札! 後はあのカードさえくればいけるかも!)……カードを伏せてターンエンド」

 

 えっ、エンド!? まずい、展開が遅くならないようにしないと!?

 

「っ……エンドフェイズに伏せカードオープン! “アーティファクト・ムーブメント”! 場の伏せていたフェイルノートを破壊してアキレウスをセット! 更にフェイルノートの効果で自身を特殊召喚して墓地のモラルタをセット! カドケウスの効果で相手ターンにアーティファクトモンスターが場に出てきた時、デッキからカードを1枚ドロー!」

 

「改めてターンエンド……」

 

京LP1100

手札5

伏せカード

 

 よ、よし……これで何とか展開が出来る……

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「スタンバイフェイズ、罠カード“覇者の一喝”を発動! このターンはバトルフェイズを行えない!」

 

 うっ……また面倒なものを…………

 

「まぁ、やることはやらせてもらう……かな。フェイルノートとデスサイズでオーバーレイ! 再び現れいでよ、デュランダル!」

 

 さっき、オネストも引けたし、勝ったも同然でしょ。

 

「ターンエンド!」

 

優也LP4000

手札2

デュランダルATK2400

デュランダル(ORU2)ATK2400

プレアデス(ORU1)ATK2500

カドケウスDEF2400

伏せカード(アイギス)

伏せカード(モラルタ)

伏せカード(アキレウス)

 

「僕のターン……(デッキに入ってる防御カードの数を考えてもこれが最終ターンかなぁ…………)ドロー!」

 

手札

5→6

 

「(来た、これで勝利は揺るがない!)スタンバイフェイズに速攻魔法“皆既日食の書”を発動! フィールド上の全モンスターを裏守備表示にするっス!!」

 

「なあっ!?」

 

 しまっ……これは完全に想定外…………!

 

「(父さん、おじさん……力貸してもらうっス!)魔法カード“パワーボンド”を発動! これは機械族専用融合カードっス。この効果で特殊召喚した融合モンスターの攻撃力を2倍にする代わり、その元々の攻撃力分のダメージをエンドフェイズに受けるっス……僕が融合するのは……手札の“ドリルロイド”、“サブマリンロイド”、“スチームロイド”!

 

地を穿ち働く乗り物よ、深海より現れし潜水艦よ、煙あげし列車よ……今この乗り物達の力を合わせ、結集させよ、融合召喚!

 

万能なる戦艦、ここに現れる! “スーパービークロイド-ジャンボドリル”!」

 

スーパービークロイド-ジャンボドリルATK3000→6000

 

 守備表示じゃあオネストが全く使えない…………

 

「まだまだぁ! 速攻魔法“サイバネティック・フュージョン・サポート”発動!ライフを半分支払って一度だけ機械族の融合召喚に墓地のカードも使用できる!」

 

京LP1100→550

 

 え……?

 

「僕が融合するのは墓地に眠るドリルロイド、サブマリンロイド、スチームロイド、エクスプレスロイド、カイトロイド!」

 

 あ、カイトロイドまで……これは……まさか…………

 

「様々なる機械達よ、今ここに集い最強なる機械へと変身せよ!融合召喚!

 

これが……本当の僕のエース! “極戦機王ヴァルバロイド”!!」

 

極戦機王ヴァルバロイドATK4000

 

 こ……攻撃力4000!?

 

「バトル! ヴァルバロイドで伏せられた2体のデュランダルで攻撃!」

 

 何がダメだったんだろうな……

 

「ヴァルバロイドの効果!相手のモンスターを破壊した時、相手に1000ポイントのダメージを与えるっス! そしてジャンボドリルでプレアデスに攻撃! ジャンボドリルは貫通効果を持ってるから……終わりっス!!」

 

 畜生…………折角勝てたかも知れない試合落としてしまった……

 

「畜生おおおおおおおっ!」

 

優也LP4000→3000→2000→0

 

win丸藤 京

 

 

 

 

 優也、負けたか……それにしても、アーティファクトデッキを持ってたんだな……この世界の人間は基本デッキ1つしか持ってないと思ってた……

 優也は悔しそうな顔をしながらバトルフィールドから降りるとそのまま去っていった……凄く悔しそうな顔をしてたな…………

 

「……アイツ、大丈夫かな…………」

 

 流石に遊馬も不安そうに優也の出ていった出入口を見る……大丈夫だとは思いたいが……

 

「私がちょっと見てくるよ。君達は交流戦に集中してくれ」

 

 右京先生マジ先生。とりあえずは優也は先生に任せるしかないな……

 

「とりあえず、遊馬はあのデッキの動きは覚えてるよな?」

 

「あ、あぁ。一応な……(アストラルにも教えてた事もあってとりあえずは、かな)」

 

「え、ちょ、ちょっと待て。それはどういうことだ?」

 

 あ、そういや先輩には言ってなかったな。

 

「いえ、コイツの本来のデッキが先輩のデッキと相性があまり良くないので、相性が良さそうなデッキを見繕ったんです」

 

「……デッキを見せてみろ」

 

 遊馬は素直にデッキを見せる……さて、どうなる?

 

「……なるほど、これならコッチのパターンで良いな」

 

 先輩が呟くとデッキ調整を手早く終えた……チラッとカードが見えたけど…………確かにあれなら合いそうだな。

 

「さて、九十九だったな。行くぞ……この試合、絶対に勝つぞ」

 

「お、おっす!」

 

 

 

 

 さて、あの七穂氏とかいうヤツ……予想以上にやるな……俺のサイドデッキも把握してたのか…………? まぁ、今回のデッキ軸ならコイツとの相性も良いだろうし……

 

「へぇ、その組み合わせは驚きですねぇ……」

 

「何あともあれアタイらの2勝目は当然よ!」

 

「え~と……誰だ、アイツ?」

 

 ダメだ、この九十九……全然覚えていない…………

 

「さっき、紹介があっただろう? あの女生徒h「おおっと、アタイは自分で自己紹介させてもらうよ」……え?」

 

「アタイの名は2代目……一!」

 

『十!』

『『百!』』

『『『千!』』』

 

「『『『『万丈目サンダー!!』』』』よ、覚えておきな!」

 

 え……何、これ…………

 

「すいません、うちの姉がご迷惑をおかけしてしまって……「祐輔! 迷惑なわけが無いだろう!?」姉さん黙って……イイネ?「アッハイ……」本当にすみません。でも、デュエルでは負けないですよ……!」

 

 …………えーと、どうやらあの弟君は常識人……だよな? 姉に対してめっちゃ黒いオーラ放ってて、それにあの2代目万丈目サンダー(?)が驚いてたし……うん、きっと常識人だ。

 

 

「ハァ…………それじゃあ、万丈目祐輔&万丈目唯「2代目万丈目サンダーだよ、母さん!」……の姉弟チーム対石嶺良二&九十九遊馬によるタッグデュエルを開始します!」

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、その頃会場を出た優也はと言うと…………

 

「……っくそぉ…………あのデッキなら絶対に負けない自信があったのに……!」

 

 海岸で砂を蹴って自分の敗戦をとても悔やんでいた…………

 

「何で……俺は…………あの優勢を生かせなかった……何で…………っ!!」

 

 一人悔し涙を流していると、そこへ彼の担任である右京先生が駆け寄る。

 

「大丈夫かい?」

 

「…………えぇ、自分の弱さに悔いてるだけ、なので…………すみません、1人にしてくれませんか? まだ、心の整理がついてなくて…………」

 

「……そうか、なら私は入口で待っている。落ち着いたら、戻ってきなさい。君の親友……大輔君のデュエルが始まる前までには戻ってくること、それを……守れるかい?」

 

「……はい」

 

 元気のない優也の返事にヤレヤレと言った様子で肩を竦めて、その場を去った…………

 

 優也は小一時間程ずっと海岸にて考え事をしていると、立ち上がり自身を発奮させてると、優也の視線の先に1枚のカードが落ちていた。

 

「これは……?」

 

 優也がそのカードを捲ると、それは黒縁しかなかった……




食らい付くどころか大逆転勝利を収めた京。

そして優也が拾った黒縁のカードは一体何なんだ!?(迫真)




そして、次回はいよいよ遊馬のデュエル!しかし、いつもとは違うデッキ……果たして勝てるのか?






因みにキャラを書いてて一番楽しかったのは2代目万丈目サンダー……ではなく弟君であることは内緒の話←

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。