暫く色々話をしていた俺達だったが、調整も終わったらしいから互いに健闘を祈ってそれぞれの入場口からデュエル場へと入っていく……ふと、辺りの観覧席を見ると……アカデミアの生徒らしき服装の生徒らがいっぱいいて、しかも先生達といる席に翔、そしてレイの姿も確認した。多分だけどレイが十代とくっついたんじゃないかと睨んでるんだが、どうだろう…………って、万丈目サンダーや。プロデュエリストなのにそこ(観覧席)にいていいんかい。仕事は良いのかよ!
すると……明日香がマイクを持ってデュエル審判の着く場所に立った。
「それでは、これよりデュエルアカデミア本校対ハートランド学園による交流戦を行います! 今回の互いの選出メンバーは既に決まっております。ですので……コチラの画面をご覧下さい!!」
明日香の言う画面を見ると、そのかなり大きな画面(何インチあるんだろう……)に何かが表示されていた。よく見てみると……
第1試合シングルデュエルC
第2試合タッグデュエル1
第3試合シングルデュエルB
第4試合タッグデュエル2
第5試合シングルデュエルA
試合の流れが書かれてあった……ちなみに、俺はシングルデュエルAだから、最後の試合だ。
「互いの出撃メンバーは両者共に知らせれておりません。ですので、第1試合では5分間、第2試合では4分間と短くはなりますが作戦タイムを設けてあります。それを有効に使ってください!」
すると、今度は同じ画面に『5:00』と出て、ブザーと共にカウントダウンが始まった……作戦会議の始まりだ。
「さて、どのメンバーが何処に出てくるかだが……恐らく姉弟はタッグデュエルで問題ないだろうな。2戦目に持ってくるかな?」
「ですね。後、これは直感ですけど遊城遊斗という生徒はラストに持ってきそうなんですよね……(そういや、あの子の名前も遊斗だったっけ……?)」
「それは分かる。後は他の面子だけど……多分トップバッターは丸藤って人かな? 確かあのサイバー流の人が家系に多いからサイバーデッキを使ってくる可能性は高い。それにサイバーデッキって速攻が得意みたいだし先鋒で出てくる可能性は高いっす」
「成る程な。しかし、その速攻を防げるか?」
「大丈夫っす。そこは色々と調整もしてあるんで」
俺と優也、石嶺先輩の3人で話をしていた……のだけれど
「……ダメだ、話に着いていけねぇ…………」
「「うんうん」」
モブっぽい2人と遊馬が話に着いてこれてないっぽいけど……常真さんはノンビリとデッキを見ていた……
「……時間になりました。両者は前に!」
「……やっぱりコチラの予想通り、だったな」
「へぇ、君なんスか。あの九十九って子かと思ってたっス……まぁ、勝たせて貰うっスよ!」
「生憎とその台詞はブーメランで返すぜ。ぜってー負けねぇ!!」
「それでは第1試合 シングルデュエルC……デュエルアカデミア本校代表、丸藤京(まるふじ きょう)とハートランド学園代表、岩槻優也の一戦! デュエル開始っ!」
「「デュエル!!」」
「先攻はボクっスね、ドロー!」
京手札5→6
相手はあのサイバー流継承者の息子だった筈……つまり、サイバーデッキの可能性が高い…………いきなり速攻で出してくる可能性もあるよな。
「ボクはモンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド!!」
…………え? あぁ、先攻でもカードガンナーとかでアドを取ろうとしてるのか
京LP4000
手札4
???
伏せカード
そんじゃ、俺は一応攻めの姿勢を見せたいかな。今回はいつもと違うデッキだけど……大丈夫だ。絶対に大丈夫!
「俺のターン、ドロー!」
優也手札5→6
うーん……まぁ、何とかなるかな? 攻めれないのが辛いけど……ってか、事故り気味なのが辛い…………
「モンスターをセット、手札をすべてセットしてターンエンド」
優也LP4000
手札0
???
伏せカード
伏せカード
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「え、全伏せ!?」
対戦相手の丸藤京って奴の驚きの表情に思わず笑いがこぼれる。この様子だと伏せカード除去が無いようだな。さぁ、どう来るよ?
「ぼ、僕のターン……ドロー!」
手札
4→5
「……とりあえず、攻めるかな……問題は…………」
うーん、この伏せカードとかセットモンスターの存在が気になるのかな?
「(多分全伏せって事はメタモルポッドの可能性は高い……幸い攻めれる手札になってきたし、攻めても良いかな……?)僕はセットしていた“カードガンナー”を反転召喚してその効果発動! デッキトップ3枚を墓地に送る! そして墓地に送った数×500ポイント攻撃力をアップ!」
へぇ、まぁ妥当な限りだな。攻める事にしたようだな……ありがたいこった。
墓地に送られたカード
・ドリルロイド
・マシンナーズ・フォートレス
・トラックロイド
いや、チョと待てチョと待て!? サイバーデッキじゃねーの!? え、【ビークロイド】!?
「よし、僕はさらに手札のアーマロイドガイデンゴーを墓地に送って“マシンナーズ・フォートレス”を墓地から特殊召喚! そして“エクスプレスロイド”を通常召喚!」
マシンナーズ・フォートレスATK2500
エクスプレスロイドATK400
え、え……どういう事だってばよ!?
「エクスプレスロイドのモンスター効果で墓地のレベル4以上のロイドモンスター……“ドリルロイド”と“トラックロイド”を墓地から手札に! そして魔法カード“ビークロイド・コネクション・ゾーン”を発動! これはビークロイドモンスター専用の融合カード! 僕が融合するのは手札の“トラックロイド”と“ステルスロイド”、“ドリルロイド”。それとフィールドのエクスプレスロイド! 荷物運びし働く乗り物よ、地を穿つ働く乗り物よ、人乗せて働く乗り物よ、レーダーをかわしつつ爆撃せし戦闘機よ……今ここに交わりて、全てを凪ぎ払わん。融合召喚! ガオガイガーこと、僕のエース……“スーパービークロイド-ステルス・ユニオン”!! 最後に“死者蘇生”を発動! “ドリルロイド”を蘇生!」
スーパービークロイド-ステルス・ユニオンATK3600
ドリルロイドATK1600
うわぁ……凄く壮観だなぁ…………
「悪いっスね、第1試合はこちらの勝利になりそうっス。バトル、行くっスよ!! ドリルロイドでセットモンスターを攻撃!!」
まぁ、ダメージ計算を行わない破壊ってだけだし……むしろあり難いかな?
???→アブソーブポッド
「メタモルじゃないんだ……?? まぁ、セットモンスターはダメージ計算前に破壊するっスよ!」
「それでいい。セットモンスターの“アブソーブポッド”のリバース効果発動だぜ! フィールド上にセットされた魔法・罠カードを全て破壊する。そして、破壊されたカードのコントローラーは、破壊された数だけデッキからカードをドローする! このターン、俺はカードをセットできない制約はあるけど、これは関係ない!」
「ええっ!?!?」
伏せられたカード
京
・ワンダーガレージ
優也
・アーティファクト-アイギス
・アーティファクト-アキレウス
・アーティファクト-カドケウス
・アーティファクト-デスサイズ
・アーティファクト-モラルタ
京
手札1→2
優也
手札0→5
「で、でも……“ワンダーガレージ”の効果発動!」
「俺も“アーティファクト-アイギス”、“アーティファクト-アキレウス”、“アーティファクト-カドケウス”、“アーティファクト-デスサイズ”、“アーティファクト-モラルタ”の『モンスター効果』発動!!」
「えっ……!? は、破壊されたのは魔法・罠カードじゃあ……!?」
あー、驚くよなぁ。俺もこのカード群に遭遇した時は本当に驚いたもんなぁ…………
「チェーン順はお前のワンダーガレージに始まりアイギス、アキレウス、カドケウス、デスサイズ、モラルタの順で組むぜ。アーティファクトモンスター達は固有効果で相手ターンに魔法・罠カードゾーンで破壊されたとき、特殊召喚する効果を持つ。よって5体全てを特殊召喚。さぁ、ワンダーガレージの処理をどうぞ?」
「う、エクスプレスロイドを手札から特殊召喚して効果発動……アーマロイドガイデンゴーとステルスを回収すよっス……」
「そして、アイギス、アキレウス、カドケウス、デスサイズ、モラルタの順でアーティファクト達の『相手ターン中に特殊召喚に成功した時』のモンスター効果を発動…………何もないな? チェーン処理開始。まずはモラルタ……相手フィールド上のカードを1枚破壊する。これでフォートレスを破壊するが、これは対象を取らないから効果は使えないぞ。そしてデスサイズの効果で相手はこのターンにエクストラデッキから特殊召喚が封じられる。そしてカドケウス……は意味がないから放置だな。そしてアキレウスとアイギスの効果をそれぞれ適応し、アーティファクトモンスターは攻撃対象にされず、効果対象にならず、効果破壊もされない!!」
・アーティファクト-アイギスDEf2500
・アーティファクト-アキレウスDEF2200
・アーティファクト-カドケウスDEF2400
・アーティファクト-デスサイズATK2200
・アーティファクト-モラルタATK2100
「…………メイン2に……か、カードを伏せてターンエンド…………」
京LP4000
手札2
場
スーパービークロイド-ステルス・ユニオンATK3600
ドリルロイドATK1600
カードガンナーATK1900→400
エクスプレスロイドDEF1600
伏せカード
「俺のターン、ドロー!」
手札4→5
よし、攻めるならここだな!
「いっくぜ? 俺はアイギスとアキレウスでオーバーレイ!
2体の光属性モンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
光輝け、“セイクリッド・プレアデス”!」
セイクリッド・プレアデスATK2500
「更に“アステル・ドローン”を通常召喚! そしてアステル・ドローンをレベル5として扱い、モラルタと共にオーバーレイ!
2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
ローランの意を継ぎ今振るえ、“アーティファクト-デュランダル”!!」
アーティファクト-デュランダルATK2400
「アステル・ドローンが素材となったデュランダルの効果でデッキからカードを1枚ドロー!」
手札4→5
さて、手札がまだまだ事故ってるし……よし!
「さぁて、カードを3枚セットしてデュランダルの第2のモンスター効果! オーバーレイユニットを1つ使用して互いに手札を全てデッキに戻してシャッフル、そして同じ枚数ドローする!」
「っ……(回収したカードがデッキに戻った…………)」
優也
手札2→0→2
京
手札2→0→2
「更に“セイクリッド・プレアデス”のモンスター効果を発動! オーバーレイユニットを1つ使ってステルス・ユニオンをエクストラデッキに戻す!」
「あっ、ステルス・ユニオン!?」
よっし! とりあえずこの勝負は貰った……かな?