遊戯王ZEXAL 知られざる八人目の七皇   作:瑞田高光

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No.12 デュエルエンド&新しい仲間

「ふう…………って、え?」

 

 デュエルが終わり、D-ゲイザーを外し俺が顔をあげるのと同時に、ある違和感を感じた。辺りの景色がセピア色になっており、まるで何かの回想が始まるのではと錯覚するような風景。さらに後ろの少女や少年、そしてとなりのユートが嬉しさのあまり跳び跳ねているのだが……その動きも空中で止まっている。しかし、自分はどうだろう……体は別にセピア色になっておらず、普通に動く。まるで、自分だけが動ける世界の様だった。

 

「え、い、一体何が…………」

 

『マスター! ね~え、こっちだってば!』

 

 俺が状況を飲み込めずにいると、突然、声を掛けられた。俺が声のする方へと顔を向けると…………そこには青く長めの髪に紅い瞳を持つ少年がプカプカと空中に浮いていた。彼は動いていた。

 

『漸くマスターと会えた!』

 

「き、君は……?」

 

『僕? 僕は固有の名前は無いけど、No.18紋章祖プレイン・コート、だよ!』

 

 名前を問い掛けるとまさかの返答が返ってきた……ドウシテコウナッタ? いや、髪の色や瞳の色は合ってるが…………

 

『実はねー、僕ずっとマスターのお側についてたんだよ!』

 

「え……?」

 

『まぁ、No.使いとはほとんど合わないから僕の出番無いのはわかるけどさー、もっと使ってほしいよぉ!』

 

「え、あ~、そうだな……ってこれはどういった事なんだ!? 説明してくれ!」

 

 まるでこの状況が理解できてないために説明を求めればプレイン・コートは頷いて説明をしてくれた。

 

『これはね、僕がマスターとお話しする時に他の人からの干渉を無くすためにしたの。後は、No.を回収するときにも、ね』

 

 そういってプレイン・コートがごろつき2名の元へとスウッと移動していきごろつき達の胸の中に片手ずつ突っ込んだ…………が、その手は体をすり抜けるようになっていた。そして両手を引き上げると、その手の中には2枚のカードがあった。

 

「うわぁお……」

 

『ちなみにね、この空間を解除すればここにいる5人のNo.に関する記憶がなくなるよ』

 

「へっ……? どういう事だ?」

 

『No.を持たない人以外には効果がないけど、No.を持たない人のNo.に関する記憶は所持者に対して恐怖しか残らない可能性が高いんだよ。だからこそ、そうする必要があるんだ』

 

 なんか、腑に落ちないところがあるけど…………納得できた。それを見たプレイン・コートが頷いてパチンと指を鳴らせば、一瞬でセピア色の風景が元に戻り、鳥が羽ばたき、ユート達は跳び跳ねていた。

 

「おにいちゃん、はいこれ!」

 

 ユートがデュエルディスクからダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのカードを取り外すと俺に返そうとしたので俺はその手をユートの胸の前に優しく誘導させた

 

「……いや、それはあげるよ。君へのラッキーカードだ」

 

「えっ……いい、の?」

 

「あぁ。問題ない……それじゃあな」

 

 俺は不安そうな彼に笑顔を見せて頷いてその場を立ち去ることにした。ぶっちゃけ、渡しておいた方が良いなと思った。悔いはない。

 

『かっこいーじゃん』

 

「(うるせ……ってか、こんな風にも会話できるんだな)」

 

『うん、僕はマスターの精霊だからね!』

 

「(はいはい……んじゃ、帰るぞ…………って、やっぱり名前あった方が良いよなぁ……あ、プルートってのはどうだ?)」

 

『プルート……?』

 

「(あぁ。お前の呼び名だ……気に入らないか?)」

 

『ううん! 僕、名前貰えてとても嬉しい!!』

 

 俺は俺の精霊であるプレイン・コート……もといプルートに名前を教えつつ去った。

 

 

 

 

『おかしい……確かにこの辺りでNo.によるデュエルが行われていた筈なのだが…………』

 

 大輔が去って少しして一人の少年が水色の浮遊する人型のような幽霊のような者と共にやって来た。彼は九十九遊馬。そして浮遊しているのはアストラルだ。どうやら遊馬はアストラルに無理矢理連れてこられた様子で辺りを見渡して何もないことを確認すればアストラルに声をかけた。

 

「ハァ、どうだ? 満足したか、アストラル?」

 

『確かにデュエルがあった筈なのだが……』

 

 未だ怪しむアストラルに遊馬が少々声を荒げて返した。

 

「だあああっ! もう……今日はここまでだ! 帰るぞ、アストラル! 姉ちゃん怒ったら怖いからな…………」

 

 遊馬が帰ろうとすればアストラルも仕方ないといった様子で着いていったが、視線は公園から離さなかった……

 

『(しかし、まちがいない……あの場所では3体のNo.が出現していた…………その筈なのになぜ、今となっては情報が何も残っていない?)』




と、言うわけでこれで初のNo.戦が終わりました!

まぁ、これだけで終わるはずないんですがね。No.との戦いは……あと、数戦やってからオリジナルストーリーに進みます。
実は、このオリジナルストーリーは前々からGMSさんと内密に進行していた奴でして……一番書きたかった部分です。なので、ぜひ楽しみにしておいてくださいませ!


あと、書き溜めは今のところこれだけなのでまた更新が少しないと思いますが、納得のいくものが仕上がれば更新しますのでお楽しみに!!

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