宍戸丈の奇天烈遊戯王   作:ドナルド

84 / 200
第84話  特別カリキュラム

 特待生寮で行われる特別カリキュラムは大まかに二つに分けられる。

 一つは特別講義だ。アカデミアは月~金の授業は六時間目まで。土曜日は二時間目まであるが、特待生の場合はこれに追加して平日であれば七時間目が土曜日であれば三時間目と四時間目があるようになっている。

 特別講義の講師は交代制となっており定まってはいない。クロノス先生が担当することもあれば、大徳寺先生が受け持つこともある。丈たちはまだ一度も受けていないが大徳寺先生の話によれば、外部講師を招くこともあるそうだ。

 一般生徒より長い時間を『授業』に拘束されるのは平均的学生の感性をもっている丈としては嬉しくないのだが、特別な待遇を受けておいて授業だけサボるというわけにはいかない。それに特別講義は全てデュエルに関する内容ばかりなので数学や化学よりはマシだ。

 そしてもう一つのカリキュラム――――これが中々に厄介だ。

 デュエルマシーンというものがある。呼んで地の如くデュエルをするマシーンだ。デュエルではなくチェスだが、機械にゲームをプレイさせる、という事は20世紀の昔から行われていた。

 コンピューターの歴史とコンピューターチェスの歴史は並行しているといってよく、最新のコンピューターが生まれれば最近のコンピューターチェスが生まれていった。

 デュエルマシーンは主に海馬コーポレーションが主導で開発したコンピューターチェスをコンピューターデュエルにしたものである。

 難易度は最上級者、上級者、中級者、凡骨、下級者、馬の骨、雑魚から選ぶことが出来ており、難易度MAXの最上級者はプロにも安定して勝利を収めることができるほどだ。

 この最新式デュエルマシーンが特待生寮には設置されている。その数は合計で五つ。つまり特待生四人につき一人ずつと予備が一つという形だ。

 特待生全員にこのデュエルマシーンの最上級レベルと50回デュエルすることがノルマとして義務づけられてる。50回といってもデュエルマシーンはデュエルする度にデッキを変更してくるので、毎日50通りのデッキと戦うことになる。

 あらゆるデッキに対応できる柔軟さ、数多くのデュエルをこなせる体力的強さ……この二つを鍛えることが目的であると執事の人に説明された。

 

『私のターン、ドロー』

 

 デュエルマシーンがドロー宣言をする。

 現時刻は8時10分。本日のノルマのデュエルマシーンとの50デュエル、その49デュエル目を丈は行っていた。

 

『私は光属性モンスター、ワタポンと闇属性モンスター、クリッターをゲームから除外。カオス・ソルジャー―開闢の使者―を攻撃表示で召喚します』

 

「……また厄介なモンスターを」

 

 デュエルマシーンが世界に四枚しかないカオス・ソルジャーを召喚してきた。デュエルマシーンが使用するカードは本物ではなく、あくまでシステムにインプットされたカードのデータなので、カオス・ソルジャーのような超レアカードでも普通に使用してくる。

 その気になればブルーアイズだって使わせることができるし、もっといえば遊戯デッキや海馬デッキを再現することも可能だ。

 ただし伝説級デュエリストのデッキを十全に使いこなすには優れたタクティクスと選ばれたデュエリストがもつ引きの強さ、二つを兼ね備える必要があるので思考ルーチンが高いだけのデュエルマシーンでは扱いきれないだろう。

 

『バトル! カオス・ソルジャーで相手プレイヤーを直接攻撃』

 

「罠発動! 魔法の筒(マジック・シリンダー)! その攻撃は跳ね返す」

 

 カオス・ソルジャーの攻撃力分のダメージがそのままデュエルマシーンを襲い、ライフをゼロにした。

 

『デュエル終了。私の敗北です』

 

 デュエルマシーンのモニターに『YOU WIN』という文字が出た。先程これが『YOU LOSE』になったばかりだったので小さくガッツポーズをした。

 難易度最上級とはいえ丈もそれなりの技量をもつデュエリストだ。最初の方はそれこそどんなデッキが来ようと連戦連勝でいけた。

 しかし段々と数をこなすにつれて体力が減り、集中力が弱まるにつれてプレイングミスなどを出すようになってしまい……敗北することもあった。48デュエル目が正にそれで、カードを使う順番を間違えてしまい逆転の好機を活かすことが出来なかったのだ。

 普通ならば勝ててたデュエルで負けたのは丈が未熟だったからだろう。このノルマを楽にこなせるようになるにはもっと体力をつけなければならない。

 

「さて……あんまり先延ばしにしてもなんだし、最後の1デュエルといくか」

 

 一度ノルマをこなさずダラダラしていて、深夜眠らずにデュエルする羽目になったことがあるので丈は早めにこれを済ませる癖をつけていた。

 デュエルマシーンのスタートボタンを押すと、マシーンのランプが緑色に点灯する。

 

『デュエルマシーン起動、デュエルを開始します』

 

「最後だからな……残ってる体力を全部叩きつける」

 

 

 

「デュエル!」

 

 

 

 初期手札の五枚を見比べると実に素敵な内容だった。最後のデュエルのために勝利の女神が微笑んでくれたのだと思うくらいに素敵な内容だ。

 この手札ならばいけるだろう。

 

『私の先攻、ドロー。私は終末の騎士を攻撃表示で召喚』

 

 

【終末の騎士】

闇属性 ☆4 戦士族

攻撃力1400

守備力1200

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る事ができる。

 

 

 終末の騎士は闇属性限定の『おろかな埋葬』を内臓したカードだ。攻撃力は1400とリクルーターレベルに届く程度だが、闇属性モンスターにはアンデット族などを代表に墓地で効果を発揮するカードが多い。

 またダーク・アームド・ドラゴンの召喚を助けることも出来るので、闇属性主体のデッキでは必須カードに近いモンスターであるといえるだろう。

 

『終末の騎士のモンスター効果、デッキより甲虫装機ホーネットを墓地へ送る』

 

「出たな……ホーネット」

 

 

【甲虫装機ホーネット】

闇属性 ☆3 昆虫族

攻撃力500

守備力200

1ターンに1度、自分の手札・墓地から「甲虫装機」と名のついた

モンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。

このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、

装備モンスターのレベルは3つ上がり、

攻撃力・守備力はこのカードのそれぞれの数値分アップする。

また、装備カード扱いとして装備されているこのカードを墓地へ送る事で、

フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

 

 

 甲虫装機は丈たちがI2カップで入手したパックに入っていたカテゴリーカードでも群を抜いて極悪だったカードたちだ。

 そしてテーマ全体の鍵であり凶悪性を象徴するモンスターというのがホーネットである。

 ホーネットは装備カードとして装備している時、このカードを墓地へ送りフィールドのカード一枚を破壊する効果がある。そして下級甲虫装機は全て墓地の甲虫装機を装備する効果をもつため、このカードが墓地にあるだけで甲虫装機は1ターンに1度だけフィールドのカードを破壊する効果をもつも同然の状態となるのだ。

 当初デュエルマシーンにこのカテゴリーのデータはなかったのだが、吹雪が面白がってBFなどのデータを入れていたのを見て全員で悪乗りしたため、このマシーンには大会オリジナルパックの最新鋭カードカテゴリーもコンプリートしているのだ。

 

『私はカードを三枚セットし、ターン終了です』

 

「俺のターン、ドロー」

 

 墓地に甲虫装機を送り、カードを三枚伏せ布石は万全。次のターンで一気に攻勢に出る、とでもデュエルマシーンは考えているのだろう。だが、

 

「お前に次のターンは訪れない。このターンで決着をつける。俺は手札より沼地の魔神王を墓地へ送り、融合のカードを手札に加える。さらにE・HEROエアーマンを攻撃表示で召喚! デッキよりE・HEROオーシャンを手札に加える。

 更に魔法カード、融合を発動! 手札のオーシャンとE・HEROプリズマーを融合。現れろ極寒のHERO、E・HEROアブソルートZero」

 

 

【E・HEROアブソルートZero】

水属性 ☆8 族

攻撃力2500

守備力2000

「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する

「E・HERO アブソルートZero」以外の

水属性モンスターの数×500ポイントアップする。

このカードがフィールド上から離れた時、

相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。

 

 

 最強のHEROとの呼び声も高い氷の英雄、アブソルートZero。

 デュエルマシーンは動かない。仮にZeroを除去するカードがあったとしてもZeroを除去しても発動するカードを恐れての事かもしれない。

 もっとも激流葬を発動しようと何をしようと無駄だったが、

 

「速攻魔法発動、マスク・チェンジ! 自分フィールドのHEROを墓地へ送り、同じ属性のM・HEROを特殊召喚する。変身召喚、舞い降りろ! M・HEROアシッド!」

 

 

【M・HEROアシッド】

水属性 ☆8 戦士族

攻撃力2600

守備力2100

このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。

このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊し、

相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。

 

【マスク・チェンジ】

速攻魔法カード

自分フィールド上の「HERO」と名のついた

モンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターを墓地へ送り、

選択したモンスターと同じ属性の「M・HERO」と名のついた

モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。

 

 

 Zeroが変身してマスクを被った英雄、アシッドへとなる。だがZeroからアシッドへ変身させたのは攻撃力をあげるためではない。

 極寒のHEROを変身させる恐怖は別にあるのだ。

 

「墓地へ送られたZeroの効果、相手フィールドのモンスターを全て破壊する。さらにM・HEROアシッドの効果、相手フィールドの魔法・罠を全て破壊する!」

 

 極寒の風がデュエルマシーンの場のモンスターを凍てつかせ、氷結の嵐がリバースカードを氷漬けにする。

 やがて凍りついたカードたちに皹が入り始めると、音もなく砕けて消えた。

 デュエルマシーンは機械である。だから何のリアクションもしなかったが、これが人間なら自分フィールドが一瞬にして焼野原――――いや氷河期になったことに動揺を露わにしていただろう。

 

『リバースカードオープン』

 

 だが海馬コーポレーションの技術力を結集して開発されたマシーンの思考ルーチンとて伊達ではない。

 常人なら絶体絶命の状況下でも完全にしてやられはしない。

 

『M・HEROアシッドの召喚に対して私は奈落の落とし穴を発動します。M・HEROアシッドは破壊され……ゲームより除外されます』

 

 アシッドがフィールドにぽっかりと空いた底なし穴に落ちていく。

 奈落の落とし穴が発動しなければエアーマンとアシッドの攻撃によりライフを一気に削りきれたが、アシッドがいなくなったことによりそれも出来なくなった。

 

「……と思ったか? 魔法カード、ミラクル・フュージョン! 墓地のプリズマーとオーシャンを融合し降臨せよ! 輝く英雄、E・HERO The シャイニング!」

 

 

【E・HERO The シャイニング】

光属性 ☆8 戦士族

攻撃力2600

守備力2100

「E・HERO」と名のついたモンスター+光属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、ゲームから除外されている

自分の「E・HERO」と名のついたモンスターの数×300ポイントアップする。

このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、

ゲームから除外されている自分の「E・HERO」と名のついた

モンスターを2体まで選択し、手札に加える事ができる。

 

 

 フィールドに一筋の光が落ちてくると同時、腕を組んだ純白のHEROがその身を白日に晒す。

 水属性HEROのアブソルートZeroに並び光を象徴するHERO――――シャイニング。

 

「The シャイニングの攻撃力は除外されたE・HERO一体につき300ポイントアップする。除外されたHEROは二体、よってその攻撃力は3200ポイント! バトルだ。エアーマンで相手プレイヤーへダイレクトアタック!」

 

 もしかしたら何か手札誘発を使ってくるかと思ったがデュエルマシーンはなにもしなかった。

 1800のライフが失われ、残るは2200。詰みというものだ。

 

「止めだ。シャイニングで相手プレイヤーを直接攻撃、オプティカル・ストーム!」

 

 シャイニングから放たれた光の旋風がデュエルマシーンに襲い掛かった。

 ピーという音が鳴り画面にまた『YOU WIN』の文字が並ぶ。

 

『デュエル終了。私の敗北です。――――本日のノルマ終了。結果報告50戦46勝4敗、勝率92%。お疲れ様でした』

 

「ふぅ」

 

 デュエルディスクを畳む。一日50回デュエルをするのはやはり疲れる。幾らデュエルをするのが好きでも、だから疲れないということはないのだ。

 だが同時に段々とこのノルマにも慣れてきている。数をこなすうちに体力もついたのだろう。多くのデッキと毎日デュエルをすることで知識もついてきている。

 ノルマを終えた丈はどうやら亮たちはまだデュエル中のようなので先にロビーへ行く。するとそこには先客がいた。

 

「あっ! 丈もノルマを終えたのかい?」

 

 ソファに座っていた藤原が立ち上がる。TVを見ていたようでニュースキャスターが目地押しの新カードについて話していた。

 

「あぁ。そっちはどうだった、勝率?」

 

「91%だよ。……最後で少しミスしちゃってね」

 

「それじゃ今回は俺の勝ちだな。ギリギリ俺の方が1%上だ。――――あ、オレンジジュース貰えます?」

 

「畏まりました」

 

 控えていたメイドさんの一人に頼むとテキパキと動いていく。

 最近身近に執事やメイドさんがいる生活にも慣れてきた。別に丈自身がなにか変ったわけではないのだが、王様や貴族様にでもなった気分である。

 にしてもあのメイドさん、髪の色が銀髪なところに理事長の趣味を感じさせる。ちなみに名前は明弩瑠璃。ファーストネームはまだしも苗字がまんまだ。

 

「そういえば丈」

 

「ん?」

 

 受け取ったオレンジジュースを飲んでいると藤原が神妙な面持ちをして丈を見ていた。

 

「又聞きになるんだけど、丈が三幻神と対になる三邪神のカードを持ってるって。あれ本当なのかい?」

 

「あぁ。別に隠しておくことじゃ……いや隠しておくことだったんだけどもう皆知ってるから白状するけど……。持ってるよ三邪神、あんまり強すぎるし危険性も高いから普段のデュエルじゃ使ってないんだけど」

 

「……見せてくれないか?」

 

「んー。いいよ」

 

 デュエリストなら三幻神に匹敵する超レアカードがあるとなれば、それを見て見たくなるものだろう。

 別に見せたところで減るものでもない。丈は一度席を立つと、自分の部屋から特別なカードケースをもってくる。ペガサス会長から三邪神のついでに渡された特別製のカードケースだ。

 

「ほら」

 

 

【THE DEVILS ERASER】

DIVINE ☆10 GOD

ATK/?

DEF/?

A god who erases another god.

When Eraser is sent to the graveyard,

all cards on the field go with it.

Attack and defense points are 1000 times

the cards on the opponent's field.

 

 

【THE DEVILS DREAD-ROOT】

DIVINE ☆10 GOD

ATK/4000

DEF/4000

Fear dominates the whole field.

Both attack and defense points of all the monsters will halve.

 

 

【THE DEVILS AVATAR】

DIVINE ☆10 GOD

ATK/?

DEF/?

 

 

 藤原の目は三枚のカードに釘づけとなる。それは藤原だけでなく精霊のオネストも同じだった。

 オネストは畏敬と恐怖の入り混じった表情で三邪神を見つめている。

 

「これが……三邪神、テキストは英語なんだね……。邪神ドレッド・ルートに邪神イレイザー、なんて規格外な性能なんだ……。これがデュエルモンスターズの『神』。だけどこの邪神アバターだけはテキストがないけど、これは?」

 

「それは面白い仕掛けがあってね。デュエルディスクにカードを置くとテキストが浮かび上がる仕組みになってるんだよ」

 

「へぇ。凄い仕掛けだね……オネスト?」

 

『マスター、自画自賛になりますが私はそれなりの力をもつ精霊です。ですがこの三邪神は私など到底及ばないほどの力を秘めている。それこそ悪意持つ者が使役すれば世界を壊しかねないほどに』

 

 オネストは神妙に三邪神の強さを口にする。

 デュエルモンスターズの精霊であるオネストには丈や藤原以上に邪神の秘めた力を理解できるのだろう。

 

『しかし貴方の手にある三邪神は……そう、まるで家の中で転寝する子供のように、非常に安らいでいる。丈、貴方はどうやってこの三邪神を担ったんですか?』

 

「正直、三邪神を初めて召喚した時は無我夢中で当時の心境とかはあんまり覚えてない。ただまぁ……強いて言うなら真心?」

 

『真心、ですか』

 

「暴力や憎悪や力なんていうのは結局は゛愛゛に破れるもんさ。邪神だってそうだ。力ずくで従えてもいずれはボロが出る。暴君も力で民衆の不満を抑えつけようとするけど、いずれ立ち上がった誰かに倒される。向けた悪意がそのまま自分に跳ね返ってくるんだ。

 邪神もそうじゃないか? 邪神の力を力で抑えようとすれば邪神も力で返してくる。だったら邪神の力に真心を込めれば、邪神の方も真心を返してくれるかも?」

 

「……凄いね、丈は。普通の人なら邪神をそういう風に思うなんて出来ないよ」

 

「俺だけの力じゃない。三邪神と戦ったあのデュエルだって亮や吹雪がいなきゃ負けてたし、ここでこうしてもいなかっただろうしね」

 

 バンデット・キース、正確にはそこに潜んでいた盗賊王バクラの魂。デュエルをしていてあれほど恐怖を感じたのは初めてだった。自分一人で挑んでいれば確実に心を折られていただろう。

 だからあの勝利は宍戸丈の勝利ではなく、三人の勝利なのだ。

 

「ところで話は変わるがオネスト……『キングは一人、この俺だ!』って言ってくれないか」

 

『は? 何故、なにをいきなり』

 

「頼む。なにか俺の失ってしまった魂が叫ぶんだ」

 

『はぁ。……では――――キングは一人、この俺だ!』

 

「おおおおおおぉおおおおおお!!」

 

「丈? 僕には何がなんだか分からないんだけど」

 

『キングのデュエルは、エンターテインメントでなければならない!』

 

「オネストもさっきから何を言ってるんだ!? あれ、なにか手に赤い痣が……」

 

『凡人共よ、心に刻め!キング・オブ・キングの三歩先を行くデュエルを!』

 

 一時間後。丈とオネストはノルマを終えて戻って来た亮と吹雪に、変な生き物でも見た様なリアクションをされることになる。

 ちなみに藤原が見た赤い痣は単なる目の錯覚だった。




 前回のデュエルでワンキルされた主人公でしたが、今回は逆にワンキルしました。甲虫装機なんて死ねばいいのに。
……とまぁ私怨はさておき、最小限のデュエルで話がサクサク進むためついワンキルしてしまいます。相手には非情、だけど作者には温情、それがワンターンキル。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。