双六で人生を変えられた男   作:晃甫

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 そんな訳で一夏君の好きな人発表。


#8 回想と決意

「だって俺、好きな人いますから」

 

 そう平然と言ってのける一夏。

 そんな彼の発言に対して、周囲はたっぷりと三秒間沈黙した後。

 

『――――っええええぇぇぇぇええっ!!?』

 

 ほとんどの一組女子生徒たちの口から、到底少女のものとは思えない叫び声が轟いた。

 その殆どに含まれる生徒の一人、セシリア・オルコットの顔からは表情というものが消え失せ、こっそりと一夏を狙っていたと思われる少女たちからは驚愕と絶望の色が濃く漂っている。

 質問した張本人、黛薫子も一組の少女たち程ではないにしろ十二分に驚いていた。まさかこんな情報を得ることができるとは思っていなかったというのもあるが、それ以上に一夏に好きな人がいるなど思いもしなかったのだ。

 しかしいつまでも驚きで固まっているわけにはいかないと気を取り直し、未だ周囲には絶望する少女が多い中黛は更に質問を重ねる。

 

「そ、その好きな人とは付き合ってるの?」

「まさか、彼女はいないって言ったじゃないですか」

 

 質問にそう答える一夏は自嘲的な笑みを浮かべていた。

 今更ながら照れくさくなってきたのか、居心地悪そうに頬を掻いている。

 

「その人に想いは伝えないの?」

 

 踏み込みすぎだ、と思われるかもしれないが、そこを思い切って黛は聞いた。新聞部副部長としてこんなネタを逃す手はないと必然シャーペンを握る手にも力が入る。

 そしてそんな質問に対して、一夏は答えた。

 

 

 

「いや、俺一度振られてるんですよ」

 

 

 

 本日二度目の衝撃が一組の女子生徒を襲った。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 一夏とその少女が初めて出会ったのは、一体いつだっただろうか。

 正確な年月までは一夏にも分からない。ただ、気づけばそこに彼女はいて、気づけば一夏は恋というものをしていた。

 始めはただぼんやりと彼女を目で追っていた。その理由もわからないままに、ただ漠然とその少女を視界に収めていた。

 

『貴方が織斑一夏君?』

『はい、そうです』

『よろしく。私は――――』

 

 確かそんな会話をしたのが最初だったのではないかと思う。

 

 一夏は小学生時代とある事件に巻き込まれたことを切っ掛けに、姉の友人であった男性に師事を乞うた。その人物こそが世界初の男性IS操縦者としてその名を知らしめることとなった更識楯無であり、後の師匠となる人だった。

 強くなる。一夏の心にあったのはたったそれだけの誓い。

 守られてばかりじゃ自分は何時まで経っても強くはなれない、自ら行動を起こさなくては。そう考えてたどり着いたのが、更識楯無の下での修行だった。

 基礎体力作りから精神統一、果ては更識の人間以外では教わることは出来ない更識流までもその身に叩き込まれた一夏だが、その修行はひたすらに厳しいもの。たった一人でこの修行に取り組んでいたら、もしかしたら逃げ出していたかもしれなかった。

 

 そんな辛く苦しい修行をこなす事ができたのは、修行をしていたのが一夏一人ではなかったからに他ならない。

 一夏の他に楯無から稽古をつけられていたのは二人。

 彼の妹である更識姫無と簪という少女たちだ。

 

 自分と同年代である少女たちが自分よりも厳しいメニューをしっかりとこなしているのに、自分だけがへこたれているわけにはいかないと必死になって最初の一年は彼女たちに食らいついた。

 その日の稽古が終わると道場で倒れこみ、そのまま眠ってしまうことも少なくなかったが、それでも決して根を上げることはしなかった。

 強くなる、そう決意した自分と、二人の少女たちに負けないために。

 

 稽古を楯無に付けてもらうようになってから約一年して、ようやく一夏は一日のメニューを倒れることなくこなせるようになった。

 平日は学校があるために稽古を付けてもらうのは基本放課後と休日なのだが、楯無が所用でいない時も同じメニューを一夏は欠かさずに続けていった。

 

 一年半が経って、一夏のメニューは姫無や簪たちが行うものと全く同じものになった。

 二年が経って、メニュー量が倍になっても一夏は確りとこなせるようになった。この頃になると姫無や簪との組手も行うようになった。初めは全く歯が立たなかったものの、更識流なるものを楯無から教わるようになった一夏の成長は早く、更識の人間とは良い勝負が出来るまでになっていった。

 

 そして一夏が更識の元で稽古を初めて三度目の春が訪れた頃。

 更識楯無は、一夏の前から忽然と姿を消した。

 

 いつものように更識の家へと出向き、稽古をつけてもらおうと何時も楯無のいる部屋へと向かったが、そこには楯無の姿どころか、衣類などもごっそりと消えていた。

 

 最初は今日は師匠いないのか、などと考えていた一夏だったが、それが一週間、一ヶ月と続いたところで流石におかしいと思い一つ年上の少女、姫無へとそのことを問いかけた。

 

『ああ、兄さんならどこかへ行っちゃったわ』

『どこか?』

『ええ、何か事情があったみたいだけど私や簪ちゃんにもその事は話してくれなかった』

 

 ああでも、と姫無は続けて。

 

『心配しなくても大丈夫よ。兄さんのことだからまた帰ってくるだろうし』

 

 そこまで言って、姫無はニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた。

 

『一夏君の稽古は代わりに私がつけてあげるから』

 

 一夏とたった一つしか年の違わない姫無だったが、その実力は段違いのものだった。

 兄である形無がいなければ、彼女が楯無を継いでいただろうと更識の人間が納得するほどに。

 

『いい一夏君。兄さんは更識流のことを貴方に教えたわ。それはつまり、貴方を信用してるってことなのよ』

『信用……?』

『更識流は門外不出。幾ら千冬さんの弟だからって、普通なら絶対に教えることはしないわ』

 

 一日の稽古を終えて道場の掃除を三人でしている際、唐突に姫無はそう口を開いた。

 

『だから、一夏君』

 

 動かしていた手を止めて、姫無は一夏へと顔を向けた。その表情はいつになく真剣なものだった。

 

『兄さんの期待に、きちんと応えてね』

 

 そう言って、彼女は微笑んだ。

 この時、姫無中学二年生、一夏と簪は中学一年生。

 そしてこの時、初めて一夏は他人の笑顔が美しいと思ったのだ。

 

『うらあっ!!』

『甘いわよ一夏君。――――更識流、(すみれ )

『うわあッ!?』

『ダメよ一夏君、牡丹はもっと腰の回転を加えないと。軸がブレると今みたいに簡単に投げられちゃうわよ?』

『くっそ……、この前簪にやられたのはそういうことか』

『あら、簪ちゃんにも?』

『今の姫無さんと全く同じようにやれれましたよ……』

『そんなんじゃ奥義の修得はまだまだ先になりそうねー』

 

 道場に大の字で倒れ込んでいる一夏に手を差し伸べながら、姫無は人の悪い笑みを浮かべる。そんな彼女の手を若干頬を赤らめながら取った一夏は起き上がり、再び稽古が再会された。

 この頃になってくると男女の体格差というのは顕著になってくる。簪はまだそれほどでもないが(以前簪にそれとなく言った一夏の頬に見事な手形が付いた)、姫無はそれなりな体型になりつつあった。膨らみだした胸や腰周りなど女性の中でも秀でており、それが視界に入るたびに、一夏は気まずそうに視線を逸らす。所謂、思春期というやつだった。

 組手をする度にはだける胸元が気になってしまい、この頃の一夏は姫無に全く適わなかった。いや、実力的にも当然ではあったのだが。

 

 そんな一夏も、更識での稽古が四年目を迎える頃には体つきも逞しくなり、更識流も徐々に使いこなせるようになってきた。

 

『ふッ!!』

『っ、甘いわよ!』

『まだまだぁ! 更識流、木蓮( もくれん)!!』

『更識流、蒲公英!!』

 

 ガンッ!! と一夏の膝と姫無の手刀がぶつかり合う。一夏の膝は姫無の腹部を、姫無の手刀は一夏の胸部を寸でのところで捉えきれていなかった。互いに瞬間的に腕や足で防御したからだ。

 数秒間そのまま膠着していた二人は、同時にバックステップで距離を取った。

 

『……やるじゃない。おねーさんちょーっと危なかったかな』

『あー……、ようやく一発返せると思ったんだけどなぁ』

『でも格段に良くなってるわよ。おねーさん嬉しいわ』

 

 そう言って姫無は一夏の頭を撫でる。

 一夏よりも身長の低い姫無は若干背伸びしながら一夏の頭を撫で続け、そんな彼女に一夏は。

 

『や、やめてくださいよ子供じゃないんだから』

『んー? おねーさんからしたら一夏君なんてまだまだ子供よぉ』

 

 ドギマギしながらそう言い返す事しか出来ず、それさえも姫無に言いくるめられてしまっては、最早どうすることも出来なかった。

 この辺りから、一夏は姫無への想いを薄々自覚するようになっていった。

 稽古に真面目に取り組みながらも、時折姫無の方へと視線が向いてしまう。ダメだ、集中できていない。そう内心で自分を戒め再び一夏は鍛錬へと向かうが、どうにも没頭しきれていない自分がいることにやり場のない想いを抱えていた。

 

 そんな相談を受けたのは、一夏や姫無と同様に修行に励んでいた少女、更識簪だ。

 一日の稽古が終わって縁側で水分を補給していた一夏の隣にやって来た簪は、そのままちょこんと腰を下ろした。

 

『……どうしたの?』

『どうしたって、何が?』

『何だか最近、稽古に身が入ってないような気がする……』

『うっ……、鋭いな』

『一夏君のことなんて、何でもお見通し……』

『お前エスパーか何か?』

 

 横でそう言う簪は、少しだけ得意気にその胸を張った。

 そんな彼女を見て、一夏は一言。

 

『簪、お前全然成長しないな』

『どこを見て言った? 身長か? 胸か?』

『いやそりゃあ……』

『胸だな? 胸なんだな? よし、殺す』

 

 笑顔で額に青筋を浮かべてギリギリと拳を握る本来小動物系である筈の少女は、今に限っては般若を後ろに携える鬼と化していた。

 これ以上はいけない。本能の部分で察知した一夏はその場で綺麗な土下座を決めて簪に許しを乞うた。

 

『全く……、まだ中学一年なんだから、これから成長するもん……』

 

 自分の胸に両手を当てて俯きがちにそう零す簪。

 

 ――――何この生き物超可愛い。

 

 この時の一夏の紛れもない本心だった。

 抱きしめたくなるような衝動に駆られながらも、彼女の心配してくれている気持ちを不意にする訳にはいかない。一夏は必死に己を自制し、最近の自身の心境を包み隠さず簪へと吐き出した。話している最中、彼女は口を挟むことなく、ただ耳を傾けていた。

 が、その話を聞くにつれて、徐々に簪の蟀谷の辺りが引きつっていくことに一夏は気づかなかった。

 そして話し終わって、簪は実の兄のような大きな溜息を吐き出した。

 

『……はあぁぁああああ、』

『な、なんだよ。そんな師匠みたいな溜息ついて』

『一夏君……、自分の気持ちにまで鈍感とかそれもう重症とかのレベルじゃない……』

 

 ここまで言っているにも関わらず未だに自身の気持ちに整理がつかない一夏に代わって、簪は口を開いた。

 これまで一夏自身全く無関係だと思っていた、その気持ちの名前を。

 

『その気持ちはね……、恋ってやつだよ』

 

 その言葉を受けて、一夏は数秒間硬直。そしてその硬直が解けると、

 

『……ッ、恋ィィいいいいッ!?』

 

 素っ頓狂な声と共に大きく後ずさった。

 

『な、ななな! 何で俺が恋なんか! 大体そんなの!!』

『だって、お姉ちゃんを見ると、ドキドキするんでしょう? 一緒にいると楽しいと思うんでしょう? だったら、それはもう恋……』

『で、でも……俺が姫無さんを……? 何で……』

『好きになる理由なんて、きっと無い……。人は知らないうちに人を好きになって、一緒にいたいと思うようになるんだってお兄ちゃんが言ってた』

 

 そこまで言われて、一夏は顔を赤くして俯いた。手で口元を抑えて隠しているが、簪からすればゆでダコのように真っ赤なのはすぐに分かった。

 

 この時、一夏はこれまでの事を思い出していた。

 一夏が強くなると決意し、更識の門を叩いたあの日。初めて出会ったのが、彼女だった。まだぎこちなくそわそわしていた一夏に、門の向こうから出てきた少女は優しく問いかける。

 

 ――――貴方が織斑一夏君?

 ――――は、はい。そうです。

 ――――ふふ、そんなに緊張しないで大丈夫よ。

 

 ――――私は更識姫無、よろしくね。

 

 ああ、そうか。

 一夏の内心で、何かつっかえている物が取れたような気がした。これまでモヤモヤと溜まっていたものが全て落ちたような気がした。

 道場で見る凛々しい姿も。

 居間で見る家庭的な姿も。

 学校で見かける優等生な姿も。

 

 織斑一夏は、そんな彼女の全部を引っ括めて、――――恋をしているんだと。

 

『……ありがとう、簪』

『え……?』

『お前のお陰で、自分の気持ちに気がついた』

『……よかったね。でも、いいの?』

『何が?』

 

 小首を傾げる一夏に、簪は告げる。

 

『お姉ちゃんは今年受験生。来年には、IS学園の寮に入るから暫く会えない』

『あ……、』

 

 すっかり忘れていたらしい一夏は簪の一言で思い出した。

 姫無は今中学三年生。受験生真っ只中である。彼女は兄の進路を辿ってIS学園への入学を希望しており、このまま行けば適正値の高さも相まって順調にIS学園へと進学することになるだろう。それが本人の希望なのだから、一夏が何かを言う資格はない。

 しかし、そうなるとこの更識の家から離れねばならなくなってしまう。

 IS学園は全寮制。しかも滅多なことでは外出許可は下りない厳しい規則がある。このままでは一夏が姫無と会えるのは年に一度あるかないか。

 それは一夏にとっては耐え難いものだった。

 頻繁に連絡を取り合うことくらいは出来なくもないが、彼氏でもなんでもない自分がそうするのはおかしいと一夏は項垂れる。

 

『……一夏君』

『何だ……?』

『私に一つ、名案がある』

 

 ズビシッ! と人差し指を立てて一夏へと見せる簪。

 そんな彼女を見つめる一夏は素性に『?』を浮かべていたが、そんなことはお構いなしに彼女は言った。

 

『お姉ちゃんがIS学園に入学するまでに、告白しちゃえばいい』

 

 一夏へと核爆弾が投下された。

 

 

 

 ◆◆

 

 

 

「そそそ、それで!? 一夏君を振った相手っていうのは誰なの!?」

 

 興奮気味にペンを走らせる黛に、一夏は苦笑しながら答えた。

 

「それは言えませんよ。俺とその人との秘密ですから」

「えー!? いいじゃないこの際なんだから!! クラスの皆も知りたがってるわよ!!」

 

 新聞部副部長としてはこんな貴重なネタを逃してなるものかと必死に食い下がる。

 一夏の周囲に居る女子生徒たちも気になって仕方がないらしく詰め寄ってきそうな勢いだが、一夏としてはこれ以上この話題を続ける気はなかった。

 隣で灰になりつつあるセシリアのことは一先ず置いておいて、一夏はゴホンと咳払いしてから口を開く。

 

「俺の話はこれでおしまいです。セシリアにも聞きたい事があったんでしょう? そっちを優先させてくださいよ」

「えぇ? でもそのセシリアちゃんは横で燃え尽きてるんだけど」

「なんとかしてやってください」

「いや多分こうさせたのは織斑君だよ」

 

 はあ、と一息零して黛は一夏へのこれ以上の追求を諦めた。

 これ以上はプライベートなことであるし、本人たちの関係にとやかく言う気はない。ただ、一人の少女としては一夏の恋愛事情はひどく気になるものではあったが。

 

「しょうがないね。じゃあ気を取り直して次はセシリアちゃんへの質問といこうか」

 

 先ずは彼女を復活させねば、ということで奮起した彼女たちの努力が実を結んだのはそれから十分後のことだった。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

「へー、一夏に好きな奴なんかいたのか」

 

 オレンジジュースを飲みながら、俺は向こうのテーブルで盛り上がっていた話題のことを思い返していた。

 一夏に好きな人か。うん、高校生なんだから別段普通のことだろう。俺だって千冬や束と付き合ったり関係を持ったりしたのはこのIS学園に居た頃だったしな。

 しかし一夏を惚れさせるなんてどんな女の子なんだろうか。あの鈍感野郎を振り向かせるなんてきっと凄い気立てが良くて綺麗な子なんだろう。そうでなきゃ一夏が惚れるなんて有り得ない。何せ原作じゃ箒に鈴、セシリアにシャルロットにラウラと完璧なハーレムを作り上げておきながら誰にも靡かなかったのだから。

 

「ふふ、いいですねぇ。青春って感じで」

「何だよ真耶。混ざりたいのか?」

「いえ、そういうわけじゃないですけど」

 

 まぁ確かに俺たちの青春と言われては生徒会時代のことしか思い出せないしな。

 特に真耶は生徒会長を経験しているから、色々思うところもあるのだろう。

 

「……私も、織斑先輩たちに混ざりたかったかなぁ、なんて」

 

 ボソッと真耶が零した言葉は、一夏たちの大声で聞き取る事は出来なかった。

 

 ふむ、でもどうしような。

 もしも万が一無いとは思うが一夏の好きな女の子が姫無や簪だった場合。

 …………俺は自分を抑えきれる自信がないんだが、七割殺しくらいで勘弁してやろうか。まぁ、ないとは思うけど。

 

 

 

 ◆◆◆◆

 

 

 

 ようやく質問地獄から解放された一夏は背もたれに背を預け、天を仰いだ。

 瞳を閉じれば、鮮明に思い出される。恐らくは今まで生きてきた中で最も勇気を振り絞った、あの日の事が。

 そして、それに対する彼女の返答も。

 

『ありがとう。一夏君の気持ちは、凄く嬉しい……』

 

 ――――でも、ごめんね。

 

『私を振り向かせたかったら、先ずは兄さんより強くなって見せて。じゃなきゃ、私を守れないわよ?』

 

「くそ……、言ってくれるよなぁ……」

 

 姫無の兄、即ち更識楯無よりも強くなれ。それはつまり、世界で最強になれということと同義だ。無理難題にも程がある。

 だが、一夏の瞳に諦めの色は一切無かった。

 

「やってやるさ……、惚れた女一人守れなきゃ、男として失格だ」

 

 強くなる。あの日決意した一夏の心に、新たな決意が加えられる。

 強くなる。

 

 ――――惚れた女を守れるようになる為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 次回ようやく酢豚登場。
 
 出来レースである一夏争奪戦が始まる!!

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