どうも、遠藤凍です。
今回はセイバーのチョロイン(?)化についてです。
では、どうぞお楽しみ下さい。
「セイバー、話をしよう」
セイバー召喚から少したった頃。俺は昼食中のセイバーとちゃぶ台を挟んで、座って向き合う。
議題はもちろん、セイバーのことだ。
読者のみんなはお気づきだろうが、このセイバー、どこかおかしい。いくらあの伝説のアーサー王がいくら女であろうが、出会って少しもしてない男の言葉に慌てたり、頬を赤らめたりするだろうか?
いや、断じてないだろう。いくらなんでもあのチョロインっぷりはなさすぎる。
そしてあの暴食っぷり、いくら美味くても、あれは特におかしい!!
*あれはいずれそうなる運命です。
そこで俺は色々と考えた、キャラ崩壊を起こせる人物に心当たりがあるが、セイバーと会ってもいないはずので却下。
分かったのは、俺にあるものが原因で起こったキャラ崩壊だ。つか、それしかない。
とりあえず、その原因の確証を得るため、俺はセイバーと話をする。
「………ふぁい、ふぁんふぇふふぁ?(はい、なんですか?)」
「………食うか話すかどっちにしろ」
「………モグモグ」
「いや、普通そこは食べるのをやめるところだからな?」
………ヤバい、令呪使って自害させて楽になりてぇ(主に金銭的に)自分がいるが、参加すると言った以上、な?
………そろそろ胃薬でも用意しようかな?
「モグモグ…………………ゴクンッ……で、なんでしょうか?」
いや、そこでキリッとしても意味ないからな?
「……お前は本当にアーサー王か?」
「ええ、その通りですがなにか?」
「いや……じゃあ質問を変えよう。………お前は元々そういう性格か?」
「いいえ、生前の性格とはかけ離れてますね……」
「………自覚はしてんだな……じゃあ、いつから変わった?」
「呼ばれて暫く経ってからでしょうか?前の私なら初対面のあなたにからかわれても、あんなに動じることがなかったはずです」
「………なんか心当たりは?」
「……あるにはありますね」
「教えてくれないか?」
「………分かりました。………召喚の際に強力な負の力をエイジから感じ取りました。やがて、エイジと契約を完了した時から繋げている魔力パスに魔力以外の何かがほんの少しずつですが、漏れ出しているように今も私の中に流れてきているのです。恐らくそれが原因かと………」
「………うん、これ、俺の所為だわ。
多分、召喚時にやったあれが原因だな絶対。
実はあの日、少しでも魔力量を高め、強力なサーヴァントを呼ぼうとした俺はあれの力を最大限に使ってしまってな………。
『
いわゆる特殊体質ってやつかは知らんが持っていたもので、効果は、あらゆる負を吸収して己の糧にするという能力。
一見有能に見えるが、かなり欠点がある。
1:負を吸収するので、自分の負の感情の面が強く出てきて、発狂する。
2:痛みも負に入るので、痛みが伴い、発狂する。
3:あくまで俺の糧なので、そのまま俺以外に流すと発狂する。
4:しかし、吸収したものから純粋な魔力は生産できるが、吸収した分の四、五割程度。
5:あと、吸収範囲は選べるが、無差別に吸収するので、たくさんの人の1・2が押し寄せてきて、発狂する。
とまあ、デメリットが発狂ばかりなのだが、生憎慣れてしまったので、今はなんとも思っていない。
発狂していた時期が懐かしい………。
っと、話を戻すが、この負の糧は俺以外に流れると発狂する恐れがあったから純粋な魔力だけを流したんだが……どうやら発狂しない程度で少しずつ漏れて、流れたせいでお前がおかしくなったようだ…………本当にすまん。許してくれとは言わないが……頼む」
「……頭を上げてください、エイジ。……私は後悔はしていません。例え過去の私がどうあれ、喚ばれて答えたのは何より私自身ですので………。それに………」
「それに………?」
「偶然が重なったからこそ、私はこうしてあなたと出会えたのです。……寧ろ感謝したいですね」
「……かん、しゃだと………?」
「目的のサーヴァントでない私を、自害させずに受け入れてくれた、それだけでも感謝しきれないことなのです」
「………セイバー」
女神だ!俺の前に女神がいるぞ!
おいそこ!「さっき自害させるつもりだった癖に」とか言うな!
「……すまんな」
こんな温かい言葉、いつぶりだろうな………。こんなのもたまには、悪くないな。ったく………泣かせてくれるじゃねえか。
キャラ崩壊がいい方向に進んだのかな?
「………エイジ」
「………なんだ?」
「………ではそう思うならお代わりを」
「それとこれとは話は別だ」
「………ふふっ、冗談です」
いや、目がマジだったぞ?
「さっきの感動返せよ………」
少し変わった主従による聖杯戦争が、もうすぐ始まる。
いかがでしたか?
無理矢理感があるとは思いますが、そこは私の力不足をお許しください。
やっと出せた永時の能力。
『罪被りし偽善遣い』
チート臭いですが、デメリットがほぼ発狂と、自身を“悪”と名乗る永時にピッタリな能力です。
これにより漏れてしまった負が、セイバーに不本意に流れてしまい、発狂とはいかなくても、キャラ崩壊に繋がったということです。
今回のことでセイバーは、
1:正の感情の耐性が低くなった。(特にエイジ)
2:負が入ったことにより、感情が豊かになった。
3:負の部分が出やすくなった。
4:真面目すぎて純粋になった。(最初の勘違いもそこから)
5:乙女力が少し上がった。
といったところでしょうかね。
応援、よろしくお願いします。では、また次回。