Fate/Evil   作:遠藤凍

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〜Z淑女さんのコメント〜

「はぁい♡読者の皆様、それと淑女=マモン様と思ってたお馬鹿様もおはこんばんは。皆のアイドル、絶望淑女ことゼツちゃんでーす♪……えっ?お呼びでない?いやいや、皆様はご冗談がお上手なようで……コホン。では本題に入らせていただきます。
今回は番外編ということでまあ多少矛盾とかこいつ誰だよ!?的なキャラが登場するやもしれませんがご了承ください。
しかし……ルシファー様よりも先にあらすじ進出させてもらいましたが……本当に良かったのでしょうか?

……それにしてもいいですねえ、クリスマスというものは。イチャイチャするカップルに憤怒と渇望、そして絶望の眼差しを送る哀れな方々を見るのは楽しいもので、こんなに素敵な日はそうそうございませんよ!
少し前はルシファー様の絶望を見て楽しんでおりましたがあの方はもはや恋する乙女。あれはあれで中々そそるものがありますが、やはり人々の絶望が一番の格好品ですねぇ。

……えっ?そろそろ本編を始めろ?んもう、皆様はせっかちなのですね。せっかちな人は異性どころか、同性にも嫌われますよ?

……では、番外編。是非ご覧ください。見ないと……呪っちゃうぞ♪




……ふむ。その蔑むような『無理すんなBBA』とでも言いたそうな眼差し……悪くない!いいぞ、もっとやりなさい!」


日本在住ねるふぇちゃん

「ん〜♪このケーキ美味しいね!流石、ブブが作っただけのことはあるよね〜♪」

「……こんなところに理想郷があったのか!?」

「(ブリテンの料理って、どれだけマズかったんだろう……?)」

 

 

 

クリスマス。今セイバーとアスモの2人がワイワイしている姿(去年の参照)を見て、俺は少し思い出すところがある。

 

それは今から数年前、まだネルフェと親子関係になってあまり経っておらず、初めてのクリスマスを迎えた頃のことだったか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数年前、拠点であるラボにて〜

 

 

突然だが皆さんはサンタの存在を信じていますか?

生憎だが俺はそういう記憶がないから定かではないがサンタを信じてなかった覚えはある。

つまり何が言いたいかと言うと……

 

 

「お父様お母様、サンタさんは今年も来るのでしょうか?」

「えっ……?」

「何?」

 

 

ブブ……ベルゼブブが送ってくれたクリスマスケーキを食べてた時にウチの娘(ネルフェ)がそう言い出してな。まあ俺はこの子がそんなこと言い出すとは思わず、柄にもなく動揺した。ほら見ろ、さっきまで寝てたベルフェでさえ飛び起きてるぞ。

 

 

「どうしてそんなことを?」

「アリスさんから聞いたんです。いい子にしていれば、人でも悪魔でもサンタさんという方がプレゼントを配りに来てくれるって……」

「ああ、そうらしいな」

 

 

そう、この子はサンタさんを信じている子らしい。マジ純粋(ピュア)である。てかアリスは娘に何吹き込んでんだ。

残念ながら俺はこの子とまだ親子関係がまだ浅いため、完全には理解していないところがあり、これがまさにそれに当てはまる。

 

 

「(おいベルフェ……どういうことだ?)」

「(ええっとね〜……)」

「(それについては私から説明しましょう)」

「「(アリス……!?)」」

 

 

とりあえずいきなり現れたアリスの言うことを要約するとこうなる。

 

 

ネ:お母様!クリスマスって何ですか!?

べ:クリスマス?ああ〜!確か、キリスト君の生誕をお祝いする日だよ〜!

ア:あと、サンタさんなる存在が良い子にプレゼントを配るらしいですよ?

ネ:サンタさん?

ア:はい、サンタというものはですね…(説明中)……だ、そうです。

ネ:サンタさんですか……楽しみですねお母様!

べ:う、うん。そうだね……

 

 

 

「(……と、いうわけです)」

「(なるほど。ネルフェはサンタの存在をすっかり信じ込み、だけどあの子にサンタさんが実在しないと言えなくなり、今に至ると?)」

「(うん……)」

「(毎年プレゼントはどうしたんだよ?)」

「(ネルフェ様にプレゼントの要望を手紙として書いて貰い、私が買い出しに行ってネルフェ様が寝静まった頃にベルフェ様が能力でチョイチョイっと……)」

「(確かにお前の能力なら部屋に入らずともプレゼントを置くこともできるか……)」

 

 

とまあ訳を聞いてみたわけだが……実に簡単に答えは出た。

 

 

「(何なら俺が言ってやろうか?サンタは存在しないって)」

「(ダメだよ永くん!)」

「(何でだよ?)」

「(あの子を見てそんなこと言える!?)」

 

 

言われるがまま、俺はチラリとネルフェを見てみる。

 

 

「〜♪サンタさん、今年は来るかな〜?」

 

 

そこにはすごく楽しみにしている天使がいました。

 

 

「(……まあ関係ないが)」

「(何でェ!?)」

「(しかしな……夢見るのもいいが、いつかは現実を知らねばならぬ時が来るんだ。だったら今言った方があの子のためだろうが)」

「(……いくら永くんでもそれは許さないよ?子供である今だからこそ夢を見させてあげないといけないと思うよ!)」

「(甘やかすのは将来的にはあまり良くないと思うが?)」

「(あくまで意見を変えるつもりはないんだね?)」

「(……ああ)」

「(……よろしい。ならば戦争だよ永くん)」

「(…いいだろう)」

 

 

ベルフェの顔が普段の怠けた表情でなく、久々に見る魔王の表情へと変わる。

 

 

「……ネルフェちゃん」

「お母様?」

「少し、永くんとお話(物理)してくるね?」

「お父様とお話、ですか?」

「うん。だからネルフェちゃんは引き続きクリスマスを楽しんでね?」

「はい!いってらっしゃい!」

「「いってきま〜す(いってくる)」」

「アリスはあの子の側にいてやれ」

「分かりました。では、いってらっしゃいませ」

 

 

2人に見送られると俺たちはベルフェが出した黒い波紋のような空間に入り込んだ。

 

 

「そう言えばアリスさん。今年は魔王の方以外のお客様が来ることがあるのですか?」

「いえ、そのような予定はありませんが……?」

「サンタさんは毎年どうやって私の部屋まで来れるのでしょうか?」

「それはサンタさんだからだと思います」

「サンタさんだから?」

「はい。一夜で皆様のプレゼントをお配りするような方なのですよ?ネルフェ様の部屋に行くぐらい朝飯前なのでしょう」

「なるほど!納得しました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃実戦ルームでは……

 

 

「アハハハハハ!!いいね永くん!前より腕上げたね〜!!」

「そっちこそ!前より射撃の腕上げたな!」

「よし!次で決めてあげるね!」

「ハッ!来いよ!」

「いくy「とりあえず邪魔だから失せてもらおうか」ーーーにょや!?」

「何!?敵襲k「聖夜に沈め」ーーーたわらば!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや?」

「ん?どうされましたか?」

「いえ……(結果は相打ちですか。珍しいこともあるのですね……)少し所用が出来ましたので暫く席を外しますね?」

「はい!いってらっしゃい!」

 

 

そう言ってアリスも部屋から出て行き、ネルフェは1人、部屋に取り残されることになる。

とりあえず暇になったネルフェは出されているケーキを食べて、両親を待つことにした。

 

 

「ん〜♪このケーキ美味しい!」

「ーーーほう?では私も頂こうか?」

「あっ、どうぞーーーって、誰ですか!?」

 

 

なんかいつの間にかネルフェの隣で座り、ケーキをモグモグ食ってる白い袋を掲げた黒い服の如何にも怪しい金髪の女が呑気にケーキを食っていた。

 

 

「ほう、このしつこくない甘さのクリームにふんわりとしたスポンジ……及第点と言ったところか。悪くない」

「はあそうですかーーーって、だからどちら様!?」

 

 

ネルフェの叫びでようやく気づいたか、黒い女はケーキを食す手を止める。

 

 

「私か?見て分からんか?」

 

 

そう言われ、ネルフェはじっと見て観察する。

 

白のトリミングのある黒をベースとした服に黒のナイトキャップ(?)そして、黒のミニスカートで締まりの良く、一種の芸術品のような黒タイツに包まれた脚が美しく見えている。

そして彼女が掲げる白い袋を見た後、ネルフェの中である結論が浮び出た。

 

 

「もしかして……サンタさんですか?」

「如何にも。私はサンタオルタ。息凍る真冬を切り裂く、悪のサンタクロースだ」

「嘘!?本物のサンタさんですか!?」

 

 

悪の、とか何とか聞こえた気がしたが子供のご都合主義により記憶の片隅にと追いやられた。

年頃の子供のようにはしゃぐネルフェを見て、サンタオルタさんとやらは満更でもない笑みを浮かべた。

 

 

「プレゼントも貰ってもないのに喜ぶか、やはりチビッ子というのはこうでなくてはな」

 

 

それに比べあいつらは……とブツブツ文句を言いだすサンタさん。

それを見てネルフェはサンタさんも大変なんですねと心配した。しかし、ふとある疑問が浮かんだ。

 

 

「ところでサンタさん。どうやってウチに入ったのですか?」

 

 

アリスに聞いたところによるとサンタさんはエントツから入ると聞いた。しかしウチにはそれがないため、毎年どうやって入ってるんだろう?と疑問に思っていたのだ。

 

 

「無論決まっておるだろう?エントツから入った」

「いえ、ウチにはエントツはn「エントツから入った。いいな?」はい……。ところでですが罠とかの類があったはずですけど……どうしたんですか?」

 

 

そう、この家……というよりこのラボは侵入者に特に厳しく、殺害前提の罠が大量に仕掛けてあることをネルフェは知っていたが故に尋ねた。

するとサンタさんはあっけらんとした顔でこう答えた。

 

 

「サンタたるもの、あの程度の玩具で止めれる訳無かろう。まあ道中夫婦喧嘩らしきことをしている大人がいたから叩き潰しておいたが……」

 

 

そう言うと掲げていた白い袋を逆さに持ち、中から何かが飛び出てくる。そしてその飛び出したものを見てネルフェは目を見開いた。

 

 

「お父様!お母様!?」

 

 

それは目を回して仲良く倒れている両親の姿であった。しかも何故か2人ともサンタさんと同じ黒のサンタの格好してだ。

 

 

「安心しろ、ちゃんと峰打ちにしてあるから死にはしない」

「はあ……」

 

 

よく見たところ特にこうといった外傷はないため、安心した。

するとサンタさんは何かを思い出したかのように手をポンッと叩いた。

 

 

「ところで本題に入るが、今回『お願いサンタさんレター』を出した日本在住のねるふぇちゃんだな?」

「え……?確かにサンタさんへのお手紙は出しましたけど……」

 

 

確かに手紙を出したのは記憶にあるが、そんな名前だったっけ?と記憶を辿っていく。

しかしそれでサンタさんが来てくれたのだ。特に気にすることないだろうと疑問を記憶の片隅へとしまい込んだ。

 

 

「……そうか、なら間違いないな。では手紙をくれたチビッ子にプレゼントをやろう」

「おお〜!」

 

 

そう言ってサンタさんは袋の中に手を突っ込んで中身を探り、ある物を取り出してネルフェに手渡した。

 

 

「これは……?」

「サンタコスチュームだ。確かプレゼントは親子仲良く出来るようなものを欲していた覚えがあったからな」

「サンタさんって服まで用意して下さるんですね」

 

 

手渡されたのはサイズ以外がサンタさんと同じサンタコスチュームだった。

 

 

「なるほど、ペアルックってやつですね!」

「そういうことだ。本来なら手紙を出してない者にはプレゼントをやらんが内容も内容だ。特別に両親にもやっておいた」

 

 

だからお二人の姿がサンタさんと同じ格好なのですねと1人納得した。

そして、早速貰ったそれに着替えてみると流石は自称悪の娘か、それとも美少女だからかサンタコスがとても似合っていた。

 

 

「うむ。よく似合っているぞ」

「ありがとうございますサンタさん!」

「礼には及ばん、それがサンタだからな。……さて、トナカイを待たせてあるのでな。私はそろそろ撤退させて貰うぞ」

「もう、行ってしまうんですか?」

「生憎と私のプレゼントを待つチビッ子がまだまだいるのでな」

「そう、ですか。少し残念です……あっ、そうだ!」

 

 

何か閃いたのかネルフェはパタパタとケーキの元へと走っていき、

 

 

「どうぞサンタさん。私からのクリスマスプレゼントです!トナカイさんと一緒に食べて下さい!」

 

 

そう言って切り分けた3分の1ホール分のケーキとフォークを箱に詰めてサンタさんに手渡した。

まさか逆にプレゼントを貰えると思わず、暫く固まるサンタさん。

 

 

「まさかサンタさんである私がプレゼントを貰うと思わなかったがここで受け取らないのはダメな大人がすることだ。よって、ありがたく受け取ってやろう」

 

 

とまあ言い訳っぽいものを言っているような気がするがそこはサンタさん。ネルフェの意思をちゃんと汲み取って素直に受け取ってくれた。

 

 

「ではな、ねるふぇちゃん。これを着て両親との仲を深めるがよい」

「はい!ありがとうございましたサンタさん!」

 

 

ぺこりと頭を下げるネルフェに背を向けてサンタさんは部屋から出て行った。

 

 

「ネルフェ様、マスター知りませんkーーーあっ、こんなところにいたのですね」

 

 

そして入れ違うように部屋に入室してきたアリスは皆がサンタさんの格好をしていることに疑問に思ったがその前にニコニコ顔のネルフェの方が気になり尋ねてみた。

 

 

「(何故黒いサンタ?)……ネルフェ様、何かいいことでもありましたか?」

「……ふふっ、内緒です♪」

「……?内緒なら仕方ありませんね。では、マスター達を起こしてクリスマスの続きをしましょうか」

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたなトナカイ。では次のチビッ子の家に進軍するーーーと言いたいが頑張る私達にチビッ子からのプレゼントだ。フッ、驚いたか?まさかサンタがプレゼントを貰えると思わなかったが、プレゼントを貰えるのはクリスマスの醍醐味。ありがたく頂くとしよう」

「ーーー!?」

「どうだ?美味いだろう?さっきも味見がたら試食してみたが、このケーキの作り主は余程の腕とみた。将来いいお嫁さんとなるだろうな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーークチュン!」

「ん?どうしたのじゃ?ブブよ。まさか風邪でもひいたか?」

「問題、皆無。(さっ)ちゃん、仕事、再開」

「大丈夫ならそれでよいが……無理するでないぞ?」

「了解。調理、再開」

「うむ。今回は何を作るつもりじゃ?」

「七面鳥、ローストターキー」

「おお、美味そうじゃのう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーあ、ありのまま前に起こったことを話すぞ。『俺はいつの間にか寝ていて、気が付いたらサンタになってた』何を言ってるか分からねえと思うが(ry

 

 

 

 

〜永時錯乱中〜

 

 

 

 

失礼。……話は戻るが、そんな訳で俺はそんな奇妙なクリスマスを経験した訳だ。何故かラボの一部が潰されており翌日俺とアリスで修復する羽目になったがまあネルフェが終始ニコニコしていたし良かったとしよう。

 

 

「エイジ〜!早くしないとケーキがなくなっちゃうよ!」

「ああ分かった」

 

 

 

 

 

とりあえずは今やってるクリスマスを楽しむとしようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談だが何故か1人だけサンタコスでなかったアリスが凹み出したため、後に自称良妻ストーカー魔王に製作を頼み、そのせいで俺の貞操が危なかったのはいつものことなので言う必要もないかもしれんが一応言っておこう。

 

 

 

 

 

では、皆さん。悪であるこの俺からささやかながらお祝いさせてもらおう。

 

メリークリスマス。今年も良い1日を過ごせることを切に願おう。

 

 

 




またやってしまった遠藤凍でございます。
サンタオルタさんを見ていてなんか閃いて書いてみました。

…えっ?ちゃっちゃと本編やれ?ポルナレフ?まあいいじゃないですか少し落ち着いt……おや?誰か来たようだ。

メリークリスマス!今年も良き1日をお過ごしください。









あれ?どうもビギnーーーうわっ!?ちょっと何する(ry

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