魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮) 作:カボチャ自動販売機
その場合、今話か次話が九校戦中の最終話ということになりそうです。
ではまた後書きで。
「本当にごめんなさい!」
「誠に申し訳ございませんでした!」
中学生と思われる女の子二人に土下座されている男子高校生がいた。というかぼくだった。
「いや、うん、取り合えず頭上げて。女の子に土下座させるのは気が引けるしさ」
謎の女の子二人組に首を絞められ気絶させられたぼくは医務室にて目覚めた。すると女の子にいきなり土下座謝罪される。もはやぼくには対処不能な事態である。そもそも原因が分からないのだ。仕方ない。
「えーっと取り合えずなんであんなことしたのか聞いてもいいかな?」
ぼくが尋ねると土下座は止めたものの未だ床に正座している二人の女の子の片割れ、ショートボブの方が何故か目を輝かせはじめる。
「
……全然覚えてない。二人ともかなりの美少女だし忘れるわけもないと思うんだけど。
「その時から私、理想のお姉様として憧れていました!」
ガシッとぼくの両手を包むように握ると吐息が感じられるほどにまで顔を近づけてくる。
「…ごほんっ」
そこでちーちゃんのわざとらし過ぎる咳払い。自分でも分かっているのかほんのり顔が赤い。そして赤面なんてしていませんが何か?というような顔でビシッとぼくを指差して言う。
「…そいつ男よ」
「改めまして古葉雪花。男です」
クラっと女の子が倒れた。
ちーちゃんを下敷きにして。
◆
「まさかお姉様がお兄様だったとは」
一分ほどで彼女は復活しお互いに改めて自己紹介した時の彼女の一言である。
まさかはぼくの台詞だ。七草の双子だったなんて。原作には登場していなかったが存在自体は知っていた。魔法業界では有名なようで耳にする機会があったのだ。
「…まさか七草真由美会長の妹達だったなんてね。どうする?姉さんから会長に伝えてもらう?」
七草の双子、その妹である七草泉美がぼくが男であったショックにより倒れた時、下敷きにされたことを根に持っているらしいちーちゃんが若干にやけながら言う。小さい。器が小さいぞ、ちーちゃん。
「う~また怒られるっ!泉美ちゃんのせいだよ!」
「ごめんなさい香澄ちゃん。私溢れ出る気持ちを抑えられなくて」
しょんぼりとしている様子を見るとなんだか可哀想な気もしてくる。なんか罪悪感あるし。
いやぼくは完全に被害者、女の子に勘違いされ散々な目にあったわけだけど。でもぼくは高校生で相手は中学生、これぐらい許してあげるのが大人の対応って奴なんじゃないかと思う。叱る役はちーちゃんがやってくれているし。
「いいよ別に。会長には黙っておいてあげようよ。大した怪我もなかったんだし」
ぼくがそう口にすると双子の顔はパァッと明るくなり逆にちーちゃんの顔は残念そうに変わった。おいちーちゃん。
「ありがとうございます!」
七草香澄が涙ながらに感謝を述べる。そんな嫌かお姉さんに怒られるの。ぼくなんかは姉さん怒らせたらゲームオーバーなんだけどね!
「流石ですお姉様、いえ、お兄様!懐が広い!」
ありがとう、でも流石ですお兄様はぼくにはまだ早いかな。
「お兄様は競技にご参加されないのですか?」
ぼくがお姉さんにチクらないと分かって安心したのかそこからは雑談へと移行した。不満気だったちーちゃんはさっさとホテルに戻ってしまったので三人で話していると泉美ちゃん(本人からそう呼ぶようにと頼まれた)にそんなことを聞かれたのだ。
「ぼくは出ないよ、応援だけ」
その時ぼくは特に考えるでもなくそう答えた。ごく自然なことだ。だってぼくは九校戦にエントリーされていないしそもそも一校で完全にぼくの存在を把握している生徒は二人しかいないのだから。
だから考えなかった。知っていたはずの可能性の一つを見落としていた。この九校戦で唯一エントリーされていない生徒が参加することとなる競技を。そしてその競技に参加する人員を決めたのは誰なのかということを。
「雪花、お前には新人戦モノリス・コードに参加してもらう」
ついに原作イベントへ介入することとなった主人公。今作はやっと本番という感じです。
戦闘シーンが入って文字数が増えればなーっと思っています。
モノリス・コード出場の経緯は次話でします。
明日更新出来るか分かりませんがするとしたら0時に投稿します。なるべくしようとは思っていますが間に合わなかったらすいません。
ではまた次話で。