東方煩悩漢   作:タナボルタ

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どうも、タナボルタです。

今回はちょっと短めとなります。

また、これから先際どい描写が増えてきますので、今回からR-15タグを追加させていただきます。

ご了承ください。


第二話『横島君、踏んだり蹴ったり』

「のわああああああああ!! な、何じゃあああああああ!!?」

 

 現在、横島忠夫はどこまでも深く暗い穴に落ちている。周りに見えるのは闇と、嫌に血走った無数の『眼』。それは横島には触れることもなく、ただじっと見つめてくるのみだ。

 

「うひぃ……!? も、文珠! 紋珠ーーー!!」

 

 横島は穴から出るために自らの奥の手、美神から使用を制限されている『文珠』という霊能を発現しようとするのだが……。

 

「っ!? 文珠が……出ない!!? あああ、何でこんな時にーーー!!?」

 

 何故か発現しない。それどころか、栄光の手も使用することが出来ないことに気付く。慌てふためく横島を、周りの眼はただ静かに見つめ続ける。

 

「あああああ!? 美神さーーーん助けてえええええっ!!」

 

 霊能が使えないのと、その視線の恐怖に耐え切れなかったのか、横島は既に物理的に遠くの存在になってしまった美神に対し、力いっぱい涙を噴き出しながら叫ぶ。その絶叫に呼応したのかは定かではないが、助けを求めた相手から声が返ってきた。

 

「横島君っ!! これに掴まりなさーーーい!!」

 

 その叫び声と共に飛来したのは呪縛ロープの先に拳大の石を括り付けた物だ。横島は美神の対応に感謝しつつそれを掴もうとしたのだが……。

 

「く゛ぇ゛っ゛!? ……っ!? ……、……っ、……っっっ!!!?」

 

 あろうことか、それは横島の首に絡みつき、それはもう強烈に締まる。首が千切れないだけでも奇跡と言えようものだ。

 

 案の定横島は苦しみの声を上げることさえ出来ない。

 

「よし、掛かった!」

 

 美神はその様子を見てガッツポーズを取る。一歩間違えばとんでもないことになるのだが、そこはそれ、横島の頑丈さを信頼してのことだろう。

 

「横島さーん! そのロープを伝って上ってきてくださーい!!」

 

 おキヌは穴の中の横島に声の限りに叫ぶ。現在シロとタマモは美神と一緒に横島の体重を支え、少しずつロープを引き上げている。その度に横島の首にロープが食い込むのだが……それを知るのはロープを掛けた美神のみ。シロとタマモは美神の背後に居て見えなかったのだ。

 

「……、……!! プハアアアッ!!」

 

 横島は首のロープを何とか緩め、呼吸を確保する。穴の中とはいえ、その空気の旨さに涙がちょちょぎれる思いだ。

 

 横島は美神に文句を言ってやろうかとも思ったが、今はそれよりも地上に上がるのが先決だ。横島はロープを右腕に緩く絡め、ロープをゆっくりと伝い上がっていく。

 

「ふう、ふう……。何か、妙な、感じが、するな……」

 

 横島はロープを上りながら、自らの霊感に訴えかける『何か』を感じる。それは、敢えて例えるならば、巨大な力……と言ったところか。

 

 横島の霊感を以てしても全容を計り知れない程の力。それも、一つではない。『下』と『上』と。

 

 さながら横島は綱引きに懸けられているようなものだ。いや、どちらかと言えば大岡裂きか。しかし、横島は上を目指している。本来ならばこれ以上何もなければ更に下に落ちることもないのだが……。

 

 もしかしたら、その日の横島は驚異的なまでに運が悪かったのか、はたまた運が良かったのか……。とにかく、彼にそれが起こってしまった。

 

「……ん? 何だ?」

 

 遠くの方から音が聞こえる。何か甲高く、どこか聞き慣れた音だ。横島は辺りをキョロキョロと見回し、またそのために動きを止めてしまった。

 

 ―――それが、致命的となった。

 

 闇の先から来たる物。眩い程の光を放ち、甲高い音を響かせ走る物。それは―――!

 

 

 

 長野電鉄木島線3500系にとてもよく似た電車であった!!

 

 

 

「な、何でこんなトコに電車が……!? ま゛ろ゛ん゛っ゛!!?」

 

 “プアーン”という独特の音が響くと同時に、横島は電車に轢かれ、真っ逆様に落ちていった。当然ロープは千切れ、横島の体重を支えていた美神達三人は盛大に尻餅をついてしまう。

 

「……しまった、横島君っ!?」

 

 美神達が穴を覗き見るが時既に遅く、横島はもう見えなくなっている。

 

 そのことに絶句していると、今まで安定して存在していた穴は急に揺らぎ始め、その姿を消していく。

 

「んな!? コラ待ちなさい!! 勝手に消えるな!!」

 

「よ、横島さん! 横島さーん!?」

 

 美神達は必死に叫ぶが、それは無駄に終わる。やがて役目を終えたかのようにその穴は消失した。

 

「……せ、先生ーーーっ!!? ど、どどどどーするでござる!? どーするでござる!?」

 

「お、おおちおおおおちおちおちつきなさささい。ま、ままだあわあわあわあわあわわわわ」

 

 慌てふためくことしか出来ないシロとタマモ。シロは既に大泣き、タマモは普段のクールさが嘘のような姿だ。

 

 おキヌも似たようなもので、もう意識を失う一歩手前といったところだ。そんな彼女達を見た美神は落ち着きを取り戻し、冷静に答えを導き出す。

 

「……あの穴は少なくとも私達にはどうすることも出来なかった。でも、だったら神魔族の力なら……」

 

 その言葉を聞いたおキヌは正気を取り戻し、とある神様の姿を思い出す。

 

「そうだ……! ヒャクメ様やジークさんなら、あの穴がどういったものか、横島さんがどこにいったのかが分かるかも!!」

 

 おキヌの言葉に目に輝きが戻るシロ。タマモも何とか落ち着くことが出来た。それにより、美神とおキヌは互いに頷き合う。

 

「行くわよ、妙神山に!」

 

 美神の力強い言葉に、皆もまた力強く頷いた。

 

 

 

 

 

 

「あああああああああああああ!?」

 

 落ちる。墜ちる。堕ちていく。闇の中を落ちていく。

 

 先程電車に轢かれたばかりだというのに、それを感じさせないかのように絶叫しながら落ちていく横島。彼の脳裏には、自分を引っ張り上げようとしていた巨大な力が、何故か人型になり、涙を流しながらこちらに敬礼しているようなビジョンが見える。

 

「あああ!? 何か不吉な幻覚があああああ!?」

 

 彼の霊感に訴えかけるほどのものだったのだが、流石に今の状態では認識することが難しいようだ。

 

 それから数秒、横島の頭上、穴の先に一筋の光が見えた。と同時に、視界の隅に『止まれ』の道路標識が見えた気がした。

 

「っ!? 何か止まれって標識が見えた気がするが、今の俺は急には止まれない! この出口の光を目指して突き進むんやーーーっ!!」

 

 その叫びのせいか、横島の落ちるスピードが何となく上がった気がする。

 

 そうして穴を抜け、光を全身に感じる横島の視界に広がったもの。それは、どこまでも広がる、広大な蒼穹―――!

 

 ではなく。

 

 果てしなく広がる、全ての生命体の母たる大海―――!

 

 でもなく。

 

 地平線の遥かまで続く、緑を湛えた雄大な草原―――!

 

 なはずもなく。

 

 彼の視界いっぱいに広がったのは、白く、均等に敷かれた、石畳だった。しかも目と鼻の先。

 

 

 

 

『この穴を

 

 

 抜けた先には

 

 

 石畳―――』

 

 彼の頭を過ぎったのは、そんな言葉。

 

 

 

チュドガゴドゴンズガシャアアアアアアアン!!!

 

 

 という何とも珍奇な轟音をたてて頭から石畳にめり込んだ横島の意識は、いともあっさりと闇に飲まれていった。

 

 

 

 

 博麗神社の境内は、異様な雰囲気に包まれている。

 

 紫のスキマが開いたと思えば、男が猛スピードで墜落してきたのだ。しかも頭から石畳に突き刺さっている。そりゃこんな空気にもなる。しかし、いつまでもそのままではいられない。霊夢は何とか言葉を絞り出す。

 

「私の神社で人死にとか……ほんとやめてよ……」

 

 その声は震え、霊夢の目にはじわりと涙が溜まる。普段は面倒くさがりで呑気な霊夢だが、彼女とて一人の少女。誰かを悼む心を持ち合わせているのだ。

 

「ただでさえ参拝客が滅茶苦茶少ないってのに……これじゃ誰も来なくなる……僅かなお賽銭も無くなっちゃう……」

 

 しくしくと泣く霊夢。訂正しよう。彼女は意外と冷たい人間なのかもしれない。

 

 そんな霊夢に内心ドン引きしていた早苗だったが、石畳に突き刺さった男を改めて見てみると、ちょっとした違和感を持った。

 

「あ、れ……?」

 

「あん? どしたのよ早苗」

 

 不審に思った霊夢は早苗に声をかけるが、早苗の顔からはどんどんと血の気が引いていき、今ではすっかり青くなっていた。

 

「あの人(?)……動いてませんか……?」

 

 その言葉に、早苗に注目していた少女達は一斉に男を見る。すると、確かにピクピクと体が動いてみえる。

 

「何だ……? 昆虫みたいにまだ神経が通ってるのか……?」

 

 魔理沙は興味深そうな声を発し、男にそろそろと近づいていく。

 

「ち、ちょっと止めなさいよ魔理沙」

 

 そんな魔理沙に制止の声をかけるのは魔理沙と同じく魔法使いであり、人形を傍らに置いた少女、アリス・マーガトロイド。

 

 厳密に言えば彼女は人間ではなく、魔法使いという『人外の種族』であり、体の頑丈さも魔理沙以上なのだが、生来の性格から彼女は慎重を信条とし、『弾幕はブレイン』という、魔理沙の『弾幕はパワー』とは真逆の考えを持つ。

 

 アリスは魔理沙を制止しながらも彼女の後ろについていき、男の様子を窺う。どうやら魔理沙を盾にしているようだ。

 

 魔理沙が男に指を触れようとする。すると―――。

 

「っ!?」

 

 男の腕が大きく動き、石畳に力強く手をついた。

 

「な、何だぁ!?」

 

 魔理沙とアリスはとっさに飛び退き、臨戦態勢を整える。

 

 男は足をバタバタと動かし、やがてようやく重力に従ったのか、足で地面を踏みしめる。そして、首を石畳から抜こうともがく。

 

「……萃香、手伝ってやったら?」

 

「うえ~……?」

 

 よほどがっちりとめり込んでいるのか、一向に頭が抜ける様子はない。流石に見かねたのか、霊夢は近くに居た、いつも酒を呑んで酔っぱらっている『鬼』の少女、伊吹萃香に話しかける。

 

 鬼とは幻想郷に於ける、最強の種族。特に萃香は『山の四天王』の一人であり、その豪腕は天蓋に映る月をも砕いたという。

 

 怖いものなどないはずの鬼が嫌がるのは、単にビジュアル的な問題なのだろう。だって首が埋まってるのだもの。普通は嫌がる。

 

「まあ……仕方ないか」

 

 萃香は溜め息混じりに男に近づき、「ほい」と軽く首根っこを引っ張る。たったそれだけで、完全に埋まっていた首はいともたやすく白日のもとに晒された。

 

「っっっあーーー、死ぬかと思った……」

 

 男の第一声がそれである。当然普通なら死んでいる。あの速度なら人間でなくとも、妖怪ですら即死であろう。だというのに、その男はピンピンと……とまではいかないが、どうやら命に別状は無さそうだ。

 

 その有り得ない生命力に、二人の少女は疑問を持つ。

 

『まさか、自分と同じなのか?』

 

 結論を言えばそれは間違いである。だが、それを知るのはもう少し後だ。

 

 周りの少女達は男を見る。頭からとめどなく血を流している。だが、それだけだ。死んではいない。

 

「ぅおっ?」

 

 男は自分が注目されていることにようやく気付き、周囲を見回す。自分を囲んでいるのは、皆すこぶる付きの美少女達だ。当然彼なら煩悩が刺激されるのだが……。

 

(ぬおおー!? び、美少女がいっぱい!! ここは天国なんか!? いやでも生きとるし……ええんか!? ご褒美なんか!? だが……嗚呼しかし! ワイはロリコンやない! ここにいる女の子達は皆ワイより年下か同い年くらい! ワイがロリコンやないと証明するためにはもっとバインバインなお姉ぇーさまやないと!!)

 

 中々に失礼なことを脳内でぶち上げる男、横島忠夫。そんなことを考えた天罰か否か、彼の頭から流れる血の勢いがいや増した。

 

「はうっ!? ……あーうー……」

 

 今回は流石に堪えたのか、横島は呻きながらぺしゃりと石畳に倒れ伏せる。その様はどことなくマンガチックな可愛げのある雰囲気を放っていた。

 

「……と、とりあえず永遠亭に連れて行くわよ! 紫のことも気になるし、そのついでに治療させればいいし!!」

 

 重傷者の治療をついでと言い切る霊夢に周りから乾いた笑いが漏れる。彼女らは知らないが、横島の上司の女性とどこか似ているのかも知れない。

 

「やれやれ……私が担いで行くか」

 

「ふ~む……」

 

「えっと……向こうに着いたら、ちゃんと治療しますから」

 

 倒れている横島を何とか起こし、肩に担ぎ上げたのは藤原妹紅。ジロジロと横島を見ているのは蓬莱山輝夜。二人の体はとある特異な性質を持っており、横島も『それ』と同じなのか疑っての行動のようだ。

 

 おずおずと横島に声をかけたのは『月の兎』鈴仙・優曇華院・イナバ。彼女は人見知りであるためか、本来は上司である輝夜の後ろに隠れている。横島が不気味という気持ちは分かるが、応急手当てくらいはしてやった方がいい。

 

「んじゃ、私ら含めて何人で行くんだ?」

 

 妹紅は周りの少女達に問いかける。結果、行くと答えたのは霊夢、魔理沙、藍、橙、文の五人であった。他は興味がないのか、巻き込まれたくないのか……。はたまた横島が不気味なのか。

 

「ふふふ……。さっきは怒涛の展開の連続で呆気にとられていましたが、これはスクープの匂いがしますね! 取材をさせていただくためにも同行しますよーっ!」

 

 文々。新聞(ぶんぶんまるしんぶん)という新聞を発行している文は、メモとペンを握りしめ、久々のスクープの予感に燃えていた。流石に昨日の異変は乙女的に気にくわなかったらしい。

 

「最近何件かに契約切られたんだっけ……。アンタも大変だねぇ」

 

 酒を呑みつつの萃香の言葉に、文はしくしくと涙を流す。

 

「はいはい、だべってないでさっさと行くぞ」

 

 そういって妹紅は横島を担いだまま空に浮かぶ。他の少女達も同様だ。

 

 やがて飛び立った少女達が見えなくなり、博麗神社に集まっていた少女達も、三々五々に散っていく。

 

 そうして神社に静寂が戻り、境内に残ったのは五人の少女。蝙蝠の様な羽を背中に持つ、幼い少女を中心とした一団だ。

 

「……珍しいわね。好奇心旺盛なレミィがああいった手合いに興味を示さないのは」

 

「あー? いや、別にそういうワケでもないんだけどね、パチェ」

 

 その少女に声をかけたのは、紫の衣服に身を包んだ魔法使いの少女、パチュリー・ノーレッジ。お互いのことをあだ名で呼べるのは、親友同士である彼女達だけだ。

 

「でも、本当にめずらしーよね。お姉様なられーむ達に着いていきそうだけど……。ねえ、めーりん」

 

 おとがいに指を当てつつ発言するのは、フランドール・スカーレット。彼女の背中には煌びやかに輝く、宝石のような羽が存在する。彼女は自分に日傘を差す中華服の少女に問いかける。

 

「あ、はい。確かにそうですね。お嬢様なら面白がって着いていきそうですけど……。さっきからずっと後ろの方で見てるだけでしたよね?」

 

 紅美鈴(ほん・めいりん)はフランの言葉に肯定を返す。そのついでに珍しく大人しくしていたお嬢様に疑問を持ったようだ。

 

「ああ……。ま、確かに着いていってもよかったけど……」

 

 そう言ってその場から移動する。彼女に日傘を差しているメイド服の少女は、分かっていたかのように淀みなく歩調を合わせ、自らの主である彼女を太陽の光から守る。

 

 そうしてたどり着いたのは、横島が埋まっていた石畳。当然そこには人の頭程の穴が空いており、その周りには未だ乾いていない血溜まりがあった。

 

 少女はそれに指を這わせ、あろうことか、血のついた指を口内へと誘い、舐めとった。

 

「わっ、お嬢様ばっちいですよ!」

 

 美鈴が慌てて制止するが、少女はすでに血を嚥下している。それを見たメイド服の少女は主に問いかける。

 

「どうでしたか? お嬢様」

 

 従者の問いに少女は答える。

 

「―――ああ、気に入ったよ。これほどのは今までなかったな」

 

 少女は口角を僅かに上げる。その軌跡は、美しい程の微笑を描き出している。

 

「ふふ……。これから先、面白いことが待っていそうだ―――」

 

 そう言って少女はメイドの少女と共に帰路につく。美鈴やフラン、パチュリーもそれに続いた。

 

「咲夜、紅魔館へ戻ったらお茶を用意してちょうだい」

 

「畏まりました、レミリアお嬢様」

 

 主の要望にメイド服の少女、十六夜咲夜は笑顔を以て答える。それを見た彼女も、釣られるように笑顔を強くする。

 

 妖怪の山の麓、霧の湖にある島に存在する悪魔の館『紅魔館』―――。

 

 その館の主であり、五百年を生きる吸血鬼の少女、レミリア・スカーレットは、幻想郷に墜落した男に待ち受ける『運命』を幻視し、おかしそうに、楽しそうに笑っている。

 

 

 

 

第二話

『横島君、踏んだり蹴ったり』

 

~了~




キャラの意味深な登場と発言はロマン!(挨拶)

ついに横島が幻想郷に墜落しました。
プロローグのラストからどれだけ掛けているのか……

あ、これから先美神達の出番はありません。

最終回付近か、番外編での登場となります。
ファンの皆様ごめんなさい。

それでは次回をお待ちください。

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