緋弾のアリア 狂牙の武偵   作:セージ

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タイトルはほぼテキトーな思いつきです深くは考えないでください


8話<最低な出会いにして最悪な始まり>

キンジが目覚めて最初に見たのは、トランプ柄のブラだった。

 

 

キンジの思考が一瞬フリーズした。

 

 

状況を確認してみると、なぜだか自分はグラウンドに併設された体育倉庫の跳び箱の中にいる。しかもブラの装着者である少女と抱きあった状態で倉庫内にあった跳び箱の一番上の段を弾き飛ばしその中へと入ってしまったらしい。

 

ありえん・・・普通――いや・・・もういいや・・・

 

(ってダメダメ!こうゆうのは。禁止!禁止!)

慌てて目をそらすがその際まくれ上がったブラウスの名札に名前が書いてあった。

―神崎・H・アリア

 

顔を見るとどうやら気絶しているようだが美少女だそして―――

(小さいな、中等部……インターンの小学生か?)

 

「へ、ヘンタイ――――――――ッ!」

と、大音声がキンジの鼓膜を直撃した。

 

「え!?」

 

アリアは目を覚ましていた、

顔を真っ赤にして涙目になりながらもまくれていたブラウスを一気に引き下げた。

そして―――

「このチカン!恩知らず!人でなし!」

ぱかぽこぱかぽこぱかぽこぱかぽこぱかぽこぱかぽこ!

「おっ、おい、やめっ!やめろ!」

 

アリアはポカポカとキンジを叩く。

 

「ちっ、違う! これは、俺が、やったんじゃ、なくて!」

 

――パサッ

「あ、」

「ん?」

するとキンジのポケットから何かが落ちた、

アリアもふと、それを見るとそこには―――

 

『アリサちゃん12歳、大人の体育実習・体育倉庫編』

 

さっき氷牙に押し付けられたエロ本だった・・・

しかも開かれたページはそのアリサちゃんが体育倉庫でいわゆる『大人の体育』を行っていた・・・

「……」

「……」

(よく見るとこのアリサって子、アリアに似ているな…)

キンジはそんな冷静な感想を思い浮かべていた、人間ここまで行くと逆に冷静になれるもんだと、なんかもう…何の言い訳もつかないくらいに終わっていた…

ちなみにそれを見たアリアは体を硬直させたまま顔を更に真っ赤にしていた…

 

 

「かっ・・・」

アリアはワナワナと震えながら何かつぶやいた 

「か、かかっ、か――」

「か?何だ?」

「風穴!!!!」

 

 

――――バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン

 

 

 

そう言ってアリアはガバメントを抜いて跳び箱内で乱射した

 

 

「ちょっ!待て!誤解だ!!」

痛い痛い!跳弾してる!防弾制服に当たりまくってるぞ!

「黙れこのロリコン!!性犯罪者!!風穴!!」

 

 

―――ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、

ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ、ガチ

 

弾が切れてもなおアリアは目をぐるぐる回しながらガバメントの引き金を引き続けた。

 

そして、そんなやりとりをしていたらいつの間にか一人の人物が倉庫のドアに立っていた

「何してんだお前ら・・・」

心配して損した・・・

「氷牙!いいところに!ちょっと助けてくれ!」

「あ、あんたは・・・」

氷牙は呆れ顔でこっちを見ていた。

「お前らこんなとこで痴話喧嘩やってる場合じゃないぞ、もうす―――!!」

氷牙が咄嗟に横に跳びながら

 

「伏せろ!!」

 

 

そう言って氷牙がドア裏に張り付き、キンジとアリアも咄嗟に跳び箱内に伏せた

その直後体育倉庫内に一斉射撃が飛んでくる。

「な、何だ!?」

「さっきの奴だよ!」

「倒したんじゃないのか!?」

「他にもいたみたいね、ざっと7台はいるわ」

 

 

すかさず俺とアリアが銃で応戦し

 

 

 

 

 

 

 

 

――バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン――

 

――ダガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ――

 

――バラララララララララララララララララララララララララララララララララ――

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとかセグウェイたちを道路の向こうに下がらせた。

 

「―――やったか」

「一時的に追い払っただけよ。奴らまたすぐに来るわ」

「このままじゃ弾が足りねえぞ」

「強い子だ。それだけでも上出来だよ」

 

「「・・・は?」」

 

後ろを見るとキンジはアリアをお姫様抱っこして跳び箱から出てきた。

「ご褒美だ、お姫様」

このキザなセリフ、これは・・・

「な、なな、なに・・・!?」

キンジは顔を真っ赤にしたアリアを体育倉庫の死角に退避させ

「姫はそのお席でごゆっくり、銃なんか振り回すのは、俺だけでいいだろう?」

こいつ・・・なってやがる・・・やっぱりお前ロリコンだったのか?いや・・・それはここで何をしていたかも含めて後でじっくり尋問科で問い詰めるとして・・・

『氷牙さん、まもなく予定時間になります』

と、レキから無線連絡が入った

そうだった、今はこっちだな。

「なあキンジ?」

「氷牙?どうした?」

「一応聞くがここはお前一人で大丈夫か?」

「ああ、あれくらいなら俺一人でも大丈夫だ」

「そうか、じゃあ後は何とかやれよ」

 

そう言って氷牙は体育倉庫の鉄ドアを――

 

「シャッ!」

 

ドゴォーン

 

 

セグウェイに向けて蹴り飛ばした

 

「え?何あの脚力!?」

そして鉄ドアはセグウェイを2台巻き込んでグラウンド向こうの道路まで吹っ飛んでいった。

「あんた一体―――って、え?」

 

いつの間にか氷牙がいない・・・

 

「どこに行ったの!?」

「ああ、あそこに居るよ」

キンジがそう言って視線の先を見ると・・・

グラウンドの向こう側に氷牙がいた。

「いつの間に!?」

「吹っ飛ばした鉄ドアの後ろに隠れてセグウェイをすり抜けたようだね」

「は?」

氷牙は自分で吹っ飛ばした鉄ドアをすぐさま追いかけドアの陰に隠れてセグウェイ達をすり抜けたのだ。

言うのは簡単だがそんな人間離れした芸当、武偵高でも出来るのは氷牙くらいだろう・・・

「じゃあな、残りはなんとかしろよ、俺は俺で何とかするからさ」

そして氷牙は道路の向こうに消えた。

 

「あいつはあいつで?何のことだ?・・・まあ、今はこっちか」

そう言ってキンジも外に出ようとする

「ちょっ!撃たれるわよ!」

「アリアが撃たれるよりはずっといいさ」

「なっ、何急にキャラ変えてんのよ!何するつもり!?」

「アリアを・・・守る!」

 

キンジはセグウェイの前に出て…

セグウェイが一斉に発砲する

その弾は全てキンジの頭部へと向かっていくが・・・

キンジは寸でのところで躱し、UZIの銃口に向けてベレッタを撃ち返した

そしてキンジが撃った弾丸がすべてUZIの銃口に吸い込まれるように入って行きUZIが全て暴発し大破すると・・・勝負は決した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方キンジがセグウェイを破壊する少し前

「キンジの奴はまあ上手くやるだろ、後は俺も、ってオイ・・・」

道路の向こうからセグウェイの団体様がやってきた

『続々と来ます、数は全部で127台です』

「ちょっと多すぎねえか?神様・・・俺に何か恨みでもあんのか?」

しかも目標には氷牙も含まれているらしく既にこっちに向けて発砲している銃もあった。

銃も多彩でここから見ただけでもUZI・MP5K・M10・グロック・M37ソードオフと多種多様な銃が搭載されている

「仕方ない・・・悪いけどここでお引き取り願おうか・・・」

これだけの数を相手に篭城戦に持ち込まれたら火力も弾も足りずジリ貧になる

だったらこっちから攻め入ったほうがよっぽどいい。

「レキ、援護頼むぞ!」

『了解しました』

「・・・行くぜ」

氷牙の雰囲気が変わる、狂牙モードに切り替わったサインだ。

そしてセグウェイは一斉射撃を開始、氷牙もそれに応じるかのように一気に駆け出し、レキも援護射撃を開始した。

 

 

 

――ダガガガガガガガガガガガ――

 

――パァン――パァン――パァン――

 

「シャァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!!これは!」

体育倉庫を脱出したキンジが氷牙を追って駆けつけるとそこは壮絶な状況だった。

 

道路の真ん中に座り込んでいる氷牙、そして氷牙を中心にあたり一面に広がる先程と同じ銃の取り付けられたセグウェイと思しき残骸の山

地面を埋め尽くさんばかりに来ていたセグウェイの団体様は全て氷牙が破壊していたのだ。

キンジは残骸を踏み越え氷牙のもとへ駆け寄る。

「氷牙!大丈夫か!?」

「キンジか・・・なんとかな・・・」

「お前、追撃が来るのを分かってて一人脱出したんだな!?無茶しやがって!」

だが氷牙がこうしてくれなかったら間違いなく篭城戦になり、火力負けでジリ貧になっていただろう・・・

「数が多かっただけだ・・・1体1体は大したことはなかったよ」

「だけどお前、なんでこんな無茶してまで助けてくれたんだ?」

「あの子への礼だ、少しとはいえ記憶が戻ったからな・・・」

「記憶?なにか思い出したのか?」

この1年で氷牙はあらゆる方法で前世の記憶を取り戻そうと試みた、だかどんな方法でも記憶が戻ることは無かったというのに、あの子を見て何か思い出したのか?

「ああ、断片的にだがな」

氷牙は立ち上がりセグウェイの残骸を見渡す。

その中で無傷で残ったMP5Kをセグウェイから取り外して鹵獲した。

「おい、氷牙?」

「あの子を見て少し思い出したよ、俺はかつてあの子と同じだったんだ」

「え?」

「そしてキンジが嫌いな理由もな、普段のお前はヘタレ過ぎて最後まで踏み込んでこれなかった、そのせいで散々裏切られたんだ」

「氷牙?何を「キンジ!」―な、なんだ?」

「中途半端に関わろうとするな!関わるなら・・・最後まで関わりぬけ!それができないなら初めから関わるな!」

「な・・・」

「お前武偵辞めるんだろ?ならもう探偵科で大人しくして厄介事や面倒事に首を突っ込もうとするな、何があろうと無関係・無関心で有り続けろ!」

「・・・・・・」

「そうしないとお前・・・取り返しのつかないことになるぞ!」

「・・・何が言いたい・・・」

「詳しいことは俺にもわからん・・・だがこれだけはわかる・・・あの子に関わればもう戻れない、関わるなら・・・覚悟決めろ!」

そう言い残し氷牙は行ってしまった。

キンジはただ氷牙の背中を傍観するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれだけの数をたった一人で・・・あいつも合格ね!」

 




週末はコミケ行くので完全に筆止まります

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