緋弾のアリア 狂牙の武偵   作:セージ

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前回ゆっくりと言ったくせに今回急接近して・・・るのかな?


20話<変わりゆくものと変えてゆくもの>

放課後、夕食の材料を買い帰宅するが・・・

――トコトコ・・・

「で・・・なんでレキはまた俺の部屋まで付いてくるんだ?」

レキは相変わらず俺の後ろをついてきていた。

頼むから気配消して付いてくるな・・・なんか怖いから・・・

「私はあなたの恋人です」

それはウルスとやらの掟に従ってのな・・・

 

「なので私も貴方とここで暮らします」

 

「・・・へ?」

「今朝そう言いましたが?」

そういえば今朝レキの話後半聞いてなかった気がする・・・

本当に蘭豹の言うとおりだ・・・人の話は最後まで聞こう・・・

「それに、既に荷物は部屋へと搬入済みです」

「はぁ!?いつの間に!?」

確かレキ、今日はずっと俺と一緒にいたよな!?

「昨日、氷牙さんに送ってもらったあとすぐに部屋の荷物を全て持ってきました」

荷物・・・全部!?

慌てて部屋の中を見るが・・・

リビングにライフルのケースとバッグが置いてあった

「って、荷物これだけか?」

「はい」

レキの荷物は・・・ドラグノフの入ったケースがひとつとやや大きめのスポーツバッグがひとつそれだけだった

部屋の荷物これで全部ってわけないだろ・・・

そんな疑問を感じつつも住まわせることは却下なので

「却下だ!ちゃんと家帰れ!」

「・・・ですが」

「・・・家に来るなとは言わんから、夜はちゃんと自分の部屋に帰って寝ろ!」

「・・・わかりました」

そう言うとレキは女子寮へと帰って行った

・・・ったく・・・突然家押しかけるって・・・アリアじゃねえんだからよ・・・

 

 

だがこの後、俺は自分の異変に悩まされた

 

 

「・・・さて・・・夕飯作るか・・・」

 

レキを帰らせたあと夕食を作ろうかと思ったら・・・

「せめて・・・夕食だけでも食わせてから帰すんだったかな・・・」

 

調理してる最中・・・

「なんで俺・・・当たり前に2人分作ってるんだ・・・」

 

食べてる途中・・・

「レキの奴・・・ちゃんとご飯食べてるかな・・・またカロリーメイト食ってるんじゃないだろうな・・・」

 

気付けばレキのことばかり考えていた・・・

 

「・・・俺は・・・どうしちまったんだ?」

俺はソファーに寝転んで額に手を当てて考えた・・・

なんで俺・・・あいつのことばかり考えてるんだ・・・

そもそも俺とレキは・・・何なんだろうな・・・

かつてはキンジと同じ息の合うコンビで・・・今は・・・

レキにとっては・・・多分、掟に従っての婚約者で・・・

俺にとっては・・・多分、何となく放っておけない娘で・・・

それで・・・

それで・・・・・・・

「ん?」

リビングの机に何かある

身を起こして手に取ってみるとそれは――

第二女子寮のカードキーだった

「これ・・・女子寮のカードキーじゃねえか・・・レキのか?」

あいつ・・・こんなもん忘れていくなよ・・・

取りに来ないってことは・・・ルームメイト・・・寮長さんにでも開けてもらったのか?

「・・・しょうがねえな・・・届けてやるか・・・」

 

そして俺は女子寮へと向かった

考えてみればなんでこんな時間に行こうとしたんだろうか・・・

ただでさえ変な噂立ってるのにもし見つかったら火に油どころかニトロぶっかけっちまうのに・・・

だけど・・・どうしてか・・・気になって仕方が無かった・・・

今思えば・・・あのカードキーは・・・会いに行く言い訳にしていたんだ・・・

 

「そういえばレキの部屋に行くのは初めてだな・・・」

そして女子寮レキの部屋の前にレキはいなかった。やはり誰かに開けてもらったのだろうか?

表札を見るところどうやら一人暮らしのようだ、インターホンを押したが・・・

鳴らないな・・・壊れているのか?

「レキ、いるか?忘れもん届けに来たぞ?」

・・・・・・・・・・

返事がない・・・出かけているのか?

「ん?」

鍵開いてる?いるのか?

「おい?邪魔する・・・ぞ・・・」

部屋に入ったとき

俺は言葉を失った・・・

レキの部屋は・・・まさにひどいものだった・・・

第2女子寮最上階の一室・・・そのレキの部屋は・・・本当に何もなかった・・・テレビもパソコンもベッドもない・・・明かりに裸電球が一つと銃のメンテ用に使っているらしいテーブルが一つあるだけで・・・そこには壁紙や床板さえもないコンクリートむき出しの生活感すらも無い、部屋というよりは廃墟か牢屋、譲歩しても粗末な工房というのがお似合いな空間だった・・・これじゃあまるで・・・

 

――失敗作が・・・お前にはここがお似合いだ!――

 

それを見てあの時の記憶が頭をよぎる・・・

「なんだよこの部屋・・・まるで・・・牢獄じゃないか・・・」

そして月明かりだけの部屋に目が慣れてくると片隅に誰かいた

「・・・氷牙さん?」

そんな空間の片隅に・・・レキは体育座りをしてドラグノフを抱えていた

レキの足元になにか置いてある・・・

しゃがみこんでそれを拾い上げると・・・カロリーメイトだった

「・・・また、これ食ってるのか・・・」

「・・・はい」

「お前・・・普段からこんなところで寝泊まりしてるのか・・・?」

俺は俯いたまま尋ねた

「はい、本来家とは雨風を凌いで寝泊まりする拠点ですから」

「拠点って・・・それでもせめてもう少し環境のいい部屋に入れよ!じゃなきゃせめてこの部屋リフォームなりしろよ!お前金に困ってるってわけじゃないだろ!」

「――?銃や弾丸の保管や調整には最適な環境ですが?」

「お前・・・自分より銃が大事なのかよ・・・」

「銃は私を裏切りませんから。それに・・・私は一発の銃弾です」

 

――お前は戦闘マシンだ!マシンに感情は不要だ!――

 

「――――ッ!」

それを聞いた瞬間俺は泣きそうになった

だけど泣くのを必死でこらえるため俺は歯を食いしばって耐えた

そして悲しげな顔をしたままレキの頭を撫でてやった

なのにレキは

「・・・氷牙さん?どうしたのですか?」

と聞いてきた

ああ・・・本当に何もわかっていない・・・

「お前・・・本当に危なっかしくて放っておけないよ・・・」

やっとわかった・・・レキ・・・お前はかつての俺なんだ・・・マッド・ファングと呼ばれて戦闘マシンとして暗い牢獄の中で操り人形のようにただ生かされ続けていたあの頃の俺なんだ…

当時の俺にはそれが当たり前で何も疑問に思う事もなく道具として扱われる日々が続いていた・・・

それがどれだけ絶望的で辛い日々だったのかは日の当たる世界に帰ってこれた今だからこそよくわかる・・・

だからレキ・・・お前はこんなところにいちゃいけない!お前はこっちに来ちゃいけないんだ!

自己満足?それで結構だ!親切の押し売り?何とでも言え!

こんな絶望を味わうのは俺一人で十分だ!

「レキ・・・やっぱ俺の部屋に来い・・・こんなところに住み続けるな!」

「え?」

俺はレキの手をとり立ち上がらせた

「あ・・・」

「ほら・・・帰るぞ・・・」

そういってレキの手を引いてこの部屋を出た

「・・・はい」

そしてレキも俺の手を繋いだまま俺の隣についてきた

その時月明かりに照らされたレキの顔は・・・ほんの少し・・・嬉しそうに見えた気がした

レキ・・・お前は銃弾なんかじゃない!お前は人間だ!人の心がある人間であるべきなんだ!

だから俺はレキの部屋で・・・あの牢獄のような場所で誓った・・・

レキが自分の心を取り戻すまで、あの牢獄のような場所から飛び出すまでずっとそばにいてやろうと・・・

 

 

レキside

 

私は・・・自分の部屋に帰ると・・・自分について考えていました・・・

 

私は・・・一発の銃弾・・・銃弾は人の心を持たない・・・ゆえに何も考えない・・・

ですが氷牙さんといるとそれすらもままなりません・・・

 

いつもそうでした氷牙さんといると調子が良くなります

氷牙さんに頭を撫でられると何か心地いいような・・・表現しがたい不思議な気分になります

氷牙さんの力になれると思うと自然と腕が冴え渡ります

そして仕事が終わったあとはまた氷牙さんとパーティを組みたいと思います

 

彼にこの命は俺の物だと言ってくれたときもそうでした

それは、私たちウルスでは契の義の言葉です。私はすぐに了承しました

嫌ではありませんでした。不思議と私の中に断るという選択肢はありませんでした

ですが、氷牙さんが私と契りを交わすのを拒絶されたとき私は胸が締め付けられるような気分になりました

そして気がつけば私はありもしない掟を付け足して銃を向けました

本当は主人は花嫁を捨てても裏切っても何も償いは必要ないのです・・・

捨てられたということは花嫁に力が足りなかっただけのことです

力がなければ捨てられる、当たり前のことです

それでも私は離れたくありませんでした

そして氷牙さんが恋人から始めてくれといったとき私はそれでもいいと思いました

氷牙さんのそばにいられるなら私はなんでも構いませんでした・・・

夫婦でも、恋人でも、パートナーでも、たとえ・・・奴隷でも・・・

 

そして私は氷牙さんに女子寮に送ってもらうとすぐに部屋の荷物をまとめて彼の部屋へ向かいました

元々荷物のほとんどない部屋です、全て持ち出すのにさほど手間はかかりませんでした

でもきっと氷牙さんは却下する、そう思うとまた胸が締め付けられるような気分になりました

そして気が付けば私は氷牙さんの部屋に行くとまず自分の部屋のスペアキーを・・・彼の部屋のリビングの机の上に置きました

どこかで耳にしたことがありました、相手に自分の部屋のカギを渡すということは自分の部屋にいつでも来て欲しいというアプローチなんだと

でも・・・どうしてこんなことをしたんでしょうか・・・自分で自分がわからなくなりました・・・

 

そして案の定却下され誰もいない自分の部屋に帰ると・・・今日はいつもよりも自分の部屋が暗く見えた気がしました・・・一人が当たり前だと思っていたはずなのに・・・

そして部屋の片隅に座り込むと・・・なんでしょうか・・・胸に穴があいたような・・・何か胸の中が寒く感じました・・・

 

そしていつも通りカロリーメイトを食べていると・・・

(味気ない・・・)

――?味?いつから味について考えるようになったのでしょうか?

食事とは栄養さえ摂取できればそれで十分なはずです・・・

そう思っていると・・・

 

――ちゃんとご飯食べろ!――

 

あの時の声が響いてきました・・・

何かするたびに氷牙さんのことを考えています・・・

氷牙さんのそばにいたい・・・氷牙さんの力になりたい・・・どんな時でも無条件で氷牙さんの味方でいたい・・・

足を引っ張るくらいなら死んでもいい・・・

 

――死のうだなんて考えるな!――

 

そしてまた氷牙さんの声が響いてきました・・・

 

(私は・・・一発の弾丸・・・人の心を持つべきではありません・・・)

そう自分に言い聞かせこの気持ちを押さえ込みました

ですがそう思えば思うほどこの気持ちが強く現れてきました

本当に・・・この気持ちは一体何なのでしょうか・・・

私は・・氷牙さんをどう思っているのでしょうか?

それ以上に・・・氷牙さんは私をどう思っているのでしょうか・・・

ただこの気持ちが思っていることを言い表すならば・・・

(私は・・・氷牙さんに会いたいです・・・)

顔を俯かせそう思っていると・・・

 

「なんだよこの部屋・・・まるで・・・牢獄じゃないか・・・」

 

(・・・え?)

今一番聞きたい人の声が聞こえました

 

そして氷牙さんが私の手をとって帰るぞと言ってくれたとき・・・私は何も迷うことはありませんでした

今私はどんな気分なんでしょうか?

嬉しいんでしょうか?わかりません・・・

ただ今は・・・この手を絶対に離したくありませんでした・・・

 

レキside end

 

 

レキを連れて部屋に帰ると・・・

まずはレキにちゃんとしたご飯食べさせてあげた

そして食事が終わると茶を出して話をしていた

「そもそもレキは俺の部屋に押しかけて俺と婚約してどうするつもりだったんだ?」

「あなたと契りを交わし夫婦となりあなたの血をウルスに組み込みます」

「というかそもそもウルスってなんだ?」

「ウルスは私の生まれ育った民族の名です、かつては弓や長銃の腕を恐れられた傭兵の民でしたが時の流れと共に次第に数を減らしていき、現在では私を含めた女性47人しか残っていません。この血を途絶えさせないためにも強き血統を組み込む必要があるのです。」

「それで俺の血を?」

「はい、貴方の狂牙の力を・・・」

それを聞いて俺はぴくりと眉を動かしたが

「・・・やめとけ・・・こんな力・・・組み込むもんじゃない・・・」

こんな戦闘狂の殺しの力・・・途絶えさせるべき力だ・・・

「それに血を組み込むって具体的にどうするつもりだ?」

そう言って俺は茶を啜る

そしてレキの返答は

「あなたと子供を作ります」

だった

――ブフゥーー!!!!――

それを聞いて俺は盛大に茶を吹き出した

「ゲホッ!ゴホッ!お前何言い出してんだよ!」

「わかりませんか?つまりは男女の・・・」

「そうじゃない!論点そこじゃねえ!」

アリアじゃねえんだから子供の作り方の説明なんぞ求めてねえよ!

「あのなあ俺たちまだ学生だぞ!」

「はい」

「子供育てる余裕なんてあるわけないしそもそも法律的に結婚できん!」

「では武偵校を卒業したあとならば構わないですね」

「そうゆう問題でもないだろ・・・」

そうゆうもんは本当に好きな奴としろよ・・・お前に貞操観念つーもんはないのか・・・

「あ、それと茶吹いて悪かった・・・ここ片付けとくから先に風呂入ってこい・・・」

先ほど氷牙が吹き出した茶でレキはテーブルとソファーごと水浸しになっていた・・・

「はい」

そしてレキは立ち上がると・・・

――シュル、シュル――

その場で服を脱ぎ始めた

「って何してんだよ!」

「入浴するので服を脱いでるだけですが」

「せめて脱衣所行ってから脱げ!いきなりリビングで脱ぐな!」

「私は構いません」

「俺が構うんだよ!」

「いずれ子供を作るのですから遅かれ早かれ全て見られますから」

――ガン――!

氷牙はずっこけてテーブルに盛大に頭を打ち付けた

「だから!そうゆう問題じゃないだろ!いいから脱衣所行け!」

そう言いながら氷牙はレキを脱衣所に放り込んでドアを閉めた

「ったく・・・お前に恥じらいってもんはないのか・・・」

『あなたでなければ・・・』

ドア越しにレキが何か呟いた

「ん?なんだって?」

『何でもありません・・・』

レキがそう言った後はドア越しにまた衣擦れの音が聞こえた・・・

この音は多分・・・って深く考えんな俺!

俺は即座にドアから離れ

「・・・あいつの寝床用意すっか・・・」

そう思い俺は寝室へ向かった

 

そしてタオルケットをベランダで軽く叩いてリビングに戻ったらちょうどレキが

「お風呂ありがとうございます」

「どういたしまして・・・ってオイ!」

風呂から生まれたままの姿でリビングに出てきた

俺は即座に手に持っていたタオルケットをレキの体に被せた

「なんで裸なんだよ!」

「服はそこですので」

と言ってカバンを指した

「だったら俺呼べ!裸で出てくるな!せめてタオル巻け!」

「構いません」

「構うわ!頼むから恥じらいってもんを持ってくれ!」

「いずれ貴方と子作りしますから全て見られます」

氷牙は頭を抱えて

「だからそうゆう問題じゃねえって言ってんだろ・・・・」

だいたいもしこんなとこ超ラッキースケベでロリコンなキンジにでも見られたらどうすんだよ・・・

なんて思っていたら――

――ガチャッ――

「おーい、氷牙ちょっと頼みが―――なっ!?」

本当にタイミング良く(むしろ悪く)キンジがやってきたもんだから・・・

――ダダッ――!

「シャラァ!」

――ドゴッ――!

「グガッ!?」

――バタン――!

俺は咄嗟に玄関まで駆け出しキンジの顔面に鉄拳を入れてふっ飛ばしドアを閉めた

「ハァッ、ハァッ・・・キンジ・・・ヒスってないよな?」

そしてドアスコープから外を見るとキンジは玄関前で伸びていた

「よかった・・・もしヒスってたらあいつ殺すとこだった・・・」

そしてレキを振り返ると・・・

何故かレキは両腕でタオルケットを持ち自分の体を隠していた

「――?レキ?」

するとレキはすぐにカバンに向かい服を着始めたので

「――ッ」

俺はすぐに背を向け着替え終わるまでずっとドアスコープを見ていた

そしてレキが着替え終わると

「氷牙さん」

風呂上りでもいつものセーラー服を着たレキが声をかけてきた

「ん?なんだ?」

「消灯の時間です。暗くしてもよろしいですか?」

時間は・・・9時か、レキって結構早く寝るのか・・・

「ああ構わないぞ、ベッド用意しといたからそこで・・・」

レキはリビングの電気を消すと部屋の隅に行き体育座りをしてドラグノフを抱え目を閉じた

「・・・何してんだ?瞑想でもすんのか?」

「いいえ、寝るだけですが?」

おい・・・まさか・・・

「お前・・・普段からそうやって寝てるのか?」

「はい」

氷牙は頭を抱えたそしてリビングの電気を点け

「寝るならちゃんとベッドで寝ろ!部屋の隅でドラグノフ抱えて体育座りで寝るなんてお前は武士か!?」

だいたい片腕じゃドラ撃ちにくいだろうか・・・ってそうゆう問題でもないか・・・

「襲撃に備えての用心です」

「武偵寮に襲撃に来るのは余程の命知らずか白雪くらいだよ!」

「用心するに越したことはありません、私のことは気にせずお休みください」

「・・・レキは床で体育座りで寝てるのに俺はベッドで寝ろってのか?」

「私は気にしません」

「俺が気になって仕方ないんだよ!頼むからちゃんとベッドで横になって寝ろ!」

するとレキは閉じていた目を開けて

「でしたらお願いがあります」

「なんだ?」

 

数十分後・・・

 

「これでいいのか?」

「はい、十分です」

レキの出したお願い・・・それはこの部屋を要塞化することだった・・・

玄関は3重ロックと生体認証、廊下は赤外線センサー完備、ベランダは温度感知器、そして各所にブービートラップ設置とレキの監督のもと設置したため一部のスキもない・・・

いくらなんでもここまでするか・・・

「じゃあ寝るぞ?」

「はい」

そう言ってレキは俺の隣のベッドで横になったが・・・

(隙が無ぇ・・・)

ドラグノフを抱えたままいつでも起き上がれる体勢で寝ていた

ちなみに俺も刀を持って寝ていた

これもレキが横になる条件だった

本当は銃を持ってとのことだったが

『うっかり寝ぼけてぶっ放したらどうすんだよ・・・』

と抗議してコイツで妥協してもらった

ホントはコイツも抜きたくねぇけど・・・

そうしてレキを見れば・・・

既に目を閉じて規則正しい呼吸をしていたが変わらずに隙がなかった・・・

(こりゃあ・・・相当手ごわいな・・・)

レキに人の心を持たせる以前に今の生活を改善することさえも困難を極めそうだ・・・早くもくじけそうな氷牙だった・・・

 




二人共お互いを意識し始めてきました
でもお互いこの気持ちがなんなのかは気づいていませんね
氷牙もキンジに負けず鈍い・・・

感想・指摘あればくれると参考になります

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