結局俺は今年も始業式に来れなかった、神様・・・本気で俺に恨みでもあんのか?
「九狂君、大体の事情は情報科の速報で察したけど今年も始業式来れなかったみたいだね」
「悪いな、お前のために校長の顔覚えようと頑張ってみたけどさっぱり覚えられなかったわ」
不知火と武藤に慰めてもらいながら俺は教室に入り席に着いた。
ちなみに今年もキンジやレキ・不知火・武藤達と同じクラスだった。
「ハァ・・・なんか疲れたし寝るか・・・」
そう言って氷牙は机に突っ伏した。
「はい皆さん。席についてください」
この声は高天ヶ原先生か、今年も俺たちの担任になったみたいだな・・・
あなたの声、今の俺にはちょうどいい子守歌です・・・
そして俺はまどろみの中に落ちた。
「「―――――」」
ん?なんか騒がしいな・・・
顔を上げて扉を見ればキンジが来ていた、どうやら教務科に報告に行って遅れたようだ。
そしてキンジの目線の先、教卓の方を見ると高天ヶ原先生と・・・
「先生、あたしはアイツの隣に座りたい」
ってあの子は今朝の!?同じクラスっつーか同い年だったのか?
「よ、良かったなキンジ!なんか知らんがお前にも春が来たみたいだぞ!先生!俺、転校生さんと席変わりますよ!」
武藤が手を上げた。
「あらあら、最近の女子高生は積極的ねぇ。じゃあ武藤君、席変わってあげて」
そしてアリアはキンジに歩み寄ると
「キンジ、これ。さっきのベルト」
そう言ってアリアはキンジにベルトを渡した。
ってベルト!?あいつ俺が離れたあと何しやがった!?
「理子分かった!分かっちゃった!─これ、フラグばっきばきに立ってるよ!」
キンジの左隣に座ってた…峰 理子が立ち上がる。
「キーくん、ベルトしてない!そしてそのベルトをツインテールさんが持ってた?これ、謎でしょ謎でしょ!?でも理子には推理できた!できちゃった!」
ああ、謎だな・・・何があったのかとっても謎だな・・・
理子・・・お前はアホだが腐っても探偵科Aランクだ。その推理しっかり聴かしてもらおうじゃねえか・・・
「キーくんは彼女の前でベルトを取るような何らかの行為をした!そして彼女の部屋にベルトを忘れてきた!つまり2人は─熱い熱い、恋愛の真っ最中なんだよ!」
その瞬間クラスは大盛り上がりに盛り上がった
「キンジがこんな可愛い子といつの間に!?」「影の薄いやつだと思っていたのに!」「ロリコンって噂本当だったんだ!?」「そんな!キンジはホモじゃないとカップリングが!」「星伽さんどころか九狂君まで遊びだったの!?」「今年の夏の新刊はキンジX氷牙で決まりだったのに!」
新学期なのに息が合いすぎだろお前ら・・・つうか後半に至っては何かおかしくないか?・・・
つかテメエ・・・俺とレキがセグウェイの団体様とドンパチやってる間にテメエはアリアと背徳感満載な体育実習してたってのか・・・
まあ、これで容疑は固まった、とりあえずキンジは今すぐボコボコにぶっ飛ばしたあと窃盗と幼女暴行で逮捕して・・・
ってなんか・・・アリアが顔真っ赤にして銃に手を伸ばしたぞ?
俺は咄嗟に防弾カバンを前に掲げた、直後――
―――バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン、バキュン
アリアがクラス中に向けて乱射した・・・
「れ……恋愛だなんてくっだらない! 全員覚えておきなさい! そういうバカなことを言うやつには」
「――風穴あけるわよ!」
夕方、氷牙はキンジの部屋に来ていた
勝手知ったる他人の家なのかチャイムも押さずにドアノブを回す、まあこの部屋はキンジ一人しか住んでいないから特に気にする所でもないだろうが・・・それに鍵開いているし・・・
「おいキンジ居るか?邪魔するぞ?」
「氷牙か?」
「あら?あんたは・・・」
「君は・・・転校生のアリアさん?」
「アリアでいいわ、それよりもちょうど良かったわ。あんたも呼ぼうと思っていたから」
「?何か用?」
アリアがよくぞ聞いてくれましたという顔になる
「こっち来て」
(よくわからんが何かいい予感はしないな・・・)
そう言って俺はリビングに向かう、ところで廊下にあるこのトランクは何だ?
「で、何か用?」
そしてアリアは俺たちに向かって指さすと
「キンジ、氷牙――
あんた達、あたしの奴隷になりなさい!」
「「・・・・・・・・・は?」」
コミケ前、そして今年最後の投稿です。
文字数少ないが仕方ない・・・