三日月は流離う   作:がんめんきょうき

59 / 66
ぼちぼち最終章へと入る予定です。
それと今回はあまり見直し出来て無いので、誤字誤表現が多いかもしれません。
申し訳御座いません。



おとり先生様、超能力好き様。
誤字報告有難う御座いました。


第五十八話 三日月と孤狼と虚無と…

 視界を塗り潰すと同時に、その光はノイトラの全身へと纏わり付いてゆく。

 気体に液体、ましてや鬼道の類いでも縄でも無い。だが確実に拘束という用途に類いするものであるのは間違い無かった。

 

 本来であれば、“反膜の匪”は孔に入れられた直後、有無を言わさず対象を閉次元へと隔離する筈だ。

 しかし実際は先にノイトラを拘束しに掛かっている。それはまるで凶悪犯罪を犯した受刑者の動きを完全に封じた上で、一切の光も射さぬ独房へと監禁する下準備をしているかの様にも見える。

 

 

「冗談じゃねぇぞ…!!」

 

 

 ノイトラは全身に力を籠めて抵抗を試みるが、無駄に終わる。光が纏わり付いた部分は特にそうだ。自慢の膂力を以てしても、ピクリとも動かない。

 このままでは本当に閉次元へ幽閉されてしまう。しかもそれはどれ程の時間に及ぶのか見当も付かない。

 一時間や二時間程度であれば、まだ間に合う範囲である。だがそれ以上ともなると、もはや一巻の終わり。残る目的の全てが達成不可能となってしまう。

 

 そして最終的に藍染が倒されてしまえば、閉次元から抜け出す事すら困難という、言わば詰みの状況へと陥る。

 唯一残された希望は喜助だけだが、結局は全てが終わった後となる。

 閉次元から抜け出したは良いものの、救いたかった仲間達は一人も居ませんでした。もしそんな非情な現実を突き付けられでもすれば、ノイトラはその場で発狂する自信があった。

 

 ―――此処に来て終わりなぞ、納得出来るものか。

 追い詰められた末に、ノイトラは決断した。

 もはや形振り構っていられる状況では無いと。

 

 

「ク、ソ…がああぁぁあああぁァァァッ!!!」

 

 

 それは解号無しの帰刃。しかも先程とは異なり、その力は一切制限していない全力の状態だった。

 身体構造が瞬時に変化した影響なのか、その全身を覆っていた光が一時的に拡散する。

 チャンスとばかりに、ノイトラは六本の手に握られた大鎌を投げ捨てると、内四本を使って発生源である左目の孔を塞ぎ、光を抑え込まんとする。

 

 確かに勢いは治まったが、完全には不可能であった。

 ほんの僅かな隙間を潜り抜けて光が次々に溢れ出し、再びノイトラの全身を拘束しに掛かる。

 心成しか、その拘束力は時間の経過と共に強くなっている様に感じられた。

 

 

「っ、駄目か…!!」

 

 

 最悪の事態である。このままでは本当に終わってしまう。

 ノイトラは一瞬迷った。切り札たる“あの力”を解放すべきか否かを。

 だがもしそれを使って脱出に成功したとしても、状況的に詰んでしまう。

 下手人のスタークとそれに協力したウルキオラとは確実に戦う羽目になるだろうし、結果的に藍染とも完全に敵対する形となる。

 

 僅かな時間の中で何度も悩んだ末、ノイトラは賭けに出る事を決意した。

 もしこの“反膜の匪”が専用設計なのだとしても、一つだけ希望がある。

 如何にそれが自身の霊圧を分析して作り上げたのだとしても、流石に見せてもいない“あの力”を想定して作っている訳では無いだろうという確信が。

 

 そして最後にもう一つ―――スタークの存在だ。

 別に他者の介入が無くとも、他ならぬスターク自身が正真正銘の全力を出して立ち回れば、その生存確率は一気に跳ね上がる。しかも彼の性格から考えて、それは他の仲間達にも及ぶかもしれない。

 だがそうなると更なる可能性も浮上して来る。史実では普通に生き残ったハリベル達は別として、下手すればバラガンやその従属官達までも生き残る可能性が。

 しかし後者については確実では無い。例えそうなったとしても、以前に交わした約束通り不干渉を貫けば大きな問題は起こらないだろう。

 

 故にノイトラの出した結論。それは自身の目的に加え、決意や覚悟といった洗い浚いの全てをスタークに託す事だった。

 完全に他力本願な思考ではあるが、この選択は強ち間違ってはいなかったりする。

 残るノイトラの望みは仲間達の生存のみ。だが言ってしまえばこれは必ずしも彼でしか達成出来無いものでは無い。

 並みの窮地なぞ軽く跳ね除けられる確かな実力と、仲間を大切に思う気持ちさえあれば誰でも可能なのである。

 

 とは言え、ノイトラの考えとしては、スタークに託すのはあくまで自身が閉次元より戻るまでの間のみ。

 其処から先は何としても幽閉状態から抜け出し、直接介入する心算だった。

 

 否、寧ろそうしなければならない。

 理由はやはり藍染だ。例え上位十刃勢が予想に反した奮闘振りを見せたとしても、恐らくは崩玉との完全融合が近付けば結果は同じ。

 史実に於いて、決戦の地に赴いた破面達が次々と斃れて行く中、援軍として現れた“仮面の軍勢”達を含めた実力者数名を相手に孤軍奮闘していたハリベル。そんな彼女を文字通り不要だと切り捨てた様に、平然と手を下すであろう。

 

 

「スタァァアアアァアァァァク!!!」

 

 

 フリーの状態である二本の腕を駆使し、自身を拘束しに掛かる光に対して力づくで抵抗しながら、ノイトラはその名を叫んだ。

 だが離れに立つスタークは反応を示さない。

 それどころか眼前に広がる光景を見ない様にしているのか、無言のまま顔を斜め下に俯かせ続けている始末。

 

 

「俺は認めねぇぞ!! こんなクソみてぇな結末!!!」

 

 

 だがノイトラは構わず叫び続ける。

 例え反応を示していなくとも、スタークならば必ず自身の思いに応えてくれる筈だと信じて。

 

 

「コッチを向きやがれェェェッ!!!」

 

「―――っ!!」

 

「現実から逃げんな!! 目を背けんな臆病者!!!」

 

 

 遂にその必死さが伝わったのか、スタークは動きを見せた。

 持ち上げられたその顔には、主に後悔や悲しみが入り混じった複雑な表情が浮かんでいた。

 

 ―――何故糾弾しない。

 その表情が示す通り、スタークの心情はこれだった。

 幾ら藍染に命令されたとは言え、罵倒されて然るべき事をした自覚はある。

 にも拘らず、ノイトラの言葉には負の感情は一切籠められていない。それどころか此方を奮い立たたせんとしているかの様な印象を受ける。

 そんな予想に反した彼の言葉に、スタークは只々瞠目するばかりだった。

 

 

「俺は必ず戻って来てやる!! テメェとの決着を付ける為になァ!!!」

 

「ノイトラ…お前…」

 

「だから…ッ、テメェも―――」

 

 

 ―――必ず生きて戻って来い。

 だがその言葉を口に出す事は叶わなかった。

 直後に孔を押さえていた腕を押し退けて光が溢れ出すと、ノイトラ・ジルガという存在をこの世界から完全に隔離した。

 

 先程までの喧騒が嘘の様に、辺りが静寂へと包まれる。

 十秒、二十秒と時間が過ぎて行く。だが一向に誰も言葉を発しない。

 厳密に言うと発せないのだ。驚愕や戸惑い、後悔といった様々な要因から。

 状況が変わらぬまま、やがて一分が経過しようとした刹那―――遂にスタークがその静寂を破った。

 

 

「簡単に…言いやがってよぉ…」

 

 

 喉の奥から絞り出す様にしてそう言うと、徐にその顔を上に向ける。

 ダラリと下げられた両腕。その先の拳は有らん限りの力で固く握り締められていた。

 

 消える間際にノイトラがぶつけた思いは、確りとスタークに伝わっていたのだ。その言葉の裏に籠められたもう一つの真意も同様に。

 スタークのみならず、他の仲間達も必ず引き連れて戻って来いという、身勝手で困難極まりない頼みを。

 

 だがこれから彼が向かう先は、世界の命運を懸けた戦いが行われる決戦の地だ。

 尸魂界陣営は死にもの狂いで挑んで来るだろうし、相当厳しい戦いとなるのは明白。

 桁外れな実力を持つ上位十刃であっても、恐らく自分自身の事だけで精一杯。他の者へ気を配る余裕なぞ全く無いだろう。

 

 

「けどまぁ―――他でも無ぇお前の頼みだ。やってやるさ」

 

 

 そう理解していたにも拘らず、スタークはノイトラの願いを聞き入れる事を決意した。

 やがてその顔が降ろされる。

 常にやる気の欠片も無く濁り切っているその瞳には、確固たる覚悟の光が宿っていた。

 

 尚、これまでの流れを見ていた者であれば理解出来ると思うが、言った当人であるノイトラは決して其処まで求めてはいない。

 完全にスタークの深読みし過ぎである。

 だが消える間際のノイトラの必死さが、それを助長していた。

 

 

「だからお前も絶対戻って来いよ。なぁ…“好敵手(リバール)”」

 

 

 そして今更だが、ノイトラは一つだけ重要な事を忘れていた。

 確かにスタークが本気になれば、仲間達の生存確率は上がるかもしれない。

 だがそれは同時に尸魂界陣営が敗北する可能性も比例して上がってしまう。

 

 確かに多少の誤差であれば、藍染の行動に変化は無いかもしれない。

 だが十刃達が史実を大きく外れ、奮闘だけに収まらずに本当に勝利してしまえば如何か。

 尸魂界、虚圏、藍染、そして一護。其々にどれ程の影響を齎すのか、皆目見当も付かない。

 ノイトラは無意識の内に、そんな特大の爆弾を投下していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 藍染の後へ続いていた東仙だったが、突如としてその場に立ち止まる。

 何かを確かめる様に顔を持ち上げて数秒が経過した後、徐に口を開いた。

 

 

「…ノイトラ・ジルガの霊圧が消失しました」

 

「そうか」

 

 

 それに対し、藍染は特に驚いた様子も無く淡々とそう返した。

 彼が秘密裏にスタークへ指示を出していた件を知らされていない東仙は、当然その反応に疑問を抱いた。

 ちなみにギンも同様の為、さり気無く視線を藍染の背中へと向けている。

 

 

「何をなされたので?」

 

「…そう言えば君達には話していなかったね」

 

 

 思わず東仙が問い掛けると、其処でやっと藍染は立ち止まり、後方へと振り向いた。

 其処から説明を始める。数時間前、スタークとウルキオラを呼び出した後、前者のみを残してとある密命を出した事を。

 理由はノイトラが裏切りを企てている可能性があり、それ故に幽閉の必要があるのだと。

 

 当然、スタークは相当に渋った。しかしノイトラの裏切りが真実であれば、他の仲間達の身が危険に晒されると理解するや否や、最終的に首を縦に振った。

 ―――出来ればこういった命令は今回限りにしてほしい。

 去り間際にそう言い残しながら。

 

 

「彼の説得には少々骨が折れたよ」

 

 

 実はそれに加え、藍染は密かに仕込みも行っていた。

 以前ノイトラへの報酬としてザエルアポロを呼び出した際、とある依頼をしていたのだ。

 それは対ノイトラ専用の“反膜の匪”の制作。

 ザエルアポロは嬉々として引き受けた。そして藍染の自室を出た後、監視の目を警戒して悔しがる演技をしながら、自身の宮へと早足で向かった。

 

 だがそれはフェイク。

 まずノイトラに恨みに近い感情を抱いているザエルアポロは、嬉々として制作の為の行動を開始する。

 其処で真っ先にノイトラと親しい者、それも上位クラスの者がその動きを察知し、何れかのタイミングで阻止の為に動く。

 藍染はその隙を突き、スタークに自身が既に製作していた本命の“永反膜の匪”を渡して置き、ネリエルとの遣り取りを終えたノイトラへの使用を命じる。

 理由はノイトラが自分達に対して反旗を翻す可能性が浮上した為、一時的に幽閉するという名目で。

 

 人選の理由は単純に実力だ。

 他の上位十刃勢でも構わなかったのだが、藍染の想定する限り、最も此方側への被害が少なくスムーズに事を運べるのはスターク以外に適任者が居なかったのだ。

 それにノイトラ自身、気を許している仲間を前にすれば少なからず気が抜ける筈。そうして隙が生じれば、更に成功の確率は上がる。

 

 

「…何故そこまでして奴を?」

 

「ノイトラ・ジルガはその階級に不相応な実力等、不確定要素が大きい存在だった」

 

 

 経緯については理解出来たが、肝心な部分が抜けている事に気付いた東仙は、更に追及する。

 

 

「私達が虚夜宮を留守にする間、野放しにして置くのは余り気が進まなくてね」

 

 

 確かにそうだと、藍染の意見に対して東仙は内心で同意する。

 だが一つだけ気にかかる点があった。

 如何にノイトラの実力が上がっているとは言え、虚夜宮の警備として残るウルキオラ、そしてヤミーが二人掛かりで対処すれば、抑える事は可能なのではないかと。

 

 前者は上位十刃の上、藍染が言うには何か通常の帰刃とは別の切り札の様なものがあるらしい。そして後者は最下位の階級ではあるものの、解放時は第0十刃という真の階級に相応しい姿へと戻る。

 残留組に選ばれたのも納得だ。この二人が居れば、大抵の敵は尽くが粉砕される事だろう。

 

 だが藍染は封印という手段を取った。しかも態々“反膜の匪”を自らの手で改良するという手間まで掛けて。

 これ以上引き止めるのは不敬に当たる。そうは思いつつ、東仙は真意を問わずにはいられなかった。

 

 

「ですが、その時は―――」

 

「例えウルキオラ達が対処に動いたとしても、結局は後手に回る事になるだろう?」

 

 

 東仙の思考を読んでいた藍染は、言い切る前に返答した。

 ―――ノイトラを侮ってはならない。

 言外にそう窘められている様に感じた東仙は、それ以上口を開く事は無かった。

 

 

「それにノイトラを封じる利点は他にもある」

 

 

 そう、藍染にはもう一つだけ理由があった。それはノイトラと同様に不確定要素として認識していたセフィーロの存在である。

 当時は未だ不完全な状態であった崩玉を使用した為か、破面化に失敗した例とされている彼女。

 だが案の定と言うべきか、藍染はそう認識してはいなかった。

 嘗てその名を語る事すら恐れられ、虚圏で暴虐の限りを尽くしていた〝滅蒼”。ザエルアポロやスタークの様に魂を二つに分けた訳でも無しに、そんな規格外がこの程度の事で力を失ったと本当に思えるだろうか。

 

 自身の力を利用されたくないが為に、何らかの手段で秘匿している。または此方が認識出来無い程に力を増したのか。

 藍染としては前者の可能性を考えていた。でなければ此方の勧誘に対してあっさりと首を縦に振った理由が説明出来無い。しかも後者であればとうの昔に行動を見せている筈である。

 

 

「君達は気に留めてすらいなかったかもしれないが、私は一時も彼女から意識を逸らしたことは無い」

 

 

 藍染はセフィーロの事を如何に警戒すべき存在なのかを、東仙とギンへと事細かに説明する。

 虚夜宮中に仕込んでいる監視装置は勿論、崩玉を用いても、その動きを覗く事が殆ど出来無いという驚愕の事実も交えながら。

 

 だがそんな底知れぬセフィーロの行動に制限を掛ける方法があった。それこそ彼女が執着しているノイトラの封印である。

 彼を此方の手の内に抑えてしまえば、後は簡単。何せノイトラを解放出来るのは“永反膜の匪”の製作者のみ。つまり力では解決出来無い状況故に、セフィーロは身動き一つ取れなくなるのだ。

 もはやこの世の全ては自身の掌の上だと、藍染は締め括った。

 

 

「さて…そろそろ出発しようか」

 

 

 やがて玉座の間の最深部に当たる場所にて、巨大な黒腔が開く。

 その道の先に移る光景を眺めながら、藍染は静かに呟いた。

 

 

「…さあ、この状況をどう乗り切る?」

 

 

 その言葉は誰に向けたものなのか。それは当人にしか分からない。

 だが何処と無く、藍染の表情は楽しげに見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先程までノイトラが居た筈の場所を眺めながら、ウルキオラはその場に立ち尽くしていた。

 その心情を埋め尽くしていたのは―――果てしなき疑問。

 スタークより伝え聞いた藍染の言葉が真実であれば、ノイトラを封じたのは当然の措置と言える。

 

 だがそれでも納得出来なかった。

 今のノイトラは決して馬鹿では無い。藍染を裏切るという行為が、一体何の意味を持つのか、如何なる結果を齎すのか。その程度は理解している筈。

 共に行動する機会が増えたが故に、ウルキオラは知っていた。藍染の命令に逆らわず、時には戦闘狂故に湧き上がる己の戦意を押し殺しながら、忠実な部下として行動して来たその実績を。

 

 ネリエルとの遣り取りは終始観察していた。恐らく彼女との過去の因縁も、ノイトラが変わる切っ掛けの一つでもあったのだろう。そう考えればあの予想外な態度や姿を見せたのには得心が行く。

 

 

「…一体何だというのだ……」

 

 

 ノイトラが閉次元の中へと消えた直後から、ウルキオラはそれ等を感じていた。

 己の中で、何か途轍も無く大きなものが抜け落ちたかの様な消失感。

 意味も無く周囲の何かに力をぶつけたくなる暴力衝動。

 スタークへと助力した自身の行動に対する、極めて不明瞭な後悔に似た感覚。

 そして―――ノイトラに消えて欲しく無いという願望。

 

 刹那、ウルキオラの脳裏にとある文字が過った。

 以前ノイトラにも問い掛けた、“心”という一文字が。

 

 ―――まさかとは思うが、これがそうなのか。

 一瞬だけそう考えたウルキオラだったが、即座に振り払い、違うと否定する。

 それにだ、もしかすると本当にノイトラが裏切りを企てており、組織の内部崩壊を促す為に態と自身を惑わす様な言動を取った可能性も捨て切れない。

 他の仲間達と良く接していたのもそうだ。仲を深めて置けば、それこそ岐路に立たされた時、最終的に自身へ協力させる形へと持ち込む布石だったのではないか。

 揺らがず、そして迷わず。藍染の道具としての己の存在意義を認識し直せと、ウルキオラは己に言い聞かせる。

 

 

「…もういらねぇよな、コレ」

 

 

 彼がそんな葛藤をしているとはいざ知らず、スタークはその腕に装着されていたアクセサリーらしきものを取り外すと、何処か憎々しげに呟きながら投げ捨てた。

 これは“永反膜の匪”と共に藍染より渡された道具。ウルキオラが織姫を連れて来る際に使用した腕輪の姉妹品でもある。

 元は喜助が尸魂界から逃げ出した際に残していた置き土産である、霊圧遮断用の黒い外套の技術を利用した物だ。

 非常にコンパクトな分、幾つかの制限があるのだか、詳しく語る必要は無いだろう。

 

 

「ノイトラ…君…?」

 

「…な…なにがおこったんスか…?」

 

 

 その場にへたり込み、呆けた様な表情を浮かべながら、織姫は途切れ途切れの声でノイトラの名を呼んだ。

 つい先程まで恐るべき実力を存分に見せ付けていた筈の存在が、訳も分からぬ内に消え去ってしまうという怒涛の展開について行けなかったのもある。

 だが織姫が最も衝撃を受けたのは、それを成したのがノイトラの仲間達であった事だ。

 それは彼女のみならず、ネルと一護も同様であった。

 

 

「―――どういう事だよ…」

 

 

 盾の中の一護が、何かを呟いた。

 その声には途方も無い怒りが籠められていた。

 

 

「てめえ等…何をやってんだよ!?」

 

 

 静かにその場に佇んでいるスタークとウルキオラに向け、一護は叫んだ。

 彼等の突然過ぎる行動―――仲間である筈のノイトラに対する所業に。

 あの光の正体は謎だが、取り敢えず普通では無いのは確実。

 消える寸前にノイトラが放った、戻って来るという言葉からして、決して死に至らしめる効果がある訳では無いのだろう。

 だが下手すると二度と抜け出せない、そんな牢獄の中に閉じ込める様なものかもしれない。

 

 

「仲間じゃねえか!! 何でそんな平気なカオしてられんだよ!!?」

 

 

 例え敵側の事情、しかも敵側の大きな戦力が勝手に削れるという利点を尸魂界陣営へ齎すのだとしても関係無い。

 仲間を平然と裏切る。それは大切な仲間を傷付けられたり、弱者を蹂躙して快楽を見出す事と同様、一護が最も許せない行為であった。

 

 しかも被害を被った相手が相手である。

 例え怪我人が相手であろうとも、敵であれば一切容赦せず、勝つ為には手段を選ばない。そんな稀に見る熾烈さを持ちながらも、実は仲間思い。多少手荒ではあったものの、致命傷を負っているにも拘らず尚も戦闘を続行せんとしたグリムジョーをこの場から撤退させたのが証拠だ。

 

 そんなノイトラに対し、剰え二人掛かりで襲い掛かるという裏切りを決行した。

 確かに彼の持つ力は凄まじい。故に単独では厳しいと判断したのかもしれないが、どちらにせよ忌避すべき行動である事に変わりは無い。

 

 

「ッ、てめえ等…!!」

 

 

 だがスタークとウルキオラは一切反応を示さない。

 それが余計に一護の怒りを煽った。

 

 

「―――うるせぇなぁ…」

 

「ッ!!?」

 

「悪ぃけどよ、ちょっと黙っててくんねぇか?」

 

 

 更に捲し立てんとした一護だったが、残念ながらそれ以上は許されなかった。

 突如としてスタークより放たれた威圧感と、その声に含まれた尋常ならざる怒気によって黙らされたのだ。

 ―――自分とて好き好んでこんな真似をした訳じゃないし、平気な訳では断じて無い。

 だから何も知らない奴は黙っていろと、その態度は明らかに語っていた。

 

 

「“反膜の匪”」

 

「…なんだって?」

 

「ノイトラに使った道具の事だ」

 

 

 気圧された影響で全身を硬直させていた一護だったが、突如として聞こえて来た言葉によってそれを解かれる。

 見れば声の方向にはウルキオラが、相変わらず視線を一定の場所から外さずに佇んで居た。

 

 その真意は不明だが、淡々とした口調で説明を続ける。

 “反膜の匪”の持つ効果と用途、そしてその製作者を。

 

 

「今回のは特別製。中位以下の十刃を―――且つノイトラの霊圧構成の情報を組み込んだ専用品らしい」

 

「それじゃあ…あいつは二度と―――」

 

「そうだ。藍染様が解放を認めない限り、奴は永遠に閉次元へ囚われたままとなる」

 

 

 平然と語るウルキオラに対し、一護は激しい憤りを覚えた。

 例え裏切られたノイトラの方に問題があったのだとしても、この仕打ちは常軌を逸している。自由剥奪と刑事施設への収監の刑期が終身に及ぶ、所謂終身刑が生易しく感じる程に。

 後者は最低限度の衣食住が提供されるものの、前者は違う。何せ藍染以外に手出し不可能な閉次元へと幽閉されるのだ。その意味は深く考えるまでも無い。

 

 

「っ、そんな…酷い…!!」

 

 

 塵一つ与えられない牢獄の中で、死ぬまで囚われ続ける。それは地獄以外に何と言うだろう。

 寧ろ一思いに殺して貰った方が救いとなる。

 ウルキオラの説明を聞いていた織姫もその考えに至ったのか、思わず震え声でそう呟くと、両手で口を覆い隠した。

 

 

「…そういやもう一つあったな。藍染さんからの命令―――っ」

 

 

 思い出したと言わんばかりにスタークはそう呟くと、織姫へと視線を向ける。

 するとその直後、彼は突如として自身の右腕を持ち上げ、横顔を防御するかの様な体勢を取った。

 

 間を置かずに周囲へと響き渡る、凄まじい轟音と衝撃。

 見ればスタークが持ち上げた右腕は、真横から振るわれたらしい無数の巨大な刃の羽を持つ翼を受け止めていた。

 

 

「お前…」

 

「―――なにしてんだてめえ等ぁぁぁッ!!!」

 

「ッ!!」

 

 

 それは帰刃形態と化したチルッチによる不意討ちだった。

 瞠目するスタークを余所に、彼女は未だ嘗て無い程の怒りの形相を浮かべながら、同時に逆側の翼を振るって追撃を仕掛けた。

 

 だが其処は流石の第1十刃と言うべきか、スタークは大きく上へ跳躍する事で難無くそれを躱す。

 宙に形成した霊子の足場を蹴り、離れた位置へ降り立つ彼をチルッチは睨み付けると、激情のまま叫んだ。

 

 

「答えやがれ!! ノイトラに何しやがった!!!」

 

「……勘弁してくれよ…」

 

 

 スタークは思わず内心で舌打ちした。

 この場に降り立つより前、彼は一応チルッチの様子は確認していた。負傷の具合からして、暫く意識は戻らないだろうと想定していたのだが―――如何やら甘かったらしい。

 恐らくノイトラを封じる直前かその付近に意識を取り戻し、一部始終を目撃していたのだろう。そして帰刃する事で強制的に傷を癒し、この場へ乗り込んで来た。

 だが直前まで行われていた会話までは聞いていないらしい。驚愕故にか、はたまた距離的な問題なのかは不明だ。

 

 ―――面倒な事になった。

 今のチルッチは何処から如何見ても話が通じる状態では無いのが明白。

 スタークは小さく溜息を吐いた。

 

 

「ッ、ダンマリかよ…!!」

 

 

 そんな態度が余計に怒りを煽ったのか、チルッチは遂に殺意を剥き出しにした。

 如何なる理由があろうとも、第1十刃に攻撃するのは拙い。最悪は組織に対する裏切りとして取られる可能性も低くは無い。

 だがチルッチは怯まない。寧ろその程度が何だと開き直っていた。

 

 ノイトラが“反膜の匪”らしき物で封印される光景は見ていた。

 止めに入る事が出来無かったのは、余りに突然過ぎる展開に硬直していたからに過ぎない。

 それはそうだ。あのスタークが仲間を、加えて特に親しい者に手を掛けるなどと、誰が考えるか。

 以前からの会話の中でもそうだが、ノイトラはテスラと同等のレベルで、スタークの事を信頼している。

 戦力としては勿論だが、真に仲間として頼るべき者はアイツだと、過去の宴会の中で呟いた時がある程。

 その時は周囲が騒がしかった為、その発言を聞いていた者は少ないが、チルッチは確りと記憶していた。

 

 ウルキオラに対しても似た様な事が言える。彼は任務等を通してノイトラと接する機会が多く、その中で徐々に変化の兆しを見せ始めた途端にこれだ。

 やはり所詮は藍染の手駒でしかなかったのだろうと、チルッチは失望していた。

 

 

「…なら力づくで吐かせてや―――!!!」

 

 

 無論、強気に出てはいるが、簡単に出来るとは思ってはいない。

 ノイトラの信頼を裏切った二人に対し、その罪の重さを思い知らせられる程度に痛手を与えられれば良いと。

 

 この通り、今のチルッチは正気とは言い難い状態であった。

 自身の主であり想い人たるノイトラが生死不明となった事で生まれた焦燥。それを成した下手人へ抱いた激しい怒りと殺意。これ等が要因だろう。

 らしいと言えばらしいのだが、結局の所、チルッチの行き着く先は見えていた。

 

 

「―――る…?」

 

 

 そして彼女は運が無かった。

 理由はスタークの状態にある。

 彼はノイトラの意志を汲み、自身の力が及ぶ限りで動く事を決意した―――言わば本気モードに入っていた。

 残された時間の少ない現状に於いて、今迄の様に状況に身を任せる等という真似をする筈が無い。

 

 

「あの野郎ッ…どこに消え―――」

 

 

 気付けばチルッチの視界の先に居た筈のスタークは、忽然とその姿を消していた。

 咄嗟に“探査神経”で居場所を探らんとするも、余りに遅過ぎた。

 

 

「…悪ぃな」

 

「ガッ!!?」

 

 

 周囲を見渡すチルッチの後頭部へ叩き込まれたのは手刀。

 それも只の手刀では無い。並みの破面であれば帰刃形態であっても容易く肉片と化す様な威力を持っているそれ。恐らくチルッチの力が史実より増していなければ、同様の運命を辿っていたであろう。

 

 

「…もう、許しは請わねぇ」

 

「…ぐ…ぁ…」

 

 

 チルッチの視界は一瞬で黒く塗り潰され、その身体は地面へと叩き付けられる。

 倒れ伏したまま動かなくなった彼女を見下ろしながら、スタークは淡々と語り掛けた。

 

 

「後で存分に殴られてやるからよ、今は眠っててくれ」

 

 

 彼女の近くへ着地すると、優しい手付きでチルッチを持ち上げ、右肩に担ぎ上げる。

 そして先程からその場に立ち尽くしたまま動かないウルキオラへ向けて声を掛けた。

 

 

「…ウルキオラ、そのお嬢ちゃんを第五の塔まで頼むぜ。俺はこいつを治療室まで運んでく」

 

「…ああ」

 

「きゃっ!!?」

 

 

 ウルキオラは一息遅れで了承する。

 響転で移動し、その場にへたり込んでいる織姫を片手で持ち上げる。

 些かその動きにはウルキオラらしからぬ粗さが見て取れたが、それに気付いた者は居なかった。

 

 

「そんな浮かねぇ顔すんなって。ノイトラ(あいつ)なら大丈夫だ」

 

「…別に気になどしていない」

 

「…そうかい」

 

 

 ―――本当に気にしていないのなら、終始ノイトラの居た場所を眺め続けている訳が無いだろうに。

 スタークはそう思ったが、敢えて口に出さない。

 こういうものは本人に自覚させるべきなのだから。

 

 

「くそッ!! 早くこの術を解いてくれ井上!!」

 

「黒崎君…」

 

 

 再び両手を盾の内側へと叩き付けながら、一護は叫んだ。

 既に傷の大半は癒えており、後もう少し霊圧が回復すれば直ぐにでも戦闘に移れる状況であった。

 だが織姫は何かに耐えている様な表情を浮かべるだけで、その要望に応える素振りを見せない。

 

 その理由は明らか。一護の為である。

 ノイトラに連れ去られそうになっていた時と同じだ。

 今術を解けば、一護は間違い無く織姫を助け出す為にウルキオラ、そしてスタークへと戦いを挑む事だろう。

 しかしそうなった場合の勝率は絶望的なまでに低い。

 

 先程までの戦いの中で驚異的な力を見せ付けたノイトラ。そんな彼に一目置かれているウルキオラに加え、不意を突いたとは言え難無くノイトラを封じる事に成功したスターク。

 両名共に序列は不明だが、単純に考えても相当な実力を持っている筈である。それこそノイトラに匹敵―――またはそれを上回る程の。 

 

 だからこそ、織姫は一護を解放しない。

 ウルキオラに連れ去られた後、どんな目に遭うのか全く判断が付かない。下手すれば、外的要因があったとしても宮を抜け出した罪で、死なない程度の酷い罰則を受ける可能性もある。

 だがそれでも構わない。自身が犠牲になる事で、想い人が助かるのならばと。

 

 

「じゃあ後でな」

 

「…ああ」

 

 

 スタークとウルキオラは軽く言葉を交わすと、全くの同時に響転でその場から消え去った。

 その場に一人ぽつりと取り残された一護は、やがて盾を叩くのを止めると、頭を下げて両手を地面に着けた。

 数秒間を置いた後、息を大きく吸い込み始める。

 やがて肺の容量限界を迎えた瞬間―――顔を持ち上げると同時に腹の底から叫んだ。

 

 

「くッそおおおおおぉぉぉォォォッ!!!」

 

 

 それは虚夜宮全体へと響くかと思う程に大きかった。

 単純な声量、では無い。それに込められた一護の感情が、である。

 人並みの感性を持つ者であれば、直接声を聞かずとも、今の彼の姿を見ていれば感じ取れる筈だ。

 感受性が高い者であれば余計に。この上無い程に、胸が締め付けられる様な錯覚を覚え、剰え痛みを感じるかもしれない。

 それ程までに強い感情が、この叫びには込められていた。

 

 そんな一護からそう遠く無い場所にて、突如として地面が盛り上がり、轟音を響かせながら爆発した。

 大量の砂埃が舞う中、其処から一つの影が飛び出して来た。

 

 

「こいつァ…どういった状況だ?」

 

 

 如何やら此処に来るまでに色々とあったらしい。

 顔の至る所に打撲の後らしき青痣と小さな裂傷を覗かせながら、剣八は首を傾げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウルキオラと別れたスタークは、虚夜宮のとある通路を進んでいた。

 右肩には相変わらず意識の無いチルッチが担がれている。ちなみに帰刃形態は既に解けており、御蔭で運ぶのが楽になったと、スタークは内心で安堵していたりする。

 

 

「気が乗らねぇなぁ…」

 

 

 スタークは空いた左手で後頭部を掻きながら、憂鬱そうに呟いた。

 向かう先は勿論治療室である。

 だがつい先程呟いた言葉の通り、スタークの足取りは重かった。

 

 チルッチは治療室在住の二名に加え、他の常連メンバーと非常に仲が良い。

 殺してはいないものの、スタークはそんな彼女に手を上げたのだ。顔を出し辛いに決まっている。

 

 

「…ん?」

 

 

 スタークはふと進行方向が騒がしい事に気が付く。

 如何やら通路の一部に大人数が集まり、何かを話し合っているらしい。

 不審に思いながらも、彼はそのまま進み続け―――その光景を視界に捉えた途端、全身を硬直させた。

 

 

「どこに行ったのかな~?」「うぇあ~?」「いずこへ~」「チルッチぃー!」「おかあさーん!」「さびしいよぅ…」「おなかすいた~」「びえええん!」「クゥーン」「母をさがして~?」「三千霊里~」

 

「…おいおい、マジかよ」

 

 

 直接面識があった訳では無いが、スタークは即座にその正体に気付いた。

 自身が十刃に加入するより前にバラガンが戯れに配下へ加えていた破面であり、その扱い辛さ故に封印された筈の破面―――ピカロ。

 しかも会話内容を聞く限り、理由は不明だがチルッチの事を探しているらしい。

 

 ―――これは非常に拙いのではなかろうか。

 答えに至ったスタークは、思わず頬を引き攣らせた。

 もはやピカロが何時の間に封印から抜け出したのかという疑問なぞ吹き飛んでいた。

 

 ピカロの探し人たるチルッチは現在、自分自身が担いでいる。それだけであれば何も懸念するものは無かった。

 問題なのはその意識が無い事だ。

 つまり傍から見れば誘拐犯にしか見えない。

 

 親が攫われている状況を子が目撃すれば、一体どんな行動を起こすだろう。

 例え蛮勇であったとしても、奪還に動かない訳が無い。

 

 

「…迂回すっか」

 

 

 スタークの為人を知っている者であれば、誘拐と取る可能性は万が一にも無いだろう。

 だが生憎と、彼の事をピカロは知らない。間違い無く誤解する筈だ。

 

 そう考えたスタークは、一旦来た道を引き返す事にした。

 無論、音を立てぬ様に細心の注意を払いながら。

 

 

「ああー!!」「チルッチいたー!」「われ発見せり!」「あれれ?」「なんか変な人がいる…」「おっさん?」「不審者?」「変態?」「なんかチルッチを持ってるよ?」「拉致?」「誘拐?」「これはまずいですよ」「かせいふは見た!」

 

「やっ、べぇ…!!」

 

 

 だが僅かに遅かった。

 無意識の内に霊圧を探っていたのか、ピカロは一斉にスタークの方向へと振り向き、その姿を完全に捉えた。

 そしてその右肩に担がれているチルッチの存在にも。

 

 すると案の定、スタークを見るピカロの様子が次第に変化し始める。

 知らない人から不審者へ。そして最終的には―――不倶戴天の敵へと。

 背筋に悪寒を感じたスタークは、即座にその場から駆け出した。

 

 響転を使わないのは、少なく無いダメージを負っているチルッチへ負担を与えない為だ。

 だがその気遣いが、この場に於いては仇となった。

 

 

「あ、にげた」「こら~!」「まてー!」「なにしてんだオッサンめー!」「止まれひげづら~!」「チルッチをかえせ~!」「お母さんを放せ変態ー!」「ふえぇぇぇ、ママ~!」「よ…くも…」「ゆ゛る゛さ゛ん゛!」「その罪は重い」「くいあらためよ」「だが無意味だ」「判決をいいわたーす!」「死刑!」「極刑!」「ワォーン!」「満場一致!」「異議なーし!」「タマとったらぁ~!」「カマほったらぁ~!」「アッーーー!」「ごくさいとちれ」「慈悲はない」

 

「うおおおっ!? 落ち着けお前等…ってかチルッチがお母さんってどういう事だよ!!?」

 

 

 ピカロは通路を埋め尽くす様にして、逃走するスタークを追跡し始めた。

 しかも逃げ道を塞ぐ為だろう、その数を活かし、周辺の通路の殆どに広く分散しながら。

 

 それから数分後、スタークは何とか治療室に辿り着く事に成功するが、その表情には隠し切れぬ程の疲労感が浮かんでいたそうな。

 

 

 




主人公がログアウトしました(嘘
という訳で、今後は孤狼さんが主人公となります(大嘘
次回更新に合わせて『孤狼は吼える』と改題致しますので御了承下さい(超嘘





捏造設定及び超展開纏め。
①主人公、消えるの遅過ぎね?
・先に全身グルグルに拘束した後、閉次元に幽閉する形なので、多少はね…?
・展開の都合でもありますが(笑
・しかしこの消え方、まんまどっかのラスボスの様である。
②孤狼さん、完全に覚醒。
・これよりガチモードに入ります。
・それに伴い、難易度が“OSR(オサレ)”から“SMD(死神マストダイ)”へと上昇しました。
・京楽さん「…おっと、風邪でも引いたかねぇ?」
③全ての黒幕、そして皆のアイドル藍染様。
・一応注意しときますけど、彼の言葉を表面上だけで取らない様に(真顔
・だってあの藍染様が御都合オリキャラの一人や二人程度を警戒する訳無いでしょ?
・原作知識と転生特典持ちのオリ主がBLEACHの世界に転生しても、藍染様が存在する限り詰む未来しか見えないのは私だけだろうか。
④お姫ちん攫う時に使った腕輪とか。
・多分こうじゃないかなと勝手に想像。
・藍染様も過去に、店長の残した黒い外套に感心してたし、手を加える程度はやりそう。
⑤二度目の出落ち扱いな鉄燕さん。
・鉄燕さん「誠に遺憾である」
・実力的に使い易かった。後悔はしてない。
⑥孤狼さんtueee!!
・彼がガチになれば、通常状態のままでも大抵の相手は軽く捻れるかと。
・多分十刃が相手でも、最速(笑)さん以下までであれば、斬魄刀抜かなくても勝てると思う。まあ個人的見解ですがね。
⑦スーパー遅刻剣ちゃん。
・顔がボコボコなのは、進行方向にそよ風さんの反膜の紐が何度も現れてぶつかったからです。
⑧孤狼さん、悪戯小僧と鬼ごっこ。
・なんか孤狼さんは騒動に巻き込まれては慌てふためく姿が似合うと思う。
・…主人公体質かな?
・尚、私は『人類は衰退しました』を見た事がありません。



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。