三日月は流離う   作:がんめんきょうき

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原作はもう直ぐ完結ですね。
嬉しい様な寂しい様な……でもルキア隊長かわいいやったー!!

それと藍染様の卍解マダー?(手遅れ感





おとり先生様、劇鼠らてこ様、kait様、くらねす様。
誤字報告、誠に有難う御座いました。





追記(注意書き)

今回の内容には土下座等の謝罪描写があります。
そういったものが嫌い、シラける、ウザいと感じる方はブラウザバック推奨。
承知の上で読んだ結果、不快な思いを感じたりしても私は一切関知しません。全て自己責任で御願いします。

それでも指摘、批判、苦情等を書き込みたい場合、最新の活動報告に御願い致します。
同時に“具体的な”修正案を添えて頂けると助かります。
ぶっちゃけ苦情だけ言われても困るので。参考にしようも無いです。
それと土下座に対する現代の風潮、個人の認識などは一切考慮してません。
辞書で引いた通りの意味合いでしか使用しておりませんのであしからず。

最後に付け加えておきますが、この作品はタグにもある通り“ネタ習作”である事を念頭に置いておいてください。


第五十五話 三日月と羚騎と…

 弱者が強者に一方的に甚振られるだけの蹂躙劇。その様は余りに凄惨で、人並みの感覚であれば思わず目を塞ぎたくなる光景であろう。それが弱者の仲間であれば尚更。

 全てを見ていた訳では無いが、一護とノイトラが居る戦場を眺めていたチルッチは思った。

 

 

「…終わりね」

 

「ん…むぅ…!」

 

 

 遂にノイトラが己の斬魄刀を抜き、それを振り上げた。

 その直後に叫びだした織姫の口を塞ぎながら、チルッチは呟く。

 あの巨大な刀身が叩き付けられれば、確実に一護は死ぬだろう。原形を留める事無く、哀れにもその身を只の肉塊と化して。

 経緯を考えれば、妥当な結果ではある。

 

 だが正直言えば、チルッチは少々残念に思っていた。

 もしかするとこの戦いに於いて、ノイトラの本気―――帰刃形態での戦いが見れるのではと期待していたからだ。

 侵入早々にドルドーニを撃破し、後にグリムジョーを殺さずに勝利するという、驚異的な戦果を挙げた一護が相手である。

 逆境に強いタイプなのだろう。ならば相手が強ければ強い程、それは顕著になるという事。

 期待してしまうのも致し方無い。

 

 従属官になってからというもの、チルッチはノイトラに付き合って鍛錬に次ぐ鍛錬を重ねて来た。

 だがその中で真面にノイトラの帰刃形態を見た事は無い。執拗に頼んでも頑なに拒み続け、一人で鍛錬を行う場合にのみ使用していた。

 その意図は理解出来る。帰刃と言う切り札の情報を秘匿する為でもあり、その凄まじさ故に、此方に要らぬ恐怖や悪影響を齎す事を避けていたのだろう。

 

 その気遣いは有難くもあり、気に食わなかった。

 自らの主が、遥か高みに位置する存在である事を理解する。確かにきついものがあるだろう。

 如何なる努力をしても、自身の手では決して届きはしないという事実を突き付けられるのだ。主に追い付く、またはその背中を預けて貰える事を目標に掲げている従属官であれば、まず心が折れる。

 

 だがチルッチは違った。

 ノイトラの実力が常軌を逸している程度、とうの昔に理解しているし、割り切っている。

 戦闘関連を除いた部分でサポート出来ればそれで十分満足だった。但し、他者から侮られぬ程度の実力は必要だが。

 だからこそ、ノイトラの本気を知る事で、その圧倒的な力を持つ者の傍に居られる事を誇りたかった。

 

 しかしそれは叶いそうに無い。

 そう悟ったチルッチは諦めた。

 後は一護以外の侵入者か、現世で待ち構えているであろう護廷十三隊の隊長格の連中に期待するしか無いかと。

 

 

「やめてけろ…」

 

 

 ふとチルッチの耳が、離れから発せられた小さな声を拾った。

 その方向へ振り返ると、其処には頭を両手で抱えつつ、涙目で戦場を眺めて居るネルの姿が視線に入った。

 

 ―――やはり何処かで見た様な気がする。

 チルッチは首を傾げた。

 今も昔も、ピカロ以外にあんな幼子の破面は見た事が無い。

 だがあの黄緑色の髪と、顔の中央を横切る特徴的な仮面紋には覚えがある。

 確か何年も前の話しだが、ある日突然行方不明となった一人の十刃と従属官二名が居た筈だ。

 

 

「むぐぅぅぅッ!!!」

 

 

 まさか―――と、チルッチがそれ等の情報から真実へと至り掛けた刹那であった。

 ノイトラが一護目掛けて斬魄刀を振り下ろすと同時に上がる織姫の悲鳴。

 それと全く同時にネルが叫んだ。

 

 

「いちごぉぉぉ!!!」

 

 

 叫びの直後、ネルの霊圧が急激に膨れ上がる。

 その勢いは止まらず、やがて抑え切れなくなったのか、外部へと放出されたそれは爆発の様なものを引き起こした。

 ネルが居た場所を中心にして巻き起こる衝撃と砂塵に、チルッチは思わず両目を腕で覆い隠す。

 

 その異変に気付いたのだろう。

 戦場ではノイトラがその振り下ろした斬魄刀を途中で止めており、チルッチ達の居る付近へ顔を向けていた。

 

 

「んな―――ッ!!」

 

 

 ―――この霊圧、間違い無い。

 チルッチは確信した。

 嘗てドルドーニが背負っていた数字。後に彼が十刃落ちとなり、その後釜に収まった者。

 同じ貴重な女の破面だけあり、記憶には確り残っている。

 

 

「何で…てめえが此処に居るんだよ…!!?」

 

 

 チルッチが戸惑いの声を漏らしてから間も無く、周囲を覆っていた砂塵が晴れる。

 その中心部より現れたのはネルという少女では無く―――頭部に山羊の髑髏の様な仮面を被った成人女性。元第3十刃、ネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンクその人だった。

 最低限の部分を布切れで覆い隠した服装に、豊満なバストと無駄無く引き締まったその抜群のスタイルは、まるでハリベルを連想させる。

 服装については恐らく、少女の状態からそのまま身体だけが大きくなった影響だろう。

 

 

「答えやがれネリエル!!!」

 

「………」

 

 

 大声で問い掛けるチルッチに対し、ネリエルは答えずに視線のみを移すだけ。

 その反応に苛立ったのか、チルッチは織姫を拘束していた斬魄刀のワイヤーを解き、構えを取る。

 

 ネリエルは徐に、膝を着いていた体勢から立ち上がる。

 それから暫しの間、真正面からチルッチを見詰めていたが、やがてその視線をノイトラと一護の居る戦場へと向けた。

 

 

「ッ、てめえ!!」

 

 

 チルッチはそれに危機感を覚えた。

 まさかノイトラの戦いに横槍を入れる気かと。

 

 ―――彼の戦いの邪魔をさせてたまるか。

 ネリエルの行動を予測したチルッチの行動は早かった。

 織姫を巻き込まない為、その場から跳び上がると、右手に握った斬魄刀を思い切り振るう。

 縦に高速回転するチャクラムが、凄まじい勢いでネリエル目掛けて飛来する。

 

 この時、チルッチは焦燥の余り選択を誤っていた。

 確かに彼女はノイトラ指導の元の厳しい鍛錬により、以前とは格段に腕を上げている。先程放った攻撃も、並の数字持ちであれば躱し切れずに容易く両断されるレベルだ。

 だが相手は元とは言え、上位十刃に名を連ねたネリエルである。

 強力だが弱点もそれなりに多いチルッチの攻撃に対し、対処出来無い道理は無かった。

 

 

「なっ…」

 

 

 案の定、ネリエルは迫り来るチャクラムを、僅かに身体を横へ逸らしただけで躱して見せる。

 一切無駄の無い、最低限の動きだけで行う回避行動。並の技量では到底成し得ない芸当だ。

 チルッチは思わず息を呑む。

 即座に気を取り直し、チャクラムを引き戻そうと右手の柄を引くが―――それは叶わなかった。

 

 

「ッ!!?」

 

 

 あろう事か、逆にチルッチがチャクラムの放たれた方向へ引っ張り込まれたのだ。

 見れば視線の先には、右手でワイヤーを鷲掴みにして、後方へと引いた体勢のネリエルが居た。

 

 ―――このまま引き寄せて接近戦に持ち込む気か。

 そうなると流石に分が悪過ぎる。

 接近戦が比較的不得意の部類にあるチルッチは、内心で舌打ちした。

 しかも相手が相手だ。先程の軽やかな身の熟しを見るに、ネリエルの戦士としての技量は相当なもの。真面にやり合った場合の結果なぞ目に見えている。

 

 ならば逆に引っ張り返すか、その場に踏み止まれば良いのではと思うかもしれないが、残念ながらそれは不可能。

 小柄なチルッチと、ハリベルとほぼ同等の体格を持つネリエル。霊力差にもよるが、単純な力比べでは後者に軍配が上がる。

 

 

「―――ちぃっ!!」

 

 

 コンマ数秒の間に情報を整理したチルッチは決断する。此処は賭けに出るべきだと。

 するとその直後、彼女はあろう事か、自らの斬魄刀を手放すと言う暴挙に出た。

 流石に想定外の行動だったのか、ネリエルは瞠目すると、その動きが一瞬だけ止まる。

 

 これこそがチルッチの狙い。

 彼女は内心でほくそ笑むと、後方へと跳躍。それと同時に右手を前方へと突き出す。

 その掌の中心には、霊圧が球体上に集束されていた。

 

 

「喰らいやがれ!!」

 

 

 其処から放たれた赤黒い巨大な光線―――虚閃は、ネリエルの全身を吞み込まんと直進する。

 だが彼女は回避や防御をする素振りを全く見せず、依然としてその場に立ったまま。

 右手に握ったワイヤーを手放すと、迫り来る虚閃を前にして何を考えているのか、ネリエルは徐にその大口を開けた。

 

 やがて虚閃が彼女へと直撃する。

 だが何時まで経ってもその全身を吞み込む気配が無い。まるで直前に見えない壁の様なものにぶつかり、そのまま停止しているかの様に。

 これは一体如何いう事なのか。チルッチは戸惑いを隠せなかった。

 正真正銘の本気で放った虚閃だ。例え元第3十刃であろうとも、防御も無しに受け止められるとは到底思えない。

 

 

「……は…?」

 

 

 次の瞬間、チルッチは素っ頓狂な声を漏らした。

 虚閃が突如として何かに吸い込まれる様にして縮み始め、瞬く間に消え失せたのだ。

 見れば先程まで開いていた筈のネリエルの口が閉じられており、何かを含んでいるかの様に膨らんでいた。

 

 

「あたしの虚閃を…飲んだぁ!!?」

 

 

 騒ぎ立てるチルッチを余所に、ネリエルは顔をやや上へ向かせる。

 それから数秒後、勢い良く元の位置に振り戻すと同時に口を開いた。

 

 

「があッ!!!」

 

 

 其処から吐き出されたのは、ピンク色の虚閃だった。

 チルッチの放ったそれとは明らかにその霊圧量と密度が異なる。

 これは相手の虚閃を飲み込んだ後、自分の虚閃を上乗せして放出する―――“重奏虚閃(セロ・ドーブル)”。

 その意外性故に、初めて対峙する敵には初見殺しとなる確率が高いネリエルの固有技である。

 

 

「ぐ、ああああぁぁぁッ!!!」

 

 

 だがそれを知らぬチルッチは、突然の出来事に反応出来ず、その虚閃へ吞み込まれてしまう。

 ―――これは耐え切れない。

 帰刃形態であれば耐えられたかもしれないが、生憎と今は未解放の状態。ノイトラに教わった霊圧による鋼皮の強化も間に合わず、その全身が焼かれて行く。

 

 

「…く…そっ……」

 

 

 薄れ行く意識の中、チルッチは己の失態を嘆くと同時に、内心でノイトラへ向けて謝罪の言葉を零した。

 虚閃の衝撃によって、もはや襤褸雑巾の様になった彼女の小柄な身体が吹き飛ばされ、そのまま宮の外へと放り出される。

 満身創痍の状態で受け身も何も取れず筈が無く、チルッチは地面へと落下。その意識を完全に手放した。

 

 

「ネル…ちゃん…?」

 

 

 うつ伏せの体勢でその一部始終を眺めていた織姫は、此方へ背中を向けるネリエルへ小さく声を掛けた。

 ネリエルは暫しの間、チルッチが吹き飛んで行った方向を眺めていたが、完全に撃退出来たと踏んだのか、やがて振り返る。

 その表情は柔らかな笑みが浮かんでいた。

 

 

「…はい」

 

 

 織姫の抱いていたであろう疑問を肯定すると、響転を用いたのであろう、一瞬で彼女へ近寄る。

 片膝を着き、手を差し伸べる。

 茫然としながらも、織姫はその手を取った。

 

 

「本当に…?」

 

「本当ですよ。私がネル―――元第3十刃、ネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンクです」

 

 

 その衝撃的な事実に、織姫は硬直した。

 こうして自身へ優しく手を差し伸べてくれた時点で、敵では無いのは確信している。

 しかしあの少女の正体が、実は元とは言え十刃であったなどと、誰が想像出来ただろう。

 

 

「お礼を言わせて下さい。貴女と一護が小さな私を護ってくれた御蔭で、本来の姿を取り戻す事が出来ました」

 

「ネルちゃん…」

 

「ありがとう」

 

 

 ネリエルから向けられる温かな感情に、織姫の緊張感が解れる。

 気付けば二人は互いに笑みを浮かべていた。

 

 

「っ、そうだ! チルッチちゃんは―――」

 

「彼女なら大丈夫。致命傷までには至っていないから」

 

 

 ただ、暫くは動けないと思うけど―――と、織姫の思考を先読みしたネリエルは最後にそう付け加えた。

 ネリエルとしては、正直あそこまでする心算は無かった。

 彼女がまだ虚夜宮に居た頃、チルッチの事は何度か見掛けている。

 その時に観察した際、その足運びや立ち振る舞いから、間違っても自身には及ばない実力者だと判断していた。

 

 しかし実際は如何だ。あの先制攻撃の凄まじさと、想定外の事態に陥った時の反応速度は目を見張るものがあった。

 ネリエルは即座に認識を改めた。明らかに記憶の中にあるチルッチとは別人だと。

 上位の実力者になればなる程、それに比例して耐久度も上がる。ならば並大抵の攻撃では通用しない。

 だからこそ、ネリエルは手加減抜きの全力で“重奏虚閃”を返した。チルッチが帰刃しない内に無力化させたかったという意図もある。

 

 

「良かった…」 

 

 

 取り敢えずチルッチが無事である事を知り、織姫は安堵する。

 二人の関係を知らないネリエルは、内心で首を傾げていた。囚われていた筈なのに、何故敵の事を心配しているのかと。

 

 だが即座に意識を切り替える。

 今はそんな事を考えている場合では無い。

 自身の出現によって動揺したらしく、振り下ろした斬魄刀を途中で止めたノイトラ。そして一先ず絶体絶命の危機を免れた一護。

 この二人が居る場所を向かう事が先決だとして。

 

 

「…一護が心配です。急ぎましょう」

 

「ひゃっ!?」

 

「一先ずノイトラの事は私に任せて下さい」

 

 

 ネリエルは織姫を抱き抱えると、響転でその場から移動する。

 向かう先は勿論、ノイトラと一護の戦場だ。

 

 瞬く間に現場へ辿り着くと、静かに地面へと降り立った。

 そして少女の状態から元の姿に戻って以降、此方の事を見続けていたノイトラへ視線を移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ノイトラはネリエルから視線を外さぬまま、内心で何度もガッツポーズを繰り返していた。

 ボロボロの一護を執拗に痛め付ける様な真似をしたのは、史実通り彼を極限まで追い詰める事で、ネルの彼の事を護りたいという思いを増幅させ、覚醒を促す為だ。

 その思惑は見事成功。只、早々に退場させられたチルッチが気に掛かるが、ネリエルの事だ。殺してはいないだろうと、一先ずは後回しにする。

 

 一護に向けていた斬魄刀を背中に仕舞う。

 そして彼に背を向ける形で、ネリエルの方向へ振り返る。

 平静を装うその内側で―――僅かでも気を抜けば即座に爆発するであろう、激しく暴れ回る己の感情を全力で抑え込みながら。

 

 

「…ネリエル」

 

「………」

 

 

 不意に名を呼ぶノイトラに対し、ネリエルは無言のまま反応を示さない。

 暫しの間、二人は互いに見詰め合う。

 たがやがてその均衡は崩れ去る。

 ネリエルは抱き抱えていた織姫を一旦地面へ下ろすと、突如としてその姿を消したのだ。

 

 ノイトラは確りと捉えていた。

 史実の彼であれば全く反応出来無かったそれ。響転を用いて超高速で自身の背後に回り込み、倒れ伏す一護を回収するネリエルの動きを。

 

 

「ネル…なのか…?」

 

「…余り喋らないで。織姫さん、一護の治療をお願いできますか?」

 

「は、はい!!」

 

 

 ネリエルは一護に続いて、再び元の位置へと戻って織姫を片手で抱き抱え、更にノイトラとの距離を取る。

 二人を地面に降ろし、織姫に一護を託すと、間を置かずにノイトラの正面へと移動した。

 

 

「…久し振りだな。あれから何年―――」

 

「どうして?」

 

「…あァ?」

 

 

 取り敢えず先程無視された事を無かったものとして、再び語り掛けるノイトラだったが、今度はネリエルの問いによって強制的に中断させられる。

 ―――これでは話が進まないではないか。

 今はまだ時間に余裕はあるが、余り悠長にしてはいられる訳でも無いのも事実。

 ノイトラは逸る気持ちを押さえながら、ネリエルの言葉を待つ。

 

 

「貴方―――初めから気付いてたでしょ。何故見逃す様な真似をしたの?」

 

「………」

 

「一護を痛め付けて笑ってたのも…どこか不自然だった」

 

 

 ――― 一体何を企んでいる。

 鋭利な光を放つネリエルの瞳には、そんな多大な警戒心が浮かんでいた。

 

 

「さっきのだってそう。防ごうと思えば防げた筈よ」

 

 

 彼女が疑問に抱くのも当然だろう。

 ネル・トゥという少女の姿であったとしても、その霊圧や仮面紋といった特徴は誤魔化せない。

 一護との戦いもそうだ。敵である彼を殺そうとしなかった理由が解らない。

 ネリエルが元の姿に戻り、傷付いた一護を救出に動いても、ノイトラは一切動揺する素振りを見せなかった。

 初めから気付いて―――または予測していたとしか思えぬ反応だ。

 

 ネリエルの問いに、ノイトラは暫し黙り込みながら考える。

 この場面に於ける最適な返答は何かと。

 

 大凡の内容は纏っている。問題は言い方だ。

 元の姿に戻ったお前に会う為だと、馬鹿正直に言うのは簡単である。

 しかしそれは侵入者である一護を見逃す理由にはならない。

 藍染の監視下である天蓋の真下で、そんな事を言えば裏切者認定間違い無しだ。

 

 とは言っても、実際そうなのだから他に表現しようが無いのも事実。

 ―――まさかこの様な事態に陥るとは。

 ノイトラは悩むと同時に少し後悔していた。

 

 秒針が一つ進む度、次第にネリエルから放たれるプレッシャーが増していくのを感じる。

 やがてノイトラはふと思った。此処は別に答える必要は無いではないかと。

 色々と時間が押している今、こんな些細な事に気を取られて目的を果たすのが遅れる訳にはいかない。

 考えが纏まったノイトラは、意を決して口を開く。

 

 

「―――アンタを騙し討ちして、虚夜宮(ここ)から外に蹴落として以降…」

 

「…え?」

 

「色々、あったぜ…。ホントによ…」

 

 

 右目を閉じ、何かを懺悔する様に、ノイトラは静かに語り始める。

 ネリエルはその予想外な態度に、瞠目したまま全身を硬直させてしまう。

 

 

「そして…何時も考えてた。再びアンタと会う事があったなら、必ずこうしたいってな…」

 

「ちょ、ちょっと待ってノイトラ。全然話が見えな―――ッ!?」

 

 

 要領の見えないノイトラの言葉に、ネリエルは一旦それを止めさせようとした。

 だが直後に絶句する。

 眼前のノイトラが、不意に三歩後退すると、突如としてその両膝を地面に着けたのだ。

 

 

「…この程度で済む事じゃねぇのは理解してる」

 

「ノイ…トラ…?」

 

 

 次第に上体が前方へ傾き始め、固く握り締めた両手が膝の前に叩き付けられる様にして置かれる。

 この時点で、ネリエルはノイトラが何をしようとしているのかを完全に理解した。

 

 

「けど今の俺には、これしか出来無ぇんだ…ッ」

 

 

 これは以前泰虎が喜助に修行をつけてもらえる様に頼み込む際に使用したものと同じ。

 極度に尊崇高貴な対象に恭儉の意を示したり、深い謝罪や請願の意を表す場合に行われる、日本の礼式の一つ。

 

 然るべき場面で用いる場合、尋常ならざる重みを持つそれ。

 自身の立場に尊厳やプライド、その一切をかなぐり捨てた上で、謝罪という一つの行為のみに全てを注ぎ込む為の第一段階であり、此方の誠意を示すにはこれ以上無い姿。

 

 

「済まなかった、ネリエル!!!」

 

 

 頭を地面に擦り付けながら、ノイトラは腹の奥底から叫ぶ様にして言った。

 そう、彼が見せた行動は―――土下座だった。

 単に頭を下げるだけなら誰でも出来る。御免なさいと口に出すのも、言うだけなら簡単。しかも過去の行いや態度のせいで信用は皆無に等しい。

 故に今のノイトラに残された手段はこれしか無かった。

 

 中には卑屈や単なる自己保身だとネガティブなイメージを抱く者も居るだろう。

 しかし所詮それは時と場合によるもの。

 普段から下手に出てばかりの者がそれをしても、心に響くものは皆無だろう。だが逆は如何か。

 例えば十刃の中でも気性が荒い、または極めて高貴でカリスマを持った者が、誠心誠意籠めた土下座を行ったとしよう。それを見た他の破面達は如何感じるか。

 まずこれ以上に無い程の衝撃を受けるだろう。下手するとこれは夢だと現実逃避するに違い無い。

 

 

「餓鬼みてぇに喚き散らして、終いにはあんなクソッタレな手段で―――」

 

「…あ…ぅ…」

 

「本当に…情けねぇ限りだ…」

 

 

 ノイトラの土下座を目の当たりにしたネリエルは、言葉にならぬ声を漏らしながら狼狽え続ける。

 ―――誰これ。

 ネリエルは盛大に混乱していた。本当に彼はあのノイトラ・ジルガなのだろうかと。

 一体何と表現したら良いのだろう。寧ろ只のそっくりさんだと言われた方が納得出来る。

 混乱の余り思考も定まらず、只々ノイトラを眺め続ける事しか出来無かった。

 離れでは“双天帰盾”に包まれて治療を施されている一護と、それを展開している織姫が目を見開いたまま硬直している。

 

 だが其処は流石のネリエル。持ち前の強靭な精神力で、一分も経たぬ内に正気を取り戻す事に成功した。

 自身が見ている光景は、夢などでは決して無いと。

 

 あのノイトラが、数メートル離れている此方にも伝わって来る程の謝意を全身で放ちながら、その頭を下げている。

 しかもそれだけでは無い。

 今迄の行いから、自身が殆ど信用されていない事なぞ承知の上だろう。

 それでも尚、ノイトラは現にこうして実行に移した。

 演技だと思われても構わない。赦してくれとも言わない。只、ケジメだけは付けさせてほしい。

 そんな実に男らしい潔さが、ノイトラの行動から感じられた。

 

 初めに投げ掛けた質問の明確な答えはもらっていない。

 だが大凡は察せる。

 少女であった自身を見逃したのも、傷付いた一護を回収する事を妨害しなかったのも。全てはこの為だけ。

 

 そしてネリエルは今更ながらに気付く。ノイトラが無意識の内に全身から漂わせている、過去のそれを優に越える大きな霊圧に。

 脳裏を過る、先程彼が零した色々あったという一言。

 ネリエルは悟る。本当にあれ以降、ノイトラは様々な経験を積んできたのだろう。

 自発的に、時に強制的に。そうして行く内に、相応の成長を遂げたのだ。

 

 同時に思い返される、彼が一護との戦いの中で見せた、十刃落ちの一人であるドルドーニを連想させる動きの数々。

 チルッチがこの場に居た事実も含めれば、全てが繋がる。

 恐らくノイトラは十刃落ちの面々と交流を持ち、それで且つ共に練磨を重ねて来たのだろう。

 

 ネリエルは認めた。彼が本当に心を入れ替えた事実を。

 あの荒んだ過去の在り方から、現在進行形で見せている別人の様な姿へ至るまで、一体どれ程の苦労を重ねてきたというのか。

 確かに自分達に行ったあの所業は、簡単に許せる様なものでは無い。

 だがその事を悔いるノイトラの気持ちは本物。ならば此方もその思いに応えるべきだろう。

 

 

「…頭を上げて、ノイトラ」

 

 

 ネリエルの言葉に従い、ノイトラは恐る恐るといった様子で、その頭を持ち上げた。

 神妙な面持ちで此方を見上げているその姿は、何処か罰を言い渡される瞬間を待つ子供の様にも見える。ネリエルは思った。

 

 

「もし私がここで貴方に、その命を以て償うなら許す―――と言ったら?」

 

「ッ!!!」

 

 

 ネリエルらしからぬ無情な内容の問い掛けに、ノイトラは息を呑んだ。

 だが即座にその意図を理解する。

 この返答次第で、全てを判断する腹積もりなのだろうと。

 

 

「……悪ィが、それだけは無理だ…」

 

 

 ノイトラは目を伏せながら、絞り出す様にして答えた。

 加害者である癖に、極めて身勝手で自己中心的な意見ではある。

 だがそれを理解した上で、ノイトラは正直に己が心の内を吐露し続ける。

 

 

「今の俺には、如何してもやらなきゃならねぇ事がある」

 

 

 もし自身が、失う物が何も無い状態であったなら、此処で迷わずこの命を贖罪の為に捧げても良かった。

 

 

「助けてぇヤツ等が居る」

 

 

 だが現実は違う。

 ノイトラの頭の中に浮かぶのは、親しい仲間達の姿。中には既に死んだ者、この先の未来に於いて死にゆく運命にある者も混ざっていた。

 

 

「それ等全部が片付くまでは、この命―――絶対に失う訳にはいかねぇんだ」

 

 

 望むは限られた範囲での大団円。それを成し遂げる為には、如何あっても生き抜かねばならない。

 その結末を迎えた後であれば、この身を煮るなり焼くなり好きにして構わない。

 ノイトラはそれ等の思い全てを乗せた右目を、ネリエルへと向けた。

 

 ―――これだけ聞ければもう十分。

 本音を引き出す為とはいえ、少々意地悪な質問を投げ掛けた事を内心で謝罪しながら、ネリエルは最後の見極めに入る事にした。

 

 

「…立って、ノイトラ」

 

「……ネリエル…?」

 

 

 突然の事で理解が追い付いていないのか、少々呆けた様な表情を浮かべるノイトラに対し、ネリエルは視線で催促する。

 

 

「そして構えて」

 

「…それは―――」

 

「確かめたいの。お願い」

 

 

 そう言うネリエルの右手には、何時の間にやら鞘から抜いていた斬魄刀の柄が握られていた。

 その切っ先を、未だ両手両膝を着いたままのノイトラへと向ける。

 

 認めたとは言いつつも、ネリエルは確信が欲しかった。

 だがそれを得る為には何が必要となるのか。

 一つだけある。それは己が本能に従って暴れ回る獣では無く、確固たる理性と目的を以て力を振るわんとする今のノイトラが相手だからこそ出来る事。

 

 

「話はこれでおしまい。後は…お互いの剣で語りましょう」

 

 

 それは古来より行われて来た、互いに剣を通じて語らうという対話方法。

 つまりこの時点で既に、ネリエルにとってノイトラという存在は―――己と対等な位置に立つ戦士であると認識されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 玉座に腰掛け、藍染は眼前のモニターに映る映像を眺めながら、口元に笑みを浮かべていた。

 彼の両脇には変わらず、副官である東仙とギンが其々静かに佇んでいる。

 

 

「…何も手出しされないので?」

 

 

 不意に東仙が藍染に問い掛ける。

 彼が言いたいのは映像の中でノイトラに切っ先を突き付けているネリエルに対してだ。

 無論、音だけを聞きながら状況を読み取っているだけだが。

 

 数年前、本人の意思では無かったものの、虚夜宮から姿を消した第3十刃とその従属官二名。

 そのまま呑気に虚園の砂漠地帯を放浪しているのであれば別に構わなかった。此方に敵意を持たぬ限りは見逃してやる考えだったのだから。

 だが何を考えているのか、彼等は自分達の敵である一護達と手を組んでこの虚夜宮に侵入。御蔭で十刃を含めた複数の破面達を撃破され、自分達の拠点の深くまで踏み込まれてしまった。

 

 明らかな裏切り行為。

 そしてつい先程、ネリエルは元の姿を取り戻したかと思いきや、追い詰められていた一護を救出。続け様にノイトラと交戦状態へ入ろうとしている。

 もはや弁明の余地は無い。現世侵攻の予定時間が迫ってはいるが、今直ぐにでも他の十刃を向わせる等して処刑すべきだと、東仙は全身から怒りのオーラを垂れ流しつつ訴える。

 

 

「その心配は無用だ」

 

 

 だが藍染の返答は否。

 東仙は思わずその見えぬ筈の目を見開いた。

 

 

「中々に興味深い展開だからね。もう少し眺めていたい」

 

「…藍染様」

 

「それに―――」

 

 

 藍染は暫し間を置くと、笑みを深めながら言った。

 

 

「やっと訪れた彼の―――ノイトラが待ち望んだ瞬間だ。それに横槍を入れるのは無粋というものだろう?」

 

 

 もしノイトラ本人がこの言葉を聞いていれば、驚愕の余り硬直していた事だろう。

 厳密に言うと、彼としては一応自身の目的を藍染が察している可能性は考慮している。

 だが幾ら頭の中で予測していたとしても、実際にそれを体験した瞬間の衝撃の大きさまでは想定出来る筈も無い。

 

 

「しかし、奴のあの発言は…」

 

 

 東仙にしては珍しく、尚も食い下がる。しかも藍染の返答に対してだ。

 今度は矛先をネリエルからノイトラへと変更しながら。

 自分自身と相容れ無い存在が気に食わないのも主だが、実は組織人らしい理由もあった。

 

 ノイトラの発言を聞く限り、少なくともネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンクに対して負い目、そして一定以上の情を持っている様に見受けられる。

 ならば如何にノイトラとて、戦った場合に手心を加える可能性もある。最悪はネリエルに説得され、藍染を裏切るという最悪の事態もだ。

 東仙は後者の可能性を最も警戒していた。

 

 以前までの彼であれば、たかが第5十刃如きが裏切る程度で何が変わるのかと、深く考える事無く流していただろう。何せもしもの時は自身が直接出向いて始末すれば良いのだから。

 だが今は違う。それはノイトラの持つ実力に対しての認識が変わっていた為である。

 他の隊の副隊長に引けを取らぬ実力を持つ一角を斬魄刀を抜かずに軽くあしらい、尸魂界陣営でも上位の実力者である夜一達を解放無しで切り抜ける等の戦績から、ノイトラはその階級に不相応な力を持っているのだと。

 

 しかもバラガンが直接本人に敵対意志の有無を確認し、ウルキオラも自身と同格かそれ以上の相手として接している程。

 それ程の存在が、此方に牙を剥く。これを脅威と言わずして何とする。

 加えてこのところ数年、戦場での帰刃の記録がほぼ皆無。御蔭でその力の上限が見えないのも、東仙が警戒心を抱くのに拍車を掛けていた。

 

 無論、藍染にとっては脅威と言う程では無いのかもしれない。だが例え万が一であろうとも、可能性は必ずあるものだ。

 それ故に、東仙にとってノイトラという存在は、決して無視出来無い不確定要素であった。

 

 

「例え殺すまで行かなくとも、ほぼ確実に無力化はしてくれるだろう。それで十分さ」

 

 

 そんな東仙の思いなぞ既に察しているだろう。だが藍染は言外にそれを不要だと返す。

 其処まで仰るのならばと、内心で諦めつつ、東仙は新たに生じた疑問を口に出した。

 

 

「…随分と奴の肩を持つのですね」

 

「黒崎一護と同様、彼には個人的に期待してるのでね」

 

 

 そう言うと、藍染は視線だけを東仙とは逆側へと移す。

 

 

「君もそうだろう、ギン?」

 

「…さあ、どうでっしゃろか」

 

 

 急に話を振られたギンは欠片も動じた様子を見せず、何時も通り薄笑いを浮かべながら肩を竦め、返答をはぐらかす。

 藍染は特に気にした様子も見せずに、再び映像へと視線を戻した。

 

 大凡数分後、モニターに映る戦場に変化が訪れた瞬間、藍染が玉座から腰を上げた。

 

 

「―――さて、そろそろ席を外すとしようか」

 

「…藍染様?」

 

 

 ―――何故このタイミングで。

 東仙は理解出来無かった。

 寧ろこれからの筈。折角映像の先でノイトラがその秘められた力を披露してくれようとしているのだ。

 幸いにも、此処は様々な機能が充実している玉座の間。設置されている機器等を最大限に利用して解析すべきだろうと。

 

 

「簡単な事だ。この先は見る必要が無いからね」

 

 

 だが直後に放たれた藍染の言葉は、東仙の考えを不要と断じるものだった。

 ノイトラが裏切る事は無いと信用しているのか。または既にその隠された実力を把握しており、対策を講じてあるが故に警戒する必要が無いのか。

 真意を悟らせぬまま、藍染はその場から踵を返す。

 向かう先は玉座の間の奥。

 

 

「…そう―――」

 

 

 そのまま十歩程進むと、突如としてその足が止まる。

 藍染は顔だけを振り返らせ、その場で棒立ちになったままの副官二名に視線を移す。

 

 

「全ては私の掌の上だ」

 

 

 さらりと言い放たれたその言葉には、強大な力を得た者に良くありがちな傲慢さは全く感じられない。

 正にそれこそが唯一の答えであり真実。聞く者全てに疑問を抱く余地を与えず、この世の摂理なのだと納得させてしまう何かがあった。

 

 

 




あっさり退場、鉄燕さん。

主人公「やっと謝罪出来たよぅ…( ;ω;)」
羚騎さん「誰やお前」

掌コロコロ藍染様。





捏造設定及び超展開纏め
①鉄燕さん弱過ぎね?
・強くなったと思われたキャラがあっさり退場するのも、BLEACHのテンプレです(笑
・それに本文でも書いた通り、“重奏虚閃”は初見殺しな上、相当な威力を持ってる技ですし。
②羚騎さんと鉄燕さんはお互い知ってる。
・別に知っててもおかしくは無いかなと思って捏造。
・その辺りの時系列については不明なので、ワザとあやふやのままにしてます。
③主人公マジ土下座。
・漢の謝罪といったらこれしかないと思って。
・常にヘコヘコしている様な人がやれば説得力皆無ですが、逆に普段から態度が大きくて殆ど謝罪を口にしない様な人がやると効果絶大。
・浮気が発覚したチャラ男が彼女にするものは只のパチモノ。
④混乱する羚騎さん。
・そらそうなるわ(笑
・仲間達が絶体絶命のピンチに陥った時に「待たせたな!!」と颯爽と現れ、一太刀の元に敵を切り伏せたばかりか、先で待ち構えているラスボスも一切苦戦せずに無傷で打ち破るベリたんの姿をイメージしてみてください。
⑤主人公の謝罪に対する羚騎さんの選択。
・やらかした内容が内容なんで、流石の彼女もこの場で許す事はしない筈。
・それに戦士であれば、戦いを通じて心行くまで語り合うというのも鉄板かなと。
⑥つーか今回ダラダラとなげぇんだよボケ。
・知ってる(笑
・でもこの場面だけはギッチリ書きたかったんです。後悔はしていない。
・というか内容的に見て、逆にあっさり済ませたら違和感しか無いと思います。
⑦藍染様「所詮は戯れさ」
・彼には一体何処まで見えているというのか…(戦慄
・取り敢えず平常運行です。
・余談ですが、原作の千年血戦篇の終盤にて、何らかの手段で陛下の力を藍染様がパクって、ラスボスが入れ替わるという超展開を私は期待していました(笑



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