三日月は流離う   作:がんめんきょうき

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神様、出来れば二時間だけ時を戻して下され(泣



第二十話 その他諸々と、三日月と龍鬼と…

 空座町の商店街。その裏通りの更に奥にひっそり構えられた駄菓子屋、浦原商店。

 その店の地下に築かれた―――喜助曰く“勉強部屋”。其処で二人の男が激しい戦闘を行っていた。

 

 

「オラオラどうしたぁ!? こんなモンかよ!!」

 

 

 一人は死神、阿散井恋次。

 卍解状態の己の斬魄刀―――狒狒王蛇尾丸(ひひおうざびまる)を縦横無尽に振り回し、もう一方を追い詰めている。

 だが余裕綽々とも取れるその台詞の割には、彼の顔には大量の汗と疲労感が見られた。

 

 

「グ…ハッ…!!」

 

 

 それに必死に抵抗しているのは茶渡泰虎。

 迫り来る巨大な蛇の骨。その顎を何とか受け止めたまでは良いが、それの持つ凄まじい力を抑え切れず、軽々と吹き飛ばされた。

 背中から背後の岩盤へと叩き付けられ、余りの衝撃に肺の空気が強制的に吐き出される。

 

 これが一般人であれば、受け止めた直後に只の肉塊(ミンチ)と化すか、容易く押し潰されて死んでいただろう。

 だが生憎、この茶渡泰虎という男は普通では無い。

 彼は能力に目覚める以前より、既に人間から逸脱した耐久性を持つ肉体を有していた。

 ビルの建設工事現場の上より建材の一部である巨大な鋼材が降ってきても、容易に背中で受け止めてみせる。負傷らしい負傷も、衝撃で頭部の表面の皮膚一枚が裂けた程度で、他は骨折も何も無い。

 オートバイと正面衝突しても、やはり負傷は掠り傷程度。終いには逆に相手の方が重傷を負っており、泰虎はその相手を背負って病院まで運んでやるといった余裕振りだ。

 

 この余りの人外振りは、死神の力に目覚めたばかりの一護も思わず引く程だった。

 しかも自主的では無いとは言え、幼少期より喧嘩三昧の日々を送っていた御蔭で鍛え上げられた戦闘経験により、能力を得た後も難なくそれを使いこなして見せるという順応振りを見せる。

 ルキアを助ける為に尸魂界へ侵入した際は、護廷十三隊最強と謳われる十一番隊の隊士達を単体で壊滅状態にまで追い込み、副隊長の次に高い位である第三席の死神を瞬殺して退けた。

 流石に隊長に対しては手も足も出なかったが、一介の戦士としての及第点を得るまでには十分だろうと、泰虎本人もそう思っていた。

 

 しかしつい最近、その認識が全て引っ繰り返された。

 後から聞いて知った事だが、現世に侵攻して来たあの破面という存在。対峙した時点で、織姫がどうこう出来る様な軟な相手では無いとは判っていたが、まさか只のパンチ一発で自分が満身創痍に陥るとは予想外だった。

 しかも問題はその次の襲撃時だ。不意討ちとは言え、前回よりも明らかに劣る破面の攻撃に全く気付く事が出来ず、一護の助けが無ければ間違い無く自分は死んでいた。

 その時の光景を今思い出すだけでも、泰虎は悔しさが込み上げてくるのを感じる。

 

 

「ハッ、ハッ……好い加減、これで終いだろ、オイ?」

 

 

 呼吸を乱しながら、恋次は中々立ち上がらない泰虎を見下ろし、確認する様にして言う。

 元々実力的には自分の方が上であり、戦況は終始圧倒していた。とは言え、何度叩きのめしても尚食い付いてくる泰虎のタフネスに相当な霊圧と体力を持って行かれたのも事実。

 勿論本気では無いし、手加減はしている。だが恋次の卍解自体がその巨大さ故に燃費が悪く、幾らか加減しようが、展開しているだけでも激しく消耗してしまうのだ。

 

 正直言って、恋次はもはやこれ以上の力の行使は御免だった。

 出来る事なら今直ぐ地面に寝そべって休みたい。

 内心でそんな弱音を吐く程に参っていた。

 

 

「…まだ…だ…!」

 

 

 恋次の願いを余所に、泰虎は悲鳴を上げる全身に鞭打って立ち上がると、無意識の内に能力が解除されていた右腕に再び鎧を纏わせた。

 その眼に宿る闘志は未だ烈火の如く燃え続けている。

 

 とは言え、明らかに限界に等しい状態であるのは明白。幾ら本人が続けたいと思っていたとしても、霊圧や肉体が追い付かなければ逆に彼自身の命が危うくなる。

 恋次は一旦、視線を横に移した。

 其処には何時に無く真剣な表情で佇む喜助の姿が在った。

 

 この二人―――傍から見れば泰虎がメインの修行だが、元はと言えば喜助が言い出した事だ。

 たった数日という短期間で、一護を恋次達や護廷十三隊の上位レベルと渡り合える程に鍛え上げた喜助。その指導力に目を付けた恋次は、現世に訪れて直ぐに修行を付けて貰える様に頼み込んだ。

 それに続く様にして、怪我が癒えた泰虎も自分を鍛えて欲しいと懇願した。

 

 喜助は困惑した。一護を鍛えたのは、あくまでそれがルキアの魂魄に埋め込まれた崩玉の確保の為に必要だったからに過ぎない。打算十割、罷り間違っても善意からの行動では無い。

 だが現在では借りも出来た上、付き合っていく間で多少情に絆された影響か、何か彼から頼みがあれば可能な範囲で答えてやりたいという考えはあった。

 だがこの二人は別だ。卍解を習得しているが故に、対破面用として主戦力に数えられている恋次は別としても、特に能力持ちとは言え只の人間である泰虎。

 喜助の頭脳を以てしても未だ解明されていない泰虎の能力。だが気になるのはそれだけで、能力自体は対破面戦では現時点では全く役に立たない事は最近の戦闘実績から証明されている。

 

 

「………」

 

 

 喜助は視線で指示を仰いできた恋次に眼を合わせる。

 ―――続けて下さい。

 その眼に含まれた意図は、直接語られずとも十分に理解出来た。

 恋次は溜息を吐いたかと思うと、その場から一旦距離を取り、再び卍解を構えた。

 泰虎もふら付きながらも残り少ない霊圧を振り絞り、右足を前に踏み出す。

 

 

「うおおおおぉぉッ!!!」

 

「おらあああぁぁッ!!!」

 

 

 再びぶつかり合う二人の姿を眺めながら、喜助は考える。

 確かに泰虎は弱い。だが彼の能力の構造を分析してみたところ、成長の余地は確かに存在していた。

 言うなれば、今彼は壁にぶつかっている様なものだ。例えるならスランプと表現する方が正しい。

 普通であれば日々厳しい修行を重ね、順調に成長を遂げて行く中で必ず訪れる時期だ。護廷十三隊の現隊長格の大半も、それを乗り越えた上でその場所に立っている。

 

 

「そんな攻撃じゃあ、この狒狒王蛇尾丸は押し返せねえぞぉ!! さっさと倒れた方がラクになるぜぇ!!!」

 

「そういう…わけには…いかない…!!!」

 

 

 泰虎の戦闘スタイルは能力を得る前から既に確立していた。

 ルキア救出の際に尸魂界へ赴く数日前にも、彼自身に能力を自覚させる事以外、特に修行を積む必要が無い程に。

 

 現時点では幾ら地力を上げる様な鍛錬を積もうが、余り意味は無いだろう。

 魂魄自体が只の人間の為、成長限界が低いのだ。一護の様に死神として変質する等すれば、同時に成長率は伸びるだろうが、戦闘スタイル―――徒手空拳主体から刀を用いた剣技へと真逆化するという弊害も在る。

 だがそれには素質が必要だし、霊圧が有るからといってそう易々と成れるものでは無い。

 しかも運良く死神化出来たとしても、新たな力を我が物とするまでには更に時間が必要となる。

 藍染との決戦が近付いている現状、そんな余裕は無い。

 

 故に喜助が選択したのは現状維持を基本に据えた―――泰虎の持つ能力の進化だ。

 だがそれには新たな戦闘経験が必要不可欠だった。彼より格上の実力を持つ者との。

 泰虎と一護の明確な違い―――それは今迄格上らしい格上との戦いの経験が少ない事だ。

 恐らくその不足分を補ってやれば、間違い無く変化が訪れるというのが喜助の見立てだった。

 泰虎の才能は一護には劣るとは言え、相当なものであるのに変わりは無い。こういった天才は窮地に追い込まれて初めて覚醒するというパターンが定石だ。

 だがそれは隊長レベルの相手を宛がうという訳では無い。ましてや、喜助自身が相手をする事でもだ。

 

 其処で目を付けたのが―――相手は三席以上副隊長以下の死神、そして必須事項に卍解。

 基本的に卍解を習得しているのは護廷十三隊の隊長だけだ。だが彼等ではそれを除外しても泰虎との実力差が有り過ぎる。これでは修行自体が成り立たない。

 ならば隊長以外で、卍解を習得しており、泰虎と余り掛け離れていない実力の持ち主で、且つ勤勉な者が望ましい。

 

 其処で喜助が一通り候補として上げたのは二人。十一番隊第三席、斑目一角。六番隊副隊長、阿散井恋次。

 だが前者は自身の卍解を徹底的に秘匿したがっている為、頭を下げて頼み込んだとしても絶対に首を縦に振らないだろう。

 となれば残ったのは必然的に後者のみとなった。

 

 考えてみれば恋次はそれ等の条件を十二分に満たしている。

 人柄も問題無い。熱し易く荒っぽい性格では有るが、意外と気配りや機転が利き、気さくで面倒見が良い事から同じ六番隊の隊士達から慕われている程だ。

 人間如きが、といった差別志向も持ち合わせていないので、対等な立場で共に切磋琢磨してくれる筈だ。

 しかも一護に似通った部分が有る恋次を相手にした方が、泰虎としても遣り易いだろう。

 現世に訪れたばかりの時も、喜助に修行を依頼して断られたにも拘らず、彼が首を縦に振るまでその場に座り続けんとした忍耐力も称賛に値する。

 

 そうと決まれば話は早い。喜助は得意の口八丁で恋次を丸め込むと、泰虎との修行に入らせた。

 ―――ちゃっかり雑用係も押し付けた上で。

 

 

「…の野郎ッ…タフなのも大概にしやがれ!!」

 

「ム…!!」

 

 

 泰虎の放った霊圧のビームを躱すと、恋次は続け様に卍解を突進させた。

 巨大な顎を開きながら、直進する蛇の骨。それは修行開始時よりも明らかに正確性が増しており、尚且つ疾い。

 元々恋次は卍解を習得して間もない為、力加減や操作等、細かい制御の部分に難が有った。

 だがこの修行の中でその制御力が徐々に向上して行っており、彼自身もそれを自覚していた。

 それは勿論対峙している泰虎も同じ事で、初めは何度か避けれた筈の攻撃が、今では受け止めるという手段しか取れなくなっている事に気付いていた。

 

 

「なっ!?」

 

 

 押し負けると理解していながらも防御体勢を取った泰虎だったが、其処で予想外の事態が起こる。

 右腕に集束していた筈の霊圧が突如として拡散したかと思うと、全身から力が抜け、そのまま膝を着いてしまったのだ。

 想定外の出来事に、泰虎は驚愕に目を見開いた。

 

 

「っ、ヤベェ!!」

 

 

 その姿に気付いた恋次は思わず焦燥の声を漏らし、放った攻撃を咄嗟に中断しようと右手を引いた。

 ―――間に合わない。

 熟練者であったならばそれも可能だっただろう。だが現状に於いて卍解を完全に使いこなせているとは言い難い彼の技量では不可能だった。

 本人の思っている以上に消耗が激しかった事も拍車を掛けていたのだろう。

 その顎は勢いを落とす事無く、対象を吞み込まんと直進する。

 泰虎はそれを呆然と眺める事しか出来無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――自分は一体、何をしているのだろう。

 先程から何も成長せず、只々吹き飛ばされては地面や岩盤に叩き付けられているだけ。

 これではまるで只の的だ。

 終いにはこうして情けない姿を晒している。

 自分の余りの弱さに、もはや怒りを通り越して呆れしか感じなかった。

 

 

「…なあ」

 

 

 泰虎は右腕に視線を移しながら、語り掛ける。

 だが肝心のそれは力無く垂れ下がるだけで、何の反応も示さない。

 

 

「今の俺には…何が足りないんだ…?」

 

 

 不思議な感覚だった。こうしてゆったりと話しているのにも拘らず、未だに恋次の卍解の顎はこの身に届いていない。

 まるで時間が止まっているかの様だ。

 だが泰虎はこれを好機として、更に言葉を繋ぐ。

 

 

「優しさか? 覚悟か? 仲間を思う気持ちか? 護りたいと願う心か?」

 

 

 右腕は答えない。

 

 

「…それとも…力への渇望か?」

 

 

 破面という強大な敵を前にし、一撃で屠られた後、泰虎が感じた思い。

 実を言えばそれは護りたいというより、この敵を打ち破る為の力を求める思いの方が強かった。

 つい先程までもそうだった。防御や攻撃にのみ重点を置き、我武者羅に力を振るって無駄に消耗し、危機に陥っている。

 元々自分の動きが鈍い事は理解していた。だが攻撃の挙動や癖等を読み取る事が出来れば、一々受け止めずとも直撃は防げた筈だ。

 自業自得。全く以て同情の余地も無い。

 泰虎は自分を卑下した。

 これでは一護の隣に立つどころの話では無い。何を思いあがっていたのだこの愚か者は、と。

 

 次の瞬間―――世界が一変した。

 岩場ばかりであった勉強部屋の光景は、ゴミが散乱する薄汚れた街並みへと変化。

 其処は嘗て幼少期の泰虎が住み、毎日暴力に明け暮れていた舞台である、メキシコの中心街の外れに在る、裏通りを抜けた先に在るストリート街に似ていた。

 

 

「―――ヤストラ」

 

「…じいちゃん…!!」

 

 

 突如として背中に投げ掛けられた声に振り向くと、其処には記憶の中に存在するままの姿をした祖父(アブウェロ)が居た。

 自分と同じ肌の色。皺だらけで草臥れた帽子。実際に吸ってる姿は余り見た事が無いが、常に口に咥えている葉巻。

 気付けば祖父は何時の間にか泰虎の直ぐ眼前へと移動していた。

 

 

「…昔より大きく、そして美しく育ったな」

 

 

 過去に経験した過酷な労働環境の中で鍛え上げられた、丸太を連想させる程に逞しい腕が持ち上げられる。

 十歳児の頭のサイズは有る武骨で大きな手が、泰虎の頭の上に乗せられる。

 泰虎は懐かしんだ。昔は見下ろされながらか、時に祖父の方から視線を合わせてもらいながら、良くこうして頭を撫でられたものだと。

 

 

「…俺は―――」

 

「…ヤストラ、儂は何時までもお前を見守っている。この右腕の中で、お前自身が大切な者達を護れる事を願いながら」

 

 

 祖父はふと泰虎の右腕に触れると、優しく語り掛けた。

 子供の頃とは比較にならない程、大きく、逞しくなった腕を確かめる様にして、何度も握っては放してを繰り返す。

 

 大凡三十秒後、祖父は満足したのか、その手を放した。 

 その場から一歩下がり、今度は泰虎の顔を両手で包むと、自分と視線を合わせた。

 祖父の目元は帽子の影とは思えぬ程の漆黒の闇が覆っており、彼が一体どんな眼をしているのか、泰虎からは確認出来無かった。

 

 やがて祖父は、フッ、と鼻を鳴らした。

 それを不審に思う泰虎を余所に、踵を返す。

 祖父は背中を向けたまま立ち去って行く。

 

 

「ま、待ってくれ!!」

 

 

 泰虎は慌ててその後を追おうとした。

 だが幾ら本気で駆けても、その距離は縮まる事無く広がり続けて行った。

 

 

「じいちゃん!!」

 

「だが履き違えるな。あくまで儂の役目は護る事。道を切り開くのは他ならぬお前自身だという事を」

 

 

 祖父は途中で振り返ると、静かに語り始める。

 それと同時にこの世界の至る所に罅が入り始めており、崩壊の序章であると示していた。

 

 

「その為の力は、もう片方の腕に宿っている。努々、忘れるなよ…」

 

「…っ、じいちゃん!!!」

 

 

 泰虎は必死な表情で右腕を伸ばす。

 そんな彼に対して祖父が最後に見せたのは、マイナスイメージを全く感じさせない、ニヒルな笑みだった。

 

 

「またな、ヤストラ」

 

 

 刹那、窓ガラスが割れる様にして世界が完全に崩壊し、泰虎の視界に映る光景が元の勉強部屋へと戻る。

 そして眼前には変わらず迫り来る巨大な顎。その後方より必死に何かを叫んでいる恋次。離れでは斬魄刀を構えて割って入ろうと身構えている喜助。

 

 だが不思議な事に、絶体絶命の危機に陥っていながら、泰虎は恐怖も何も感じていなかった。

 有るのは只一つ―――覚悟のみ。

 全身から力が溢れ出ているのが判る。こんな感覚は初めてだった。

 一部の糸が切れた人形の如く、力無く膝を着いていた体勢から、すっと立ち上がる。

 腰を低く落とすと、先程と同じく右腕を胸元より前に出して防御態勢を取る。

 

 

「うおおおおおおぉぉぉッ!!!」

 

 

 泰虎の放ったその雄叫びに呼応する様にして、右腕の鎧が変貌を遂げて行く。

 盾の様に横広に広がると、只の白黒の線状だった紋様が骸骨の形を模り始める。

 卍解の巨体が視界の邪魔をしている為に恋次は気が付いていないが、喜助はその変化をしっかりと目撃していた。

 

 ―――大丈夫だ、止められる。

 全身より止めどなく湧き出て来る力に、自信を持ってそう断言する。

 骨の牙が間近に迫った瞬間、泰虎は右足を一歩前に踏み込んだ。

 

 

「んなっ!!?」

 

 

 恋次の驚愕の声を漏らした。

 何せ先程までは吹き飛ばされてばかりだった泰虎が、己の卍解を受け止めたままその場へ踏み止まっていたのだから。

 

 

「―――そうか、これが…」

 

 

 右腕に掛かる凄まじいまでの重圧。

 だが耐えられぬ程では無い。

 踏み込んだ方とは逆の、後方で全身を支えていた左足に力を籠める。

 地面を割り、捲れ上がらせながらも、自分の何十倍もの圧を徐々に押し返し始める。

 

 気付けば泰虎の残る左腕は、その本来の姿から掛け離れた姿へと変貌を遂げていた。

 肩口より一部が大きく上部へ突き出た、白色の鎧。

 右腕のそれとは全くの真逆のデザインで、無骨さを感じさせないシンプルな形状。

 だが内包されている霊圧は、以前までの鎧とは比較するにも烏滸がましい程に大きかった。

 

 

「俺の…力…」

 

 

 チリチリとした音を立てながら、左手の指先に霊子が集束されて行く。

 別に他者から使い方を教わった訳では無い。にも拘わらず、この身体は全てを理解していた。

 まるで卵から孵化して直ぐに、親が居らずとも自らが生きる為に必要な道筋を知る生物達の様に。成長と共に二本足で立つ事を知る人間の赤子の様に。

 

 霊子の集束を終えた拳を握ると、更に自身の霊圧をもそれに込める。

 狙いは言うまでも無く、眼前の巨大な蛇の骨。

 

 

魔人の一撃(ラ・ムエルテ)

 

 

 泰虎はそのまま左腕を振り抜いた。

 それは寸分違わず鼻骨の部分へと命中すると、その巨体は破片を撒き散らしながら吹き飛ばされて行った。

 余りに想定外の出来事に硬直していたのか、あっさりと跳ね返されて来た卍解の巨体の下敷きになる恋次の姿を確認しながら、泰虎は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 高速回転するチャクラムが、不規則な軌道を描きながら冬獅郎へと迫る。

 だが幼いとは言え、確固たる実力で隊長へ伸し上がった彼に見切れぬ道理は無かった。

 冬獅郎は読んでいた。そのチャクラムは直撃まで残り一メートルまで近付いた瞬間、狙いを正確に定めて直進してくるという法則が在ると。

 

 

「!!」

 

 

 眼前へと迫ったそれを、右側へ一歩踏み出すという必要最低限の動きで、擦り抜ける様にして躱す。

 攻撃を見切られて完全に無防備な状態へと陥ったチルッチに対し、瞬歩で一気に近付く。

 ワイヤーは伸び切っている為、先程の様に刀身に巻き付ける等といった芸当は出来無い筈だ。

 そう判断した冬獅郎は触れる者全てを凍らせる冷気を纏う刀身を、右上段より斜め左下段へと振り下ろす。

 

 チルッチは未だ反応出来ておらず、刃先はそのまま彼女の左肩へと迫る。

 ―――()った。

 今回は限定霊印も何も無い、正真正銘の全力の状態。

 完全に隙を突いた冬獅郎は勝利を確信する。

 

 

「なっ!?」

 

「…ふーん、案外切れ味は大した事ないのね」

 

 

 だがその想像は覆された。他ならぬ、柄を握る方とは逆の空いた左腕で容易に刃先を受け止めたチルッチによって。

 だが完全にとはいかなかったらしく、刃先の一ミリ程が鋼皮へ食い込み、僅かに出血している。

 刀身に纏う冷気が、斬り付けた部位を中心に氷を張り始めるが、チルッチは眉一つ動かさない。

 

 

「…ちっ!!」

 

 

 冬獅郎は迷わず刀身を引くと、直ぐ様瞬歩で後方へと距離を取った。

 だがチルッチはそれを追う事はせず、氷に覆われた自身の左腕を持ち上げてまじまじと眺めたかと思うと、急激に力を込めてそれを砕く。

 そのまま何度か左手を開閉させると、感覚的には特に問題無いと判断したのか、斬魄刀の柄を後方へと振ってワイヤーを引くと、再びチャクラムを手元に戻した。

 

 ―――やはり卍解でなくては大したダメージは与えられない。

 内心で歯噛みしながら、冬獅郎は今自分が対峙している敵を観察する。

 通常の日本刀とは異なり、伸縮自在なワイヤーに謎の高速回転をするチャクラムを通した特異な斬魄刀。それから繰り出される不規則な軌道の攻撃は、此方の予測を尽く上回る。

 唯一の攻略法は、先程の様に攻撃を見切った直後に懐まで入り込んで近接戦闘を仕掛ける事だが、そう簡単には行かないらしい。

 

 確かにワイヤーを伸ばし切った直後のチルッチは隙だらけだ。

 だがそれは驚異的な反応速度と、破面特有の鋼皮という外皮によって阻まれた。

 シャウロン・クーファンと対峙した時とは異なり、既に限定は解除済みである。だがその正真正銘の全力の状態から斬撃を繰り出したにも拘わらず、結果は見ての通り浅い傷しか与えられていない。

 しかも序盤で此方を容易に投げ飛ばしてきた事から、その華奢な見た目からは考えられない程の膂力すら持っている。

 つまり現状で鍔迫り合いへ持ち込むのは愚策。圧し負ける事が目に見えている。

 それ等の条件の中で冬獅郎が選択したのは一撃離脱戦法。別の言い方をすればヒット・アンド・アウェイか。

 

 現状では霊圧はほぼ互角。だが純粋なスペックで言えば此方が劣っている。

 卍解という奥の手が有るとは言え、それは帰刃という本来の姿を帰属させるという能力を持つ破面も同様。

 今迄戦った中でも特に手強い敵に、冬獅郎は破面という存在に対する警戒を強めると同時に、疑問を抱く。

 シャウロンより聞いた内容では、十刃以外の数字持ちは生まれた順に数字が振られるらしい。

 彼の数字はNo.11。だがこのチルッチという破面はNo.105と言った。

 単純に計算すれば百以上の破面が藍染の陣営には存在していると推測出来るが、それは有り得ない。

 喜助より齎された情報によると、確かに試験的に生み出されたらしき破面が存在しているそうだが、完全な人型である成体とは程遠い。

 しかもそれ等は全て藍染の独自の手法による破面化であり、崩玉が睡眠状態である現状、そう易々と行えるとは思えないというのが、喜助の推測だ。

 

 その情報を整理した冬獅郎は、ある一つの予測を立てた。この3ケタの数字は生まれ順では無く、十刃の様に何か別の肩書を表しているのではないか、と。

 

 

「…てめえ、ただの数字持ちじゃねえな」

 

「………」

 

 

 冬獅郎は切っ先を向けながら静かに語り始めた。

 だがチルッチは此方を見据えたままチャクラムを振り回し続けるのみで、全く口を開く様子は無い。

 

 

「十刃じゃねえなら…破面の実動部隊か何かか…」

 

「………」

 

「そうだとすれば、てめえのその実力にも得心が行く。前に現世(ここ)に来た数字持ちの奴等とは別格だしな……どうなんだ?」

 

「…で?あたしの数字の意味が解ったとして、あんた達になんの得があるわけ?」

 

 

 至極面倒そうな表情を浮かべたチルッチより返された投げ遣りな問い掛け。

 冬獅郎は実質不利であるこの戦況を理解しながらも、それをひた隠しにしつつ、不敵な笑みを返す。

 離れで自分達の戦いを眺めている、長身で眼帯を付けた男と、王冠の様な仮面の名残を頭部に被った少年。この未だ参戦していない二名の破面を警戒しながら。

 

 

「いや、十刃じゃねえなら特に問題ねえなと思っただけだ」

 

「ふーん…そう」

 

 

 言外に十刃でも無いお前になら勝てると語る冬獅郎に対し、チルッチは静かに怒りを滾らせた。

 抑えていた霊圧を高める。未解放の状態で出せる限界までの量を。

 その変化に対し、対応を誤ったかと焦った冬獅郎は最大まで警戒心を上げて身構える。

 

 

「一つ、良い事を教えて上げるわ」

 

「…何?」

 

 

 両脚に霊圧を籠めながら、チルッチは突如として口を開いた。

 冬獅郎はやや眉を顰めながら、そう問い返す。

 

 

「数字の意味は省くけど…簡単に言えばあたしは十刃の従属官―――部下の一人よ」

 

「っ!?」

 

「だけどそれはあの女男じゃない。つまり…」

 

 

 その言葉に冬獅郎が驚愕に目を見開いた次の瞬間、彼の視界には加虐的な笑みを浮かべるチルッチの顔が映っていた。

 

 

「ここには十刃がもう一人、他にも来てるって事なのよッ!!」

 

 

 意図的に作り出された死角より放たれたハイキックが、冬獅郎の右側頭部へと襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 咄嗟に斬魄刀の平地で防御したは良いが、蹴撃の威力に押し負けて盛大に吹き飛んでいく冬獅郎。

 その光景を遠目で眺めながら、ノイトラは呟く。

 

 

「…やっぱ御約束だよな…この展開」

 

 

 この世界の猛者達は総じて話し好きだというのが、彼の抱いた印象だ。

 それは戦闘中でも例外では無い。一応駆け引きの一種でもあるのだろうが、それにしても過ぎる。

 藍染の様に相手を挑発して感情を揺さぶり、精神的動揺やミスを誘導するのなら未だ理解出来る。

 だが一々自分の立場や能力を丁寧に説明するとは、一体何を考えているのか甚だ疑問だ。

 完全に相手が虫の息で、且つ抵抗する術も一切無い状態であれば、勝者の余裕といった形でそうなるのも致し方無い。

 

 ノイトラは軽く想像してみた。

 追い詰められたところで自身の力を解放し、驚愕する敵にしたり顔で語り始める者の姿を。

 そしてその説明の中で弱点を悟らせるヒントを出してしまい、瞬く間に対策されてしまう展開を。

 ―――私の力は音を操って相手の聴覚に干渉する。

 ―――じゃあ鼓膜を潰せば問題無いな。

 ―――なん…だと…。

 想像していて何だが、ノイトラは全く以て馬鹿馬鹿しくなった。これではもはやギャグ漫画ではないかと。

 流石にこんな馬鹿な真似をする者は居ないだろうと、其処で思考を打ち切った。

 

 通常の戦闘時であっても、戦闘と会話の割合は大凡五分に等しい。

 先頭開始と同時に何度か打ち合い、何故か途中で会話を挟んで中断。ふとした拍子に再び戦闘を開始、そしてまた会話といったパターンが多い。

 しかもその中には相手の発言や変化に驚き、その隙を突かれるといった展開も何度か有る。

 憑依してからの期間を考えれば、ノイトラは未だ戦闘者としては素人と言っても良い。だがそんな彼を以てしても、この展開を現実で見た瞬間突っ込まざるを得なかった。

 ―――まあ、読者サービスの一種なのだろう。

 内心ではそう納得しつつ、ノイトラは右手でワンダーワイスの頭を撫で続ける。

 

 

(おとこ)だったら、黙して戦え…ってな」

 

「…アウー?」

 

 

 飴玉が完全に溶け切ったらしいワンダーワイスが、物欲しそうな目でノイトラを見上げる。

 ノイトラはすかさず左手に準備して置いた飴玉―――今度は青りんご味を包み紙から取り出すと、今度は優しく口に入れて遣る。

 するとワンダーワイスは今度も口の中で飴玉と格闘し始めた。

 彼のその微笑ましい姿に思わず表情を緩めそうになりつつも、ノイトラはその様子を見守り続ける。

 

 

「そいつぁ同感だぜ」

 

「……ハァ…」

 

 

 だがその癒しの時間も終わりを告げる。

 先程から探査神経で周囲を警戒していたので、一応予測してはいた為、特に驚きは無い。

 どうせこの後はルピが全ての死神を相手取る事となるだろうし、上手く行けば自分は戦わずに済むだろう―――という淡い希望は持っていたが。

 

 ノイトラは溜息を吐くと、ゆっくりと振り向いた。

 其処には抜身の斬魄刀を右肩に担ぎ、下げた左手に鞘を持った坊主頭の男が居た。

 男―――斑目一角はノイトラが自分の方を向くや否や、好戦的な笑みを更に深め、己の命すらチップにする戦闘狂らしい表情を浮かべた。

 

 

「更木隊第三席、斑目一角だ。いっちょ殺し合い(てあわせ)願うぜ、破面」

 

「………」

 

 

 見れば先程まで一角の立つ場所に居た筈の乱菊は、既にルピと弓親が対峙している場所へと移動している。

 何やら二人はルピをそっちのけで言い争っている。

 恐らく十一番隊の矜持を持つ弓親が、圧倒的に劣勢にも拘らず一対一で戦わせろと訴え、それを乱菊が咎めるか何かしているのだろう。

 

 至極面倒そうに後頭部を掻き毟りながら、ノイトラは一角に問い掛ける。

 

 

「オマエ…エドラドを斃した奴か」

 

「ん? ああ、あいつは強かったぜ。けどな―――」

 

 

 そう答えながら、一角は腰を落とす。そのまま斬魄刀を正眼よりやや高い位置まで移動し、鞘を後方へと引き絞った独自の構えを取り、ノイトラを観察する。

 その身から溢れ出す霊圧は少ないが、その場に存在しているだけで思わず反射的に退いてしまいそうになる程の威圧感。全く隙の無い佇まいに、先程からけたたましく警報を鳴らし続ける勘。

 それ等の条件から、一角は断言した。以前対峙して打倒したエドラド・リオネスが赤子に見える程に強大な敵だと。

 真面に戦えば万が一にも勝ち目は無いだろう。それは理解している。

 だが己の命をチップに賭けに出し―――それこそ一パーセントでも可能性が生まれれば十分だった。

 

 

「てめーの方が、もっと強ぇ。それぐらいは理解出来(わか)るぜ」

 

「そうか…」

 

 

 一角としては一番響いたのはノイトラの先程の呟きだ。それが戦闘欲求に火を着けた。

 まさか破面の中に漢の在り方を説く者が居るのは良い意味で予想外だった。

 こういった連中は総じて戦闘狂か、鬼道の様な搦め手無しの正々堂々とした立ち合いを好む傾向が強い。

 正しく一角にとっての理想の敵。実力的にも不足どころか御釣が来て余り有る。

 

 

「だからさっさと名乗れよ。同じ長物同士、楽しく()ろうや!! なあ“鬼灯丸(ほおずきまる)”!!」

 

 

 直後、一角は左手に握った鞘の鯉口目掛けて頭金をぶつけ、斬魄刀の名を叫ぶ。

 柄と鞘が溶け合う様にして繋がると、その姿が穂先が片刃の短刀となった槍―――菊池槍へと変化する。

 本来、名を叫ぶ前に解号が必要となる始解だが、一角の様に卍解を習得した死神の場合はその限りでは無い。

 終いには名を呼ばずとも始解が出来るのだ。流石に卍解までは不可能だが、解放までのタイムラグが無いのは戦闘に於ける結構なアドバンテージになる。

 例えば未解放の斬魄刀で斬り合っている最中、無拍子の間に始解して相手の不意を討つ等。柔軟な考えを持つ者であればもっと有効な手段を思い付けるだろう。

 ―――残念ながら余りそれを生かした戦法を見せる死神は居ないが。

 

 

「………」

 

 

 一角の要求に対し、ノイトラは名乗るどころか一向に口を開こうとしない。

 否、正確には別の事を考えているだけだ。

 取り敢えず一角と接触した時点で戦闘回避は不可能となった。それは理解出来る。

 だが余り心配する事は無い。ルピが痺れを切らすまで適当に時間を潰せば、後は何かする必要も無くなるのだから。

 それに例え此処で一角を撃破したとしても、殺しさえしなければ今後の流れに余り支障は無い。

 何と言っても、ルピは弱い相手をギリギリまで追い詰める事を好む。本来より少ない人数を相手取る事になっても、ヤミーの様に易々と殺しに掛かる真似はしないだろう。寧ろ自分が有利なのを良い事に、嬉々として相手の事を馬鹿にした台詞を語り始める筈だ。

 前回の任務の様に、展開に多少の時間のズレが発生しても、途中で会話を挟むなりして調整出来る。

 

 それよりもノイトラが気にしているのは、この後援軍としてやって来るであろう喜助の事のみだった。

 単独行動を取っているグリムジョーを除けば、喜助と真面に戦える者はほぼ居ない。

 行動を先読みして策を回避する頭脳や、例え嵌ったとしてゴリ押しで対処出来るスペックも無い。

 唯一可能性が有るのはワンダーワイスだが、彼は山本総隊長に対する切り札と言える存在だ。力を解放するのは然るべき時だけだと、藍染に仕込まれている可能性が高い。当てにする訳にはいかない。

 

 だとすれば適任はこの四人の中で最も強いであろうノイトラに限定される。

 帰刃を封印している彼の身としては、攻撃手段も限定される為、非常に苦しい戦いとなるだろう。

 最悪は帰刃以外の大半の手の内を晒す覚悟もしているが、恐らく杞憂に終わる筈だ。

 何せ交戦状態へと移行する頃には既にウルキオラの任務が完了する寸前。

 後は戦闘狂のスイッチが入りでもしない限り、特に問題は無い。

 

 だが油断は禁物だ。戦闘のみならず、此方が少しでも不自然な仕草を見せれば、喜助は間違い無く思考を巡らせ始める。

 万が一にも早い段階で織姫誘拐の件を悟られれば対処されかねない。

 元より彼女の能力の事を案じて戦場より遠ざける様に仕向けた喜助だ。こんな事も有ろうかと―――と謎の発明品を取り出し、此方の想像も付かない事を遣らかす可能性だって有る。警戒するに越した事は無い。

 

 本来喜助を相手取る筈のヤミーが不在である現状、このままノイトラが何の行動も取らなければ済し崩し的にチルッチが代役を務める羽目となる。

 彼女の実力を軽く見積もると、未解放状態のヤミーやアーロニーロと同等。

 だが相手はヤミーを赤子の様に捻って見せる程の手練れ。チルッチは決して脳筋な訳では無いが、流石に分が悪い事に変わりは無い。

 

 

「なに黙ってやがる。まさか今から死ぬ奴には名乗る必要は無えとでも―――」

 

「別にそういうワケじゃねぇよ。…そら、取り敢えずオマエは離れてな」

 

「アウー…?」

 

 

 眉を顰める一角が何を言いたいのか理解していたノイトラは、台詞を遮る形で否定する。

 一先ず今は先の事を考えるより、この場を乗り切る事が先決か。

 そう結論付けると、ワンダーワイスを抱えて響転でその場を移動。

 確実に戦闘に巻き込まれないであろう離れへと避難させると、元の位置に戻って一角と向き合う。

 

 

「…ノイトラ・ジルガだ。階級は言わねぇ」

 

「なんだと? やっぱてめーは―――」

 

「だから違ぇよ」

 

 

 舐められていると感じたのか、その声には怒気が含まれている。

 だが組織に属する者として、自分の名は明かしても立場までは必要無いと考えるノイトラは、これ以上説明する気は一切無かった。

 

 

「知りたけりゃ…テメェの槍で聞き出してみろってこった」

 

「…上等だコラァ!!!」

 

 

 幸いにも数字が刻まれているのは舌の奥側。

 普通に口を開く程度では読み取る事は叶わない。

 

 ノイトラが最後に放ったセリフが引き金となったのか、一角は蟀谷に血管を浮き上がらせながら飛び掛かった。

 

 

 




前書きの通り、テンション低い状態で作業したんで誤字・誤表現多いかもです。
次に暇出来たら修正しときます。休みは今日だけだもんで。

それと仮面の軍勢、結構好きなんですよね。
良いとこ無しだったキャラは、せめて私の作品の中では幾分か輝かせたいと考えてますが…悪いね、俺のプロットでは真子一人だけなんだ。
人知れず滅火に負けてた69さん「(´・ω・`)」
千年血戦篇では〇〇なローズさん「(´・ω・`)」





捏造設定纏め
①チャドの能力が進化した瞬間とか。
・良いじゃん、ジャンプ漫画的ご都合主義でも。という自分勝手な理由から捏造。
・後さり気にじいちゃんの容姿とか背景とか捏造。もう半オリキャラやんけ。
・暫し後れを取りましたが(主に霊圧とか存在が消えたり)、今こそ主人公の相棒として巻き返しの時です。
②BLEACH界の猛者は話し好き。
・漫画ではそんなに気にしなければ大丈夫な程度ですが、アニメ版になるともうヤバイ。話が長い上に声がゆっくり過ぎて、凄く眠そうに感じるが大丈夫か?
・千年血戦篇では、皆変わらず話し好きだけどあんまり人の話は聞かない悪い子になってる。
・ピエールさんは泣いて良いと思うんだ。




追記
一撃離脱戦法(いちげきりだつせんぽう、英: Hit-and-run tactics)、ヒット・エンド・ラン戦法は、相手を攻撃した後に退避する戦法。
戦闘機で言う、敵機の上空から急降下して、敵機に一撃を与えそのまま急降下で退避する戦法。
別の状況に於ける言い方をするなら、ヒット・アンド・アウェイでした。ごちゃまぜにして済みません。

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