ダイヤのAたち!   作:傍観者改め、介入者

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原作では有力二年生が出ると思うので、まだ確定ではないかも。

原作次第でまた変わるかも。


※2017年10月24日 沖縄光南高校権藤のチームをロッテに変更しました。




番外編 2012年架空ドラフト編

2011年ドラフト会議から一年が過ぎ、再びアマチュア選手たちの運命を決める日がやってきた。

 

春夏甲子園出場の青道高校もまた、秋季大会を戦う最中ではあるが、充実の一年を過ごした先輩の進路に興味がわかないわけがなかった。

 

「――――まあ、どこでもいいんだけどなぁ。」

ニヤニヤしながら教室で自分の名前が呼ばれるのを待つ御幸一也。あまり特定の球団に執着する理由がない。御幸は自分が目玉になれる器ではないと悟っていた。

 

敵として、最後まで立ちはだかった柿崎則春。横浦の楠。八戸成巧学園のスラッガーコンビなど、強敵揃いの甲子園。

 

同じ高校生でも、伸びしろの差を感じずにはいられなかった。

 

―――けど、柿崎以外は隙もあったけどな

 

「ワイは、大学で守備も打撃もレベルアップせんと、プロレベルやない」

 

同学年で、春夏甲子園出場に大きく貢献した前園は、明治大学への進学が決まっている。前園がプロで食うためには、外野守備、最悪サードも守れないと話にならない。

 

それでも、そのポジションを外国人と競うことになる。

 

川上は丹波経由で駒大への進学が決まり、白洲は明治大学へ。他の選手も東都、六大学野球と進路に不自由はしていなかった。

 

「そろそろ始まるぞ。御幸がどこで呼ばれるのか。それは今後の俺たちの指針にもなるからな」

白洲がスマートフォン片手に映像を見つめている。

 

 

今回の2012年架空ドラフトのおさらいをしておこう。

 

高校生の目玉は、なんといっても今年のナンバーワン左腕、柿崎則春だろう。春の決勝、大塚栄治との死闘、夏の甲子園準決勝、横浦のエース楠と投手戦を演じるなど、大舞台に常に出てきた琉球のサウスポー。

 

それに次いで評価を受けているのが大阪桐生の大浪晋太郎だろう。春の選抜では青道に、夏の甲子園では横浦と対戦。その将来性を疑う余地はない。

 

そして彼に比肩する大型右腕、藤谷翔平。Max160キロという高校野球ではありえない球速をたたき出し、目玉候補に。残念ながら夏の甲子園予選敗退と甲子園での記録更新はかなわなかった。前例のない選手なだけに、指名が重複するかと思われていたが、メジャー挑戦を表明。進路が不透明になっている。

 

それに次ぐ評価として、稲実の成宮鳴、市大三高の天久、春ベスト4、夏準優勝に貢献した横浦の楠が挙げられる。

 

最後に、今年の夏の甲子園後に開催された、U-18野球ワールドカップで日本を苦しめた台湾のエース、楊舜臣がついにドラフト参戦。日本に予選ラウンドで勝利、決勝戦では大塚栄治との球史に残る死闘を演じ、失われた1年間をものともしない復活ぶりをアピール。

 

高校生投手の中では、即戦力として期待されている逸材だ。

 

 

野手では今年の高校野球を席巻した青道の要、御幸一也が筆頭だろう。たぐいまれな強肩と、勝負強さ、守備面でも高く評価されており、上位指名が予想されている。

 

打撃面で御幸を上回る、横浦の多村、後藤のスラッガーコンビ、光南の4番権藤は、甲子園出場の原動力となった強打者である。

 

 

 

次ぐ評価に俊足強打の外野手美馬、八戸成巧学園の北城、田村が続く。今年は高校生が豊作と言っていいだろう。

 

 

一方大学生では、速球投手がずらり、日体の松羽、中京大の則元、僧価大の小河、亜大の南浜がいる。やはり今年も投手豊作か。野手では駒大の白崎に、亜大の貴田、紅海大の伏美など、役者はそろっている。が、投手に比べて寂しさは否めない。

 

最後に社会人、独立リーグでは、一芸に秀でた選手が多く、個性豊かな面々。リリーフで高い評価を得ている末永、増田、高齢ながら即戦力の先発ともいわれる井納、即戦力候補の石山、左キラーの公門。野手でも一発のある打者、バットコントロールが魅力な好打者も多く、近年社会人野球復権か?

 

 

まずは下位チームからの指名が始まる。今年はパリーグの西武ホワイトライオンズの躍進、セリーグ覇者東京読売キャッツを破り、完全優勝を果たしたので、パリーグからの指名となる。

 

『第一巡選択希望選手 大阪ブルーバファローズ』

 

今年はルーキー神木が唯一の二桁勝利など、厳しいシーズンとなったバファローズ。

 

『柿崎則春 投手 光南高校』

 

 

会場が沸いた。2年連続で甲子園ナンバーワン投手に攻めに行く。

 

『やはり柿崎君が呼ばれましたね。』

 

『引き出しの多さ、そしてあの精神力と鉄腕ぶり。近年稀にみる逸材ですよ』

 

 

『第一巡選択希望選手 大阪サーベルタイガース』

 

『大浪晋太郎 投手 大阪桐生高校』

 

ここで地元のスター大浪に特攻のタイガース。拍手が沸いた。

 

『将来性ならピカ一ですし、今もすごいですよ』

 

『投げおろす異質な速球は、プロでも対応は簡単ではないと思います』

 

 

『第一巡選択希望選手 千葉ロッテ』

 

『大浪晋太郎 投手 大阪桐生高校』

 

ここで重複。この早い段階で大浪をめぐる戦いが勃発した。

 

 

『第一巡選択希望選手 広島デミオーズ』

 

ここで甲子園出場はなかったが、高卒左腕を指名。単独使命になるだろうと予想される。

 

『第一巡選択希望選手 楽天ゴールデンファルコンズ』

 

ここで広島の指名した選手と重複。まさかまさかの競合となる。

 

 

『第一巡選択希望選手 横浜denaビースターズ』

 

『柿崎則春 投手 光南高校』

 

『ここで柿崎投手が競合!!』

 

『行きますよねぇ。横浜は打線こそ12球団で上位ですが、投手不足が原因で、Aクラスを逃しましたからね』

 

 

『第一巡選択希望選手 福岡トマホークス』

 

『南浜巨 投手 亜細亜大学』

 

『ここで大学ナンバーワン右腕の南浜が出てきました!!』

 

大卒、それも柿崎の先輩にあたる人物。そのクレバーな投球で、プロの世界で飛躍を遂げるか。

 

 

『第一巡選択希望選手 東京ビヒダス』

 

『柿崎則春 投手 光南高校』

 

『柿崎3球団目!! これはすごい』

 

『ええ。指名がどんどん重なるのではないでしょうか』

 

 

これを見ていた御幸は、

 

「――――俺たち、こんな投手に勝ったのか…」

 

「一番隙がなかった投手やし、楠に次いで手強かったんは知っとるし、今更やろ」

 

「むしろ、楠はどうして呼ばれない」

前園はそんなに不思議なことか、と首を傾げ、白洲は楠が呼ばれないことに疑問を覚えていた。

 

「まあ、1得点を打ち崩した範囲と言えたらそうですけど…正直…今でも左腕なら彼がナンバーワンかな。」

春市は柿崎は成長した沢村と比べても、まだ届かない存在だと、暗に言っていた。

 

 

『第一巡選択希望選手 北海道ソルジャーズ』

 

『藤谷翔平 投手 花田東高校』

 

『おぉぉ!! ここでメジャー挑戦表明の藤谷を強行指名のソルジャーズ。会場がまたしても拍手です』

 

『それなりの自信があってのことでしょう。交渉後が楽しみですね』

 

 

そして、

 

『第一巡選択希望選手 名古屋ドラゴンズ』

 

『南浜巨 投手 亜細亜大学』

 

『南浜2球団目! ばらけましたねぇ』

 

『前評判は高かったんですが』

 

 

セリーグ1位の巨人

 

『第一巡選択希望選手 読売キャッツ』

 

ここで1年越しの甥の指名。果たして念願はかなうのか。

 

 

『第一巡選択希望選手 西武ホワイトライオンズ』

 

『南浜巨 投手 亜細亜大学』

 

『南浜3球団目!! 大卒投手への評価は高いということでしょうか』

 

『プロ向きではありますね。』

 

 

そして抽選。まずは柿崎則春

 

横浜、東京、大阪の3球団がくじを引く、

 

 

結果は―――

 

 

 

 

『横浜だぁぁぁ!! ここで2年連続単独交渉権獲得!! 高校ナンバーワン左腕を獲得しました!』

 

『来ますねぇ。仲畑監督は初めてのくじでしたが、豪運ですね』

 

 

『今の気持ちをお聞かせください』

 

『ええ! この左手に当たりくじですよ! 本当にびっくりした! そして今の私は絶好調! 勝負ネクタイが良かったんでしょうね!』

 

失笑が漏れる会場。

 

『さて、今年の新人王にしてHR王の坂田久遠に、打点王東清国、打線はいいだけに、若いエース候補が生まれなかったビースターズに、目玉が来ました。彼に期待することは?』

 

『そうですね! 横浜の新たな柱になってほしい! この一言です! ゆくゆくはカズとユウキの次を担える投手になってほしい! それぐらいの期待が許される選手ですから!』

 

ウキウキが止まらない仲畑監督。

 

 

その後、ファルコンズとデミオーズの抽選が行われ、意中だったはずのデミオーズがくじを外し、会場が騒然となった。

 

 

続く南浜巨の抽選。史実通りトマホークスが獲得。今年は猫の餌と化した若鷹軍団。新人王の岡本を迎え撃つ。

 

大浪晋太郎はタイガースが獲得。長らく不在だった、地元のスター候補が地元球団に入団するという素晴らしい結果となった。

 

きっと虎の未来を担ってくれる。

 

 

 

 

ここからは外れ一位の抽選になる。

 

 

ここで、大阪ブルーバファローズの意気込みが11球団に示された。

 

 

『第一巡選択希望選手 大阪ブルーバファローズ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『楊舜臣 投手 明川学園』

 

 

 

その瞬間、会場は今日一番の大歓声に包まれた。柿崎投手の時の比ではない。今年もっとも日本を苦しめた投手が、最下位の球団の救世主になるかもしれない。

 

『やはり来ました、楊舜臣!! 台湾のエースが、浪速の関西球団を救うのか! その圧倒的な投球は、全国の野球ファンの度肝を抜いたでしょう!』

 

『2年間の国際試合で、日本相手に1点しか奪われていませんからね。対策の上をいく能力の高さ。僕は柿崎投手に並ぶかそれ以上だと思いますよ』

 

 

その実力は、折り紙つきどころではない。全日本の高校チームを相手に、今期も2試合を投げて自責1点の男だ。当然野球通ならば知っている。

 

 

そして中日は大卒投手を指名。投球動作における球の出所の見づらさの定量化を研究する、異色の頭脳派剛腕投手だ。

 

千葉ロッテマーリンズは社会人左腕を指名、これも単独使命となった。

 

 

西武、東京、広島が社卒投手で重複。結果西武入り。後々の抑え。

 

東京は社会人投手を指名し、広島は高卒野手を指名。

 

 

大波乱の1巡目が終わりを告げた。

 

 

 

「毎年なぜビヒダスに目玉は入らない…」

 

「来年大塚が来てくれるよ、金丸。」

 

 

 

 

「トマホークスは来期優勝だろ、戦力が違う」

 

「西武もやばいだろ。打力は負けてない」

 

「ロッテに目玉をくれ、特攻しても当たらないじゃないか…」

 

「なぜ楊に行かなかった、馬鹿野郎…」

 

「あんまりだ、やり直しだ、やり直し! ふざけるな! ふざけるな! 馬鹿野郎!!」

 

「泣くなよ、こっちは意中の選手掠め取られたんだぞ…泣きたいのはこっちだ」

 

殺伐とした空気が青道を襲う。

 

 

 

 

「ああ。バファローズかぁ」

バファローズファンの新田は、大塚の尊敬する選手が贔屓に入ったことで、頰が緩んでいた。

 

 

「セ・パ両法に目玉がいった感じだな(しかし、地元は何を考えている? 柿崎一択だろ、こんなん。)」

沖田は地元広島の指名について、肩身の狭い思いをしていた。別にファンではないのだが…

 

 

 

「あそこで名前を呼ばれたいな。」

 

「メジャーとドラフト、ん? どういうことだ? 志望届あるぞ? ん? え?」

降谷はドラフト指名に夢を見て、沢村は彼がメジャー挑戦を表明したことで、混乱していた。

 

「色々高校生には規則がついて回るんだよ。後で説明する」

沖田が後で説明して、その話を聞いた沢村は難しい顔をして、

 

「大人の世界は世知辛いなあ」

と、唸っていた。

 

 

 

――――楊さんはパリーグか。

 

大塚栄治は、何かを感じていた。横浜は去年に坂田、今年は柿崎と、投打の柱を獲得した。ならば、彼らが次に狙うのは―――――

 

 

「大塚先輩!! 楊さんがバファローズ! 何か一言ありますよね!!」

 

「ああ。まさかまさかの指名だ。驚いたよ」

 

後輩の新田君に突然話しかけられたことで、先ほどの考えが吹き飛んだ大塚。

 

しばらく大塚は、新田に家族の広島推しの愚痴をぶつけられる。

 

「むしろ君はなぜ、地元ファンではないのか?」

 

「押し付けるのが嫌なんですよ!」

 

「温かい印象なんだけどなあ、広島のファンは。」

 

 

 

ここでは高校生にフォーカスを置いたダイジェスト形式で進行していく。

 

バファローズは続いて大卒左腕の松羽を指名、ドラフトはいいのにと嘆くファンの姿。

 

タイガースは八戸成巧学園の北城を指名。ショートの有望選手を獲得。

 

 

そしてロッテが

 

『第二巡選択希望選手 千葉ロッテ』

 

 

『天久光聖 投手 市川大学第三高校』

 

 

つまり市大三高では

 

 

「お、おぉぉ!!!! 俺が二位指名かよ!!」

 

「落ち着け光聖!!」

 

「いやぁ、甲子園出られなかったし、4位ぐらいかなぁと思ってたし。手始めに新人王を狙うとするか」

 

 

キャンプまでにテンションのヒートアップした光聖は、自主トレを敢行。地獄の練習を耐え抜き、世間を驚かせることになる。ゆるゆるなキャラクター性で、球団の新たな顔になる。

 

 

広島は後の神ってる男を指名。大正義ドラフト再びなるか。

 

楽天は全国大会で1試合で20奪三振の投手を獲得。この男がきっかけで、地方リーグが再評価されることに。

 

横浜は大卒投手。いつになったら俺たちのハートを奪ってくれるんですかね。

 

 

福岡は大卒投手。どうせ育つよ、どうせ育つから。

 

 

東京はライアン投法の投手を獲得。史実新人王の未来はどっちだ。

 

 

北海道は高卒内野手。独特な指名路線だ。

 

名古屋は高卒左腕。成宮を回避。これも歴史の修正力か。

 

そして、今年の1位、西武ホワイトライオンズは、

 

 

『第二巡選択希望選手 西武ホワイトライオンズ』

 

『楠慎吾 投手 横浦高校』

 

 

横浦では、

 

「岡本先輩と同じチームだ、心強いし、チャンピオンチームだ。いいところだと思う」

 

「ああ。いいところに入ったな。くっ、俺はまだなのか」

 

後藤がそわそわしていた。

 

「落ち着け後藤。ドラフトは俺たちではどうにもならん」

 

多村が後藤を諌めるが、口は冷静でも、足のほうは貧乏ゆすりだった模様。

 

 

「ブーメランって言葉を知っていますか、多村先輩」

黒羽が呆れた目で多村を見ていた。

 

巨人は足の速い大卒野手を指名。そして3位指名に後の二塁候補。

 

 

西武の指名がやってくる。

 

『第三巡選択希望選手 西武ホワイトライオンズ』

 

『多村省吾 外野手 横浦高校』

 

 

「お先」

 

「てめぇ!! 多村、お前もか!! くっそう、指名されたいなぁ」

 

 

名古屋は大卒野手、北海道は大卒投手を指名。

 

 

東京ビヒダスの指名が始まる。

 

 

『第三巡選択希望選手 東京ビヒダス』

 

 

『成宮鳴 投手 稲城実業高校』

 

 

ここで東都のプリンス、成宮が指名。残念ながら北海道入りはならず。

 

「3位かぁ。けど、ドラフトの順位は関係ねぇし、評価を逆転させてやる!」

 

――――お前はどこに行くんだ、一也

 

 

そして、同学年ナンバーワン捕手の行方を気にしていた。

 

 

 

福岡はここ驚きの指名を

 

 

『第三巡選択希望選手 福岡トマホークス』

 

 

『神谷カルロス俊樹 外野手 稲城実業高校』

 

 

「そうこう言っているうちにカルロス来たじゃん」

 

「別リーグか。交流戦、ガチでやらせてもらうぜ、鳴」

 

「へ、望むこところだよ」

 

 

 

そして横浜の3位指名。社会人の井納を指名。まさかまさかの指名となるが、のちの宇宙人。

 

 

楽天は3位指名に横浦の強打者の後藤を指名。

 

 

「真打ち登場!」

 

「ではないです」

 

 

広島は大卒内野手、ロッテは八戸成巧学園の捕手を指名。タイガースは社会人投手。

 

 

そしてブルーバファローズの三位指名が来ることになる。

 

 

『第三巡選択希望選手 大阪ブルーバファローズ』

 

 

 

 

 

 

『御幸一也 捕手 青道高校』

 

 

『ここでついに青道の要、御幸一也が指名されました!』

 

『ええ。ブルーバファローズが彼にかける期待は大きいですよ』

 

 

 

「――――――俺が、プロ―――――」

 

最高の1年間を過ごした彼への贈り物。それがプロという新たな世界へのチケット。しかも、正捕手として育てる意気を感じられる指名順位。

 

「おめでとうございます!! 御幸先輩!」

大塚からの祝福の声。と同時に青心寮では大歓声が響き渡る。

 

「やったな、御幸!!」

 

「ワイはすぐに呼ばれるとおもっとったで!!」

 

「青道の代表として、頼むぞ!」

 

 

「ああ。プロの世界で、行けるところまで頑張るさ」

 

 

 

 

続いて4位に2017年あたりにブレイクしそうな高卒外野手を指名。

 

タイガースは社会人捕手を指名。

 

 

『第四巡選択希望選手 千葉ロッテ』

 

 

『美馬総一郎 外野手 白龍高校』

 

 

「―――――広い球場か、守り甲斐があるな」

 

彼は静かに闘志を燃やしていた。

 

 

広島は社会人外野手、横浦OBの選手を指名。楽天は高卒捕手を指名。

 

 

横浜の4位指名。ここで、社会人外野手を指名の横浜。

 

 

福岡は高卒外野手、かなりの可能性を秘めているらしい。

 

東京ビヒダスは社会人左腕。ビヒダスはここまで4人連続の投手を指名。

 

 

北海道は高卒内野手、光陵の壁が厚かったのだ。全国ならず。

 

 

名古屋は大卒捕手。打てる捕手になれるか。

 

 

西武は社会人投手を指名。数年後、抑え投手を任されることに。

 

読売は左キラーの公門を指名。

 

5位指名からは一括りにしよう。

 

キャッツは5位指名に大卒野手を指名。ここで指名が終わる。来年こそ日本一。

 

 

西武は5位指名に大卒野手を指名。ここで選択終了。横浦のスター選手を獲得し、戦力も充実。連覇を狙う布陣は盤石だ。

 

 

名古屋は7位指名まで。その最後の高卒投手の緩い球は、本当にすごいものだった。陰りが見える常勝軍団。立て直しなるか。

 

 

北海道も7位指名まで。社会人投手を連続して指名。即戦力で固めたいいドラフトだったといえる。二刀流藤谷との交渉は成功するのか。

 

 

東京ビヒダスも7巡目まで。名古屋と同じく若手の押上が待たれる。

 

 

福岡は7位指名まで。亜大の貴田はまさかの7位指名。後は投手指名で無難に終わった。さぁ、魔改造が君を待っている。最多4人の育成指名が発生。

 

 

横浜は6位指名まで。後のハマのプーさんと社会人投手を指名。

 

楽天も6位指名までとなる。高卒選手を複数指名し、若手の底上げに期待。来年オフにはメジャー挑戦が濃厚なエースに優勝を。2人育成指名があった。

 

 

広島は5位指名で終了。投手、のちに野手転向する。エースを中心に守り勝つ野球が必要になるだろう。

 

 

ロッテは6位指名で終了。大学生の実力者を指名し、手堅く大胆な使命に。Aクラスへの逆襲を狙う。その指名の中で、あの男が呼ばれる。

 

 

『第五巡選択希望選手 千葉ロッテマーリンズ』

 

 

『権藤豊 内野手 光南高校』

 

 

「今度は敵同士だな、豊」

 

「ああ。交流戦で会おうぜ」

 

「そこは日本シリーズじゃないのか?」

 

「直近はそこだろ?」

 

 

 

大阪サーベルタイガースは6位で選択終了。若虎と言われる他球団の中堅のイメージを払拭し、最下位からの逆襲なるか。世代最大サイズの投手大浪晋太郎は、チームを救えるか。

 

 

大阪ブルーバファローズは7位で選択終了。大卒捕手の伏美、大卒、社会人の速球投手を獲得。台湾史上最強のアマチュア投手、楊舜臣は救世主になれるのか。そして、3位指名の御幸一也は、長らく続いた正捕手問題を解決できる実力を示せるか。

 

 

 

2013年シーズン。そんな若造共に主役は譲らないと、43歳の大塚和正が元気に投手9冠を獲得。

 

最多勝、最多奪三振、最優秀防御率、最優秀勝率、リーグMVP、ベストナイン、最多完投、最多完封、沢村賞

 

さらに今期は、各球団のチーム防御率が破壊され、2点台のバファローズ以外、3点台中盤から始まるという打高投低の年でもあった。

 

 

早くメジャーに戻れ、おじさん。

 

 

 

 

 

西武ホワイトライオンズ 2013年シーズン1位 V2達成

1番秋山、2番形岡、三番岡本、4番朝村(打点王)、5番仲村、6番多村のリーグ一の強力打線をバックに、エース岸、サブマリン槙田、右の野仲、ルーキー楠、左の菊地と投手陣も充実。リーグ2連覇、日本シリーズ連覇を果たす。リーグ一位のチーム打率、総得点を記録し、チーム防御率3位と、ほぼ死角がなかった。

 

唯一の穴は、救援防御率が悪いことか。

 

しかし、多少中継ぎが爆発炎上しても、打線がリカバリーしてしまう。

 

最後はワクワクさんが劇場しつつ抑える。一年を通し、リーグ最凶のエンタメピッチングを披露した。

 

誰も笑顔にならないよ。

 

 

それでも西武黄金時代到来と言われ、今後もパリーグの盟主として、リーグを盛り上げていくだろう。

 

2013年シーズンオフ、形岡が巨人にFA移籍。

 

 

多村省吾 背番号41

101試合.264(329打数87安打)6二塁打 0三塁打 12本塁打 69打点 2盗塁

得点圏.320 45三振  21四球 2死球 4犠打 出塁率.308 長打率.392 

失策4 守備率.986

昨年の新人王3番サード岡本達郎に続き、二桁本塁打を達成。主に6番レフトを守る。勝負強い打撃で西武の日本一連覇に大きく貢献。新人王は逃した。来年から更なる飛躍を期待されている。

 

楠慎吾 背番号19

24先発登板169回 2.60 勝率.894 17勝2敗 完投4 完封2 

QS16回(率.666) HQS5回(率.208)

奪三振179 四球49 死球3  被本塁打6 被安打154 

失点54 自責点49 WHIP1.24

新人ながら、オープン戦の好投で信頼を勝ち取り、開幕ローテを任された。打線の援護もあり、勝ち星に恵まれる。

西武黄金時代の次世代エースとして、ファンからの信頼が高まっている。チームの現エース直伝のカーブを習得。これがブレイクのきっかけと語る。

今シーズンの分岐点だった対楽天戦、彼は前半戦最後のカードに先発した。ここで彼の投球はピリッとせず、4失点を喫してしまう。

しかし、合計12点の大量援護を貰い、無敗エースを止めた男として大きな話題を提供した。

 

新人ながら、最多勝のタイトルを獲得。なお新人王。

 

 

 

 

楽天ゴールデンファルコンズ 2013年シーズン2位

前半戦は首位を走っていたが、西武戦でのエースの惨敗、大阪戦での続けざまの完投負けが響き、徐々に失速。8月に首位の座を西武に明け渡し、レギュラーシーズンを終えた。ポストシーズンではCSファーストステージで姿を消し、エースの有終の美を飾ることが出来なかった。ここから西武と楽天のカードは、宿命の戦いと言われるようになる。ルーキー則元は二桁勝利を達成し、次期エースとして、しっかりと立っている。今後も目を離せない。

 

しかし、外国人4人衆と地元帰りのカーブ使いがやってくるまで戦力が足らない。

 

 

 

 

後藤武 背番号38

113試合 .270(411打数111安打)14二塁打 0三塁打 12本塁打 67打点 0盗塁

得点圏.300 59三振 34四球 0死球 5犠打 出塁率.323 長打率.391 

失策2 守備率.988

主にレフトで先発出場。パンチ力を武器に、高卒二桁本塁打を達成。球団初の生え抜き二桁本塁打到達者となる。しかし、課題を多く感じたようで、二桁本塁打に喜びの表情を出すことなく、来季に向けてトレーニングを行うストイックな面を見せた。

 

 

大阪ブルーバファローズ 2013年シーズン3位

 これまでの苦難の時代を耐え抜いた末に、猛牛軍団に雪解けが訪れた。エース金子、2年目の神木、ルーキーの楊、笑顔のエース西が奮闘。扇の要にも御幸一也が座り、大きく成長した。まだまだ課題も多いが、来季に向けて期待が大きく膨らむチームになった。

 

最多奪三振の楊、最優秀防御率、最優秀勝率の神木らの奮闘により、唯一のチーム防御率2点台を記録。来季は神戸でのCSシリーズ開催を目指す。

 

 猛牛の春はまだ訪れておらず、2013年ドラフトで春を迎えることになる。西武黄金時代に次ぐ存在として2014年シーズン、パリーグの意地を見せる。

 

御幸一也 背番号2

143試合 .279(531打数148安打) 30二塁打 0三塁打 8本塁打 78打点 2盗塁

得点圏.331 三振106 四球52 死球3 犠打1 出塁率.343 長打率.380 OPS.723

失策1 守備率.999 盗塁阻止率.313

紅白戦、オープン戦から打撃好調、リーグワーストのバッテリーエラーを解消する堅守を周囲に見せつけ、そのまま開幕スタメンを勝ち取る。その後疲労から調子を崩すが、何とか1年間を乗り切った。まさかのGG受賞。リーグ3位に大きく貢献する。二桁本塁打には届かなかったが、8本塁打とパワーを見せつけた。オールスターファン投票で選出される。

 

猛牛の二枚目捕手として、熱狂的な人気を獲得。翌シーズンのバレンタインチョコの数は球団記録に迫る勢いだった。しかし、スキャンダルのスの字も出なかった。

 

 

楊舜臣 背番号17

26先発登板205回 1.67 勝率.833 15勝3敗 完投11 完封6 

QS24回(率92.3) HQS18回(率69.2)

奪三振219 四球42 死球2 被本塁打5 被安打168 

失点44 自責点38 WHIP1.02

驚異的なイニングイーター兼、絶対的な安定感を誇り、無敗記録が途絶えた楽天のエースに対し、2敗目をつけた。ファーストステージでは因縁の楽天戦に登板。メジャー濃厚のエースに投げ勝った。最速154キロのストレートに、決め球のツーシームスプリットで三振を奪い続け、最多奪三振のタイトルを獲得。しかし、スライダー、ツーシームなど他の変化球も一級品で、投げる芸術家と言われている。

 

女性ファンから人気を得るが、彼の引き攣った笑みが話題となった。

 

オールスター出場、MVPを獲得。登板時は、御幸との猛牛バッテリーだった。このMVPが、彼の新人王をアシストした。

 

 

 

 

千葉ロッテマーリンズ 2013年シーズン4位

序盤は楽天、後半戦は西武、大阪の勢いに圧倒されていたが、こつこつと勝ち星を積み重ねた。育成期間と言われた今期は、期待の天久光聖、美馬総一郎が成長。今後に向けて下克上が期待される。外野の陣容が固まり、次期キャプテン候補の成長、ベテランが意地を見せるなど、若手とベテランの融合がうまく進んでいるロッテ。

 

一度爆発すれば、マリンガン打線は止まらない。そんな奮闘を続ける彼らに、マリンの風は祝福の風となるのか。2014年シーズン戦前は、二強時代のパリーグの、台風の目として注目される。

 

天久光聖 背番号15

24先発登板158回 3.07 勝率.529 9勝8敗 完投3 完封2 

QS10回(率35.7) HQS5回(率17.9)

奪三振153 四球41 死球2 被本塁打6 被安打157 

失点54 自責点46 WHIP1.26

ホーム球場の特性に最初は戸惑い、ボールをコントロールすることに苦労していたが、徐々に適応。後半戦の安定感は圧巻。二桁勝利こそ逃したが、チームの将来を背負う存在と目されるようになった。しかし、決め球のスライダーをバットに当てられるなど、プロのレベルの高さを感じた1年でもあった。ルーキーながら、オールスターに選ばれた。

 

この男の辞書に、ジンクスという文字はない。2年目から本領発揮。

 

 

権藤豊 背番号44

100試合 .284 (302打数86安打)10二塁打 0三塁打 17本塁打 56打点 2盗塁

得点圏.330 59三振  30四球 1死球 犠飛7 出塁率.344 長打率.490 

失策4 守備率.980

開幕直後は野手の選手層に押されかけていたが、後半からはレギュラーに定着。和製大砲不在のチーム状況下で徐々に台頭。ブレイクの機運が高まりつつある。

 

 

 

美馬総一郎 背番号51

101試合.244(356打数87安打)24二塁打 7三塁打 2本塁打 35打点 41盗塁

得点圏. 267 67三振  36四球 2死球 犠打1 犠飛2 出塁率.314 長打率.367 

失策3 守備率.988

その抜群の守備力と、脚力を活かし、一軍入りを果たす。しかし、プロの投手との対戦に苦労し、思ったほど打率を残すことが出来なかった。それでも、後半戦はほぼレギュラーに定着し、期待の若手野手の一角になる。

 

塁に出ると、盗塁マシーンと化す。

 

 

福岡トマホークス 2013年シーズン5位 

優勝が期待されていたが、強力打線がまさかの不発。シーズン序盤から苦戦を強いられた。絶対的なエースの不在が響き、序盤で試合が決まってしまうことも。投手陣の不調、秋の大失速が響き、一度もAクラスを経験することなくシーズンを終えた。

2013年オフのストーブリーグで、3位ブルーバファローズの助っ人外国人を獲得。しかし、黄金時代西武、リーグ最高投手陣の大阪が壁となり、苦しいシーズンが続くことになる。

 

神谷カルロス俊樹 背番号59

 

一軍出場なし。

 

一軍外野手の壁に苦しむ。一軍出場はなかったが、早々に三軍から二軍に昇格。強靭なフィジカルをより効率的に制御することが一層求められる。抜群の広い守備範囲と走塁技術はすでに一流。あとは塁に出ることが課題。

 

 

 

 

 

 

横浜denaビースターズ 2013年シーズン2位

読売キャッツとの優勝争いに敗れた。下位叩きを出来なかったことが、両チームの明暗を分けた。投手陣ではエース大塚、左のエース柿崎、ハマの永遠王子こと梅木が二桁勝利を達成。4年目の國吉が9勝と勝ち越し、3年目に発生した多額の借金返済に動き始めた。

打線は3番ライト坂田(首位打者、初受賞)、4番ファースト東(打点王、2年連続)、5番レフトラミレス、6番ショート梶前の強力打線が機能し、チーム打率リーグトップ、交流戦勝ち越しを決める。来期、梶前は外野へコンバート。

数年ぶりのAクラス入りを果たし、球団初のCSシリーズに参戦。ホームファーストステージを勝利するも、続くファイナルステージで2勝した後に敗戦。。

 

シーズン終了後にラミレスが現役引退を表明。優勝の夢をチームに託した。

 

2014年。新人記録を次々と塗り替える、史上最強のルーキー遊撃手が暴れることに。

 

 

柿崎則春 背番号17

24先発登板187回 1.97 勝率.761 16勝5敗 完投9 完封3 QS18回(率.750) HQS15回(率.625)

奪三振211 四球48 死球3 被本塁打4 被安打155

失点48 自責点41 WHIP1.10

 大塚和正に次ぐエース格として、左のエースの称号を得る。豪速球を武器に、並み居る強打者相手に真っ向勝負。オールスターにも選ばれ、交流戦ではパリーグ相手に無敗、無失点。リーグ2位に大きく貢献した。リーグ2位の奪三振、防御率を記録。CSファーストステージで大阪戦の初戦、後がないファイナルステージ第3戦に先発。その大役を見事果たした。

 

2014年、オーナーに気に入られ、背番号46をつけたルーキー降谷を可愛がる。

 

2015年、ヤスアキジャンプに対抗し、ノリハルジャンプを流行させようとするが、不評だった。

 

 

この世界線ではヒサノリ引退後、タナケンが47番になっています。

 

 

 

 

東京ビヒダス 2013年シーズン4位

ホームラン数の日本記録を更新した4番が居座り、リーグ2位のチーム打率を記録。しかし対照的に投手陣がぱっとせず、ルーキーに負担を強いる結果に。けが人が帰国することが最大の補強とさえ言われているチーム状況ではあるが、本領発揮すればAクラスも夢ではなかった。ルーキー成宮は、神宮での登板がアマチュアから続いていたために、神宮のプリンスという異名をつけられることになる。

 

2015年にトリプルスリーのセリーグ二遊間が完成。プレミア12、2017年WBCで両者爆発。日本代表、完全優勝の原動力に。

 

お前ら早くメジャー行け。

 

 

 

 

成宮鳴 背番号22

23先発登板146回 3.36 勝率.473 9勝10敗 完投3 完封2

QS8回(率28.6) HQS4回(率14.3)

奪三振137 四球53 死球3 被本塁打14 被安打155 

失点65 自責点56 WHIP1.44

ビヒダス投手崩壊の危機を小河とともに救う。しかし、神宮球場特有の飛翔癖に抗うことが出来ず、14本のホームランを打たれてしまった。速球とチェンジアップのコンビネーションは目を引いたが、速球を力で持っていかれることも多く、ストレートの強化を課題にしていた。タイガースとのCS争いに敗れたが、若い投手が揃うビヒダスは、上昇機運が溢れている。

 

 

 




大塚、沖田の入る球団は察しがついたと思います。

まだ未登場のキャラもいますが、中でも楠投手は手強い投手で、打者大塚の天敵です。

カーブ投手に脆かった沖田並に打てません。

作者的には、選抜までいけたらいいな。


最後に、降谷の背番号46には大きな意味があります。

横浜ファンには意味が分かるはず。

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