肛門Project   作:加具

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いつもの様に、今回はレミリアとかパチュリーとか好きな方すいませんすいません


誰も望まなかった冒険

こんにちは、俺である。

今日のこんな日を皆さんはいかがお過ごしだろうか。

俺は霧の深いこの館で〇ンコをするためにトイレを探している。

 

「やぁ、月が綺麗だね」

「・・・今日は曇ってるわよ」

 

どうやら俺の一世一代の告白は断られてしまったようである。

 

「それは残念。一つ伺いたいことがあるんだけど・・・」

「こちらも聞きたいことがあるわ」

 

その少女は気だるげに持っていた本を閉じると俺に向き直った。

 

「なんだい?」

 

交渉の基本はgive and take(発音を綺麗に)である。

自分の話しを聞いてもらうためには相手の話しも聞かなければならない。

 

そして、この場合俺は譲歩してもらう側である。

なにせ俺は現在トイレを借りる立場なのだから。

幸い下の波は引いてくれているが、しかし、俺は四方を取り囲まれていた。

 

入ったそこは温室のようで、そこには椅子に座る二人とその後ろに控える一人。

そして、それを取り囲むようにたくさんの空飛ぶ幼女達。

 

だから何処のエロゲ―だよ(笑)

 

これがガチムチのSPとかだったら俺もビビるんだが、数がいてもそんなに怖くない。

なにっすか?光線でも出すんすか?

幼女は所詮幼女っすもん。

 

おおぅ、何と変態的な光景だ、よく見ると座っている二人もパジャマみたいな格好だし、まともそうなのは後ろで控える女性だけだった。

 

ホントに幼い少女ばかりがこの空間には詰まっている。

ここはシャングリラなのか?

 

一応いっておくが俺にそんな趣味はない。

おっきなお友達は俺をそんな目で見ないでくれ。

とりあえずこの館の当主が〇チガイのロ〇コンであることが決定した。

 

俺は根源へ向かっていたはずだった。

しかし、その中心にいたのは先程も述べたようにパジャマ姿のお嬢さん二人とスーツ姿のような女性が一人。

そして温室の周りを取り囲むように存在する幼女達の姿であった。

 

これは場所を間違えたかと思い踵を返そうとしたのだが、偶然にも、人一人が通れるような一筋の道が出来ていたので、これは俺にそこにいるお嬢さんたちから話しを聞けと言う神の思し召しか。

そう思いなおした俺は、その道を歩いて中央に辿り着いた。

 

すると不思議なことにその道は空飛ぶ幼女達によって封鎖され戻ることが出来なくなった。

何だろう、俺が進む度、近くにいる幼女達が顔を赤くしてモジモジしているではないか。

 

なんなのだろう?

俺はない頭を悩ませた。

 

そして気付いた、気付いてしまった。

そうか、そういうことだったのか・・・

 

俺が気付いたそれは宇宙の真理と言っても差し支えのないものだった。

それなら仕方がない。

そうかそうか、これが―

 

 

“モテ期”・・・か。

 

 

傍目から見ると俺は遠い目をしていただろう。

長かった、実に、そしてそれはもう少し早く訪れて欲しかったものでもあった。

良く見ると、椅子に座るこの少女達もこちらをみて顔を赤らめているじゃないか。

 

今まで一度たりとも来たことのない。

というか近付いた気配さえ見せなかった恋愛の絶頂期に俺は辿り着いてしまったようである。

 

いや、そもそも俺はそこまで顔も悪くないと思うのだ。

なのに何で今まで誰も―

 

「聞いているのかしら?」

 

そこで意識が過去から回帰してきた。

 

「ごめん、聞いてなかった」

 

焦る俺。

それをみて溜め息をつく少女。

知的なその瞳はもう一度俺を見据えた。

 

「本日は当紅魔館に何の御用でしょうか?」

 

気取った表情で告げる少女。

 

「えっと、それじゃあ、トイレを貸して欲しいんだけど・・・」

 

ついに俺はゴールに辿り着いたのかもしれない。

この訳分からない知らない世界に降り立って、初めて、自分の願いを口にすることが出来た。

それだけで俺は全裸で走りだせそうである。

 

「まちなさい」

 

その声は静かに放たれた。

見るとその声の主は先程から話していた少女の隣、真紅の光を放つ少女の瞳がこちらを見据えていた。

 

「なんだい?」

 

俺は少女に尋ねた。

 

「あなた、私の家来に酷いことをしたわよね?」

 

家来?

 

俺は今まで偶然にも犠牲になってしまった尊い四人の犠牲者を思い浮かべた。

その中で俺がこの館に来てからの犠牲者は二人。

 

ならば家来とは咲夜ちゃんとあの門番のことだろう。

 

そうかそうか、恐らくこの少女は当主筋の娘かなにかなのだろう。

この位の子の年齢だったら言いだしそうなことだ。

 

彼女は夢見る少女の時代に今生きている。

地球を滅亡だの破滅だのに導きたくなっても仕方ない。

かつては俺もそうだった。

俺はこじらせてつい先日までそうだったが、こんな能力を身につけてしまったからには百年の恋も冷めるというか、そりゃ能力は欲しいとは思ったことがあるが。

こりゃなんだ?

他人を脱糞させて世界征服ができるか!

ヒロインを助けてもなんと締まりのないものだろう。

敵のはずなのにその相手に同情してしまう能力なんていらない。

 

「咲夜ちゃんたちのことかな?」

「あなたが軽々しく名前を呼ばないで!!」

 

よっぽど業腹だったようである。

まぁそうだろう。

数ある死因の中でも最も醜い死因の一つである。

無論、社会的な意味で。

 

「申し訳ないことをしたと思うよ」

 

本当にそれは思っているのだ。

しかしそうでもしないと乗り越えられないような困難だった。

 

「・・・お前も同じ目にあいなさい」

 

…………なん……だと?

マジか!?

一周回ってマジか!?

俺は今面と向かってこんな幼い少女に漏らせと言われたのか?

 

「ちょっと待―「お前に貸すトイレはない!!!」」

 

ドドーン!!

 

っていや待て、待ってくれ!!!

ドドーン!!じゃねぇんだよドドーン!!じゃ。

ドヤ顔で言われてもこちとら―

 

ぐぎゅるるるる~~~~

 

 

!?

ヤバイ、キタ。

Big wave(発音を綺麗に)ガキヤガッタ。

 

「タノム、トイレ……ヲ…………カシテ……クレ。」

 

今までの比ではない、すぐそこまで来てやがる。

俺の天国への扉をノッキン・オン・ヘブンズドアしてやがる。

ちょっと漏らして我慢出来る位の生易しいもんじゃない。

 

デル

 

0か1しかない波がきやがった。

この封印を一度でも緩めた時、悪魔が降臨する。

 

「聞こえなかったの?」

 

真紅の少女は残酷な程に言い放つ。

 

「私は漏らせと言った!!!」

 

なんだこの少女の背中からにじみ出るものは。

これがカリスマというものなのだろうか、言ってる事はとんでもないが思わず従いそうになってしまった。

 

しかし、これで余裕はなくなった。

俺に残された可能性は一つ。

 

当主に会わなければ。

 

今から他の何かを探していても間に合う確率は絶望的であろう。

かなりのロリコン変態紳士だということははっきりしているが、それでも、今のこの場での発言を取り消してもらえる方法はそれだけしか考えられない。

 

道は塞がれている以上、ここは。

 

「すまない、押し通らせてもらう。」

「出来ると思っているの?」

 

少女は一気にこちらに敵意を向けた。

すごい殺気だ、勝てるのかこれに、この圧倒的なオーラを放つ少女に。

絶望敵な状況のなか、俺は能力を発動させた。

その瞬間―

 

「くぴゃあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

 

少女からとんでもない悲鳴があがった。

地面をのたうちまわった後、少女は動かなくなった。

いや、なんかピクピク動いてるっぽい。

 

 

 

 

「……」

「…………」

「………………」

 

 

 

 

空気が凍りついていた。

まさか、まさかこの場での頂点である少女が真っ先に(社会的な意味で)死んでしまうなんて……。

 

俺を含め皆で顔を見合わせる。

気まずい空気がこの場を支配していた。

 

 

 

・・・・・

 

 

 

「ってそんな場合じゃない!!!」

 

〇ンコだ俺はウ〇コがしたかったんだ。

 

「トイレは?トイレはどこにあるんだ!?」

「ひいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

俺は必死にそのかたわらの少女に詰め寄った。

その瞬間ビクンッと体を跳ねさせ逃げようとする眼鏡少女。

ビビりすぎじゃないだろうか?

最早最初の頃に感じた知的さなど微塵もない。

 

「やめて、よらないで、なんか私もしたくなって来たじゃない!!!」

 

俺はそこで痙攣している少女以外に能力を使った覚えはない。

 

「それは能力関係なくただテメェが〇ンコしたいだけだ!!!」

 

切迫した状況で口調も荒くなる。

 

「こあ、助けて、私死にたくない(社会的な意味で)!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そうやって

伸ばした

手の先には

誰も

いなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

少女の悲痛な叫び声は逃げた少女に届いたのだろうか。

ふらりと倒れると彼女もピクピクと痙攣をはじめた。

 

「くそおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

俺はその現実を前にして全力で地面を殴るしかなかった。

 

俺にはこんなことしかできないのか。

そして。

トイレの場所を知っているであろう大切な証人がまた一人(社会的な意味で)命を絶った。

 

 

 

 

「誰か、トイレを、トイレの場所を・・・」

 

そして気付いた。

そうだ、幼女達がいたじゃないか。

トイレの場所くらいなら小さな子供でも知っているだろう。

 

「なぁ、君達、お兄さんにトイレを―」

 

顔をあげ気付いた。

 

「・・・・・なんだよ、これ?」

 

一面にビッシリと詰まっていた幼女達が・・・

あんなにたくさんいた幼女達が・・・

かわいい空飛ぶ小さな幼女達が・・・

 

 

 

「全滅・・・だと?」

 

 

 

全て地面につっぷしていた。

同様に体をピクピクさせ、意識を失っているようである。

 

どうやら、地面を殴っていた時に能力を、ムイシキニハツドウサセテシマッテイタラシイ。

 

くぁwdrdftgrtじltgfp;rtf!?

 

俺は絶望した。

まるで大量虐殺の現場だ。

俺はそんなに危険な人間になってしまったのか?

 

「誰ものこってないじゃないか」

 

どうしよう、いや、どうしようもない。

俺が今すべきことは俺が(社会的な意味で)殺してしまった人達を悼むことじゃない。

だれもいなくてもしなくてはいけないのだ。

 

「やるしか……ないか」

 

便意で震える足を鼓舞して立ち上がる。

俺が来た場所と反対の方向、可能性があるとしたらそこしかない。

 

「見つかると良いが……」

 

俺は全てをここに置いたまま残り少ない館の最終地点に向かった。

全ては、トイレでウ〇コをするために・・・

 

 

 

 




まさかの一言もしゃべってないですが、小悪魔の結末は次回分かります。
次回で紅魔館編ラストです。
いつものごとく下品で申し訳ありませんでした。

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