ようこそ、俺である。
前回はジョニーをバカにされた怒りでついやっちまったお兄さんである。
良い子の皆は俺の事を見て見ぬ振りをするか、ぜひとも裸足で逃げ出して欲しい。
それでも逃げださなかったいわゆる猛者の君は下半身だけ裸にして一緒に踊ろうじゃないか。
もちろん互いに便座に座ってになるがそこは了承して欲しい。
なんたってク〇のことしか考えられない程、今、痛みが絶頂である。
いっそこのフカフカの絨毯の上に素敵な落し物でもくれてやろうかと思うが、その後で損害賠償を求められても払えないので自重する。
それにしてもなんだこの建物は、探しても探してもトイレが見つからん・・・
時々何か浮いているものを見つけるのだが、これでも一応不法侵入をしている自覚はあるので隠れてやり過ごしている。
それはとても小さく、宙に浮いているようであったので度肝を抜かれたが、よく考えれば湖で会った女の子達も宙に浮いていた。
唐突に理解してしまったその衝撃の事実に俺は戦慄したものである。
最近の小〇生って浮くんだ・・・
しかも時々通る女の子達は後ろに羽のを生やしている。
いやいや羽て、妖精じゃねぇんだから(笑)
とりあえずこの館の当主はこんな幼〇にメイド服を着せてオ〇ニーをしているような変態親父である事が発覚した。
逃げて、みんなチョウ逃げて。
立ち並ぶ調度品の中に醜悪なオブジェを新しく生産してやろうかと何度も考え、そして実行しようと半ケツまで何度も行きかけたがその度に自分に言い聞かせた。
かつて大好きだったバスケ漫画の名ゼリフ。
“……諦めたら?”
!?
〇西先生えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
あなたまで私に野〇ソをしろと言うのですか!?
いや、違う違うこれは弱い自分が作り出した幻想だ。
本物がこんな事言うわけがない。
安〇先生ェ〇ンコがしたいです・・・
腹の痛みを我慢する俺に、脳内で生まれた無数の安〇先生が“諦めたら?”と囁き続けた。
「そこで何をしているのです?」
「ッ!?」
しまった、見つかった。
完璧なスニーキングだったはずなのに・・・
「そりゃそんだけ屋敷の中で叫べば誰でも気付きますよ」
・・・どうやら〇西先生の名前をリアルに叫んでいたらしい。
小学校の成績表には“思いこむと一直線になる事があります”と書かれた事があります。
今までの奴とは一味違うようだ。
というかちゃんとした人であるようだった。
「まったく、本当にうちの門番は何をしているのですか」
溜め息をつくメイドさん。
何とこの女性、メイドの格好をしているのだ。
一度言ってみたかった言葉があるんだ。
それ何てエロゲ(笑)
プギャーといいながら指でもさしてやりたかったが、この屋敷で今まですれ違ってきた奴らの格好から考えて、本物のメイドか、イ〇クラの人の様である。
当主に考えられる可能性が館の当主か変態紳士かの二つに広がった。
なんて難易度だ、俺には解けそうにねぇよ。
俺は頭を抱えた。
「返事もしてくれないのですか?」
メイドさんはこちらに近付いてくる。
このメイドさん、スペックが高すぎないか?
銀色の髪、透き通った銀の瞳、キュっと締まったお尻にきちんとくびれた腰。
そして何より―
「おっぱいでけぇなぁ……」
気付いたら声に出していた。
それとともに〇ンコも引っ込んだ。
波がひいたともいう。
「…………狼藉者のようですね」
まて、俺が悪かったからまて。
その手に構えているものはナイフじゃないか?
精神的な傷を物理的な傷に変えて行動に移す事はお兄さんどうかと思うなぁ。
「待ってくれ、俺は本音を口にしただけだ」
だからテンパって何を言ってるんだ俺。
「なんでも口を開けばいいという訳ではありません!!」
ドンッ!!
持っていたナイフが俺の顔の真横を通りぬけ、壁に突き刺さった。
辺りに破片が飛び散る。
ヒクヒク
決して卑猥なものではないのでご安心ください。
これは俺の頬がヒクつく音である。
かなり深く突き刺さってるよ、俺のパンツにも茶色い染みが少し突き刺さった。
「……それで?」
「へ?」
もはや俺には戦意などない。
明確な殺意なんか向けられて、相手に〇ンコ漏らさせる程度の能力の俺がなにかできるわけがない。
それにしても何の返答を求められているのか分からない。
いや何でここにきたのかを聞いているのか。
当たり前か・・・
俺はトイレを借りたいということを伝えようと思った。
しかし、気持ちは空回りして何も伝えられない俺。
気付けばメイドさんを目の前にしてハァハァしているだけだった。
それを返答に困っていると思ったのか再度口を開くメイドさん
「私の胸が大きいと言いましたね」
・・・・・え?
何それ?
自分で言うのもなんですが俺侵入者ですよ?
どこか顔を赤くしてモジモジと近寄ってくるメイドさん。
「はい、いいましたが……」
その言葉を聞いてハニャーンと顔を綻ばせイヤイヤするように体を揺らすメイド。
何これかわいい。
さっきの怖い雰囲気が嘘の様である。
「もっと言ってください」
うっとりと俺を見るメイドさん。
何これ、ただの痴〇じゃん。
俺の中でこのメイドさんが〇メクラの姉ちゃんに決定した。
なんかこんなイメージでごめんイ〇クラ。
「あ~、ハイ、ウツクシイデス」
何かぎこちなくなってしまう俺。
素直に自分が思ったことじゃないと口にできないシャイボーイであり、チェリーボーイであるのが俺である。
「むふぅ~」
うっとりと鼻の穴を広げて吐息を漏らすメイドさん。
綺麗なんだけどなぁ、何と言うか実に惜しい。
「すいません、おトイレをお借りしたいのですが・・・」
この空気で言いだすのも気まずいが、俺の腸内環境も同様に気まずい雰囲気である。
俺の体内の冷戦がいつ終わりを迎えるとも限らないのだ。
「むふぅ~」
しかし無視される俺。
俺が塵芥にも満たない存在であることは分かっているのだが、それでも傷つく。
「あのぅ」
この時俺は焦っていたのだろう
メイドさんの肩を叩こうとして、さっき砕けた壁の破片に躓いた。
「あっ」
小さな呟きと共に俺はメイドさんに倒れかかり
偶然にも俺の腕はメイドさんの服に引っ掛かり
偶然にももろくなっていた服のボタンが弾け
偶然にもメイドさんの胸はブラを弾いて露わになった。
・・・・・
気まずい沈黙が辺りを支配する。
「見ましたね?」
フルフルと震えながらナイフを構えるメイドさん。
「見ましたねぇ」
嘘は付けない男、それが俺である。
そして、見てはいけないものを見てしまう、それが俺である。
巨乳だと思った胸は、ここで言葉にするのは心苦しいので言葉にしないが可哀想な装具を装着して得られるものだった。
足元にはどこか申し訳なさそうに振る舞う〇〇〇の姿があった!!
「選びなさい。Dead or dieです」
「いやそれどちらも死―」
言葉を言い終える間もなく、ナイフの群れが俺を襲った。
「チョッ、うわ!」
一生懸命走って避ける。
仕方ない、これは怒るのも仕方ない。
しかし、死ぬ訳にはいかないのである。
この状況で死んだら間違いなく俺の体からは出てはいけないものが一瞬で溢れだす。
一般の人など比較にならないくらいの速さで、万人がひく位の量を。
「■■■■■■!!」
すっかり彼女は暴走状態だ、誰も彼女を止められないのかもしれない。
しかし俺は負けない。
例の万能感が俺を包んでいく。
大丈夫、この俺なら大丈夫。
俺は掌に力を込めた。
この一撃は直接加えなければならない。
狙うはメイド、彼女には一つ伝えなければならないことが出来てしまったのだから。
それを伝えに行こう。
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
足に力を込める。
きちんと足は言う事を聞いて動いてくれた。
向かい来るナイフは擦れ違う度に凄まじい風をまく。
ビリビリ!!
向かいゆく空間は意識を持っているかの様に俺に牙を剥く。
こんなちっぽけな俺では一撃を喰らった時点で俺の死は確定する。
だからこそ、覚悟が決められる。
俺は避けているさなかに、この荒々しい攻撃の中にパターンを見出した。
メイドさんが明確な意識を持っていたのなら、分からなかったかもしれない。
「■■■■■■■■!!!!」
しかし、メイドさんは理性を失ってしまっている。
事の発端を考えるとしょうもなさに泣きだしたくなってしまうが・・・
はなから勝負なんて考えていない、俺は戦ったら負けなのだ。
しかし、それにはそれなりに俺の戦い方がある。
というかそれしかないのだが。
一撃にかけるしかない。
持久戦なんて対等な相手がいて初めて成り立つものである。
一撃を叩きこむ、俺にはそれしかない。
それは相手がどんな状況だろうと変わらない。
前進しながら機を狙う。
頭を正確に狙ってくるものだから常に動き続けなければならないが、俺のお腹、もってくれよ。
「そこだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ナイフの間隙を縫って突貫する。
俺の拳は正確に狙った箇所を貫いた。
「おっぱいプォロンポロン!!」
俺が直接攻撃を加えなかった理由。
それは弾けた服をそのままにメイドさんが暴れ回っていたからである。
拳は丸見えになったメイドさんの胸をしっかりと鷲塚んでいた。
うむ、役得役得。
この事がなければ俺はもう死んでいたかもしれない。
まぁ遠距離から能力を発動させればイチコロだったがな!!
当った瞬間俺の力が浸透していくのを感じた。
「こ、これは」
正気に戻るメイドさん。
「あんたに言っとくことがある」
だからこそ俺は能力は少ししかまだ使っていない。
メイドさんは少し赤い顔でこちらを見る。
「な、なんですか?」
その赤い顔の理由が少しづつ肛門が緩んでいるからだというのが少し悲しい。
「自分だけはありのままを受け入れなくちゃな キラッ☆」
「……キュン」
なんか聞こえた気がする。
もしかしたらこのメイドさんの心の声だったのかもしれない。
気のせいだろうけど。(笑)
「そんだけ美しいんだ、欲張ると損をするよ」
肩を叩いて俺は二コリと微笑んだ。
「は、はひ」
見ると少女の顔が真っ赤になっていた。
おっと、能力の出力を間違えたかな?
「とりあえずこれでも着てなよ、メイドさん」
俺は着ていた服のうち一枚を渡した。
少し肌寒くなるが仕方ない。
このメイドさんは上半身素っ裸なのである。
「……咲夜です」
「へ?」
小さな呟きだったから聞こえなかった。
「十六夜咲夜、です」
名前まで教えてもらっちゃったよ(笑)
どうせ業務的なものなんだろうけどな。
なんせ俺だもの。
「じゃあな、咲夜ちゃん」
服を抱く咲夜ちゃんを見てこれ以上は邪魔だと判断した。
背を向ける。
「待ってください、トイレの場所ですよね?」
何だ、聞こえてたんじゃん。
苦笑しか浮かばない。
「ご案内しま―「いいよ」」
その声を遮る。
まだ服も着ていないのだ、こんな状況で案内なんて酷すぎる。
「自分で探すさ」
ハードボイルドを気取る男、それが俺である。
何より、これから可哀想な事がおこるのだから。
「待ってくださヒッ!!!!」
悲鳴が聞こえる。
そりゃそうだ、すでに能力を使っていたんだもの。
緩んだものは漏れるしかないのだ。
眼福はもらったが、ドンマイとしかいいようがない。
「■■■■■■■■■■■■■!!!!!!」
先程の暴走モードよりも長く、悲痛な悲鳴がこの館に谺した。
そして、
そこらじゅうから何かが押し寄せてくる気配がする。
どうやら俺の存在はこの館の主にばれてしまったらしい。
ちょうどいい。
「〇んこ、う〇こ」
当主にトイレの場所を聞こう。
暢気な俺は次の波が来る前に全てが終わることを祈って、集合の中心へと足を向けた。
ここまでよんでいただきどうもありがとうございます。
暴走モードということで次回まで確変状態です(笑)
次話では奮発して複数の紅魔館キャラをだすつもりです。
毎度のことながらどうもすいません。
咲夜さん好きな方もですが、今回は某バスケマンガの名コーチ、そして〇メクラの方々など色々な人にご迷惑な話だったと思います。
こんな正にクソみたいな話ですが、また近いうちにあげようとおもうので気が向いたら読んでやってください。