やはり幼馴染なんてものは、どこかまちがっている。   作:フリューゲル

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始めましての方、お久しぶりの方、フリューゲルです。

『俺ガイル』原作で書きたいことが、まだまだたくさんあったので、また投稿させてもらいます。

今回はオリキャラの女の子を加えて、楽しくラブコメなんてしてみたいなーって思っています。とりあえずオリキャラだけじゃなく、女の子全般を可愛く書くことを目標にやりたいと思います。

のっけからシリアスですが、温かい気持ちでご覧下さい。


プロローグ
プロローグ ~封のされていない手紙~


 

 拝啓 梅花の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 

 

 まずはこの様な形でしか、謝罪できないことをお詫び申し上げます。本来ならば顔を合わせて、このような話をしなければいけないことは、承知をしております。しかし、私には面と向かってあなたと話をする勇気がないのです。あなたを前にしてしまえば、私の口は思うように動かず、いつもと変わりない他愛のない話を始めるでしょう。そのため、お手紙を書かせていただきました。それでも私はきっと、この手紙を届けることなく、箪笥の引出にしまってしまうのでしょう。

 

 

 随分と迷惑をかけてしまったと思います。そもそもこの紙も、このインクもあなたが稼いできたお金で買ったものです。ただ、あなたもご存じの通りこんな性格ですので、感謝の気持ちを示すことなく、こんな歳まで来てしまいました。

 

 

 そして、私は最後まであなたを愛することができませんでした。一緒になってから、あなたは不器用ですが好意を示してくましたが、それでも私は心の中にあなたを置くことができませんでした。あなたの優しさも、温かさも、とても貴重で得難いものだとは理解をしていますが、それでもその手を慈しむことだけは、どうしてもできないのです。

 

 

 本来ならこんな仮面を被り、夫婦を演じるべきではなかったでしょう。あなたの好意を振り払い、一人で生きていくのが道理だったと思います。

 

 

 それでも私は、不幸にはなりたくなかったのです。こんな私が結婚をしなければ、きっと相当苦労し、貧しい生活を送ったことでしょう。そしてそのことを想像すると、いまでもおどろおどろしい恐怖が沸き上がってきます。

 

 

 本当に申し訳はございません。私は、自分の心の安寧のために、あなたの優しさを利用しました。あなたから色々なものをいただいたのに、それを返すことができず、そしてお礼を言うことすらも出来ず、現在まで至ってしまいました。

 

 

 そうして今、ようやく私はあなたを解放することができました。そのことについては嬉しいというよりも、心の重みが減ったと表現するのが適切かもしれませんが、それでも嬉しいのです。

 

 

 こんな私から、あなたを解放できたことが、嬉しいのです。

 

 

 こんな自分を、嫌悪することをしなくなることに、心が落ち着くのです。

 

 

 どうか、残りの人生を自分のために、好きな生き方をしてください。私のことはどうか忘れて、他の誰かと素敵な余生を過ごし、穏やかな生活を送って下さい。

 

 

 それがあなたに返せる唯一の言葉です 

                                         敬具

 




ご覧いただきありがとうございます。

のっけからシリアスですが、この話が生かされるのは、だいぶ後になると思います。

ただ、この手紙の主が個人的にはある意味メインヒロインになるかもしれないなーと、思いながら書き進めています。

これだけだと意味不明なので、そのまま一話に続きます。

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