優木沙々というイレギュラー   作:SBS

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第11話

 音は、丘陵の手前に伏せていた沙々の耳にもはっきりと聞こえた。顔を上げると、屋敷の一部から炎が噴き出し、煙が立ち上っている。

 決して小さくはないが、屋敷全てを倒壊させるには至らない爆発だった。これはほむらの合図に違いない。

 隣の杏子を見ると、ちょうど彼女もこちらへ振り向いたところだった。

 杏子が槍を手に立ち上がった。

 

「行くぞ沙々、遅れんなよ!」

「わかってますってば!」

 

 すでに駆け出した杏子に遅れじと、沙々も走った。

 目指すは正面玄関、今となってはこそこそする意味も無い。一刻も早く合流することが最優先だった。

 緑の庭園を抜け、やがて玄関前にたどり着く。両開きの巨大な木の扉が、威圧的に行く手を塞いでいた。

 沙々は扉の右手に、杏子が左手に張り付いた。互いに顔を見合わせ、頷き合う。

 二人でそれぞれのノブをわずかに押し、すぐさま蹴破って飛び込んだ。

 目の前に豪壮なホールの威容が広がる。視線は正面の階段を昇り、踊り場に立つ人影を捉えた。白い魔法少女――美国織莉子だ。

 沙々たちの姿を認めた織莉子の口元が歪んだ。笑っている。初めから勝利を確信しきった、驕慢な笑みだ。

 その右手がゆっくりと頭上にかざされる。杏子が矢のように駆け出した。同時に、沙々の周囲に赤い光が立ち上る。

 

「杏子さん!?」

「いいから備えろ!」

 

 沙々の抗議も無視して突っ込んでいく。

 沙々の周りに光の障壁が張られていた。一緒に固まって全滅するわけにはいかないが、沙々は納得できなかった。

 織莉子の周囲に無数の輝きが生まれ、流星の如くホールに降り注ぐ。光り輝く宝玉の弾丸、それが嵐のように吹き荒れた。

 赤い絨毯を蹴って駆ける杏子は速い。

 だが宝玉はそれ以上に速く、何より面の攻撃だった。雨あられと降り続け、避けきれなくなった杏子が飲み込まれる。

 杏子が悲鳴を上げた。壁や床や調度も一緒になって破壊され、粉塵が立ち上る。沙々の周囲の障壁が消えた。術者が倒れ、維持できなくなったのだ。

 全身を打ちのめされ、うずくまって震える杏子の姿。

 それを見た時、沙々の中で何かが切れた。激情がこみ上げてくる。かつてない速さで内なる魔力を練り上げた。

 そして意識下の声で魔女を結界から呼び出す。名を呼ばれた魔女エルザ・マリアが自らの結界を飛び出し、こちら側の世界に現出する。

 全身から無数の黒い影が伸びた。枝状の触手が地を走り、織莉子を貫くために迫る。

 織莉子は思いのほか身軽に跳んだ。左右へのステップでかわし、踊り場からホールへ飛び降りる。

 織莉子がホールを駆けた。後を追うように、真後ろの床や壁に影の触手が突き刺さっていく。動きにくい服装にも関わらず、アスリートどころではない速さだった。

 攻撃を凌ぐと階段の前で立ち止まり、織莉子が片手で髪をかき上げた。銀の髪が闇夜に舞う。

 そしてこちらを見ると、はっきり嘲笑を浮かべて言った。

 

「同胞を玩具にするのは楽しいですか? 楽しいでしょうね、あなたのような人間にとっては」

「今さら、綺麗な手に戻れるなんて思ってませんよ。それでも、だとしても……」

「だとしても? なんです?」

 

 なぶるように囀る織莉子の言葉を聞き流し、沙々は意識の奥からさらなる魔力を引き出した。負荷で頭痛と耳鳴りが襲い掛かる。

 沙々は一歩踏み出し、杖を振りかざしながら叫んだ。

 

「だとしても、おめえが気に入らねえって事に変わりはねーんですよ! あんたはここでぶっ潰す!」

「私怨ですか。らしくていいじゃないですか、優木沙々!」

 

 織莉子を無視して沙々は新たな魔女を呼び出した。

 空間が揺らぎ、その裂け目から魔女エリーが飛び出す。空を飛ぶCRTモニタの中に、少女のような影が揺らいでいた。

 魔女エリーが現れたのは、織莉子の目の前だった。画面が目映い閃光を放ち、織莉子を捉える。

 ここからでは何が起きているのか見えない。だが、織莉子が初めて狼狽した。目を見開き、画面を見つめ震えている。

 うずくまっていた杏子が、そのままの姿勢から跳んだ。ずっと隙をうかがっていたのだろう。

 繰り出した必殺の突きは、しかしわずかな差でかわされた。織莉子が大きく飛びのく。穂先はローブの端を引きちぎり、大理石の床に突き刺さった。

 織莉子はそのまま駆け出し、扉を蹴破って隣の部屋へ消えていく。

 

「追うぞ!」

 

 杏子が叫ぶ。沙々も走った。魔力の消費が激しい。身体が重く、杏子についていくのがやっとだった。

 逃げ込んだ織莉子を追った先は食堂だった。中央に長大なテーブルがあり、織莉子はその奥に立っている。

 すでに火の手が回り始め、炎に照らされた影が壁や天井で揺らめいていた。建物の一部では倒壊が始まりつつあるらしい。

 魔女エリーはなおも執拗に織莉子にまとわりついていた。無数の映像が切り替わりながら再生されている。一際目を引くのは、首を吊って死ぬ中年男の姿だった。

 

「消えなさい」

 

 織莉子が静かに、しかし苛立たしげに言った。宝玉の弾丸が画面を撃ち抜き、モニタの背から突き抜ける。

 モニタはそのまま墜落し、もがくように暴れた後で動かなくなった。沙々とエリーの繋がりが断ち切られる。

 深い意識下で繋がった者の死に、沙々は一瞬痺れて身震いした。この感覚だけは慣れそうにない。

 気を取り直し、身構え前へ進み出る。沙々と杏子はテーブルの左右に回り、織莉子を挟み込むような位置取りで立った。

 織莉子は煩わしそうに髪を払った。

 

「あんなつまらない物より、もっといい物をあなたがたに見せてあげますよ」

 

 言い終えるや否や、織莉子の瞳が真紅に輝く。

 まずい、と思った時には遅かった。視界が揺らぎ、暗くなる。

 一瞬の静寂を経て、沙々に膨大な量の情報が映像と音となって流れ込んできた。それも愉快なものではない、剥き出しの神経に刺激が直接送り込まれるような感覚。

 世界の終わりが見える。だがそれ以上に沙々の心に突き刺さったのは、魔女へと生まれ変わる瞬間の自分の姿だった。

 

 

 

 視界は真っ暗で、全身に重い物が圧し掛かっている。それもあるが、この身そのものも重かった。痛みなど感じないはずの身体に激しい痛みが走っている。

 脈動のたびに襲い掛かる激痛で気が変になりそうだった。それでも圧し掛かる何かを渾身の力でどけて、ゆっくりと立ち上がる。

 キリカの視界が急速に開けた、しかしそれは奇妙に傾いている。

 そこは火の手が上がる地下通路だった。天井や壁の一部が崩れている。キリカに圧し掛かっていたのは瓦礫の山だ。

 腕や脚は潰され、骨は砕けてしまっている。視界が斜めになったままなのは首がへし折れ、頭部が傾いているせいだった。

 再び強い痛みに襲われ、キリカはたまらず呻いた。

 最後にこんなにも痛い思いをしたのは、はたしていつだっただろうか。それでもこれ程ではなかったのは確かだ。

 

「痛いよ……織莉子……」

 

 救いを求めて呟きながら、織莉子に教わったやり方を思い出す。

 痛覚を遮断し、損傷した身体を修復する。魔力が続く限りいくらでも蘇る――暁美ほむらがそうだったように。

 だがうまくいかなかった。いくら手順を確かめやり直しても、痛みは激しくなるばかりで傷も治らない。

 なんだこれは、と動揺しながらも身体を見渡し、手で触れて回る。やがてキリカはうまくいかない理由を悟った。

 腰にあるキリカのソウルジェム、それがヒビだらけになって割れかけている。ソウルジェムは魔法少女の本体。それが傷ついているなら痛むのも当然だった。

 限界が近い、キリカははっきりと認識した。

 自分に残された時間はあとわずかだが、不思議と恐怖は無い。ただ、織莉子に会えなくなってしまうことだけが寂しかった。

 織莉子は、キリカの太陽そのものだった。彼女だけがキリカを理解し、受け入れてくれる。世を拗ねた孤独な魂を救済してくれた、キリカだけの女神。

 

「織莉子……君の目的は、必ず……」

 

 短く、だが決然とキリカは呟いた。織莉子を思うと、動かすだけで悲鳴を上げる身体を引きずる気力が湧いてくる。

 今こそ織莉子のために死ぬ時だ。手順を胸に刻み、キリカはゆっくりと歩き始めた。

 

 

 

 沙々が見ている、見せられているのは悪夢そのものだった。数多の世界が滅び続ける光景、巨大な魔女が全てを蹂躙していく様。

 絶望の世界を無数に生み出しているのがほむらだという、悪意のこもったメッセージ。繰り返されるたびに世界は壊れ、滅びていく。

 破滅的な光景の全てが異常なほどのリアルさをもって迫ってくる。音と映像だけではない。臭いや触覚までもが存在し、そこに立っているような恐ろしい臨場感があった。現実と幻影の境目が曖昧になる。自分がいる場所が本当にその地獄だと信じそうになる。

 だがおぞましさで言うなら、自らが魔女と化す瞬間に勝るものはなかった。自らの単なる死以上の重みが、精神を圧迫する。

 ずっと見てきた魔女の絶望。精神的同期による観察ではなく、自らのものとして味わわされる――常軌を逸した怒りと悲しみと憎しみ、ありとあらゆる負の感情を。

 かつてない感触が全身を蝕む。意識だけでなく身体も重かった。

 沙々は意識を強く保ち、強制的に見せられる映像からどうにか目をそらした。視界に再び燃え盛る食堂の様子が映る。先程よりも明らかに身体が重く、だるい。

 ふとソウルジェムを見ると、急速に穢れが溜まり始めていた。時間にしてほんの十数秒に過ぎないはずの体験が、これほどまでに精神を蝕んでいる。

 杏子もまた、片膝を突いて苦しそうに喘いでいた。個人的なトラウマも含めた悪夢の光景を見せられたのだろう、その顔には苦悩も浮かんでいる。

 織莉子が吐き捨てるように言った。

 

「まだ抗いますか。そのまま死んでいれば楽だったでしょうに」

「てめえ……許さねえ」

 

 杏子が槍を握りしめ、ゆっくりと立ち上がる。その眼差しは射抜くように鋭い。

 沙々もまた立ち上がり、再び精神統一を始める。悪夢に晒され、霧散した魔法を再び組み上げねばならない。

 織莉子は沙々と杏子を見て、神経質に足踏みしていた。なおも立ち向かおうとする姿が気に入らないらしい。

 急に織莉子が激昂した。涼しげだった顔を崩して怒鳴り散らす。

 

「あなたたちも見たでしょう、暁美ほむらによって繰り返される死と破滅を! あれを見て、それでもあの女に加担しようと言うのですか!?」

「てめえだって無関係の人間を巻き込んでるじゃねえか、偉そうなこと言う資格はねえよ!」

「大悪は大悪をもって滅ぼすしかないのです、わかりませんか!? ……わからないでしょうね、ならばここで朽ち果てなさい!」

 

 恐らく織莉子は正しいのだろう、見せられた滅びの未来に悪意ある編集を加えていなければの話だが。

 ほむらが繰り返すたびに破滅を迎える世界は増えていく。巻き込まれて死んでいく者たちはたまったものではないだろう。

 だが、そうだとしても沙々の知ったことではない。仲間が大切な人を助けようとしているから手伝う、それだけで戦う理由は十分だった。元より正しい事のために戦っているつもりなどない。

 数多くの見知らぬ人間より、目の前の仲間を助けたい――それが沙々の素直な気持ちだった。

 そして何より、気に入らない人間を叩き潰す事に理由など必要ない。

 すでに魔法は完成している。消耗した身体が悲鳴を上げるが、無理のしどころがあるとすれば今以外に無い。

 沙々の命令を感知したエルザ・マリアの触手が伸びる。

 うねり、荒れ狂う触手の波が迫った。織莉子はなおも身軽に走ってかわす。

 触手は食堂内を走り続けた。椅子を倒し調度品を破壊しながら、部屋中のあちこちへと広がっていく。

 沙々は煽るように怒鳴った。

 

「そういう上から目線だから、ずっとあんたが気に入らなかったんですよ!」

「目障りです、消え失せなさい!」

 

 織莉子の視線が沙々に向けられる。その瞳は怒りに燃え、右手には燐光のような輝きが灯り始めていた。

 視線を受け止めながら、沙々はさらなる召喚の準備を始めた。視界の隅に杏子の動きが見える。

 杏子が床を蹴って駆けた。一足飛びに織莉子の眼前へ迫る。裂帛の気合いと共に槍が突き出された。

 織莉子が上体を右に傾け、穂先は宙を貫く。杏子はそこから水平に槍を振った。以前、沙々がやられた手口だ。

 しかし、織莉子はその場で身を低く伏せた。穂先がかすめて銀の髪がわずかに散り、炎に照らされて輝く。

 危険を感じたのか、杏子が飛び退く。

 織莉子はそれ以上の速さで駆け、杏子の目の前まで踏み込んだ。右の掌を杏子の腹へ伸ばす。

 直後、爆発にも似た音が轟いた。弾かれたように杏子が吹っ飛ぶ。ホールの柱に背から叩きつけられ、ようやく止まった。

 力なくずり落ちる杏子の腹に、宝玉弾が青く輝きながらめり込んでいた。至近距離からあれを撃ち込まれたらしい。

 接近戦で杏子に引けを取らぬ織莉子、その姿に沙々は戦慄した。以前敗れた時、織莉子はここまでの身のこなしは見せていない。

 だが沙々の準備もまた終わっている。杏子が時間を稼いでくれたおかげだ。

 沙々は意識の内で魔力を込めて呼び声を上げた。別の魔女の結界から、使い魔の群れが現世になだれ込んでくる。

 スケート靴を履き、スカートを身に着けた下半身だけの姿が織莉子へ殺到する。委員長の魔女パトリシアの使い魔だ。

 使い魔たちは次々に蹴りかかり、靴底のエッジが織莉子に襲い掛かる。

 

「散りなさい!」

 

 織莉子が怒鳴りながら宝玉の弾丸を撃ちまくる。

 使い魔たちは撃ち落とされていくが、織莉子は目の前の事態に完全に気を取られていた。

 沙々は杏子に目配せした。苦痛に顔を歪めながらも、意識はしっかりしているようだ。杏子はこちらを見て、はっきり頷いた。

 やがて最後の使い魔が撃ち抜かれ、霧散した。

 直後、杏子がその場で跳ね起きた。蹴り飛ばした椅子が織莉子めがけて飛んで行く。織莉子は大きく飛びのいた。椅子は石の壁に叩きつけられて粉々になる。

 沙々はエルザ・マリアに新たな命令を下した。

 織莉子の着地と同時に、食堂中に張り巡らせた触手が動いた。エルザ・マリアの影の触手が、織莉子の手足を捕らえる。

 

「杏子さん!」

「ああ!」

 

 沙々が叫ぶのと杏子が駆け出すのはほぼ同時だった。動きを封じられた織莉子は、驚愕を顔に浮かべている。

 杏子は槍を突き出した。何の抵抗も無く、穂先が織莉子の胸に深々と食い込む。

 それを織莉子は、信じられないと言いたげに見つめていた。

 

 

 

 炎は次第に勢いを増し、少しずつ屋敷全体を飲み込み始めている。この廊下もところどころ崩れ、火が顔を覗かせている。

 急がねば、とほむらは思った。腰が抜けてしまったまどかに肩を貸し、それでも早足で進む。

 もうしばらく行けば裏口から脱出できるが、安心はできなかった。キリカは崩落に巻き込まれたが、その死亡は確認していない。

 

「ほむらちゃん、もう大丈夫だから……」

 

 そう言ってまどかは離れ、自力で歩き始めた。

 杏子や沙々と合流し、一刻も早くまどかを安全な場所まで連れて行かねばならない。

 ほむらは小銃を構え直しながら言った。

 

「もう少しだからがんばって。私から離れないように」

「うん。……ごめんね、ほむらちゃん」

「まどか?」

 

 何を謝るのだろうか、とほむらは思った。

 まどかは歩き続けながらも、申し訳なさそうに言う。

 

「ほむらちゃんが私のためにがんばってるって知ってるのに、それなのに私は……」

「気にしないで。あなたさえ無事なら、私はそれだけで嬉しい」

「ほむらちゃん……私が知らされた事はやっぱり本当なの?」

 

 やはりまどかはその事が気になるようだ。その優しさゆえに、聞かなかったことにして忘れることなどできないのだろう。

 ほむらはまどかの問いに頷き、そして言った。

 

「訂正が必要なほど間違ってはいないわ。……だから、あなたは魔法少女になっては駄目よ」

「そんな……。私のために関係ない人を巻き込み犠牲にする、そんな事が許されるのかな……」

 

 どんな時でも自分ではなく他の誰かを気に掛ける、それが鹿目まどかという少女だった。それはほむらが初めて出会った時から何も変わっていない。

 

「あなたは、やっぱり優しいのね。……そんなあなただからこそ、私は……」

「ほむらちゃん?」

「話は後よ。……下がって」

 

 ほむらはそこで言葉を切り、立ち止まった。下がらせたまどかの前に庇うように立ち、この先の曲がり角を睨みつける。

 程なくして、角の向こうから呉キリカがふらふらと現れた。

 

「ひどい……」

 

 まどかの呟きが聞こえる。

 呉キリカは、一言で言うなら満身創痍だった。手足どころか首の骨まで折れ、それぞれがあらぬ方向を向いている。血塗れの腹からは腸がはみ出していた。

 キリカはかすれた声で言った。

 

「よかった……まだ、運はこっちに向いてる……」

「そんな姿で私に勝てるつもりかしら?」

「そうだね、もはや勝てない……だけど、これなら、どうかな……」

 

 そう言ってキリカは折れた左腕で、何かを掲げた。その手にはヒビだらけになったソウルジェムが握られている。

 何をしようというのか。しかし、ほむらは嫌な予感がした。

 キリカは明後日の方向へ微笑を浮かべ、呟いた。

 

「織莉子、さようならだ……」

 

 まずい、とほむらは思った。

 ある時間軸で、似たような光景を見たことがある。キリカは最後の力を振り絞り、自爆するつもりなのだ。

 ほむらはまどかに正面から抱き着き、背中に両腕を回した。まどかが戸惑いの声を漏らすが、ほむらは構わず盾に手を伸ばした。

 閃光と爆音が辺りを包む。

 ほむらは時間停止のための仕掛けを動かした。

 

 

 

 


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