鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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ではでは投下します


弾かれた引き金

「ミチル・・・私にもその重荷を背負わせてくれないか?」

 

浅海サキはしっかりと彼らを見据える

 

「まだわからないのか?私はサキ達にそういう未来を選んでもらいたくないために此処を去ったことを」

 

「だが!・・・・・ミチルだけに全てを背負わせるなんてできない!!!」

 

― このままじゃ・・・きっと彼女は後悔する ―

 

真は杏子を見る

 

~ 杏子さん・・・・聞こえますか? ~

 

~ 真か!いきなり念話を使うなよ! ~

 

~ すみません。でも頼みがあって・・・・ ~

 

 

「サキさん・・・・・その願いに嘘偽りはありませんか?」

 

真はサキにそう問いかけた

 

「ああ!私も妹もミチルに救われたんだ!私がミチルにできることはそれしかない」

 

「なら・・・・今から僕の身体に起きることを見ていてください」

 

真は変身を解くと、傍らに座る杏子に自らのソウルジェムを手渡した

 

「杏子さん・・・・僕を預けます」

 

「ああ・・・・」

 

杏子は真からそれを受け取ると、傷つけないように手で優しく包みながら控室を出た

 

「どうしたんだい?真君」

 

― 怖い・・・・・どうしよう怖い ―

 

杏子を信用していないわけではないが、しかし生死に関わる根源的な恐怖は真の身体を蝕んでいた

喉がカラカラに渇き、寒いわけでもないのに寒さが覆う

 

「それは・・・・僕がこれから死ぬからです」

 

真がなけなしの勇気を振り絞って言葉を紡いだ瞬間だった

 

ガタッ!!!ガシャァァァァァ!!!!

 

彼の身体から全ての力が抜け、前のめりに倒れた

それはまるで・・・・

 

「真君!!!!」

 

慌ててサキが真に駆け寄る

そしてその表情がみるみるうちに驚愕に染まる

 

「真君!真君!!!!しっかりするんだぁぁぁ!!!!!!!」

 

サキが半狂乱になりながら、真の顔を叩きゆする

しかし、その見開かれた瞳には光が再び宿ることはなかった

そう・・・・

 

「お願い息をして!!!!!!!!!!!!!!」

 

彼は死んだのだ

 

 

目の前でさっきまで話していた少年が生を突然終えた

同じ劇団員だったミチルが魔法少女で、ミチルの代わりに客演をしている真と杏子も魔法少女だった

それだけでも十分に奇怪な出来事ではあるが、なんの前触れもなく真が死んだのだ

劇団員たちも最早静観することもできなかった

 

「心臓マッサージを!カオルは確か救急救命講習を受けたよね」

 

海香が事情を理解できないカオルに声を掛ける

 

「里見は電話を!みらい!担架を準備・・・・・・・?!」

 

サキの瞳が見開かれる

 

「意外と早かったね。杏子さん」

 

確かに真は「死んでいた」

しかし、今真はサキの手の中から立ち上がり、そのまま控室へと戻った杏子を出迎えていた

 

「・・・・・僕らはゾンビなんですよ。見た通りの」

 

真はプレアデス聖団に微笑んだ

それは「いつも」と変わらない真の笑顔

しかし、その笑顔はまるで「化け物」のように見えた

 

「・・・・・化け物」

 

消えかかりそうな声で里見が呟く

だが、杏子はそれを見逃さなかった

 

「テメェ!!!もう一遍言ってみろ!!!!!!」

 

杏子が里見の首元を掴み、片手で吊し上げる

 

「アイツはなぁ!安易に契約を決めてほしくなくて、皆の前で死んで見せたんだ!!それがどれだけ怖いかわかるか?言ってみろ!!!お前みたいな気持ちを読むこともできない奴なんて大っ嫌いだ!!!」

 

杏子が手を振り上げる

 

ガシッ!

 

「・・・・・それ以上はいけません」

 

真が杏子の手を止めていた

 

 

 

NGシーン

 

「だが!・・・・・ミチルだけに全てを背負わせるなんてできない!!!」

 

― このままじゃ・・・きっと彼女は後悔する ―

 

真は杏子を見る

 

~ 杏子さん・・・・聞こえますか? ~

 

~ 真か!いきなり念話を使うなよ! ~

 

~ すみません。でも頼みがあって・・・・ ~

 

 

「佐倉さん・・・・・僕も・・・限界・・・」

 

艶っぽい声を出して真は杏子にしなだれかかる

それを杏子は受け入れる

 

「真さん・・・何を?」

 

訝しむ劇団の皆に真は答えた

 

「二次成長期におけるリビドーがいうなれば魔力の根源・・・・つまりは・・・」

 

杏子の手が女性化した真の胸を愛撫する

 

「こうして発散する必要があんのさ」

 

 

~ ミチルさん、聞こえますか ~

 

~ 公衆の面前で何を始めるんだキミたちは? ~

 

~ いいから合わせてください ~

 

「ミチル・・・・君も真君たちと同じことをしているのか?」

 

浅海サキが顔を真っ赤にしながら尋ねる

 

~ なるほどそういうワケか ~

 

「・・・・・5Pはシた」

 

無論嘘である

潔癖症であるサキを諦めさせるにはこの手がうってつけだった

 

「ミチルがビッチに・・・・・ははははははははは・・・・・」

 

「サキちゃんが壊れたァァァァ!!!!!!!」

 

控室にサキの壊れた笑い声がいつまでも響いていたという・・・

 

 

 

 

 

 

 




今回は短くてすみません

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