鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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花見をする前に、桜が散ってしまった・・・・・


油断

 

~ 「かずみ」がそっちに行ったよ ~

 

~ オーケー、後はあともう少しで出番の終わるサキを上手く誘導してね ~

 

~ やっぱりアレをやんなきゃダメ? ~

 

~ 楽園で姉達と楽しい日常を送りたかったんじゃないの? ~

 

~ わかったよ!魔力で髪を黒く染めればいいんでしょ! ~

 

~ そう自棄にならなくてもいいわ。きっとサキなら貴方の姿をみれば追ってくるはずだからね ~

 

金髪の少女は紫色のドレスを風にあおられるままにしていた

白いスカートの隙間からダークパープルのショーツが見え隠れする

しかし、彼女にそれを恥ずかしがるところはない

ここは「魔法少女の結界」

一般人にそれを感知する手段はない

彼女は公会堂に隣接するビルの非常階段に腰かけていた

眼下には鉄仮面を被ったみたことのない魔法少女

その動きに無駄はないが、しかし彼女一人の力でも魔獣の群れを早期に駆逐するのは難しい

 

「まぁ・・・その時はコレを適当な人間か犬にでも撃ち込んで時間稼ぎね」

 

彼女の手にあったモノ

中央の歪んだ球体から捩れた針が両端から突き出した、15センチ程の物体が握られていた

 

 

魔獣のはっきりしない顔面から一筋の光が放たれる

 

「うわっ!!!!」

 

真が身を捩る

 

ジュォォォォォォォォ!!!

 

光の当たったアスファルトが蒸気を上げながら融解する

真は焦っていた

この異常な魔獣の出現数もあるが、なによりも魔獣の動きが有機的だ

光線で対象を追い込み、零距離での攻撃を加える

数で圧倒する敵を単騎が殲滅するには真に決め手がなかった

 

「巴先輩か織莉子さんがいれば能力を借りられるのに」

 

真が杏子から得た能力は「ロッソ・ファンタズマ」

複数の分身を操り、攻撃を加えることができる

しかし、あくまで前衛型である真と杏子にとっては飛び道具が少ないのはいかんともしがたい

 

― 勝負を掛ける! ―

 

真は地面を蹴り、空中へ駆け上がる

一斉に魔獣たちが顔を真に向ける

 

「それを待っていた!!!!!インフェルノ・イ・パラディーゾ!!!!!!!」

 

真が前傾姿勢を取って魔獣の群れへ突っ込んでいく

スピードが速くなるにつれ、真の身体をガントレットから放たれた青い炎が包む

 

ジュォォォォォォォォ!!!

 

魔獣からの熱線が真にむかって放たれるが、それは炎に弾かれる

例えば高速で飛んでくるボウリング玉を拳銃弾で粉砕することは可能か?

ボウリングの玉が静止している場合はたやすい

しかし、高速で移動している場合側面に当ててスピードを弱めることは可能だが、粉砕するのは難しい

それに加え、真が纏っている炎は「魔法少女の結界」だ

魔獣の攻撃でも致命傷は受けない

 

「ひ・か・りになれぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!!!!!!」

 

真の絶叫とともに全てが光へと変わっていった

 

 

あれだけいた魔獣はグリーフシードへその姿を変えていた

真が張った結界には異常は無いが、中は酷い有様だ

地面が抉れるような衝撃痕

 

ガラッ・・・・・

 

瓦礫の中で動くものがあった

 

「やっ・・・たか・・・・?」

 

真が瓦礫から身を起こす

そこに魔獣の群れは見えない

 

― インフェルノ・イ・パラディーゾ ―

 

固有魔法以外にアドバンテージを持たない真が生み出した必殺技

自らを結界で包みこみ対象へ体当たりする

対多数の敵の場合には安全な箇所を設定し、対象が反応するよりも早く相手の懐へ入り込み結界を魔力弾へ変換し放つ

唯の体当たりに見えるが、しかしダメージを少なく最大の威力を発揮させるのは非常に難しい

真は自らのソウルジェムを見る

早期に除去した方がいいレベルの穢れが溜まっている

真は予備のグリーフシードをソウルジェムに当てた

彼は失念していた

通常の討伐なら、このような無防備なとき真の背中を守ってくれる人間がいる

しかし今の真にはいない

手負いの魔獣が彼の背後に迫っていることを伝える人間も・・・・

 

 

 

 

NGシーン

 

通常の討伐なら、このような無防備なとき真の背中を守ってくれる人間がいる

しかし今の真にはいない

手負いの魔獣が彼の背後に迫っていることを伝える人間も・・・・

真はホッとしていた

なぜなら・・・

 

「ドッピオ・フィナレー!!!!!!!」

 

真の手の中には強大な魔砲

巴マミの必殺技である「ティロ・フィナーレ」に使用される大砲サイズのマスケット銃

彼は固有魔法でそれを「コピー」したのだ

 

「真さんだけにイイ恰好なんてさせたら、先輩失格よね!」

 

巴マミも銀のアラベスク彫刻が特徴的な白い巨砲を現出させる

 

「ティロ・フィナーレ!!!!!!!」

 

二つの魔砲の雄叫びが木霊する

 

 

「武装を解除していいわ、真さん」

 

「はい」

 

― 一度技が当たっても気を抜いてはいけない ―

 

同じ魔法少女の先輩である「暁美ほむら」から掛けられた言葉

彼はそれをよく理解するべきだったのだ

 

「まぁ・こ・と~~~~~~」

 

背後から何者、というよりこんなことをする人間なんて一人しかいない

真が身を捩るががっちりとホールドされている以上逃げようがない

 

「んまぁ!乳首立ってんじゃんか!何かい?戦闘の方が濡れるとか?げへへ!!!!!!」

 

野獣と化した佐倉杏子

そして・・・

 

「・・・・・・・・・」

 

無言でマスケット銃を構える巴マミ

野獣の調教師と化したマミ

彼女を止められるものは誰もいない

 

「必殺!マスケット突っ込み!!!!!!!」

 

コィ~~~~~~~ン!!!!!!!

 

 

 

 

 

 




月刊Gunを読んでいたら、イタリアのチアッパ社(ライノっていうマテバの親戚のようなリボルバーを作ってる)が三連ショットガンを作ったらしい
かっこいいんだが、どう考えてもサイド・バイ・サイド(水平ニ連銃の俗称)よりもローディングが遅いような・・・

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