鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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前に浅海サキと若葉みらいは転生者といったな
あれはウソだ

本当はみらいをサキの妹として転生させる予定だったけど、「転生」の設定上できなくなってしまいボツになった
最終的に記憶を手に入れることは変わりませんが

ニコは・・・・・ウフフ


「プレアデス」の姉妹たち

真は役者という存在に敬意を払っていた

台本と言う、「紙の上の人生」を劇の中で表現することに

稽古場というからには、彼ら役者の真剣勝負が繰り広げられている、と考えていた

しかし、現実は・・・

 

 

「ねぇねぇサキ!この子たちが言っていた代役?」

 

ピンク色の髪で、ビン底眼鏡を掛けた背の低い少女が真を案内していた少女 ― 浅海サキ ― に声を掛けた

 

「ああ。紹介するね、彼女は若葉みらい。この劇団の劇団員兼衣装係・・・・」

 

「兼、サキちゃんの妹でぇす!」

 

ピンク髪の少女がサキの腕をとって縋りつく

 

「こら!今は案内中だよ、みらい」

 

「いいじゃん!この男の子は背が高くてかっこいいし、サキちゃんを盗られないようにしていんだよ!ボクは」

 

「仲がいいんですね。本当の妹さん?」

 

「いや、劇で姉妹役をやってから、なぜだか妹って名乗り始めてね。おーい!みんな集まってくれ」

 

サキに呼ばれて少女達がこたつから出てくる

 

真が一歩下がり彼女達に会釈する

 

「初めましてみらいさん。名前は宇佐美真といいます。演劇は初めてですがよろしくお願いします。ほら!杏子さんも」

 

「は・・初めまして、アタ・・私は佐倉杏子。マミじゃなかった、巴さんから頼まれてきました。これくらいでいいだろ!真」

 

「私は牧カオル。サッカー部と兼務しているから、なかなか此処に来れないかもしれないけどよろしくね」

 

明るい橙の髪をした少女が自己紹介する

 

「私は宇佐木里見。宇佐美ってことは、あの宇佐美教授の息子さん?」

 

「父をご存知ですか?」

 

「ええ。私の母は昔は文化史を研究していて、宇佐美教授の講義を受けていたって話していたわ。」

 

「そうだったんですか」

 

「今度家に招待するわね。教授の息子さんなら母も喜ぶわ」

 

「よろしくお願いしますね」

 

 

「「「「そして・・・・・・」」」」

 

プレアデス聖団のメンバーが見つめる先、やや青みがかったロングヘアーの少女が一心不乱にパソコンのキーボードを叩いていた

 

「あの方は・・・・・?」

 

「御崎海香。今は今度出る新刊の校正に忙しいから後にしてくれる?」

 

余りにつっけんどんな態度に面食らうが、何よりも彼女の頭部から生えたモノに真の視線が釘付けになる

 

「あ・・・あの・・ツノが・・・」

 

「真さんも見えたってことはかなり煮詰まってるね。海香大先生は」

 

「大先生?」

 

「ん?彼女はああ見えても小説デビューしてるんだよ。で、更なる技術向上のためにウチの脚本を担当してくれているんだ」

 

「へぇ~だからあんなデカい態度してんだ?」

 

「私の顔に免じて許してくれないか?彼女はいつもはしっかりしているんだけど、執筆に行き詰まるとああなってしまうんだ」

 

顔合わせは無事に終わった

しかし・・・・

 

「ホントだぁ・・・・」

 

「これなら・・・」

 

「アノ子が履くパンツの用意は終わった?」

 

「ええ・・・」

 

― 何でだろう?何か不吉な予感と悪寒が・・・ ―

 

杏子に鎖で縛られ、胸を弄られた時に感じた悪寒が彼を包む

 

「ところで、巴先輩からはどんな劇をするか教えてもらっていないんですが・・・」

 

「・・・・・実際に経験してもらった方が早い」

 

さっきまでの和やかな態度から一変、浅海サキは冷たい声で呟いた

 

 

「へ?」

 

 

「ささっ!衣装合わせ衣装合わせ!!」

 

あっという間に数人の少女に拘束され、別室に連行される真

 

「またこんなオチィィィィィ?」

 

彼の声はガランとした稽古場に空しく響いた

 

 

「ううぅ・・・・もうやだぁ・・・」

 

「似合っているわよ真さん?」

 

彼女達の目の前には灰色のロングヘアーをした少女が座っていた

いうまでもないが「宇佐美真」その人である

 

「僕は毎回毎回なんでこんな目に・・・」

 

「いやぁ~今度の劇は男性が女性役を女性が男性役をする趣向でね。知り合いの巴マミの伝手を頼ったんだよ」

 

「いいじゃん!いつも女装をしているようなもの・・・」

 

真の足が杏子の足を踏む

 

~ 何ナチュラルに秘密を暴露しそうになってるんですか! ~

 

~ 真!思いっきり踏みつけやがって!後で見てろよ・・・ ~

 

「正直、此方も花形女優を失って結構煮詰まってるんだ。頼むよ!一回!一回でいいから」

 

「・・・・今回だけですよ」

 

「ありがとう!恩に着るよ」

 

サキが真の手を握る

 

「なぁに鼻伸ばしてんだ!」

 

杏子の渾身の膝蹴りが真に炸裂した

 

~ さっきのお返しだぜ ~

 

杏子は念話でそう伝えると、悪戯っぽく笑った

 

 

 

 

NGシーン

 

「もうやめようよ・・・・サキ・・・」

 

彼女は知っている

劇団の運営が火の車であることを

そして、劇団を維持するために「組織」の構成員になり、そして・・・・

彼女とサキは血のつながりはない

でも彼女はサキと「前世からの繋がり」にも似た強い絆を感じていた

 

「仕方ないんだ!ミチルの帰ってくる場所が必要なんだ!そのためなら私は・・・」

 

「サキはいつもミチルミチルって!私を見て!!」

 

桃色の髪の少女 ― 若葉みらい ― がサキを抱きしめる

その行動にサキは驚くが、それだけで彼女の考えは変わらなかった

 

「ミチルのおかげで私も妹も救われた。彼女が苦しむなら・・・」

 

「いくら電話してもメールしても返事すらしてくれないミチルが?私達はミチルに捨てられたんだよ・・・」

 

「そうかもしれない・・・でも私一人でもミチルを待ち続けるから」

 

そこまで言うとサキは寂しげに笑った

 

 

 

「おーほっほほほほほ!この奴隷が!!」

 

男性物の乗馬服に身を包み、鞭を構える浅海サキ

そしてその目の前には革製のメイド服を着た「少年」が蹲っていた

 

パシャッ!パシャッ!

 

「やっぱりいいいわぁぁぁぁ!男装したお姉さまに調教される男の娘!!お互い恥ずかしがっているところもまた・・・・」

 

「協力者」からの条件、それはこうして彼女の趣味の撮影会に付き合うことだった

 

~ ううっ恥ずかしいぃ!でも・・・・・・ ~

 

~ 何かキモチイイ!!!! ~

 

彼女の瞳には微かな加虐の光が満ちつつあった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なぜ女王様キャラっておーほっほほほほって高笑いをしていることが多いんでしょうね?


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