なんかNGシーンがメインになってる気がしてきた
洋館風の住居 「宇佐美邸」を見下ろせられるビルの屋上で暁美ほむらは対象「宇佐美真」を監視していた。
彼女の手の中の暗視スコープは冷たく闇を映し出す
~ こちらほむら 対象は夕食後、自室にて就寝する模様 ~
~ こちらトパーズ・スナイパー。対象付近の魔力に異常はなし 引き続き哨戒を行う ~
~ 巴さん・・・・トパーズ・スナイパーというのはチョット・・・ ~
~ ええっ!張り込みはお互い暗号を使うんでしょ? ~
~ それは無線を使用している場合よ。この念話は私達以外には聞こえないから必要ないわ ~
暗視スコープから目を離した
不意に、私はこのやり取りを楽しいと感じた
以前の時間軸ではこのような皆と友好的な関係は築くことはできなかった
巴マミ
彼女の存在は私にとってとても大きかった
頼れる「魔法少女」の先輩
私は単純に彼女に憧れていた
最初の世界では「まどか」と私を助けてくれた
私は魔法少女となり、時間を戻して彼女も「まどか」も助けようとした
でも・・・できなかった
そして、その世界で私は魔法少女の秘密を知った
二つ目の世界では私は彼女たちを助けるためにこの事実を打ち明けた
そして・・
「ソウルジェムが魔女を生みだすなら、みんな死ぬしかないじゃない!」
魔女に向けられていたマスケットは私たちに向けられ、巴さんは泣きながら引き金を引いた
ソウルジェムが魔女を生むことを知って皆を道連れに自殺しようとしたのだ
何度も裏切られ
何度も引き裂かれ
久遠の牢獄の中、私は尚ももがき続けた
たった一つの道しるべを心に抱いて
生まれ変わった世界では魔法少女が魔女になることもなく、多くの魔法少女が希望を信じて戦う
その中には絶望を抱いて死のうとした巴さんはいない
私はやっとスタートラインに戻ることができた
私は今幸せだ・・・でも、此処に「まどか」がいてくれれば・・・・
ゾクッ!
~ 暁美さん感じた? ~
~ ええ・・・魔力の値が跳ね上がった 間違いなく、「何かがいる」 ~
何かが闇に覆われた邸から飛び出した
私も巴さんも曲がりなりにも、魔法少女としての戦歴はかなりある
しかし、私たちの目でも「ソレ」が何かまでは掴めきれていない
~ 巴さん! 連射で動きをとめて ~
~ ええ! ~
「ティロ・ヴォレェェ!」
巴さんの叫びと共に無数のマスケットが召喚され、閃光と共に無数の弾丸が飛び散る
猛烈な弾丸のバレエを前に「ソレ」が一瞬動きを止めた
そして「ソレ」を追い抜いた弾丸が地面にめり込む
「もらった!」
バシュッ!バシュッ!
「!?」
瞬く間にリボンが萌芽し、ソレを拘束する
対象はもがくが、それだけで戒めが解けるほど非力ではない
彼女のマスケットも発射される弾丸も、実は彼女のリボンが姿を変えたモノだ。
これは単純に弾丸としても使える他、対象物に当たらなくてもリボンの姿に戻して相手を拘束することが可能となる
私は拘束された「ソレ」を見る
灰色の髪
白いマント
以前の輝くような白いロンググローブとニーソックスは、銀の輝きを放つガントレットと膝までのレッグアーマーに変わっていた
そして、顔を隠すのは三つ目と牙を剥く口が描かれた仮面
そこからは何の感情も読み取れない
「さて、また逢ったわね。あなたは何者?」
物腰の柔らかく声をかけるが、巴さんは何時でも撃てるように無数のマスケット銃を空中に浮かべている。
しかし、ソレは何の抵抗も示さない
~ 巴さん!不用意に近づかないで ~
不意に、星が瞬いた
否、それは彼女が召喚した無数のサーベルだった
ドッシュ!ドッシュ!
瞬く間に刃のバリケードが築かれる
「クッ!」
サーベルを手にした彼女が戒めを外し、再び空へ駆け上がった・・・が!
キャリキャリ!ジャァァァァァァァ!
ビルの闇から伸びた鎖が、まるで飢えた蛇のように彼女の足を拘束した
「よう騎兵隊の到着だぜ」
紅い髪とそれに合わせたような紅いロングコートを身に着けた少女 「佐倉杏子」が不敵な笑いを浮かべビルの闇から現れた
NGシーン
「対象は、就寝を開始・・・・いえ何かおかしいわ」
暗視スコープには上下にナニかを擦る姿が映し出されていた
思春期の男性がその・・・・猿のようにナニをすることを知っているが、実際にその場面を見たことはなかった
「監視を休止するわ・・・」
「なら私が代るわ」
巴マミの手の中には高性能のビデオカメラ
「中学一年生の自慰シーン・・・・使用済みのパンツよりも高く売れそうだわ」
巴マミは一人暮らしである
そして毎回のお茶会
活動資金はどこから出ているのだろうか?
暁美ほむらは巴マミの知ってはならない一面を知った気がした
杏子は絶対使用済みのパンツや靴下を売っているに違いない