鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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またまたやっちゃったZE☆


動き出した歯車

 

 

「あの時、私がレミを受け入れてあげれば失踪しなかったかもしれない」

 

彼女「石島美佐子」は嗚咽がその場を満たした

 

「・・・・わかった。だがな」

 

探偵「三国織矢」 ― 美国織莉子 ― は彼女の手を握った

 

「お前さんは今でも真実を追い求めている。それは誇っていい」

 

涙で化粧の落ちた美佐子の手を握った

 

「依頼を受ける。そのレミも失踪した少女についても」

 

「ありがとう・・・・」

 

「概要を話してくれ」

 

 

彼女が警察官になって以来、情報を集めていたそうだ

「椎名レミ」の情報も・・・

 

「皆、非行に走ったわけでも犯罪組織の影も見当たらなかった。年齢もバラバラで、親の仕事も失踪した発生地にも共通点もなかった」

 

美佐子が織矢を見つめる

 

「ただ、本人や近しい友人、親族にまるで奇跡としか言いようのない出来事が起きている」

 

 

曰く

「廃業した親の工場が再び息を吹き返す」

 

「病気だった親や友人が全快する」

 

「とても用意できるはずのない物品を所有している」

 

 

 

 

「偶然といえばそれまで。誰もその共通点に気が付かなかった。半年前に失踪した双子の姉妹の部屋にはおおよそ、中学生が保有できるはずのない宝石が山のようにありました。」

 

織矢は美佐子から提供されたファイルを開いた

 

「双樹ルカ・あやせ」と書かれた少女たちの写真には、無数の宝石が証拠として写真に残されていた

 

「お前さんはその事を上司に報告したのか?」

 

「ええ。でも上司は彼女達が非合法組織と関係していたと結論づけてしまいました。宝石は何らかの報酬ではないか?と・・・・」

 

「誰しも魔法少女なんて知らない、知りたくもない。当然だな」

 

「貴方の情報を教えてくれたのは・・・・・・」

 

美佐子が鋭く、周りを確認する

 

「盗聴器の類は用意していない。それは安心していい」

 

「ある非合法組織からの情報でした。私は・・・・」

 

「言わなくてもいい。魔法少女なんてことを真面目にとるのは、気のおかしい奴か・・・・本当のことを知っている奴しかない」

 

「信じてくれるんですか!」

 

「信じるも何も実際に物証がある以上、それを否定するのは骨が折れるぜ?」

 

織矢は彼女に笑みを浮かべた

 

 

「彼女達の何人かの携帯やパソコンの履歴を探りました。これを・・・」

 

美佐子は織矢にプリントアウトされたメールを見せた

 

「皆、親友や両親に別れを告げる文章と共にこう書かれています・・・・楽園行、と」

 

「楽園?」

 

「それが組織の名前なのかもしれません。彼女達はそのメールの後失踪しました」

 

「依頼はそれか?」

 

彼女は無言で頷く

 

「警察は条理で動くことはない。だから俺の力を借りたいわけか。お前、バレたら首だぞ?」

 

「もとより覚悟しています。この事件には私が思いも知らない闇が待っています。それが私の理解の埒外にあることも・・・・」

 

「報告は三週間毎をめどに暗号化したフラッシュメモリーを送る。俺とアンタが会うのは今回が最後だ。渡したい情報があるならソイツに記録してくれ」

 

織矢は一呼吸置く

 

「今回はかなり根深い。正直、どこから手を付けていいかアテもつけられない。長い調査になるぜ?」

 

「ええ・・・・かまいません」

 

 

織矢は美佐子から提供された資料をブリーフケースに収めると席を立った

 

「ここのビーフストロガノフは絶品だ。お前さん昼食まだだろ?金は払っておくから」

 

「ありがとう・・・」

 

「苦しいときも、悲しいときも、飯を食う時人は忘れる。今は嘆きを忘れることが必要だ。それに・・・」

 

「それに・・・?」

 

「美人が台無しだぜ?」

 

そう言うと、織矢はビストロ・タチバナを出て行った

 

 

― ううっ・・・織莉子ぉ・・・・一人は寂しぃよぅ・・・ ―

 

観葉植物に偽装したキリカは案の定、見事に忘れ去られていた

 

 

 

 

 

 

 

 

NGシーン

 

深夜の工場街

品行方正とは言い難い少女達に一人の女性が囲まれていた

 

「アタイらに説教かますなんて偉い気合いの入った先公だな!!!!」

 

極端に丈を長くしたスカートを羽織り、髪を金髪に染めた少女が嘲る

「ケバイ化粧とパーラメントのたばこ」とくれば最早様式美としかいいようがない

 

「だからですね!タバコは健康を害し、無理な化粧と髪染は年を取って後悔しても遅いのです!経験者が・・・・」

 

ガシッ!!!!

 

「うっせんだよ!お・ば・あ・さ・ん!!!!!!!」

 

ケバイ少女が女性の胸ぐらを掴む

 

 

「・・・・・言ってわからないなら、身体に教え込むしかないよね?」

 

女性「早乙女 和子」を光が包んだ・・・・

 

 

「あれがこの街の魔法熟女だよ」

 

キュウベェが傍らの妙齢の女性に声を掛ける

その女性はいささかファンシーな婦警姿をしていたが、その姿に恥ずかしさは微塵も感じなかった

 

「・・・・・不良を懲らしめまわっているの?」

 

「そうさ。和子は一応正義の魔法少女だからね」

 

「やり方が気に喰わない」

 

彼女の眼下

和子の「マジカル電マ」で壮絶なアへ顔を晒した不良たちの姿があった

 

「正義の在り方は人それぞれさ。君も叶えたい願いから魔法熟女になったんだろ?美佐子」

 

「私は私の正義で動く。それは揺るがない」

 

もう一人の魔法熟女 ― 石島美佐子 ― が早乙女和子を冷ややかに見つめてた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




う~ん「スキくない!!!」の双樹姉妹も出したかったんだけど、正直使いどころに困る・・・・

魔法熟女については序章の「学生の本分は・・・」のNGシーンネタの続きです

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