鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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原作の重要なキーマン「スライス秋山」の出しどころに悩む

ユウリの「夢色のスプーン」の送り主はスライス秋山だし・・・・

いっそのこと立花さんの兄弟子とか・・・・


ナイフ

ビストロ・タチバナ

 

その奥、少し広めの個室にチンピラ然とした「三国織矢」と「石島美佐子」が対峙していた

お互いの心のうちにあるものは不安、そして・・・ほんのわずかな希望

最初に口を開いたのは織矢の方だった

 

「警官が場末の探偵に捜査協力するなんざ、今時ガキ向けの推理小説でも流行らないぜ」

 

「さっきも言った通り、これは私の個人的な依頼です。引き受けてくれないなら帰ります」

 

「引き受けるかどうかは金と内容次第だ」

 

「・・・・言葉で言うよりもコレを見てもらった方がいいわ」

 

刑事「石島美佐子」

今の彼女は黒のタートルネックとベージュの落ち着いたスカートを身に着けていた

全体的にシックに纏めた出で立ちは彼女の人柄を現しているようだった

 

パチッ!

 

彼女の白く細い指がショルダーバックの留め金を外し、中から包みを取り出した

包みは棒状で、見た感じはとても軽そうにみえた

 

「親友の椎名レミが失踪前に残したものです・・・」

 

「見てもいいか?」

 

美佐子は静かに頷いた

 

 

織矢が美佐子からその包みを受け取った

それは軽く、おおよそ重さというものがなかった

包みを開くとそこには一本の短剣 ― いわゆるダガーナイフ ― が現れた

派手な装飾はなく、それでありながらもある種の気品を漂わせていた

 

「驚いた・・・・こんなモノ見たことないわ」

 

「わ?」

 

美佐子が怪訝な表情で織矢 ― 美国織莉子 ― を見つめる

 

「こっちの事情だ、詮索はよしてもらおう。コイツの詳細を教えてくれ」

 

そのナイフの詳細は更に常識を超えた存在だった

見た目は刀身と握り手を一つの鋼材から削り出した、「インテグラルナイフ」という製法で制作されたものに酷似している

このタイプの製法は強度が高くなるが、反面非常に重くなる

だが、このナイフは渇いたスポンジのように軽い

非力な「女子中学生」でも扱えるほどに・・・・

 

「これを調べた研究室では、素材すら特定できなかった。・・・・ナイフがまるで、そこに無いかのように・・・」

 

特筆すべき点は他にもある

これは「人の手に握られなければ切れない」

普通の刃物なら人の手を借りなくても、例えば上から落としただけでも物体を切断し、穴を穿つことができる

しかし、切断力を測る機器にセットしても紙すらも切断できなかった

逆に人が手に握ると、硬質素材である炭化タングステンすら切断できた

全てが全て現代科学の常識に反する物体

言い換えれば「オーバーテクノロジー」といえる

 

「これを調べてくれた研究員は冗談まじりにこう言いました。宇宙人の贈り物って・・・。物証があっても誰も信じてくれなかった」

 

「・・・俺は信じるぜ。実際、コイツを見せられたらな」

 

「引き受けてくれるんですね?」

 

「まだだ。お前さんはこれを何処でレミからもらったんだ?」

 

織矢が射るように美佐子を見た

 

「長い話になるわ。それでもいいかしら?」

 

織矢はゆっくりと頷いた

 

「私は中学三年の時、これを使うレミに命を救われました」

 

美佐子は古傷を抉るような痛みを感じながら口を開いた

テーブルの上に置かれた銀のナイフが美佐子を静かに見つめていた

 

 

 

 

 

NGシーン

 

ある日の師弟

 

「これで終わりよ!!!R・I・P(安らかに眠れ)」

 

バシュ!バシュ!!!

 

赤いナース姿の少女 ― 飛鳥ユウリ ― を囲むように現れた無数の注射器がまるで誘導ミサイルのように魔獣に殺到する

それは魔獣の身体に突き刺さると同時に注射器に込められた魔力を注入する

 

ブギュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!

 

白い魔獣の身体が膨れ、限界を迎えた身体は崩壊を起こす

破裂音とともに結界は崩壊した

 

 

冷静に

 

冷酷に

 

確実に魔獣を葬るその姿に、かつて迫りくる死を前に無力であった少女の姿はない

そこに居るのは「戦士」となった飛鳥ユウリがいた

 

― まだ足りない・・・・彼女には・・・・ ―

 

師匠である、「道化」の魔法少女は静かに見つめていた

 

 

「見てくれましたか!師匠!」

 

屈託のない笑顔を見せるユウリ

しかし、彼女の師匠である黒い魔法少女は彼女をねぎらうことはしなかった

 

「確かに、以前のように魔力を全て使い切ることもなくなった。だが!」

 

黒い魔法少女は強い声で叱咤する

 

「まだ早さが足りない!私の姿を見ろ!!!どう見える?」

 

「・・・・え?」

 

まさか「どう見ても露出狂です」とはいえないユウリであった

 

「お前の魔法の本質は贈与。つまりは戦闘向きな魔法ではない!戦闘センスは良くなってきたが、如何せん無理が出ている!」

 

「魔力を身体能力向上には使えないのですか?」

 

「そうだ!魔力は無限ではないと教えた筈だ。なら、それ以外の方法で対処せねばならない!」

 

「それ以外?」

 

「それは自らの戦闘スタイルを変えることだ!それには・・・・・」

 

 

「うううぅぅぅ・・・・・恥ずかしいよぅ・・・・」

 

以前の丈の長いロングスカートは膝上ギリギリまで切り詰められ、更にスリットまで入れられていた

彼女の「師匠」の裸エプロンよりかろうじて見られる姿であるが、しかし露出度はかなり高い

 

「こうすれば、ロングスカートよりも動きやすくなる」

 

「でも、パンツとか、パンツとか見えてはならないものが見えちゃいますよ!!!」

 

「それでこその修行だ!この恰好でパンチラしないように戦えれば、それだけ身体能力が向上する!間違いなくな」

 

修行と聞いてユウリの瞳が本気になる

 

 

「やります修行!!!」

 

「それでこそわが弟子だ!!!」

 

彼女達が「あすなろ最強の露出狂」と呼ばれるのは更に未来のことである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




友人曰く、「黒パンは日常用!だって汚れが目立たないし」

因みに、その友人の勝負パンツは白パンだそうな・・・

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