鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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では投下
そして羽生金メダルおめでとう!
案の定、お隣のカプサイチン中毒国家が「羽生はウリらのコーチ(ギャラで揉めて辞めた元キモヨナの外人コーチ)のおかげでメダルが取れたニダ!日本はウリらに金メダルを寄越すニダ!!!!!」
と、顏をキムチ色に染めて叫んでいるけどね
それと「ナマポルシェ」
なんか、語感が気に入っちゃったんだよね~


銀の鐘

 

ボロボロの衣服

ところどころ破れ、かろうじて衣服の体裁をとっているがもはやボロ布と言っていい状態だ

かつては目に映えるエメラルド色の髪だっただろう

しかし、ばさばさと毛羽だったソレはまるで鳥の巣のようになってしまっている

そしてその四肢は骨と皮だけ

みすぼらしい姿の少女

その瞳は何も映ってはいなかった

確かに世界に目を向ければ、飢えや貧困があふれている

でも彼らは例え言葉が分からなくても、心まで失っていない

生きる

生きたい

それこそが人間の尊厳であり、人が人である理由

たとえ苦しくても前を見る

希望はただの「願望」

そう切り捨てても構わない

でも、彼らはそれを信じて前を向いて走る

そこには何ら計算された技術も洗練された駆け引きもない

生の感情

妬みや嫉妬などの醜い感情で嘘をつき、自分よりも優れた者たちを貶めるような「ヒトモドキ」には一生賭けたって手に入れられない人間の輝きだ

でも目の前の少女にはそれはない

ただただ鎖で繋がれ、未来に「希望」することなくさりとて「絶望」できるほどの感情を持ち合わせてはいない

その瞳は出荷されるその日まで狭い小屋で飼われる豚を思わせた

 

― 家畜の瞳 ―

 

目の前には絶望しかなく、夢や希望もなくそして自分さえない

ただ与えられるだけの餌を食べる生活を受け入れるのみの存在

ゆまは彼女から目を離すことができなかった

その瞳もその髪もどこかで見たことがある

 

ザ・・・ザザ・・・・・

 

ゆまの視界にノイズが走る

それとともに脳裏に映像が浮かぶ

幼い頃の自分

輪郭のわからないぼんやりとした顏の人物に殴られる

いつもの「彼女」なら鉛筆でも箸、フォークでも相手の手や腹を刺すことくらいはしているだろう

これらの武器は首や目といった部分を狙わない限り死ぬことはない

特に、消しゴムのついたタイプの鉛筆は指と指の間に挟んで釘短刀として使えば死なない程度だが、かなりの深手を負わせることができる

我々は武器の中で生きている

戦う意思さえあれば、強靭な歯で相手の肉を噛みちぎることも、指を眼窩に押し込んで葡萄の実のように潰してしまうこともできる

でも「彼女」は全てを諦めていた

ただただ抵抗もせずにただただ立っていた

彼女は「家畜」

戦うことを捨てた人間以下の存在

そして・・・・

 

そうだ

 

なんで忘れていたんだろう・・・・

 

私は・・・・・・私の本当の名前は「千歳ゆま」

家に帰りたくなくて公園で一人遊んでいて、織莉子お姉ちゃんと会った

そして私は「美国家」の養女になったのだ

警察や民生委員の言っていたこと

今ならわかる

私を虐待していた両親は二人とも「自殺」したのだと・・・・

そして目の前の少女はあの時の「自分」だ

両親という、怖い怖い鬼に殴られ、焼かれ、全を諦めた自分自身の姿だった

 

助けなきゃ

 

身体が自然に動く

 

助けなきゃ!

 

小柄なゆまがその渾身の力を檻にぶつける

でも・・・・

その檻はびくともしなかった

 

ガシッ!

 

少女をしわくちゃの手が掴む

紅い髪の女トロールが少女を捕まえたのだ

少女は逃げようともしなかった

そして・・・・・

 

「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇl!!!!!!」

 

叫ぶゆまの目の前でその女トロールは少女を鍋に放り込んで暖炉にくべた・・・・・・

その瞬間

 

~ 私は弱いまま・・・・誰も助けられない・・・・ ~

 

ゆまの心を虚無が覆い包む

そして虚無は黒い闇となり、ゆま自身を包み込んでいく

 

「だめだよ!!!!!!!」

 

全てが闇に包まれた瞬間に声が響いた

翻る白いマント

銀のガントレットとレッグアーマー

そして三目の鉄仮面

灰色の髪を靡かせた騎士が闇を切り裂いた

騎士の手がゆまを闇の中から引きづり出す

 

「ここは・・・・?」

 

目の前の騎士が切り裂いたのだろう

ゆまを閉じ込めていた檻は無残な残骸を晒していた

 

「よかった無事で・・・」

 

そう言うと、目の前の騎士は仮面を外した

 

「?!」

 

ゆまが目を白黒させる

仮面から現れたのは彼女の兄である「美国真」だった

でも・・・・・

 

「なんでスカート?」

 

最もな疑問である

顏は童顔だが、真は間違いなく「男」だ

 

「色々と込み入った話になるからそれは後でね」

 

真が苦笑いを浮かべる

 

「さぁ、ゆまちゃんはどうしたい?」

 

「どうしたいって・・・・?」

 

「僕ができることはこの檻を切り開くまで。後はゆまちゃんが決めるんだよ」

 

「私が?」

 

「そう。あのトロールたちはお腹が一杯になったら眠って起きない。つまり、彼女を見殺しにすれば無事に帰れる」

 

「見殺し!」

 

「あの娘を助けたら、あのトロールと戦わなければいけなくなる。戦うことは辛い事だよ。なら・・・・」

 

「私はあの娘を助けたい!」

 

「なんの力もないのに?」

 

真がゆまを見る

 

「だって・・・・・・・!」

 

おぼろげながらにもだんだんと思い出している

殴られる自分

たばこを押し付けられた自分

裸にされて「嫌な写真」を撮られた自分

そうだ

あの少女は私が忘れた自分だ

ならば

 

「あの娘は私だから!」

 

真が彼女にサーベルを手渡した

 

「これは魔法の剣だよ。それを使えば鉄も切れる・・・・それであの鍋を切り裂いて彼女を助けることだってできる。戦う意思があれば・・・・」

 

真鍮の飾りのついたサーベルは見た目よりも軽かった

 

「僕は手助けはしない。いいね?」

 

真が静かに見つめる

ゆまはそれに静かに頷いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




スーパーダンガンロンパ2の田中の演説は名シーン
本当はアニメで見たいところだけど、あの「アニメ」みたいな感じだったら嫌だな・・・・

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