鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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アングレーム漫画祭ってなんなの?


ルール

「ルール」

 

それは人間を人間たらしめるもの

常に飢え、弱れば同族すら貪り喰う動物と一線を画すもの

野生ではルールは存在しない

縄張りといったものがあるが、それとて野生本能に基づくものであり理性によって生み出されたルールではない

強いて言うなら「弱者は強者の糧になる」所謂弱肉強食がルールと言える

ルールに寛容はありはしない

 

隣の国が自分の国よりも発展し文化技術、精神性そして民度が高く多くの国から評価されているから、世界中で隣の国の悪口や告げ口してやる

 

過去に膨大な開発援助金や賠償金を既にもらっているが、国家運営が行き詰まったから条約を反故にして「おかわり」する

 

文句言われたら「差別ニダ!」と喚けばいい、「泣く子は餅を多くもらえる」だ

 

そんなことをすれば自分から「条約」や「ルール」を知らない、人にも劣る「ヒトモドキ」だと名乗るもの

そんな国など誰も信用しない

精々、色好いことを言って金と女を絞りつくし、何もなくなったら肥溜めに捨てる

金で得た名声は金とともに失う

いくら食べても無くならない「永久パン」なんて存在はしない

使えば使うだけ補充せねばならないが、金を「他者を貶める」のみに使っていれば金を儲けることなんてできない

キーを数回打つだけで真実を知ることのできる現代

もはや「武力を持たなければ侵略する国なんてない」、「言い返さずに民度を見せつけてあげましょう」などと世迷いごとを吐けばすぐに反証が出てくる

世界は変わった

掌に納まる程の小ささへと・・・・

しかし、「ルール」が効力を持つのは多くの人間がそれを共有するからだ

それが利益に基づくものならまだ理解できるが、何の利益ももたらさない「自尊心」とやらの為に行動するような連中もいる

現実世界では複数のルールがある為、それが恒久的な戦争の火種になってしまうことがある

古代社会においては宗教がルールだった

 

国家を「神」とすることで社会を安定させる

そして交易の要衝を「聖地」とする

法を宗教の戒律にすることで、「ルール」を守るという概念を定着する

そのことが「ヒト」を「人」たらしめた

しかし、同時に戦争の理由となった

交易の要衝を奪い合う「戦争」はそのまま「宗教戦争」となる

そして戦火はとめどももなく広がり続け、常に戦争の火種となる

どうして「交易の要衝」が「聖地」とされたのかは大事ではない

ありもしない神の為に死ぬことが美徳とされ、死後の救済として天国や地獄という概念が定着していく

皆、神に許されることを願い、たった一つしかない命をドブに捨てる

それは・・・・・・「魔法少女」も同じだった

 

 

私は遥かなる旅路に想いを馳せる

最初は道半ばに倒れた「父親」と「母親」を助ける、たったそれだけ、ただそれだけの個人的な願望だけで世界を渡っていた

でも・・・・

世界はそんな願いを嘲笑うかのように冷淡だった

 

「魔法少女が穢れを溜めて魔女になる」

 

それは母の残してくれた魔女の図鑑にも書かれていた

ソウルジェムも基本的にそのシステムを持っていた

だが、「ある少女」の願いでそのシステムは書き換えられた

 

「全ての魔法少女は戦いの果てに救済というなの消滅が与えられる」

 

それは抗いようのない「ルール」

焼いた肉が元に戻らず、一度壊れたものは決して元通りにならない

寛容など存在しない

無論、それに抗おうとした魔法少女達もいる

父の「母親」もその一人だった

でも、ルールを変えることは叶わなかった

少女達は「願い」の果てに魔法少女となり・・・・そして死んでいった

「ルール」を変えようとした存在は他にもいる

あの寄生虫どもだ

インキュベーターの願いは「宇宙の延命」

その為の魔法少女システムを生み出した

よりエネルギーの回収効率が良い方法を模索しようとするのは彼らに残った唯一の感情といえる

・・・・馬鹿なことだ

見える範囲だけの観測で宇宙の死がわかるわけではない

なぜなら「誰もその終わりをみたことがない」からだ

ものが壊れるにはその前兆がある

しかし宇宙という存在は常に壊れ常に生み出されている

いくら観測しても、そんな「宇宙が壊れつつある」という証拠は存在しない

当のインキュベーターの観測でさえだ

奴らは極限られた情報をアップデートすることなく行動している

宇宙の終わりに怯えながら・・・・・

まるでピエロだ

奴らにも感情がある

それは「狂気」だ

狂人が空を見上げて、空が落ちてくると嘆くのと同じく滑稽だ

私は「未来」を見た

魔法少女が二つの集団に分かれて永遠に戦い続ける未来を

 

魔法少女の消滅を「神の思し召し」ととらえる「教団」と、人類を魔法少女の呪いから救う為に研究を続ける「学園」

ここでも「ルール」が「宗教」となり、戦火の火種となった

私はその世界で「学園」に所属していた

そこで多くの技術や正確な記録を見ることができたのだ

道半ばに倒れた同胞の研究をだ

そして全てを救う「救世」を思い立った

・・・・・わかっている

これはあくまで自己満足だ

私が一つの世界を救っても運命の連鎖を止めることなんて出来ない

でも、これが成功すればあの悪夢のような「未来」は来ない

魔法少女が兵士となり「神」の為に死ぬ、あの世界のような絶望は・・・・

 

 

「焼かれた肉を元に戻すのは簡単よ。時間を戻せばいいだけ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 




そういえば、どこぞの経済紙が「世界ではリンゴのマークのスマホより、アンドロイドスマホが普及しているニダ!アンドロイドスマホよりリンゴのスマホが売れている日本はガラパゴスニダ!ウェーハッハ!!!!!」とか言っていたが・・・・

あんた日本と海外の人口比ってわかってる?

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