では投下行きます
一人の少女が魔法少女となった
マスコミに糾弾され、日々やつれていく父親の力になりたいと
彼女が白魔に願ったこと
それは
― 全てを知ること ―
願いは叶えられ、彼女は全てを知った
大好きな父親の隠された一面を
そして、その父親に危険が迫っていることを
少女の名前は「美国織莉子」
またの名を「全知の魔法少女」
織矢探偵事務所
盾のような黄金のディスクが回り出すと同時に空中に映像が浮かぶ
それらはキリカが収集したデータらしかった
「相変わらず便利だなソレ」
キリカが感心する
「まあね。とは言っても入力する情報が少なければ正確な予知はできないわ」
「だからアタシが居るんだろ?」
「感謝しているわキリカ。志築仁美と上条恭介、そして美樹さやかは幼馴染で間違いないわね?」
「ああ。ついでに補足しておくと仁美と恭介は恋人同士だぜ」
その言葉を受けて織利子がディスクの文字の書かれた場所をなぞる
するとそこがボゥと光った
「ふ~ん 不確定要素があるわ。仁美さんと恭介さんの過去で何か変わったことはない?」
「ああ、なんでも恭介って奴はひどい事故に遭ったらしい。一時期、バイオリニストとしての復帰は難しいかったそうだけど、今は復帰しているそうだ」
「・・・魔法少女の願いね、間違いなく。問題は誰が?ということね」
「仁美って奴の所にはソウルジェムはなかったぜ。風呂の中まで調べても見つからなかったから間違いない」
「消去法としては失踪した美樹さやかか」
織莉子は手を止め、しばし考え込んだ
レコード上には二つの交点が表示されていた
「レコードの予知は二つ、美樹さやかが魔獣討伐で命を失ったのか、それとも同業者に始末されたかと出ている。さやかさんは一人で活動していたのかどうかを調べなきゃね」
「確か見滝原の魔法少女じゃ、マギカカルテットが最大勢力だな」
「うまく情報が集められたらいいんだけど」
「あたしはやだよ!自分の仲間を手にかけたかもしれない連中と一緒に居るなんて」
「そうは限らないわ。これはあくまで情報収集、私もサポートするわ」
「そこまで言うならな~」
「後でゴディバのチョコレート詰め合わせをあげるわ」
「バケツプリンも追加な」
「はいはい」
呉キリカがディスクから自らのソウルジェムを取り戻すとそれに意識を集中する
光が収まると、そこには黒地の裾が長く胸元の大きく開いた上着とミニスカート、そこに純白のブラウスを身に着けたキリカが立っていた。
「とりあえず、潜入には何時もの黒猫がいい?」
「そうね」
すぐさまキリカの周りに様々な人物、物、動物の映像が浮かぶ
キリカは黒猫の映像に手をかざす
映像はキリカを覆い尽くすほどの大きさに巨大化し、キリカを飲み込む
そこには銀の腕輪を付けた一匹の黒猫が座っていた
「レコードの予知で潜入にもっとも適した時間は?」
「今日の午後6時。潜入場所は宇佐美邸が最適だと出たわ」
「宇佐美って偏屈な学者の家だろ?何で宇佐美邸なんだ?」
「どうやらレコードによるとマギカ・カルテットは拠点を移動したみたい。もし、本当にさやかを消したのなら拠点を移動した方が安全よ」
「おいおい、本当に安全なのか?」
「今のところレコードにはキリカの身の危険は表示されていないわ」
「行ってくるわ」
黒猫は猫用入口を潜って外に抜け出した
「ちょっと待って!・・・・・ってもう行っちゃったか」
織利子がディスクの銘板を叩くと、一人の少年の姿が浮かんだ
「キリカにとっては危険はないけど、不確定要素があるって伝えたかったのに」
灰色の髪の少年 宇佐美真は微動だにせず映像の中で立ち続けていた
「宇佐美真。宇佐美邸の持ち主の宇佐美蓮助の一人息子。なぜ、彼女達に関わりあうの?」
レコードは何も答えない
「・・・・私も行くしかないか」
NGシーン
諸君は不思議に思わないだろうか?
なぜ、初めて魔法を使った真がそれに飲み込まれたのに、今では難なく使いこなしていることに
才能があった?
偉大なる先輩の指導のたまもの?
否、そうではない
では一体?
答えは「日常」の中にある
「ちょっと待ってて、私PKったみたい」
「PKなら仕方ないな~Tバックって難儀なもんだな?」
「ぴーけ?」
「ん?初心な真に教えてやるよ!」
バッ!
巴マミのスカートを佐倉杏子が捲り上げた
花の芽吹きをイメージしたレースに彩られた白いショーツが真の目の前に曝け出される
「真ちゃんと見えてるか~パンツが食い込んでるだろ?だからPK(パンツ食い込んでる)ってわけ」
「ちょっと!佐倉さん。真さんも何とか・・・・・真さん?」
「こいつ鼻血を吹き出して気絶してるぜ!」
自宅で飲むブラックコーヒー
この一杯が魔法少女としての日常を忘れ、以前と変わらない日常に彼をいざなっていた
時計はもう午後9時を指していた
「シャワーを浴びて寝よ・・・」
宇佐美邸 シャワールーム
ジャグジーやサウナすら完備されている、そこはマギカ・カルテットの面々の日々の癒しともなっている
「よう!真。先に入っているぜ」
目の前には佐倉杏子がジャグジーを楽しんでいた
「なんで佐倉先輩が入ってるのー!」
「なんでって、いつものパトロールで汗かいたから使わせてもらっているだけさ。言ってなかったっけ?」
「言ってないよ!」
気が付くと杏子の腕が真の腕を掴んでいた
「ほらほら、真も脱いで入んなよ」
「いやぁぁぁぁl!」
お分かり頂けたろうか?
フリーダムな佐倉杏子のセクハラ攻撃
日々、真は自らの煩悩と戦っているのだ
これが彼が短期間で能力を使いこなせた理由だ
復活のNGシーン
お楽しみいただけたでしょうか?