鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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仮面ライダー鎧武

「フルーツで変身」とあるので、どんなキワモノかと思ったら意外と普通だったでござる


ムカシガタリ

 

宇佐美邸 別館

その中央ダイニングルーム

此処はマギカ・カルテットが作戦を立てるのに使い、またこの場に同席している「美国織莉子」、「呉キリカ」と戦った場所でもある

今、この場には見滝原にいる魔法少女全員が集まっていた

彼女達の表情に浮かぶのは少しばかりの不安

特に、織莉子にとっては父親の久臣の友人である、宇佐美蓮助が魔法少女の事を知っていることに驚いていた

 

「さて・・・・話そうか」

 

漆黒の豊かな髪を揺らし、一人の男性がしっかりとした作りの椅子に体重を預ける

蓮助のスリーピースのスーツが椅子に張られた革と擦れ合い、ギシッと音を立てる

彼の目の前には数人の少女

皆、緊張の面持ちだ

無理もない

ただの一般人だと思われた蓮助が、魔法少女について知っていて皆を呼んだのだ

真から蓮助の人となりは聞いているが、それでも不安はぬぐえない

それを破ったのは紅い髪の少女だった

 

「なあ・・・蓮助おじさん、全て話してくれないか」

 

「ああ、そのためにキミ達に集まってもらった。佐倉さん、これを」

 

男性の名前は「宇佐美蓮助」

失踪した「真」の実の父親だ

彼は椅子から立ち上がると、マントルの上に置かれた小さな箱を手に取り杏子に渡した

 

「これって真の母さんの・・・・」

 

杏子は覚えていた

これが真を生むと同時に死んでしまった、真の母親の形見であることを

 

「そうか・・・・真はキミにコレの事を話したのか?」

 

「ああ・・・でも壊れれてて鳴らないって・・・」

 

「真はこれの秘密に気付かなかったか・・・・。少し魔力を流してハンドルを回してみるといい」

 

「?!」

 

皆が顔を見合わせる

 

~ やっぱり魔法少女のことを! ~

 

マミが杏子に念話を飛ばす

 

~ なんだよマミ!アタシの言う事を信じてなかったのかよ! ~

 

~ そうじゃないけど・・・ ~

 

「臆することはない。これはあくまで記憶のアーカイブ以上のものではないからな」

 

「じゃあ・・・」

 

杏子が蓮助に言われた通りに魔力を流しながら、オルゴールのハンドルに手を掛けた

 

カチカチカチ

 

以前とは異なり、スルリと抵抗なくハンドルが周り始めた

その瞬間だった

突如、オルゴールの蓋が開いて別館全体を覆った

 

「杏子さん離れて!!」

 

マミが即座に魔法少女形態へと変わる

その手には白いマスケットが握られていた

 

「大丈夫だ」

 

蓮助がマミの前に立つ

 

「これは記憶のアーカイブで、記録を閲覧する事以外に機能しかない」

 

「!」

 

ホログラムの様に空中に様々な映像が浮かぶ

それは最初はおぼろげであったが・・・

 

「お、おい!こいつは?」

 

部屋の中央、そこにもう一人の少女が立っていた

 

「紹介しよう。我が妻であり、真の母である宇佐美命だ」

 

蓮助の紹介に、そのホログラムの少女はぎこちなく微笑んだ

 

「・・・・彼女が」

 

「真の母さん・・・・?」

 

言われてみると、確かに真に似ているところがある

それに・・・

 

「魔法少女になった真にそっくりだわ・・・・」

 

「でも・・・おかしいじゃない!だって魔法少女が結婚できる年齢まで生きれるなんて・・・・。まさか!!!」

 

「まさか?」

 

少女達が固唾を飲む

皆が杏子を見る

 

「真のオヤジが真性のロリコンだったのかーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

壮絶にずっこける蓮助

そして、そんな蓮助から微妙な距離をとる少女達

 

「何をどう勘違いしているかわからないが、彼女は20歳まで・・・・正確には真が生まれるまで魔法少女として現役だったのだよ。みずからの願いから紡ぎだした魔法を使ってね」

 

「魔法?」

 

織莉子が蓮助を見る

魔法で延命できるとは、彼女でも聞いたことがなかった

 

「彼女は非常に特殊な巻き戻しの魔法を持っていた。命は魔獣討伐の際に、その都度使用した分の魔力をその魔法で巻き戻した。それが20歳まで現役の魔法少女だった秘密だ」

 

「確かに・・・・・」

 

考えようによって、命の魔法はかなり使い勝手の良い魔法だ

討伐の際に負った傷も、その「巻き戻す」ことができるのなら、治癒は必要なく戦い続けることが可能だ

 

「私と彼女の出会いは、魔獣から助けてもらった時だ・・・」

 

周囲を浮かぶ映像が変わり、歯車のような飾りの施されたコルセットと縁が金糸で装飾されたドレスを着た少女と傍らで無骨なリボルバーを構える少年を映し出した

 

「これって・・・・」

 

鋭い目つき、漆黒の髪、それは「蓮助」だった

 

「私は彼女と一緒に戦い続けた。彼女の魔法が宿ったリボルバーを手に。その関係が協力者から、恋人へと変わるのには時間はかからなかった」

 

織莉子が傍らにすわるマミをそっと見つめる

その瞳は大きく見開かれ、強い羨望を表していた

例えるならば、欲しかったおもちゃを目にした子供の様に

 

 

「幸せだったよ。でも彼女は生まれたばかりで危険な状態にあった真を助ける為に、その魔法を限界まで使い・・・・・」

 

杏子は見た

蓮助の目の端に涙が浮かんでいることを

 

「おじさん・・・」

 

「妻は生前、ある研究結果の一つをこのオルゴールに込めた。将来、真が私と命のように魔法少女と関わった時の為に・・・・」

 

蓮助がオルゴールの中に手を入れる

中にはオパールのようなものが嵌められた指輪が一つ入っていた

 

「これが彼女の遺産だ」

 

巴マミと杏子にその指輪を手渡す

確かめないでもわかる

この指輪には強力な魔力が込められている

 

「命は20年の人生の中で、魔法少女の延命と魔力の保存を研究していた。これはその研究の一つである魂の欠片だ」

 

「魂の欠片?」

 

マミが蓮助に尋ねる

 

「ああ。これは使用すれば一時的だが、個々の魔法をブーストできる。これで息子を・・・・真を助けてやってくれ・・・頼む!」

 

蓮助が二人に頭を下げた

 

「蓮助おじさん。そんなこと決まってるぜ!」

 

杏子がタンカを切る

 

「アタシが一番嫌いなのは、アタシのモンを取られることだ!!!真を拉致した奴らを懲らしめることなんて決まりきってんだよ!」

 

~ 真さんは結局モノ扱いなのね ~

 

と、織莉子は思っていたが、少なくとも杏子が本気で真を救い出すつもりであることは間違いないようだ

 

~ それよりも・・・ ~

 

織莉子が蓮助を見る

ミチルとほむらと一緒に襲撃を受けたあの夜、かろうじて閲覧できたことがある

それは姿なきスナイパーは「魂の欠片」という、固有の魔法を閉じ込めた特殊なカートリッジを使用しているということだった

少しずつピースが揃っていく

だが、まだ足りない

ただひとつだけ明らかなことがある

それは、全ての答えがあの結界の中にあるということ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 




天下の仮面ライダーだから、血まみれウロブッチャーはなしだろうな・・・

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