鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

131 / 322
時間ができたので投下


託された者

真の父と織莉子の父が旧友同士の酒宴を行っている頃

遊戯室では遊び疲れたゆまを部屋まで送っていた織莉子が戻ってきていた

 

「・・・・最近のゆまちゃんの様子はどうですか?」

 

真が織莉子に尋ねる

真は「ある事件」を切っ掛けに美国家の養女「美国ゆま」の秘密を知り、織莉子の「共犯者」となっていた

 

「ソウルジェムから流れる穢れの量も変わらないわ。よく笑い、よく遊ぶ普通の少女よ」

 

「そうですか・・・それならよかった」

 

美国ゆま、旧姓「千歳ゆま」

彼女は生まれてから、今の歳まで虐待を受けて育った

それも生みの親からだ

彼女がその境遇から「白魔」の甘言に騙されて、「魔法少女」となるのもいうなれば必然だった

そして彼女の両親は「自殺」した

他ならぬ、彼女自身の「願い」で

織莉子がゆまから魔法少女や虐待に関する記憶を消去、改竄しなければおそらく絶望に飲まれていただろう

現在は美国家の養女として、第二の人生を歩んでいる

その事を知るのは、「美国織莉子」、「呉キリカ」、そして「宇佐美真」の三人だけ

 

「真さん・・・・頼みがあるの」

 

織莉子が真を見つめる

 

「今私はある人物から依頼を受けて、少女連続失踪事件を調査しているわ」

 

「少女連続失踪事件?」

 

「ええ。此処あすなろ市や近隣で少女達がある日何の前触れもなく失踪する・・・・後に残されるのは友人や両親への感謝の手紙だけ。どの手紙にも最後には楽園行と書かれていた」

 

「失踪した人物に他にも共通点があるんですね?」

 

織莉子が静かに頷く

 

「不可解な失踪をした少女達は皆、魔法少女だった・・・・・」

 

「魔法少女を狙う存在があるんですか」

 

真は手元の資料に目を通す

一人二人ならまだ「魔法少女同士の縄張り争い」と理解できる

しかし、その数は50人を超えていた

明らかに異常だ

 

「そう断定するには情報が少なすぎるわ。おまけに失踪した魔法少女にはかなりの実力者もいた。それでも・・・・失踪している」

 

織莉子が用意した資料には、失踪した日付と彼女達の情報が表記されていた

 

「織莉子さんの能力でも詳しいことはわからないんですか?」

 

織莉子の固有魔法「アカシック・レコード」

これは「全てを知りたい」という、彼女の願いが結晶したもの

必要な情報を入力すれば、それに関する情報が出力される

故に「全知」の魔法少女と呼ばれている

真はかつて彼女の協力で一人の「少年」を救っている

愛しい「幼馴染」の姿を追い求める「一人のバイオリン弾き」を・・・

 

「試したわ。でも・・・・因果が重なり過ぎて情報が一定になっていない」

 

彼女は「全知」であっても「全能」ではない

入力する情報が少なければ、正確な情報を得られないのだ

 

「つまりは因果を操る魔法少女がいる?」

 

「それもわからないわ・・・・・・」

 

織莉子は静かに目を瞑った

 

「もし私に何かあったら・・・・ゆまの事をお願い」

 

「・・・・わかりました。でも僕からもお願いがあります」

 

「何かしら?」

 

「その調査に僕、いやマギカ・カルテットも加わっても構いませんか?」

 

「駄目よ!!危険すぎるわ」

 

「だからです!織莉子さんは確かに強力な魔法を持っています。けど、戦力は多いに越したことはありません。現に、その失踪は止まらず今も増加している。いつ見滝原でそのような事件が起きないとは限らない。杏子さんや巴先輩が暁美先輩・・・皆大切な仲間です。僕は仲間が消えていくのを黙って見ていられないんです!それに・・・」

 

真が言葉を止める

 

「織莉子さんは背負い過ぎです!この見滝原には僕らマギカ・カルテットもいます。織莉子さんの魔法も通用しない相手なら、魔法少女たちが結束して事に当たらなければならない。既にこの事態は織莉子さん達だけの事案ではありません!あすなろ市や見滝原市の魔法少女全てが結束して、事態の収拾にあたるべきです!」

 

「そうね・・・・・また同じ間違いを繰り返すところだったわ」

 

「同じ間違い?」

 

真が怪訝な表情で織莉子を見る

 

「いいえ・・・なんでもないわ。ありがとう真さん」

 

織莉子は真に笑顔を見せた

 

「僕も同じ魔法少女の仲間ですから・・・」

 

その笑顔に真も笑顔を見せる

 

「真おにーちゃんに織莉子おねーちゃん!なんで一緒に笑いあってるの~?」

 

「「え?」」

 

振り向くと自室で休んでいるはずのゆまが立っていた

 

「楽しいことならゆまも混ぜてー!!!」

 

裏表の無いゆまの笑顔を見て、真はこの笑顔を守りたいと願っていた

 

 

 

NGシーン

 

「真おにーちゃんに織莉子おねーちゃん!なんで一緒に笑いあってるの~?あ~!これからせっくすするんだ~~~~!」

 

「「え?」」

 

真と織莉子が顔を見合わせる

 

~ な、なんでゆまちゃんがセックスなんて言葉知ってるの~~~! ~

 

~ 知らないわよ!!!なんで唐突に・・・・・ ~

 

「な、なんでそう思うのかな~~~~~ゆまちゃんは?」

 

「仲良くなった女の子と男の子ってせっくすするって小学校で教えてもらったよ?」

 

中学校数学で大学レベルの数学問題が教えられるこのご時世、小学校ではより踏み込んだ保健体育が行われているようだ

コウノトリさんが~

キャベツ畑で~

なんてレベルではない

文字通りの「性教育」だ

 

「あのね・・・そういうことはもっと大人にならないとできない事なのよ?」

 

織莉子が引き攣った顔でゆまに話す

 

「え~~~?学校の先生は6年生になったら、赤ちゃんが産めるって・・・・」

 

そう無垢な表情で話すゆま

純真無垢な処刑人に真も織莉子も頭を抱えた

 




バイト先で小学生女子がエロ漫画をレジに持ってきた・・・・・

もうゴールしてもいいよね?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。