宮沢賢治の小説のほとんどは実は未完
「接続」の魔法少女「神那ニコ」
彼女の願いは「全てを繋ぎ止めること」
それは彼女が「かつての世界」で使用していた固有魔法
これは「対象」に知られずに「接続」できる
魔法少女同士であれば個々の固有魔法
ただの一般人であればその記憶
今、神那ニコは立花宗一郎の背中に蠍のように見える触手を伸ばした
痛みはなく、いつものように必要な情報を得て終わるはずだった
だが
「キミも魔法少女なのかい?」
立花が振り返り「ニコ」を見つめていた
「・・・・・!」
彼女の経験上、触手を見破った者はいない
彼女に「接続」された魔法少女達はそれに気づくことはなかった
では彼女の目の前の優男がそれを見破ることができたのはなぜなのか?
「キミは素直だね。信じられないって顔をしているよ?」
~ 駄目!相手のペースに飲まれる! ~
ニコは必死にポーカーフェイスをとろうとする
しかし、それは逆に彼女の違和感を更に強めることに彼女は気づいていない
「その指輪・・・・魔法少女のモノだね?」
ニコが指輪を見る
指輪の封印が解けてしまっていた
ニコが慌てて隠す
「隠さなくてもいい。ウチにも魔法少女が一人いるからね。」
「それって・・・・かずみ?」
「かずみ」という名を聞き、立花の顔が険しくなる
「キミもあのあいりって娘と同じく、ミチルの命を狙いに来たのか?」
「いや・・・・違う!!!!」
「じゃあ、なんでミチルのことをかずみと呼ぶんだい?」
「それは・・・・・・」
「ウチで預かっているのは和紗ミチルだ。かずみなんて呼ぶのは止してくれないか?」
立花の寂しげな表情を見て、ニコは静かに口を開く
「・・・・すまない」
ぐぅぅぅぅぅぅぅ~
「・・・・あ」
「すまないね。すぐ準備するから・・・・・」
「じゃあ、君はミチルを探しているのかい?」
「ええ・・・・」
ニコは運ばれてきたバターチキンカレーを食べ終えて、目の前の立花に全てを話した
自分の両親が暴漢に撃たれて重傷を負ってしまい、すぐさま「魔力で治療した」が意識を取り戻すことはなく、植物人間になってしまったことを
そして再び目覚めさせてくれる魔法少女を探して旅をしていることも話した
無論、自分が「オリジナル」の願いで生み出された「予備」であること、そして「転生者」であることを告げることはなかった
「別の街の魔法少女に、この街に住むミチルと言う魔法少女なら、それができるかもしれないって教えてもらった」
「別の街の魔法少女?」
「魔法少女は願いに直結する様々な魔法を使える。私が出会ったのは全てを確率に変換して、最も可能性のある未来を教えてくれる・・・・占い師のような魔法少女だった」
ニコは目を伏せた
自分の感情を隠すためだ
そして目の前の立花の様子を見るためでもある
「その魔法少女から、ミチルは祖母の覚醒を願って魔法少女となったと教えてもらった・・・・・私は両親を助けたいんだ!」
全ては演技
魔法少女であることを知られた以上、立花を味方に付けることは重要だ
特に、あの「杏里あいり」が転生者であるなら、出来る限りの対策が必要となる
手駒は多いに越したことはない
「わかった・・・・キミの電話番号を教えてくれないか?」
立花はニコのそう告げる
「うん・・・」
ニコは近くにあったブックマッチの裏に携帯番号を書いて立花に渡した
「ありがとう」
ニコは立花に礼を言うと、ビストロ・タチバナを後にした
~ ミチルはゴールデンウィーク中は見滝原に研修に行っている。ミチルには事情を話しておくから会うのはその後でいいかい? ~
ニコは喜びに満ちていた
かずみに会える
これでパパとママを助けられる
これで・・・・・
NGシーン
この世には「厄種」と呼ばれる連中がいる
ただそこにいるだけで厄災を振りまく存在だ
魔法少女はその厄種に一番近い
なぜなら「願い」とは突き詰めるなら「欲」の体現に他ならないのだから・・・・
「なぜ貴方はこんな意味のないことをするんです!!!!!!」
真が叫ぶ
しかし真の説得も眼前の少女には届かない
「なぜですって?貴方はわからないの?ボーイズラブこそが至高の愛の形であることを!」
紅いドレスを纏う、「薔薇」の魔法少女が叫ぶ
「主義主張は人それぞれです・・・・でも無理やりボーイズラブの関係にしなくても!!!」
「私が与えたのは切っ掛けだけよ。彼らが穴掘り合戦するようになっても私は何も関知しないわ」
真は周りを見る
「薔薇」の魔法少女が放った大魔法「やおいタイフーン」によって、既に巴マミと佐倉杏子は撃沈していた
今や彼女達はカップリング論争を繰り広げる「腐女子」へと成り果てている
・・・・・旬のBLネタは「進撃の巨人」らしい
無論、何の旬か知りたくはないが
そして案の定、暁美ほむらは例の如く欠席している
~ やるしかないか・・・・ ~
「おや?私のやおいタイフーンを喰らっても腐女子化しないとは・・・・・あなたはレズね!!!!この変態!!!」
真が右手に魔力を纏わす
「シンティラ!!!!」
青い鬼火を纏わせた拳撃が放たれ、「薔薇」の魔法少女が吹っ飛ぶ
「僕は変態じゃない!!!!!!!!」
元男もとい、「鉄仮面」の魔法少女である宇佐美真が叫ぶ
「戦いたくて契約したんだ・・・・決して女の子になりたかったワケじゃ・・・・・・」
戦闘終了後、ハイライトの消えた瞳でぶつぶつと自己弁護する真の姿が見られたという・・・
さてと・・・バイトバイト