鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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ちょっと時間ができたので投下します


騎兵隊のラッパが鳴る

 

「はっ!あんたが踊るのはジルバじゃなくて盆踊りだよ!!!」

 

銀髪の少女に対峙する聖カンナが嘲るように声をあげた

その瞳

立ち振る舞い

全てが自信に溢れていた

 

「舐めんなよ!!!」

 

銀髪の少女「杏里あいり」がスパス12のトリガーに指を掛けた

 

「?!ッ」

 

スパスの極大な銃口が同じ金属で詰められていた

散弾銃での銃身破裂ほど恐ろしいものはない

彼女が異常に気付かなければ、カンナの言うとおりの状態になる

 

「気付いたかい?アタシがアンタのディックに詰め物をしていたことに?だから、あんたが踊るのは盆踊りってわけ」

 

「糞!!」

 

「あら漏らすのはまだ早いぜ?」

 

あいりが振り向くと、そこには目の前と同じ少女が立っていた

正面の少女と同じく不敵な笑みを浮かべながら

 

「チッ!プロドット・セコンダーリオか!」

 

 

― プロドット・セコンダーリオ ―

「かつての世界」でオリジナルが愛用していた分身魔法

文字通り、自分の分身をその場にある素材から錬成する技だ

トリッキーな「彼女」にふさわしい技と言える

 

 

「ご名答、と言いたいけど・・・・なんで私をアンタのような露出狂が知っているワケ?」

 

「!」

 

ザッ・・・・・

 

ここでも彼女生来の「うっかり」が出てしまった

「かつての世界」では彼女と「目の前の少女」の関係はさほど深くはない

わかっているのは、「彼女がプレイアデス聖団の崩壊」を望んでいること

その為に彼女「杏里あいり」にイーブルナッツを譲渡した・・・・

それ以上のそれ以下でもない

接点はその一度きりだ

彼女は焦り過ぎたのだ

今の「世界」を維持することに

今の幸せを守ることに

 

 

「さぁ、答えてよ・・・・」

 

カンナが笑みを浮かべながら、あいりに近づく

指を小型のミサイルにコンバートさせている

それを一度に喰らえば、あいりとてただでは済まない

だが

 

「トッコ・デルマーレ」

 

背後のカンナが、あいりが振り向いた瞬間に彼女のオレンジ色のソウルジェムに手を翳す

その瞬間、あいりの瞳から光が消えた

 

「カンナ・・・・これは失態よ?」

 

見ると分身の背中には鎖のような物体が差し込まれていた

有線でカンナのコピーを支配する

そのような能力を持つ者は一人しかいない

「カンナ」の願いで生み出された「予備」

「接続の魔法少女」神那ニコがそこに立っていた

 

「でもコイツが・・・・」

 

「黙りなさい!!!」

 

カンナと瓜二つの少女が激昂する

 

「カンナ?言ったわよね、例え魔法少女と出会っても無用な衝突は避けなさい、と」

 

「はい・・・・・」

 

目を伏せたカンナを不意に、暖かな感触が包む

 

「貴方がパパとママのことで焦っているのはわかっているわ。だって私は貴方と繋がっているもの・・・・」

 

「ニコ・・・・・」

 

 

「この子はこのままにしておくわ」

 

「でも、また襲われたら・・・・」

 

「ええそうね。だから今日から私がカンナと一緒に行動する」

 

「それってまたニコを瓶詰にするの?」

 

カンナが心配そうにニコを見つめる

 

「瓶の中はそんなにも不快ではないわよ?大丈夫、カンナは心配しないで」

 

ニコはカンナの腕を引くと、彼女の唇に自らの唇を重ねた

 

 

「大丈夫!!あいり!!!!」

 

銀髪の少女「杏里あいり」が闇から目を覚ますと、目の前には飛鳥ユウリが泣きながら彼女を抱きしめていた

 

「ユウリ・・・・?」

 

「もう!心配したんだよ!!!このまま目を覚まさなかったらと思ったら・・・・」

 

あいりの瞳は充血して赤く染まっていた

 

「大丈夫だ・・・・心配させてゴメン」

 

「何があったの?」

 

「アタシが魔獣を追ったんだが、反撃されて・・・・・」

 

「そう・・・・」

 

ユウリは薄々感じていた

あの時感じた「得体の知れない魔力」

その残照は何もない

あいりが言うとおり本当に魔獣だったのか、それとも・・・・

ユウリはまた、世界が何処かで動いていることを感じていた

 

 

 

NGシーン

 

 

「瓶の中はそんなにも不快ではないわよ?大丈夫、カンナは心配しないで」

 

 

「とか言ってるけど・・・・」

 

聖カンナの固有魔法は「再生成」

これはかなり使い勝手のいい魔法だ

実際「かつての世界」ではプレイアデス聖団での技術部を率いていたくらいだ

「神那ニコ」が魔法の使い方を教えたことの一つに「対象の封印」がある

魔力でできた瓶に対象を封印することにより、対象を完全に保護できる

とはいえ・・・

 

「やっぱり自分で試さないとね!」

 

この世界では聖カンナはかなり活動的だ

それには「かつての世界」のような悲劇が起きなかったからでもあるが、傍らにどんな時でもいてくれる「神那ニコ」

心に影を持たず、よく笑う少女となった

しかし・・・・

 

「ホントー!思ったよりも快適ーーーー!!!!」

 

一人きりの部屋の中、瓶の中を泳ぐカンナ

ご丁寧にビキニを着用している

 

「今度ニコと一緒に瓶の中で泳いでみるといいかも・・・・・ぐふふ」

 

お互いビキニを着用して、人魚のように戯れる「カンナ」と「ニコ」

 

少女らしくない、まさに下衆の極みのような笑顔を浮かべるカンナ

 

「でも・・・・どう解除したらいいの?」

 

彼女はニコに頼り過ぎていた

実際「封印魔法」は彼女が編み出したものではない

ニコから伝授されたものだ

無論、自分で自分を封印した場合の対処法など教えてもらってるわけもなく・・・・

 

その後、ニコに救助されるまで「心の底から」瓶の中を堪能したカンナであった

 

 

 

 

 




変態仮面・・・・・
意外と面白いけど、ヒットはせんだろうな

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