IS~白き隻眼~   作:鈴ー風

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どもども!鈴ちゃんラブのセカン党№687436……(ま、いいか)の鈴―風です。
セカン党のくせして活動してなかったので、早速投稿しました。同じセカン党のみなさまからのご支持を勝ち取れるように頑張りますので、何卒生暖かい目で見てやってください。批評酷評何でもござれですので、感想どしどしお願いしまーす!!

では、前日談 追憶 Ⅰをどうぞ!


追憶編
追憶 Ⅰ 出会い


「俺、織斑一夏。お前は?」

 

 小学校五年生の時。ある日の放課後、俺は一人の女生徒に話しかけた。何でかって?そいつ、中国から転校してきたばっかで男子達によくからかわれててさ、見てらんなかったんだよ。だから、本当は知ってるけどきっかけ作りのために名前を聞いたんだ。

 

「え…あ…」

 

 でもまあそいつ、日本語もまだ上手くなかったし、急に話したことも無い奴に馴れ馴れしく声かけられても反応に困るよな?普通。

 だから、返事を待った。とにかく、笑顔で。

 

「え…と、(リン)……(ファン)鈴音(リンイン)

 

 十秒…二十秒位か。やっと名前を教えてくれた。いや、知ってたけど。

 

鈴音(リンイン)か…じゃあ、(リン)って呼んでいいか?」

「え……」

 

 …少し馴れ馴れしすぎたか?明らかに困ってる顔だ。でも、こういう時は押しの一手だ。

 

「駄目か?」

 

 更に押す。それも、少し上目遣いで。前に弾に、「お前の上目遣いは反則だ!」って言われた位だし、これなら……

 

「だ、駄目、じゃない…」

「じゃあ!」

 

 そいつは照れたように頬を染めながら、首を縦に振った。

 

「鈴、で、いい……」

「やったぁ!!」

 

 ただ、名前で呼んでいいと言われただけ。それだけなのに、俺は何でかめちゃくちゃ嬉しくて……嬉しくて、つい、そいつに抱きついちまった。

 

「!!?!?」

 

 そりゃ、対して親しくもない異性に(いや、たとえ親しくても)突然抱きつかれりゃ驚くよな?普通。

 

「おごぉっ!?」

 

 だから、顔面にグーパン位されるよな、普通。

 

「いてて…」

 

 すっげぇ音したし、しりもちついたし、めっちゃ痛かった。けど、しょうがない。自分で()いた種だ。

 だから、謝ろうと思ったんだが……

 

「ご、ごめん!な、さい…」

「へ…」

 

 何とまぁ、先に謝られてしまった。悪いのはどう見ても俺なのに、だ。

 

「は…」

 

 泣きそうな顔で俺を見ているそいつを見てたら、何だかさ。

 

「あはははは!」

 

 何だか、笑えてきた。同時に、無性に言いたいことができた。

 

「え…え?」

 

 訳が分からず、きょとんとしているそいつ。俺は立ち上がって、ズボンを軽く払った。

 

「さっきはごめん。でさ、鈴」

 

 俺は、そいつの前に右手を出した。名前で呼ぶことを許してくれた、自分は悪くないのに、泣きそうな顔で謝るそいつを見て、ずっと…ずっと言いたかった一言。

 

 

「俺と、友達になってくれよ」

 

 

 直感で思ったんだ。すげぇいい奴だって。こいつと友達になれたら、間違いなく楽しいって。だから、伝えた。あいつに、「もう一人じゃないよ」って。

 

「あ……」

 

 そいつは、全てを理解してくれたのか、困ったような、照れたような顔で―――――俺の手を握り返してくれた。

 

「う、うん…織斑、君…」

「一夏でいいよ―――――鈴」

「う、うん…」

 

 そう言うと、そいつは―――――鈴は、まだ少し赤い顔で俺をまっすぐに見つめ、

 

 

「よろ、しく…ね。一夏君」

 

 

 そう言って、はにかむように笑った。うっすらと涙が滲んでいたその笑顔は、何だかすごく印象的で……とても、眩しく見えた。

 これが俺と鈴の出会い。思えば、この時から…いや、最初に話しかけた時から俺は、彼女という人間に惹かれていたのかもしれない。

 ―――――けど、この時の俺はまだ知らなかったんだ。

 

 あんな事件が起こるなんて。

 

 

 あいつの心を、傷つけちまうなんて―――――

 

 




どうでした?追憶はⅢ話で終わる予定です!

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