東方冒険禄2――なかなかチート主人公――   作:遠山tsun

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どうもこんばんは、遠山tsunです!
すみません、蓮太郎のアパートまでいけませんでした……。次回は必ず、アパートまで書きます!!
それでは、ゆっくりしていってね!


~契約~

どうも、桜花 妖人(さくらか ようと)です!

 

僕は今、幻想郷と呼ばれる不思議な所から、幻想郷の巫女さん、博麗 霊夢(はくれい れいむ)と一緒に未来の日本に来ているんだけど、ここがどこで、一体何時なのかも分からない。

 

そんな世界で、《ガストレア》と呼ばれる不思議な化け物に出会った。

最初に出会ったのは、薄暗い森の中で、何とか切り抜け、離ればなれになっていた霊夢とも再会し、近くに見える町の中に入った。

 

そこで、女の子の悲鳴と、ガストレアの声が聞こえて、僕と霊夢は急いで現場に駆けつけた。

 

そこには、恐らく《ガストレア》に飛ばされたはずの女の子と、その女の子に股間を蹴られて悶絶しながら倒れている男の子と、警官二人だった。

 

皆、男の子――蓮太郎と女の子――延珠の夫婦漫才(?)に注目していて、ガストレアに意識を向けておらず、その隙をついて、ガストレアが襲い掛かってきた。

僕は、僕の能力《霊狐》(詳しくは前回参照)を使い、一度ガストレアを吹っ飛ばし、その後蓮太郎達と協力して倒した。

 

何故かそのあとすぐに蓮太郎は警官――多田島警部とおいかけっこをして、しばらくして僕に話しかけてきた。

内容は蓮太郎の所属している民警――ガストレアから市民を守ることに特化した警官達――の『天童民間警備会社』に来るように、とのことだった。

 

いきなり言われて戸惑い、その真意を問おうとするが、蓮太郎達はもやしを求めてタイムセールへと急いで姿を消した。

 

報酬を受け取り損ねていたので、『天童』に行くついで、ということで多田島警部から報酬を受け取り、ずっと退屈そうな顔をしていた霊夢を連れて、『天童』に向かった。

 

が、ここは僕らの知らない日本。『天童』どころか、道も分かるはずもなく……。

―――――

「……困ったなぁ。」

「……困ったわねぇ。」

 

絶賛迷子ですね!あははは!!(涙)

 

「ったく……本当『天童』ってどこなのよ……。そもそもあるのかしら?それすら怪しくなってきたわ……。」

「でも、あそこで嘘つく必要ないし……。とりあえず、今いる場所を確認しようか。」

「そうね、報酬も渡してないし、ここで諦めたら横領だし、諦めたところで行く宛もないしね。」

「……ますます見つけないと。」

 

霊夢が呆れてポロリと漏らした一言に緊張しながらも、周りを見渡す。

 

ここは、一本道。左手の少し上は、緑色の柵で区切られていて、その向こう側には電車がひっきりなしに通っている。

そして、その柵の手前、つまり一本道の左側には、黒いごみ袋が捨てられており、カラスが「ガアガア」と鳴きながら集団でつつきあっている。……ガアガア?

 

一本道の右側には、いくつものマンションが立ち並んでいる。僕らは、そのマンションのうちの一つのマンションの前にいる。

 

一階と二階は、別々の店ながら、同じ業界。いわゆるキャバクラだ。

 

うん、そうだね。でも僕らは好き好んでこのマンションの前に立ち止まった訳じゃないんだ。別に珍しいからって立ち止まった訳じゃないんだ!!信じてくれ!!え?知ってる?ならいいや。

 

つ、次に三階……なんだけど……、

 

「……。……?」

「?どうしたのよ妖人?」

「あ、いやその、……あれって、まさか。」

「?……。どうやらそのまさかのようね……。一体なんでこんなところに?」

「さぁ……。」

 

僕らは呆然としてそのマンションの三階を揃って見上げていた。何故ならそのマンションの三階の窓には……『天童民間警備会社』と白い文字で書かれていたからだ。

 

天童民間警備会社ここにあり!!……って感じのを想像してた分、拍子抜けするな~……。

 

「ま、まぁとりあえず、入ろうか。」

「ええ、そうしましょうか。」

 

喜びと困惑の入り交じった複雑な心境で僕らは三階へと続く外階段を上りはじめた。

 

なお、四階はルンルンローンという、闇金会社だった。

―――――

外階段を上り終え、ドアノブに手を掛けようとした瞬間、物騒な会話が中から聞こえてきた。

 

「こんのおバカ!!」

「うぉっ!?」

「なんで避けるのよ腹立たしいわね!」

「無茶苦茶言うな!!」

 

蓮太郎と誰か知らない女の子の声だ。なんだ、一体中で何が起きてるんだ。

 

「大体どうして避けられたのよ!!」

「そりゃ死ぬ前に何か言い残すことある?なんて言われれば嫌でも身構えるわ!!」

 

なんだ、蓮太郎は殺されそうになってるのか。一体何が―――

 

「どうして報酬を受け取り忘れるのよ!!」

「タイムセールがあったんだよ!!」

「このおバカ!!……全く、一度落ち着きましょう?」

「お、おう。」

 

……聞き覚えがありすぎる。

 

「確か、一度里見くんは報酬を受け取り忘れたことを思い出したのよね?」

「おぅ。」

「で、多田島警部に慌てて連絡したけど、『あぁ、あれならそこら辺のガキにあげたわww』と払ってもらえず。」

「おぅ。」

「それでもモヤシは買ってきたと。」

「あんたも食べるか?木更さん。」

「このおバカ!!甲斐性なし!!……もうやだ、ビフテキ食べたい……。」

「俺だって食いてぇよ。」

 

……あの~、そこら辺のガキって、まさか僕のこと?

 

ふと、横を見ると霊夢が口を抑え顔を真っ赤にして、こちらを指さしていた。

 

こら、人を指ささない。自分でも指してるから、人のこと言えないけど。

 

「ほら、入るなら今の内よ?」

 

霊夢が少々笑みを含みながらも小声で囁いてくる。

 

「わ、分かったよ……。」

 

自分でも潮時だと思っていたから、案外すぐに決心出来た。

ドアを数回ノックする。

 

「「!?」」

 

二人の息が密められる。

 

何!?なんで黙るの!?

 

「……延珠か?」

 

蓮太郎の声がドア越しに聞こえる。僕は、ゆっくりとドアを開けた。

 

「こ、こんばんは……。」

 

時刻は今六時くらいだったから、こんばんはと言うことにした。

 

「あぁ!妖人と霊夢か!」

「知ってるの?里見くん。」

 

女の子の姿は、今時珍しの黒いセーラー服だった。長い綺麗な黒髪。ぱっちりとした大きな目。そして、胸元の赤いリボンが……その、立派な胸の上で横倒しになっている。

 

「紹介するよ木更さん。こいつらが俺と延珠と多田島さんを助けてくれた、『一般人』の妖人と霊夢だ。」

「あぁ、この子達がさっき里見くんが言っていた子達ね!」

「ど、どうも。」

 

どうやら一通りのことは話終えてるみたいだ。

 

「こんばんは、『天童民間警備会社』社長の天童 木更(てんどう きさら)です♪よろしく。」

「改めて、『天童民間警備会社』社員里見 蓮太郎(さとみ れんたろう)だ。よろしく。」

「こ、こちらこそよろしくお願いします。」

 

木更さんの笑顔は高校生には不釣り合いなほど綺麗な笑顔だった。ドキっとしたかは不明。

 

「それで?『逸般人』の妖人くんと霊夢ちゃんがどうやってガストレアを吹っ飛ばせたの?」

「字が違う!!」

「だって、ガストレアを吹っ飛ばした人間が普通の人間なはずないじゃない?」

「「「ごもっともで。」」」

 

あまりの的確な指摘に、僕と蓮太郎だけじゃなく、霊夢までもが頷いた。

 

「ま、立ち話もなんだから、そこに座ってちょうだい。」

「あ、はい。それじゃ、失礼します。」

 

そう木更さんに言われて、オフィスの真ん中にある二つのイス、その前にあるガラス張りの長方形の机、そしてその向こうに一つのイスがあるので、そこに向かった。ちなみに全部革張りだ。………一つ?

 

「あ、……。」

「……。」

 

そう、イスが3つ、つまり蓮太郎、木更さん、僕、霊夢の内の四人の誰か一人が座れないことになる。

 

「う~ん……、霊夢座っていいよ、僕たつから。」

 

少し逡巡した僕だが、すぐに霊夢を、女の子を立たせるわけには行かないという答えにいきつく。

 

「すまん。ここ滅多に客が来ないもんだから、イスが3つしかないんだ。」

「いいよいいよ。僕は立つの慣れてるから。」

 

蓮太郎達がもう一度謝って、それをいなしたあと、蓮太郎達は座って、霊夢が座って会談の場が整う、はずだったんだけど……。

 

「待って、妖人。」

「?」

「その必要はないわ。とりあえず妖人座って?」

「え、でも……。」

「いいから。」

「わ、分かった。」

 

霊夢が有無を言わさず僕を座らせる、霊夢はどうするのか、問おうとしたら……、

 

「で、私がこうすればいい。」

「!?」

 

霊夢が座った僕の膝の上にチョコン、っと座った。

 

「ちょ、ちょっと霊夢!?」

「何よ、別にいいでしょ?それとも、私が重い?」

「いや、別にいいけど、それに、逆に軽いし……。」

「ならいいでしょ?」

「……うん。」

「全く、いいなら最初っからそういいなさいよ……。……心配になるじゃない。」

「え?」

「なんでもないわよ!」

 

霊夢が最後に何かを小さく呟いた。だけど、僕はそれを聞き取ることが出来なかった。なんだろう、何か霊夢らしからぬ声が聞こえた気が……。

 

「ふふっ♪」

「ははっ♪」

「「?」」

 

僕と霊夢は、蓮太郎達が笑っているのに気が付いた。そして、僕らの怪訝そうな表情を見た蓮太郎達が、言った。

 

「いや、すまん。延珠を思い出して。」

「ええ、延珠ちゃんみたいね。」

「延珠?」

 

延珠ってあの、蓮太郎の股間に足をめり込ませていた……。

 

「そう、あの延珠ちゃんよ。」

「心を読めるの!?」

「顔に書いてあったわよ。」

「嘘だ!!」

「と思っていたのかしら?」

「ダニぃ!?」

 

木更さんに心を読まれて、動揺する僕。顔に書いてあったって、そんな明確に書いてあるもんなのだろうか。ここで一句。気を付けよう、女の勘と、読心術。

 

「?どういうことだ木更さん?」

「いいえ、なんでもないわ。」

「?」

 

蓮太郎はわからなかったようだ。その方がいいだろう、また彼岸の痛みに襲われたくはないだろうから。

 

「とりあえず、二人には、うちに入ってもらいたいんだけど、どうかしら?」

「え!?僕達が!?」

「だって、うちは人員が少ないし、あなたたちに興味があるもの。」

「俺も、お前らの力が知りたいしな。」

「えぇ~……。」

 

いずれは帰るはずの僕らにこの世界で居場所が出来ると、少し名残惜しくなりそうというか、不味そうな気が……。

 

「いいんじゃない?」

「え?」

 

膝の上にいる霊夢がこちらに首だけで振り向きながら、僕にしか聞こえないような小さな声で僕にいった。

 

「どうせこのままでいても、餓死かあの化け物、ガストレアだっけ?にか殺されるのだから、ここで一旦身を置ける安定した場所が必要だわ。それに、異変解決のきっかけになるかも知れないわ。」

「確かに……。」

「なら、もう迷う必要はないわね?」

「……うん、分かったよ、霊夢もそれでいいね?」

「よくなかったら、こんなこと言わないわよ。」

「それもそうだね。」

 

霊夢とのこしょこしょ話をお互い苦笑で締め、蓮太郎達の顔を見る。

 

「僕達でよければ、よろしくお願いします。」

「「本当(本当か!?)!?」」

「は、はい。」

「やったな木更さん!!」

「えぇ!!やったわね里見くん!!期待の新人を一気に二人もゲットよ!!」

 

蓮太郎と木更さんが手を打ち合わせて喜ぶ。

 

ここまで喜ばれると、こっちも嬉しくなるな~。

 

僕は二人を見て、そう思った。

と、二人の喜ぶ顔を見てあることを思い出す。

 

「あ、そういえば。」

「「?」」

「……これを。」

「「あぁあ!?」」

 

僕は懐を少しまさぐり、多田島警部から受け取った茶色い封筒を差し出す。

それは、二人が散々抗議していた、例の受け取り忘れの報酬だった。

―――GO FOR THE NEXT!!




どうでしたか?
今回は少しラブコメの伏線をいれてみました。(場所はどこかわかるかな?)
分かったらコメントでどうぞ!
誹謗、抽象は作者がなくので控えてほしいです……。
感想などなら、いくらでも受け付けます!必ず返信します!
それでは、次回をお楽しみに~♪

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