東方冒険禄2――なかなかチート主人公――   作:遠山tsun

10 / 11
~決闘~

「ごぶぁっ!!」

 

境界を通って荒々しく出された先は、大木の木々に囲まれた円形の広場みたいなとこだった。そして、僕を引っ張った人は……。

 

「や、やっぱり、貴方ですか……、紫さん……。」

「えぇ、そうよ。」

 

『境界を操る程度の能力』の持ち主、八雲 紫さんだった。

 

「どうして、貴方が影胤と……?」

「貴方を見つけてもらうために協力してもらったのよ。」

「なるほど……。で、わざわざ連れ出してどうゆうご用件で?」

「本当はまだ時間があったはずなんだけど……、彼女がもう来てしまうから。貴方の力を借りたかったのよ。」

「彼女……?」

「貴方達をここに飛ばした子よ。彼女の力……計り知れないわね。」

「貴方達……?って、霊夢!?」

 

いつの間にか、隣には霊夢がいた。僕が境界に引きずり込まれたとは別に、自分から境界に飛び込んできたようだ。

 

「あれ……?それなら別に無理矢理連れてこられなくてもよかったよn「黙りなさい。」解せぬ。」

「で、紫?その彼女は一体どんなやつなの?」

「貴女の……はぐれ者ってところ。」

「はぁ?」

 

紫さんの返答に霊夢が顔をしかめる。

 

「まず、それには妖人の能力について少し説明しないとね。妖人のは、本来触れなければ『変える』ことは出来ないのだけれども……時々例外があるようね。能力の縛りも『変えて』いるのかしらね。そして、その妖人の能力の例外で霊夢の霊力が本人に気付かれないレベルで、しかし着々と違うものに変えられていった。誰も知らない場所でね。それが、妖人の妹さんの起こした異変で完全なものとなり、完成したの。」

「待って、どうして私は例外になったの?」

「それは貴女の能力ゆえよ。」

「あぁ……。」

 

霊夢は納得したようだ。僕は……とりあえず纏めてみよう。

 

一、僕の能力と霊夢の能力が合わさって、誰も知らない場所で霊夢の霊力が何か知らぬものへと変わっていった。

二、そして、僕の妹の起こした異変によって完成してしまった。恐らく、完成までの時間を『消して』しまったから急速に完成したのだろう。

三、つまり、霊夢の霊力が変わっていった末に出来たのは……。

 

「霊夢の曲がり者ってことか…。」

「なるほど、そういうことね。」

 

持ち前の天性の鋭さで、僕の考えがわかったようだ。流石霊夢。そこに痺れる憧れるぅ!!

 

「でも、それならどうして僕らを?」

「あれじゃないかしら?パパとママを呼ぶみたいな……。」

「ぱ、パパ!?」

「貴女の能力と霊夢の能力から生まれたのだから、そういうことでしょ。」

「ま、まぁ確かに……。」

 

うぅ、何か小っ恥ずかしい……。

 

「少し質問していいかしら?」

「何?霊夢。」

 

少し考え込んでいた霊夢が口を開いた。

 

「私の曲がり者が私達をここに連れてきたってことはわかった。声もあの頭のなかに響いた声だということもね。なら、どうやってここに連れてきたの?そして、どうして時間が狂ってるの?」

「いい質問ね、霊夢。それは彼女の能力、『狂わせる程度の能力』よ。時間を狂わせてこの時代にしたのも、貴女達の居場所を狂わせたのも。」

「狂わせる……妖人の変えるの遺伝みたいなものかしらね。」

「あ、あはは……。」

 

狂わせる……そんな相手にどう戦えと?あ、もしかして僕の変えるで対抗しようってこと?それなら合点がいく。

 

「噂をすれば、来たようね。」

「あら、もう?」

「さて、曲がりなりにも霊夢だから、気を引き締めてね。」

「え?紫さんは参加しないの?」

「私も忙しいのよ。」

「嘘だ!!」

「じゃあねぇ。」

「あ、ちょっと!?」

 

手を振りながら、境界の奥に消えていった。

 

「ね、ねぇ、妖人……?」

「うん?」

 

霊夢がもじもじしながら僕に声をかける。

 

「さっきのパパとママって……、何かいい響きだと思わない?」

「ふぇ!?」

「……や、やっぱり何でもない……。」

「う、うん……。」

 

どうしたんだろう、霊夢……。というか、何で僕こんなにドキドキしてるんだ……。さっきの霊夢、まるで僕のことを……。

 

と、思ったところで、禍々しい気配を感じて、霊夢がお払い棒を、僕は、どうやらモノリスから離れたところらしいので、我が妹の異変を解決しようと命を変えてなったあのときの姿、体全体が紫色の光を放ち、時折火柱のように燃え上がる霊力。腹に大きな陰陽玉、襟元に幾つもの小さな陰陽玉が浮かび上がる。

 

「久しぶりに見るわね……その姿。」

「気配が禍々しいからね。本気で行くよ……!」

「えぇ…!」

 

そして、意気込んだ所に、目の前に荒々しく、不可思議な境界が現れ、そこから現れた……。

 

「霊夢……!?」

「えぇ、そうよ。一応は、ね。禍霊夢(まがれいむ)とでも呼んでくれればいいわ。」

 

霊夢の曲がり者、禍霊夢だった。赤色のリボンや服が黒色になり、瞳が赤い。そして、服の裾などに赤いラインが入り、正に禍々しい。

 

「どうしてこの世界に呼んだの?」

 

臆することなく霊夢が禍霊夢に問う。

 

「この世界なら、貴方達もすぐ死ぬと思ったのだけれど……。貴女もそんな小さくしたしね。」

「何……だと……?」

 

驚いたのは僕だった。馬鹿な!?霊夢が小さくなったのは世界観故ではなかったというのかっとメタ発言は自重自重。

 

「さっさとあんたを倒して、元の世界に戻してもらうわ!!」

「ふふっ、かかってらっしゃい!!もちろん、2vs1(二対一)でね!!」

「行くよ!!」

 

こうして、僕らは禍霊夢と戦闘を始めた。全ての元凶を倒して、元の世界に戻すために。

僕は、戦闘を始める直前に、こう思った。

 

――僕、この戦いが終わったら、霊夢に――するんだ……!――

 

――Go for the next!!




どうでしたか?
と、久しぶりですね。遠山tsunです。
今回は、まぁ解決編みたくしてみました。そして、主人公に死亡フラグを!!
やったねたえちゃん!!妖人が(おいバカやめろ)。
果たして、禍霊夢との戦闘の行方は!?そして、妖人は霊夢に何を!?
次回をお楽しみに~。じゃあの!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。