これは東方冒険禄の二期なので、東方冒険禄の方も覗いていってください!!
それでは、ゆっくりしていってね~♪
キャラ崩壊は、あんまないかな?
僕は桜花妖人(さくらかようと)、天橋立(あまのはしだて)高校に通う一年生だ。
能力は《変える程度の能力》というまぁおおざっぱといえばおおざっぱなものだ。
そんな僕は今、(恐らく)未来の日本の、薄暗い森の中を走り回っている。
謎の女の子の声によると、僕の力と霊夢の力が必要で、幻想郷と日本の時間が離れすぎている、ということだそうだ。
そして、そんなこんなで日本のどこかの森に霊夢と一緒に飛ばされたはずなんだけど……
霊夢が見当たらない。それどころかさっきなんてワニの化け物が襲ってきたぐらいだ。
――ますます日本だとは思えない。
そう思うも、僕はとにかく走り回っていた。能力により、《霊狐》の劣化版を使用したから、体力がすでに切れていたのに、さらに走り回るから、今はもう心臓がパンチングボールのように跳ねている。
息なんて三メートル離れても聞こえるんじゃないかと思うくらい、荒く大きい。それでも、不安にかられて、僕は走り回っていた。
「――とぉ?――ぅとぉ?―――ようとぉ?」
「!!霊夢!?そこにいるの!?」
「ようと!?よかった、取り敢えず今そっちに行くから!!」
人影が見えたと同時に、霊夢の声が聞こえてきた。
霊夢に言われた通り、その場で回りを警戒しながら待つ。
はて、そういえばさっきの人影、少し小さかったような……?
目の前の草が連なっている部分がガサガサと揺れた。
「!?」
霊夢の身長くらいなのに、霊夢の影が見えない。
まさか、またさっきの怪物の類いが……!?
そう思い、いつでも迎撃出来るように身構えると……
ピョコン、と赤い大きなリボンが草の奥から覗いた。次いで、霊夢が……姿を……あらわ……した。
「……えっと……れい、む……?」
「……私にも分からないわよ。」
僕の疑問を先読みするように、霊夢がムスッとした顔でそっぽを向きながら呟いた。
霊夢は、十歳くらいの姿になっていた。あの赤い巫女装束も、年相応のサイズになっていて、リボンだけがやけにでかかった。
―――――
「どうして私がこんなになったのか、さっきあっちで会話したようにあの女に聞いてみたのよ。だけど、全く反応なし。ったく……どうしてこんなときに……。」
「あ、ははは……。まぁ、取り敢えず再会できたんだから、まずはよしとしようよ。」
「そうね。そうしとくわ。……納得いかないけど。それにしても、ここは本当に日本なのかしら?前来たときは、鬱陶しいほどに騒がしくて、高層ビルだらけだったのだけれど……。」
「前にも来たことあるの?」
「えぇ、何回かは。でも、こんなところ一つもなかったわ。」
「僕が思うに、ここは未来だと思うんだ。」
「未来?ここが日本の未来で、これが未来の日本の姿ってこと?」
「あの女の子から聞いたことを整理すると、まず女の子が言っていた、『日本と幻想郷のわ時間が離れすぎている』ということ、次に、この鼻につくような匂いと景色、そしてあの怪物。」
「妖人も会ったの!?」
「霊夢も!?」
「えぇ、私はくもが巨大化したやつだったわ。そっちは?」
「僕は、ワニが巨大化したようなやつだったよ。」
「う~ん、確かに未来と言われればそうかもしれないわね……。駄目だわ、判断材料が少な過ぎる。とにかく町に出ましょう?話はそこからだわ。」
「そうだね。でも、どっちに行けばいいんだろう……。」
周りを見渡しても、もう見慣れてしまった枯木だらけで、他には何も見えない。空は、もうそろそろ日が暮れてしまいそうだ。焦りを促すような空の色に、少し怒りを覚えた。
「ちょっと待って。空からなら分かるはずだわ。」
「あ、うん。よろしく。」
そういって、霊夢が空に向かって飛んでいった。
……あともう少し!!あと一めくり!!
「パンツ見たら殺すわよ?」
「はい、どうもすみませんでした。」
満面の笑みの裏に立ち込めるどす黒いオーラに足がすくみ、目線も足元に向けられた。
……欲を出すと悪いことになる。それを学べただけでも死にかけた甲斐があったってことにしよう。
ほどなくして、霊夢が空から降りてきた。……降りる瞬間にふわっとスカートの部分が浮いて、しゃがみそうになったのはいうまでもない。日本に来てテンションが上がってるのかもしれない。こんなになってるのに。
「何やら黒い塔みたいのに囲まれていて、そのなかだけ見違えるように綺麗に町があるわ。恐らくだけど、あの怪物たちが入ってこられないような、結界みたいな役割をあの黒いのが果たしてるんでしょう。町はあっちよ、行くわよ。」
「あ、うん。……やっと休める……。」
「そうね、急ぎましょう。」
霊夢は僕の肩くらいのところをふわふわ漂うように飛んで、僕は例の《霊狐》劣化版になり、二人とも風の速さで町へと向かった。
なお、時折ふらりと怪物達が見えたが僕らの速さに追いつけずに、途中で諦めていた。
常にこの状態でいられる訳でもないし、何回も使える代物じゃないから、使いどころを気を付けるようにしよう。
走りながら、そう思った僕だった。
―――――
森が開けて、霊夢のいう黒い塔みたいのがいくつも並んでいるのが見えてきた。
「あれが霊夢のいってたやつだね?」
「えぇ 、そうよ。」
黒いのに目と鼻の先まで近づいたとき、霊夢に異変が起こった。
「つぅ!?」
「霊夢!?」
霊夢が急に地面に落下し始め、寸でのところで脇に抱える。
「どうしたの?霊夢。」
「分からない。突然頭が痛くなったの。多分、あの黒いのが原因ね。あれは私にも影響があるみたいね……。……一応、巫女としての力は使えるみたいだけど。」
霊夢が陰陽玉を両脇に出して、確認するように言った。
「妖人は何ともないの?」
「うん、僕は何ともないけど……。」
「ま、いいわ。町に着いたのだし。普通に戦えるみたいだし。」
「そんな血気盛んな……。」
黒いのを抜けて町に入り、僕は苦笑いしながら、《霊狐》を解いて、霊夢はどこかおちついた感じで陰陽玉を消して、僕の脇から抜け出た。
「ふぅ……。ようやく着いたわね。」
「そ、そう……だね……。」
「?どうして疲れてるの?もしかして、あんたもやっぱり……。」
「多分。回復が遅くなってるから。……部分部分で使用すれば体力は減らないだろうけど。」
「そう。」
僕にも影響があるということは、能力に干渉する力があるのかもしれない。……気になるなぁ。
僕はそう黒いのに興味を持ち出し始めたその時、女の子の悲鳴と通常ならあり得ないようなアスファルトが崩れる音、さらには僕が森の中で戦ったワニの化け物のような叫び声に思考は中断させられた。
「なに!?こっちでも異変が!?」
「もしかしたら僕みたいに抜けてから影響が出始めたやつがいるのかも!抜けてからだから、普通ならすでに影響がなくなってるだろうし!」
「やれやれ、面倒事の匂いがするわね……。」
「行くよ!!霊夢!!」
「はいはい!!」
回復したばかりの体力をいきなり消費するわけにも行かないので、僕は全力で走り、霊夢も飛べないので僕と並んで全力で走って、女の子の悲鳴と化け物の声が聞こえた町の中央に向かった。
―――――
どうでしたか?
霊夢はちっちゃくなって、能力使えなくなるし、妖人は回復が遅くなるなど、あの黒いのは一体どんな役割を果たしているのでしょうか?気になりますね!!
(原作は知ってます!!)
それでは、次回予告。
悲鳴をあげた女の子は一体誰なのか!?そして怪物、化け物が町中にいる理由は!?
それが次回明かされます!!明かさないと駄目だけどね…。
では、次回もどうぞよろしくお願いいたします♪
のし~♪