私達はシフォンとアイちゃんを遊ばせるためにいったん外へと移動した。こんなのどかな青空で遊ぶのはとてもいいことだと思う。
ラブ「さて、これから何しようかな?」
ジョー「ボール遊びでもやろうよ。その方が喜ぶだろうし」
祈里「転がしてあげるのが一番ね」
ジョーさんの提案でそうすることにした私達。私は早速近くに置いてあったボールに空気を入れて準備を整える。あまり大きいものじゃないので結構安全なつくりとなっている。
タルト「とても大丈夫な方法やな」
祈里「そうじゃないと危ないからね」
美希「ちょっとだけ混ぜてもらおうかしら」
ラブ「ふふ~ん、美希たんも結構お子ちゃまですなぁ~」
美希「な、何を…っ!!」
今の一言に釘打ちされた美希たんが顔を赤くする。あれほど怪しくてムッとしていた美希たんがここまで興味が湧き出るなんてねぇ~。
シフォン「プリプ~」
ラブ「ほら、コロコロ転がしてあげれば楽しいよ」
私はまずシフォンからボールを渡し始める。シフォンはとても喜んでいた。次にシフォンが適当にボールを軽く転がしてブッキーの方へと向かわせた。
祈里「上手ねシフォンちゃん。かなり上達してるわ」
タルト「成長したなぁシフォン…(ウルウル)」
美希「次はあたしにパスして、ゆっくり転がしてね」
~~数分後~~
美希「なぜ、なぜあたしには渡してくれないのよ……(しくしく)」
ジョー「きっと夢中になっちゃってるんだと思うよ、ドンマイ」
ところが、美希たんには一向にボールが手元に来ることはなかった。
ラブ「次アイちゃんにパスしようかな~。それ!」
次はアイちゃんにボールを転がす。アイちゃんはそれをつかさず受け止めた。
ジョー「上手だよ、やっぱり心も成長してるなぁ」
ラブ「確かに、赤ちゃんって色々覚えることがあるもんね。私、そこが嬉しいって感じるんだ」
美希「いくつも覚えていくところに先があると思うわね」
祈里「なんだか、夢があるかもね」
よく考えると、いいところがたくさんあった。つまり赤ちゃんが徐々に育ってゆくと色々なことを学べるからこれも成長の課程なのだと思う。
祈里「よ~し、このまま張り切っていきましょうか」
ラブ「賛成っ!シフォン、今度はこれを受け止めてね(コロコロ)」
私は思い切ってジグザグな軌道でボールを転がしてみた。すると本来シフォンに渡すつもりだったのがアイちゃんが飛び出してきてそれを受け止めた。
美希「あらら。アイちゃんに来ると勘違いしたようね」
アイちゃん「アイ~」
ボールを手にしたアイちゃんがとても喜んでいた。これは完敗ですなぁ~。
ジョー「ま、いいか。とりあえずもう少し遊ぼうかね」
祈里「そうします」
こんな調子じゃ、いつまでたっても遊びっぱなしだよね。私達はもう少しだけ外で過ごすことにした。
~~三十分後~~
ラブ「あ~楽しかったぁ!」
美希「あたしなんか全然ボール来てなかったけどね…(トホホ)」
祈里「美希ちゃん、落ち込まないで…」
タルト「一番盛り上がってたのはあんさん達やな」
ラブ「結局ねぇ…」
それから中へ戻るとジョーさんが紅茶を用意してくれた。動かした後のお茶も格別だねぇ。
ラブ「食べ損ねたロールケーキも一緒にしようよ」
祈里「その方がいいわ」
ジョー「さっき遊んだおかげでアイちゃんも笑顔になっていたよ」
ジョーさんの言う通り、アイちゃんはかなり上機嫌らしい。余程嬉しかったのかもしれない。
ラブ「そうだ、もしよかったらジョーさんもロールケーキ食べない?これ、私が作ってきたんだ」
ジョー「ありがとう、ご馳走になるよ」
美希「そういえば、この時間になってもせつなから連絡こないわね」
祈里「多分忙しいのよ。あとどこかで絡まれたりしてなきゃいいんだけど」
ラブ「私も気になったけど、仕方ないならいいんだけど…。きっと大丈夫だよ」
ラブ(せつな、一体どこで何をやってるかが凄く気になる…….大丈夫なのかな…)
~~荒れた敷地内~~
せつな「私、必ずあの人にこのラビーズを届けてあげるわ……」