祈「ラブちゃんったら、どうしてあんな有名な場所を知らないの?」
美希「誰でも知ってる場所なのに、今頃わかんないなんて完璧じゃないわねぇ」
ブッキーには心配されるし、美希たんには蔑まされるし、私は本当にわからない。けどなぜ二人はあんな場所を…?
ラブ「あのさ、昨日話し合ったこと覚えてる?」
美希「覚えてるも何も最初から決まったことじゃない」
私が尋ねると美希たんが笑いながら答えてきた。じゃあ今度はブッキーに…!
ラブ「昨日の時点で買い物に行くって話をしたはずだと思うんだけど」
祈「そんなこと、話してたっけ?」
ラブ「ほら、新しいパーカーとかが欲しいってブッキー言ってたじゃん」
美希「ちょっとラブ、そんな話していなかったわよ。熱でもあるんじゃないの?」
やっぱり何かがおかしい。二人とも昨日はとても嬉しそうだったし、きっと夢でも見てるだ私。試しに自分の頬をつねってみると、
ラブ「ゆ、夢じゃない……」
とても痛かった。つまりこれは現実ということになる。一応タルトにも説明しようとするが、向こうも二人と同じ反応をしてしまう。
美希「四葉タワーって言ったらあの超有名な四葉財閥が設立したところなのよ。今更わかんな~いなんて言うなんて、まだまだ子供ねラブは」
ラブ「違うってば、信じてよぉ~!」
祈「いつまでも揉めてちゃ時間が無くなるわよ?早く行きましょう」
駄々をこねる私を美希たんとブッキーが引っ張りながらそのまま移動した。それにしても、本当に何かがおかしい気がするけどなぁ…。
~~四葉タワー~~
美希「わぁ~!下から見てもいい眺めね!」
祈「あんな場所、他にはなさそうね」
ラブ「おわ、おっきい……」
タルト「ピーチはんも驚きやな」
そして私達は四葉タワーへ到着し、中へ入るために入口へと向かった。ところが、
祈「もの凄い長蛇の列だわ」
美希「これは中へ入るのに時間かかりそうに違いないわ」
入口を見てみると有り得ない人数の列だった。もしかしてあの人数の列に並ぶってこと?
ラブ「は、入れるのにどれだけの時間かかると思う…?」
美希「あの人数じゃ最低でも一時間は待たされるわね」
祈「一時間だとシフォンちゃんをお昼寝させないといけないわね」
タルト「流石パインはんや。待ち続けるとシフォンの落ち着きが悪くなりそうやで」
ただ待つだけだと余裕でもあるが、それと同時にシフォンをお昼寝させないといけない時間でもあるからこまめに面倒見てあげなければならない羽目にもなっちゃう。となれば方法はただ一つ。
ラブ「そしたら交代しながら子守やればいいと思うんだけど、どうかな?」
美希「むしろそうするしかないわ。今日だって気温高いし、夏日ではないもののあまりシフォンに日差しを浴びさせるわけにはいかないもの」
祈「ハンカチや専用の日傘なら持ってきてるわよ。紫外線対策は私に任せて」
ラブ「ブッキー頼りになる~!」
ブッキーがなんとかしてくれるみたいだから一安心。でも日傘って言ってもちゃんとシフォンにのサイズに合わせてるのかな?
祈「この日傘、壊れた傘の布を切って作ったの。きっとシフォンちゃんも安心よね?」
タルト「よかったなぁシフォン。これで少しでも楽になれるやろ?」
シフォン「プリプ~♪」
これでシフォンも楽になれるね。あとはあの列に耐えなきゃならない……。
ラブ「とりあえず準備は整ったし、早速並ぼうよ」
祈「そうね。でも美希ちゃんも紫外線とか気にならない?」
タルト「そう心配せえへんでも、ちゃんと用意しているみたいやで」
一つ気にかかたのは美希たんも日差しを浴び続けたら日焼けしてしまう恐れがあることでもあった。するとタルトの説明通り、美希たんは自分の鞄から日焼け止め用のクリームや紫外線対策になりゆるものを色々取り出した。ってか凄い量だね…。
美希「あたしなら心配ないわよ。これだけあれば十分だし」
祈「やっぱりね…」
ラブ「しかも厳重な対策…」
この数だと日焼けはまずしないかもね。っていうかするわけがないか。
美希「あたし、完璧♪」
というわけで、準備は整ったのでそろそろ並ぶことにした。ちなみに私は冷たいタオルやケーキが腐らないように防腐剤を用意しているので大丈夫。
~~一時間後~~
それからかれこれ一時間が経過。すっかり入れる状態になったので早速入口で整理券を購入。その後に中へいざ突入。
ラブ「こんなに人がいるねぇ」
美希「中に入ってもたくさんいるのね」
祈「シフォンちゃんはすっかり眠っちゃってるわ」
とりあえず見たいところへとすぐに移動。美希たんによればエレベーターで展望台へと行けるらしくてそこからの景色がとてもいいんだとか。
ラブ「エレベーターで展望台に行ける?」
祈「むしろそっちがメインだからね」
このまま大人数いる中でエレベーターへ乗り込む私達。窮屈だけどみんなもそっちが目当てなのだろう。
そして待つこと一分弱。
美希「見て、すっごい眺めよ!」
タルト「ホンマや、見てるだけで迫力あるで」
祈「でしょ?ほら、ラブちゃんもそう思う?」
ラブ「う、うん。びっくりするね、この眺め」
あまりの素晴らしさにストライクする美希たんとブッキー。でも私は何かが盛り上がらない気がする。
ラブ(やっぱり何か変かも。そもそもこんなところ元々なかったのに、どうしてもこれが気にかかるような感じがする…。一体何が原因なんだろうか…?)
これって、何かが関係してるのかもしれない。でも、それがいつ起きたのかはわからない。ひたすら悩むばかりでもあった。
???「さて、この世界で試し甲斐がありそうね。ゼツボーグを……」