第72話 平和な休日
???「……戦え」
誰…?私を呼んでいるのは……。
???「戦うのだ、我と……」
すごく薄気味悪い雰囲気、なんなの…?
???「来い、プリキュアよ……!」
……っ!!あれは……!!
ゆ、夢…?何かが私と戦おうとしていたけど、なんだったんだろうか…?それより、早く起きないと……。
『今日も爽快な晴れ日和となっており、外でのお出かけが快適になるでしょう。特にいつもダンスの練習にはうってつけのクローバータウンストリートに大勢の人が集まってくるでしょう。以上、今日の天気予報でした』
私の名前は桃園ラブ。いつも幸せを身につけて毎日元気に過ごしているんだ。今日は最高のお出かけ日和だし、ダンスの練習もできる状態だけど、今日はちょっととある場所へ行くことになったんだけどね。とりあえず出発してからのお楽しみ。
ラブ「♪♪♪~」
鼻歌を歌いながらロールケーキを作り、それを箱に詰める。最近ケーキ作りをひたすら頑張っているからきっとみんなも美味しいと言ってくれるはずだね。
タルト「ピーチはん、嬉しそうやなぁ」
ラブ「そうだよ、これをみんなに食べてもらいたいんだ」
タルト「頑張ってんなぁ、ホンマに。せやろシフォン?」
シフォン「キュア~♪」
横になって関心しているのはスイーツ王国の妖精のタルト、それから赤ちゃんのシフォン。天真爛漫な笑みがとても絵に浮かぶ。
ラブ「できた!これなら喜んでくれるはず」
完成したロールケーキを箱に詰め、蓋を閉める。よし、まさに完璧な出来栄え。
タルト「腕が上達したやないか」
ラブ「えへへ、それほどでも…。ってところでせつなはまだ起きてないの?」
タルト「それが今朝からいないんや。置手紙を置いてな」
そうなんだ。せつな、何か用事でもあるのかな?
ラブ「その手紙を私に読ませて」
私が尋ねると、タルトは頷きながら私に手紙を渡した。どんな内容だろうか。
『ラブへ
今日は一緒に出掛けたかったけど、ちょっと外せない用事ができてしまってごめんなさい。どうしても行かなきゃいけないところがあって帰りも遅くなっちゃうかも。心配かけてしまったお詫びに何か買ってきてあげるから待っててね』
という内容だった。行かなきゃいけないところ?一体どこなんだろう?
タルト「それに外せない用事って書いてあるし、あまり触れられたくはないやろうな」
ラブ「ちょっと不安かも。折角四人で一緒だったのに」
少し心配そうになってしまう私。まぁそれも無理はないと思うけど…。
ラブ「仕方ないか。そのまま二人のところへ行こう」
タルト「了解や。ほな行くでシフォン」
シフォン「プリプ~」
考えるだけで時間の無駄だから、すぐに出発することにした。できるだけ早く帰ってきてね、せつな……。
~~クローバータウンストリート~~
ラブ「お待たせ~!」
美希「やっと来たわね」
祈「ずっと待ってたよ、もぉ~」
私を迎えてくれたのは幼馴染の蒼乃美希でニックネームは美希たん。もう一人は山吹祈でニックネームはブッキー。二人は笑いながら待っててくれた。
タルト「すまんな、遅れて。ピーチはんが張り切りすぎたから」
ラブ「それは余計だと思うけど…」
祈「相変わらずね、ラブちゃんは」
お世辞と言わんばかりに暴露するタルトにブッキーは思わず苦笑いする。そこは肯定しないでよぉ~。
美希「そういえばせつなは?」
ラブ「それが早朝からいなくてさぁ」
タルト「とある場所へ行くって言っていたで」
やはり二人もこれを聞いて驚いているようだ。かなり寂しいかも。
ラブ「んで今日はどこに行くんだっけ?」
美希「とっておきの場所があるのよ。今調べるからね」
そう言うと、リンクルンでマップを開く美希たん。ん?ちょっと待って?
ラブ「ところでそんな機能どうやって入れたの?」
美希「この前タルトが通販で頼んで入れてもらったわ。結構役に立つわよ」
あまりの嬉しさに美希たんが笑みを浮かべる。ってかタルト、いつの間にそんな機能いれたのよ……。
祈「それでもう場所は特定できた?」
美希「ここね。少し歩くことになるけど、今有名な観光スポットがあるのよ。その場所は―――四葉タワーね」
タルト「なんて規模がデカイんや…!」
祈「へぇ~。あの四葉タワーね」
この時、私は思ってしまった。二人の反応に便乗するように……。
ラブ「四葉タワー?……なにそれ」