みゆき「私、この三日間とても楽しかったよ」
ついに思いを告げる時がやってきた。今日までの三日間、どのように経験できたかを振り返る時間だった。
ココ「思い返せば、あの道で僕と君が出会ったね。まるで運命的だったよ」
みゆき「そんなぁ、運命的だなんて…。ちょっと照れくさいかも」
今のはちょっと恥ずかしくなっちゃいそう…。でも、
みゆき「あの時ココが教えてくれた問題も、楽に解けたし。流石教師って感じだね」
ココ「まぁね。元々僕は妖精だけど、普段のぞみ達と一緒にいる時はこうやって人間の姿になっているのさ。それと色々勉強のことも習っていたから今生徒達に教えてやれてるんだよ」
ココにも照れくさい話があるとは思うし、お互い様かな?
みゆき「それはともかく、改めてお礼を言いたいの。ココが妖精だったってことを気づかなくて最初は驚いたけど、それでも必死になって励ましてくれた心に感動しちゃった。ココのことはのぞみちゃん達の方がよく知ってるのかもしれないけど、私もなんとなくその気持ちがわかってきた気がする」
ココ「みゆき…」
色々振り返ると、たくさんのことを体験した。まずはみんなで勉強会をやったこと。みんなで力を合わせて取り組めたし、意外な発見もあった。次に生徒対抗リレー。あれは本気の勝負もあったから団結して勝利を掴むという勇敢な一面もあった。得に絶対に負けたくないと勇気を振り絞ったうららちゃんに感動した。何かをひたすら頑張ることに私は更に勇気を得られた気がする。そして――――
みゆき「それに、たくさんの仲間に支えられたことかな?」
これが私にとって大きな出来事でもあった。あの時のぞみちゃんに出会ってからたくさんのことがあった。のぞみちゃんだけじゃない、他のみんなもそうだった。他のみんなからも笑顔をもらい、私の中の思い出がいっぱいできた。なぜなら、それが最高の笑顔―――スマイルなのだから。
ココ「仲間って、本当に素晴らしいものだね。まるでのぞみが言いそうな言葉みたいだ」
みゆき「のぞみちゃんもこんな感じなことを言うの?」
ココ「多分、だけど」
無邪気な顔になりながらココが答える。もしそうであれば、私とのぞみちゃんは似た者同士になりそう―――って自分で言うのもなんだか変かも。
みゆき「そういうわけで、この三日間色々とお世話になりました」
ココ「僕の方こそ、ありがとう」
みゆき「ところで、交流会が終わっても普通に会えるよね?」
ココ「大丈夫さ。今度うちの店に来るといいよ」
へぇ~。どんなお店なんだろう?
ココ「店の名前は『ナッツハウス』。色んなものを売っているよ」
みゆき「素敵な名前だねぇ。今度みんなで来るよ」
きっとアクセサリーなんかを取り扱ってるのだろう。かなり楽しみになってきたかも。
ココ「じゃあそろそろみんなのところへ行こうか。もう時間がないから」
みゆき「うん。あとココ、ちょっと耳貸して?」
ココ「どうしたんだい、内緒話かな?」
そう言うと、私はココの耳元まで近づき―――ではなく、そのままココの横顔まで近づいてココの頬に何か柔らかいものを押し付けた。それに対してココは、
ココ「あ…。そういうことか……(アワワワ…)」
と呟いた。流石にイチコロだったね、今のは。
みゆき「早く行こ?」
ココ「わかったよ」
笑顔になりつつ、私とココは図書室をあとにした。
~~数分後~~
みゆき「お待たせー!」
あかね「遅いで。何やってたん」
やよい「もしかして、イチャイチャしていたとか…(///)」
なお「ひゅ~(口笛)」
れいか「これは禁断の仲ってわけですね…」
りん「それ大げさでしょ」
うらら「これでみんなですかね」
こまち「ココさん、のぞみさんが怒ってるわよ…?」
かれん「随分と待たされたからそれはね…」
くるみ「けど、あの顔じゃそうでもなさそうよ」
のぞみ「遅いよココ!おかげで私との時間取れなかったじゃないの!(プンプン!)」
妖精達「「「怖い…」」」
そしてようやく全員が集まった。のぞみちゃんはそれなりにご機嫌斜めだけど。
のぞみ「なんて嘘だって。私はそこまで気が短くないんだからね?」
ココ「ビビったぁ」
みゆき「もう終わったことだし、これからどうする?みんなでスイーツ食べに行かない?」
のぞみ「それナイスアイディア!」
れいか「あまり寄り道はいけませんよ?」
やよい「たまにはいいよ、滅多にないから」
みゆき「それじゃ、みんなで突入しよう!けって~い!」
のぞみ「みゆきちゃんも真似しちゃった」
こうして、私達の大切な時間が無事に幕を下ろした。これからももっと仲間とともに笑顔でいなくちゃね。
今後の予定は次回お伝えします。