~~校舎付近のガーデン~~
かれん「こんな綺麗な花があるなんて、凄いわね」
くるみ「しかもきっちり手入れもされてるわ」
れいか「いつも生徒会で毎朝しっかり世話をしています。みなさんが見てくれるようにしっかりと」
私達はのどかな小鳥達の囀りを聞きながらお花を眺めています。それに数匹の虫達もあちこちと止まっていますね。
くるみ「テントウムシやモンシロチョウが止まっているわ」
かれん「虫達も気に入ってるようね。まぁそれにしても、ここは結構居心地がいいわ」
かれんさんが風に打たれながらそう答えると、近くに飛んでいた一匹のチョウがかれんさんの指先に止まりました。なんだかこういう光景がとても素敵ですね。
れいか「どうですか?うちの校内の敷地は」
くるみ「いいところね。こんな恵まれた場所にいられてあなたは幸せじゃない」
れいか「私はみゆきさん達がいてくれてすごく幸せです。それ以上なものはない程です」
かれん「そうね。誰だって幸せなものはあるものね。その気持ちは私も同じよ」
思わず嬉し笑いをしてしまう私達。ここまで微笑ましい気分になるのは偶然かもしれませんね。
れいか「私、昨日の夜からあることを考えてました」
くるみ「あること?」
れいか「あれから色々と思ったのですが、私の友達は元気に前向きに突き進む人達ばかりでした。みゆきさんはどんな時でも諦めないでいつも自分の目標に向かって走り出せることができます。そして、希望を捨てずにです」
かれん「それを聞いてると、のぞみも同じような感じかも」
くるみ「確かに、のぞみもどんな時でも諦めないで何事も挑戦するしね」
何事も挑戦する、ですね…。私は今までみゆきさんを見てきましたけど、もしかしてまだわからない部分があるのかもしれません。いや、ひょっとしたらそれに安堵してるのでは……。
かれん「れいか?」
れいか「す、すみません―――うぅ!」
くるみ「大丈夫?」
かれん「どうやらまだ腕の傷が深いわ。あまり無理に腕を動かさないで」
れいか「は、はい…。迷惑をかけてしまってばかり」
思わずボーっとしてしまう私は無理に怪我をしている腕を振り上げてしまいます。当然まだ傷が治まっていませんし、すごく激痛が腕全体に染み渡ってきます…。
くるみ「何かあったらすぐに私達だけでなく先生達にも報告するのよ」
れいか「お言葉に甘えさせていただきます……」
かれん「となると、午後のレクの参加がきつそうね」
かれんさんが訝しむように呟きます。言われてみればそうかもしれませんね。
れいか「はい、午後の参加は残念ながら辞退させていただきます」
くるみ「それがいいわ。さ、そろそろ行くわよ」
くるみさんが諭すように言うと、私達はすぐにみゆきさん達のもとへ戻ることにしました。