のぞみ「やっと午前の勉強会が終わった~」
りん「さっきまでは随分苦戦してたくせに」
れいか「そろそろお昼ですね。みなさん、ここらで食事にしましょうか」
ようやく終わった午前の勉強会。私達は教室から出ていつものベンチへ移動するところなんだ。それにしても…、
うらら「なにやらみゆきさんが凄く嬉しそうに見えます…」
かれん「聞き捨てならないわ。この様子じゃ」
やよい「みゆきちゃん、どうしてそんなに喜んでるの?」
みゆき「だって、小々田先生に褒められたんだもん♪」
のぞみ(りんちゃん、やっぱり…(ヒソヒソ))
りん(らしいわね…(ヒソヒソ))
さっきの小々田先生、とても微笑ましい顔だったし…。
ナッツ「やっぱりここにいたナッツ」
シロップ「予想通りだったロプ」
うらら「シロップ!」
こまち「ナッツさん!」
すると目の前に何かがやってきた。むむ、これは…。
くるみ「よくわかりましたねナッツ様。それにシロップも」
やよい「シロップ、来てくれたんだね!」
なお「ナッツも来てくれて私嬉しいよ」
あかね「ってかやよいもなおもいつの間に仲良くなってんねん…(あはは)」
キャンディ「ここでお兄ちゃんもいてくれたらよかったクル(ヒソヒソ)」
みゆき「だよねぇ~」
リスと鳥の妖精がうららちゃんとこまちさんの元へ向かう。やっぱりあの子達もキャンディの友達なんだろうか?
のぞみ「二人ともよく頑張ったね」
シロップ「これくらい朝飯前ロプ」
ナッツ「ところでココは―――むぐ!(ぐい)」
こまち「ごめんなさい、あの子達は彼のことを知ってはいけないの。ここは大目に見てほしいわ」
かれん「確かにこまちの言うとおりね。れいか達にバレたら終わりかも…」
ナッツ「なんとなくわかったナッツ…。だからもう放してほしいナッツ…」
なにやらコソコソと話しているこまちさんとかれんさん、それにナッツ。気になるなぁ…。
れいか「何を話していらっしゃるのでしょうか…?」
こまち「な、何でもないわ。本当に」
かれん「気にしなくていいのよ」
などと説明するこまちさんとかれんさんが制服の袖を直す。そんなに焦らなくてもいいのに…。
くるみ「それにこれはのぞみにとっても重要な問題よ、わかってる?」
のぞみ「も、勿論だよ…」
のぞみちゃんとくるみちゃんも何かを話している。やっぱり何かおかしい。なんてことはあまり気にしないやよいちゃんとなおちゃんがナッツとシロップの元へ向かった。
やよい「ねぇシロップ、後で一緒にうちの学校を案内するよ。その時は私とうららちゃんっと一緒ね」
なお「ナッツ、もしよかったらうちの学校で一番落ち着きのいい場所に連れてってあげる。勿論こまちさんも連れてね」
あかね「まぁそんな硬い考えなんてせぇへんでも気楽に楽しもうや」
りん「何事も楽しくなきゃね」
のぞみ「二人の言うとおりだよ、折角の交流会だしもっと色んな人達にとコミュニケーションをとらないと」
みゆき「うん。特に変なことが起こらないといいんだけどねぇ…」
うらら「っていうかもうお腹ペコペコなんですけどね」
れいか「正論ですね。そろそろお昼にしましょうか」
時間は既にお昼なので、早速昼食をとることにした。
~~七色ヶ丘中学の校外ベンチ~~
一同「「「いただきまーす!」」」
ここでみんなでランチタイム。それぞれ用意したお弁当を取り出す。
みゆき「じゃーん!私はキャンディの似顔!」
キャンディ「とても嬉しいクル」
あかね「へぇ~、みゆきにしては結構な出来栄えやな」
私の弁当はキャンディの顔を意識して作った物。まぁこればかりはお母さんにバレずに一人で作った甲斐があったし…。ちなみにキャンディの存在は既にのぞみちゃん達に認知していたりする。
のぞみ「私はこれ、おにぎらず!」
りん「おにぎらず…?」
うらら「知らないんですか?今こっそり流行っている料理なんですよ」
あかね「あれやな。朝時間ない時に作る廉価版おにぎりってやつや」
次はのぞみちゃんが披露する。そういえばこの前テレビでもおにぎらずの特集やってたからちゃっかり話題になってたりするね。
あかね「じゃあ次はうちな。うちの傑作は、当然お好み焼きや!」
りん「あかねってお好み焼き作れるんだ」
あかね「それはうち、家はお好み焼き屋なんやで」
くるみ「流石は関西育ちって雰囲気してるわね」
その次はあかねちゃん。勿論作ってきたのは自慢のお好み焼き。今日のはとても自信作らしい。
りん「次は私。これは今朝じっくり焼いた鮭を解してご飯と一緒に混ぜて、それから海苔をのせてウィンナーと卵焼きを入れてみたわ」
なお「すっごくボリューム満点だねぇ」
のぞみ「なんていうか、色々すごくてつまりあれだよね。とても印象深いっていうか―――」
りん「のぞみ、もういいわよ。全然褒めてるような発言だと思えないから」
のぞみ「ちょっとりんちゃ~ん!今すごくいいところだったのに!」
りん「アンタは勿体振りすぎよ!もう少し簡潔にまとめてから答えなさい!(ガミガミ)」
りんちゃんは色取り取りな鮭弁当。私は鮭も好きだけどやっぱり梅干し派かも。
やよい「その次は私ね。これは今朝ママと一緒に作ったんだけど…。みんなの口合うかな…?」
かれん「これってカツサンドね」
みゆき「やよいちゃんサンドイッチ作ったんだ」
やよい「とりあえず後で食べてね(てへっ)」
少し照れくさそうに自分が作った弁当を披露するやよいちゃん。まずは見た目以上に美味しそうに見えるけどね。
うらら「次は私です。朝早起きして自分で作ったんですけど、カレーピラフなんですこれ」
りん「うららは相変わらずカレー好きね…」
なお「へぇ~。うららちゃんもカレー好きなんだ」
れいか「私達も昨日なおの家でカレーを食べましたね」
あかね「そうやったな。けど昨日はみゆきもやよいもいなかったけどなぁ」
みゆき「ごめんね、昨日はどうしても外せない用事があったもんで」
やよい「そうなの。私もそうだったんだ」
うららちゃんのはカレーピラフか。早朝から作ったとなれば相当時間かかったのに違いはないね。
なお「次は私でいいよね?用意したのはこれ、みんながお腹いっぱいになれると思って色々作っちゃった」
こまち「家族で食べれそうな量ね」
くるみ「どれも美味しそう」
ナッツ「なおはいいお嫁さんになれるナッツ」
なお「ちょっとナッツってば…!」
一方なおちゃんはみんなで食べれるおにぎりや色々なおかず達。やっぱり大家族のなおちゃんは流石だね。
こまち「私のはあっさりした鶏肉のササミを野菜とドレッシングで和えたサラダにヘルシーな心太よ」
のぞみ「結構低カロリーですねぇ」
こまち「ちなみにナッツさんのために豆大福も用意したわよ」
ナッツ「ありがたくいただくナッツ」
へぇ~。こまちさんのはかなりカロリー控えめな内容なんだ。なんだかとても安堵してしまいそうな感じ。
れいか「私の方なんですが、今朝おじいさまと一緒に赤飯と白玉を作ってきました。みなさんの口に合うように作ってきたのですが、感想は食べてから聞かせてください」
かれん「赤飯ね。とても上手に出来てる見た目だと思うわ」
くるみ「れいかって案外和の心を強く持ってるようね」
やよい「どれも美味しそうなものばかり。もう我慢できないかも」
れいかちゃんのは鮮やかな赤飯に白玉といったいかにも和という名の醍醐味のようだ。私も我慢できないよぉ…。
かれん「私が作ったものはこれよ」
一同「「「えぇええええええ!?」」」
かれん「じいやには内緒で自分で作ったけど、どうかしら?」
りん「ちょ、かれんさん!?」
なお「これおもいっきり普段の日常ではまず口にしない内容だと思うんですけど!?」
こまち「かれんらしい発送だわ」
かれん「これは昨日の夜から寝かせておいたフォアグラに甘辛いソースで和えたもので、こっちは炭火で焼いた鶏肉にキャビアを添えてこれは今朝手早く焼いた牛肉に―――」
りん あかね「「ってもう説明は結構です(やで)!!」」
か、かれんさんのは物凄く豪華な内容だった…。今言ったおかず以外にもかなりの量あるし……。
くるみ「私は普通に作ったけどね」
のぞみ「ふ~ん、くるみって案外芸がないんだねぇ」
くるみ「うるさいわね!」
れいか「でも、こういう内容でも悪くありませんよ。お弁当の中身というのは自分の個性を表している器なんですよ」
くるみちゃんはごく普通の内容。確かにれいかちゃんの言うとおりだね。お弁当はそこまで拘らなくても普通に食事を楽しめたらそれでいいかもいね。
みゆき「それじゃ、そろそろ食べよう!」
次のレクリエーションまであまり時間ないので、私達は早速食事を本格的にとることにした。でも、どうしても気になることがあるようなないような……。