プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

42 / 237
今回で緑コンビの話は終わりです。


第34話 森羅万象(ありとあらゆるもの)

ナッツ「何か悩んでいるのか?」

 

なお「特に悩みなんてないよ。そこまででもないし」

 

 

 

さっきの噴水に向かった私とナッツはゆっくりと噴水付近へと座る。そこでナッツが心配そうな顔しながら尋ねてきた。

 

 

 

ナッツ「今日は色々と楽しかった。おかげでこまちも笑顔になれたし」

 

なお「わ、私も楽しかったと思うよ。こまちさんとナッツのことも色々とわかった気がするから」

 

ナッツ「そうか。お前は大切な何かを携えているんだな、その気持ちからして」

 

なお「その何かっていうのは完全にはわからないけど、とにかくそれを実感できたんだと思う」

 

綺麗は夜空を眺めながら答える私。たった数時間だけだったけどかけがえのない出会いだったのかもしれない。それと、彼に伝えたいことがあるのだと。

 

 

 

なお「あのねナッツ、私のことどう思ってる?」

 

 

 

ナッツ「いきなりどうしたんだ?」

 

 

 

唐突な言葉に少し疑問に浮かべるナッツが返答する。これだけじゃ伝わらないかも…。

 

 

 

なお「なんていうか…。あれだよ、ナッツにとっての私の印象だよ(オドオド)」

 

 

 

ナッツ「少し焦ってるな。こういう時はリラックスするんだ、深呼吸しながら」

 

 

 

とても思うように言葉を言えない…。そしてそのまま深呼吸をして再び整える。

 

 

 

なお「ごめん、ちょっと気まずかったかも」

 

ナッツ「そうか、なら話を戻そうか。さっきの質問だが…」

 

なお「うん、ナッツは私のことどう思ってるかだね」

 

ナッツ「俺にとってのなおは―――」

 

 

 

あれ?ナッツの答えが風の音で遮られてるように感じる。いや、これはたまたまなのだろうか?

 

 

 

なお「もう一度言ってくれないかな?」

 

ナッツ「なんだ、ちゃんと聞いてなかったのか。仕方ないな、よく聞くんだぞ」

 

 

 

若干呆れながらさっきと同じ答えを告げる。やっぱりおかしいなぁ…。

 

 

 

ナッツ「俺が感じたのはこうだった―――」

 

 

 

なお「…え?」

 

 

 

ナッツ「これが俺の率直の感想だ」

 

 

 

ナッツの答えに思わず胸に手を当ててしまう私。なんだろう、この気持ち…。

 

 

 

なお「ナッツって…」

 

ナッツ「済まないが、このことはこまちには内緒にしておいてくれないか?」

 

なお「は、はい…(///)」

 

 

 

さっきのことといい、今のことも私の心が揺さぶられているような感覚…。もしかして私―――

 

 

 

ナッツ「どうした?顔が赤いぞ」

 

なお「そ、そんなことないよ。ちょっと照れてるだけで…」

 

ナッツ「どれ、熱でもあるかもしれないぞ」

 

なお「ひゃ!?」

 

 

 

私のおでこに触れるナッツが心配してくれる。これは別にあれとかそういうわけじゃ…!

 

 

 

ナッツ「よし、熱はないな。それなら安心した」

 

なお「あ、ありがとう…」

 

ナッツ「そろそろ時間がないし、こまちのところへ戻るか」

 

なお「わかった。ところでナッツはこまちさんのことどう思ってる?」

 

ナッツ「とても大切な存在だと思ってる。多分なおもこまち並の立ち位置かもしれない」

 

なお「なにそれ、ちょっと笑っちゃうんだけど」

 

 

 

最後は笑顔で。それが私にとっての直球勝負。今のナッツの言葉で新しい発見ができたかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こまち「あら、もう戻ってきたのね」

 

ナッツ「今日でなおのことが色々わかったんだ」

 

なお「私もこまちさんとナッツのことがわかったから」

 

 

 

私達を待っていたこまちさんが出迎えてくれる。どうやら嬉しそうだ。

 

 

 

こまち「私ももっとなおさんとお話したかったけど、今日は一緒にいてくれただけでも満足よ」

 

なお「私もです。こうやって話をしていると、私の友達と似ているなぁって思って」

 

こまち「そのお友達とは仲良くやっている?」

 

なお「ええ、なんでも真剣に取り組む姿が羨ましいくて。いつか私も友達のような努力できる存在になりたいです」

 

天真爛漫の笑みで思いをぶつける私に、こまちさんがこんな答えを発言した。

 

こまち「私にもね、真面目に取り組む友達がいるわ。多分なおさんが言ったことと似てるかも」

 

ナッツ「どうやらお互い似た者同士かもな」

 

するとナッツがにやけながら私とこまちさんの方に振り向いた。似た者同士?一体何を…?

 

なお「急にどうしたの?」

 

ナッツ「あんまり洒落にならなかったか。軽いジョークだ」

 

こまち「面白いかも、うふふ」

 

なお「もぉ~。なんか変だよ。けど、これはこれで悪くないかも」

 

ちょっとした面白話に吹き出す私達。そして時間は既に経過していた。

 

 

 

なお「じゃあ私、そろそろ帰ります」

 

こまち「今日はありがとう、とっても楽しかったわ」

 

ナッツ「またどこかで会えるといいな」

 

 

 

時計を確認する私を見送るこまちさんとナッツ。なんだか私もすごく楽しかった。

 

 

 

なお「こまちさんから借りてる小説、後で読みます。次会った時にその感想を言いますので」

 

こまち「うん、また会いましょ」

 

ナッツ「なお、自分の志を大切にするんだぞ」

 

なお「うん!」

 

 

 

こうして、私の新しい発見がまたできた。それは自分のありとあらゆるものを生かすことなのだと。それと、仲間にも伝わればもっと嬉しい。いつか自分の本当の夢に向かって突き進むものだと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「…あれが、プリキュア……」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。