なお「すご~い!こんなに広い遊園地があったなんて!」
こまち「ジェットコースターもあるわよ」
ナッツ「コーヒーカップにメリーゴーランド、公園のすぐ隣にしては結構立派だ」
一休みを終えると、数百メートル離れた隣の遊園地に向かった私達。とても賑やかで観客もかなりいるようだ。
なお「まずはどこから回ろうかなぁ~」
ナッツ「とりあえず一通り行くぞ」
なお「お、そうしますか!」
こまち「あらあら、なおさんってば張り切ってるわね」
居ても立っても居られないよ、こんなところ!よ~し、早速堪能するぞぉ~!
~~数分後~~
まず最初に向かったのは、室内イルミネーション。いろんな国からの作品があるからとても綺麗。勿論、国内の作品もある。特に一番見惚れたのは大きな薔薇のイルミネーションだった。
こまち「この薔薇、とても素敵ね」
ナッツ「確かに。薔薇を見ているとフローラを思い出す」
なお「知り合いか何か?」
ナッツ「フローラは俺達の知り合いだ。彼女も薔薇が好きだ」
思わず私も心が癒される。とても素敵だ。
~~数分後~~
次に向かった場所はなんと、お化け屋敷……。
なお「ほ、本当に行くんですか…?」
こまち「当然よ、折角ナッツさんがいるから私達が後ろに歩けば大丈夫よ」
ナッツ「なおは怖がりなのか?」
なお「お化けは虫と同じくらい苦手……」
どうしても前に進むことができない私にこまちさんは無理矢理腕を掴んでニコニコしながら進み始めた。やだ、どうしても行きたくない…!
こまち「大丈夫、あんなのただの作り物よ」
なお「そういう問題じゃなくて…、って出たぁああああ!!」
ナッツ「…これじゃ立場が逆転だな…」
お化けが二体現れる中、腹の底から悲鳴を上げる私とそれに余裕の笑みを見せるこまちさんにナッツは溜め息を吐きながら呆れていた。
こまち「まだまだこれからよ、最後まで頑張りましょう!」
なお「無理ぃ~!早く出ようよぉ!」
ナッツ「我慢することも重要だ。それでも無理なら目を瞑りながら進め」
なお「そんなこと言われても―――いやぁああああああああ!!(ガクガク)」
次々と出てくる幽霊達とゾンビの集団に悲鳴を上げる私。しかしこまちさんとナッツは平気だった。ってどうしてそんなに平気なのぉ~!?
なお「来ないで来ないでぇええええええええええ!!!」
こまち「なおさん、相当張り切ってるわ」
ナッツ「いや、意味が違うぞ……」
~~しばらくお待ちください~~
なお「げ、限界……」
ナッツ「しかしよく耐えたな。それだけでもいいじゃないか」
こまち「まだまだ回るところあるわ。お楽しみはこれからよ」
色々あってお化け屋敷から抜け出した私達は引き続き遊園地を回ることにした。次はまともなところがいいかも…。
~~一時間後~~
それから色々と回ること一時間が過ぎた。あっという間に観覧車だけが残ってしまった。なんだか早かったなぁ。
こまち「そろそろいい頃合いみたいね」
ナッツ「夕方になるし、そろそろ観覧車に乗るか」
なお「ところで誰々で乗る?」
ナッツ「なおとこまち、二人で乗るんだ」
一つ気になったことがあったのでちょっとだけナッツに質問してみる。すると意外な答えが返ってきた。
こまち「ナッツさんは乗らないの?」
ナッツ「さっき言っただろ、今はお前たちの時間だって」
なお「ナッツ…。そこまで私達を…」
私には彼の気持ちがわかる気がする。本当に大切にしていることは友達だと…。
なお「ありがとう…」
こまち「お礼の言うのは私の方よ。この時間までとてもいいことを実感できた。私も新しいことを発見できたのだと」
ナッツ「どうやら二人はまるで姉妹みたいだ。まぁこまちには姉がいるし、なおは義理の妹って感じかもな」
姉妹か…。そういえば私にお兄ちゃんもお姉ちゃんもいない。私は一番上のお姉ちゃんだし、何せ弟達の面倒を見る立場だったから。もしお姉ちゃんがいたら一体どうなっていたんだろう……。
スタッフ「次の方々どうぞ」
こまち「二人で」
スタッフ「確かに確認できました。それではごゆっくりどうぞ」
なお(さっきまで心の変化がなかったけど、急に暖かい心が芽生えてくる。これが安らぎなんだね…)
スタッフに整理券を渡すと、早速観覧車へ乗り込んだ。
スタッフ「そこのお兄さんも乗ればよかったじゃないですか?」
ナッツ「俺は遠慮する」
スタッフ「そんなこと言わずに、楽しみましょうよ?」
ナッツ「お前…、ここのスタッフじゃないな。一体誰だ」
するとナッツがスタッフと何かを揉め事を始めた。何を話しているんだろう?
スタッフ「なぜいきなり疑うんですか?」
ナッツ「俺にはわかるんだ。お前は観覧車を動かすためのセキュリティーを持っていると。そもそも無理矢理客を入れ込むやつなどいるわけがない」
スタッフ「そうですか、だったら実力行使と行きますか…」
こまち「ナッツさんが危ないわ!」
なお「逃げて!」
スタッフ「もう遅い!(ドン!)」
ナッツ「ナッツ~!!(ボン!)」
私達はナッツを助けようとするが、スタッフを装う怪しい人物にやられてしまった。
なお「って、え~!?」
こまち「どうしたのなおさん?」
なお「ナッツって…」
それから一番驚いたのはナッツの姿。もしかして…、
こまち「ナッツさんは妖精なのよ。だから強い衝撃を受けると元の姿に戻ってしまうわ」
ナッツ「お、お前は誰ナッツ…!」
???「そうさ、僕はプリキュアを倒すためにいる存在さ(バッ!)」
なお「ってナッツは妖精だったってわけ!?あぁ~突っ込みどころが多いけどあいつは誰!?」
どうやらナッツは妖精だったらしい。これは一番驚くでしょ!?そしてあいつは一体…。
L「僕はL。キュアミントにキュアマーチ、君達には退場してもらうよ」
こまち「ナッツさんを酷い目に合わせるなんて、許さない!」
なお「つまりアンタはこの遊園地のスタッフを装って私達に接近したってわけね…」
L「じつにその通り。君達が争うことに僕も興味津々だったからね。そういえば、その妖精君って結構弱いんだね」
嘲笑うように私達を見下すLと名乗る男。このままでナッツが危ない…!
こまち「ナッツさんは弱くないわ!何もわからないあなたにナッツさんをやらせたりしないんだから!」
なお「こまちさん、早くナッツを助けましょう!って開かない…?」
こまち「え?どうしてまだ動いてないのに扉が開かないの…!?」
すると観覧車のドアが完全に封鎖されてしまった。これじゃ助けに行けない…!
L「残念だったね。既に扉は閉まっている。どうにか出ないとこの妖精君の命はないよ?」
こまち「なんて汚いことを…!」
なお「仕方ない、変身するしかない!」
L「おお、やっと変身するんだね。そこから出る方法を考えなよ」
どうやら早く出ないとナッツの命がない。ここは強行突破だ!
こまち なお「「ナッツ(さん)をやらせるわけにはいかない!!」」
そしてお互いに何かを取り出し、
こまち「プリキュア・メタモルフォーゼ!」
なお「(レディ?)プリキュア・スマイルチャージ!(ゴー!ゴーゴー!レッツゴーマーチ!)」
私達は全身に光をまとい、姿を変えてゆく。そしてその姿はどんな相手でも立ち向かう伝説の戦士へとなっていく。
ミント「安らぎの緑の大地!キュアミント!」
マーチ「勇気リンリン、直球勝負!キュアマーチ!」
L「出たね、プリキュア。そろそろ戦いの始まりだね」
私達は伝説の戦士、プリキュア。人々の平和を守るための存在。そして…、
ミント「ナッツさんを絶対助ける!」
マーチ「だから、負けられない!!」
その脅威に立ち向かう戦いが、今始まる……!