なんだかんだで私のコーデは終わり、そろそろ目的地の公園に到着した。それにしてもさっきのこまちさんの猛威はなんだったのか私にはあまり理解できなかったけど、これはこれで一安心かもね。
なお「ここで合ってる?」
ナッツ「ああ。俺もこまちも初めて来る場所だが、結構人だかりが多い」
こまち「中央の噴水もとても綺麗よ。これはカップルにうってつけのスポットになりそうね」
こまちさんもナッツも初めて来る場所のようで、私も正直緊張しちゃう。もし私に彼氏ができたら、どうなってたんだろう……。
ナッツ「二人とも、腹空かしてないか?」
こまち「うん、ちょっと空いてるわ」
なお「何か奢ってくれるの?」
とここでナッツが私とこまちさんに唐突な質問をしてきた。言われてみればさっき昼ご飯食べたけど、そろそろおやつ時かもね。
ナッツ「クレープでも買ってきてやろうか?」
こまち「あら、今日のナッツさんやけに気を使ってるみたいだけどどうしたの?」
ナッツ「こまちに新しい友達ができたから、少しでも早く仲良くなるべきだと思っただけだ。だからなおも親交を深めるべきだ」
なお「わ、私はちょっと照れくさいだけだよ…。なんていうか、私にお姉さんができた気分だし…」
少し関心するように答えるナッツの言葉に照れながら安堵する私。こんなシチュエーション、もしれいかがいたらなんて答えたんだろう。
こまち「だったら私はイチゴクレープをお願いするわ」
なお「私はチョコクレープでいいよ」
ナッツ「わかった。ちょっとそこのベンチで座っててくれ」
私達の注文を正確に覚えるナッツはすぐに屋台へ買い出しに向かった。
こまち「ごめんなさい。ナッツさん普段あそこまで親切じゃないから…、ちょっと不思議に感じちゃったかしら?」
なお「いえいえ、気を使ってくれるのは確かにいいことだと思いますよ。正直、男はか弱い女を守るのが一番ってことなんじゃないかなって」
ベンチに座る私達はちょこっとだけナッツのことを話す。多分彼のことを一番わかってるのはこまちさんだと思うけどね。
こまち「私もナッツさんと初めて出会った時はまだ理解できなかったけど、私の夢を応援してくれる気持ちは高いわ」
なお「こまちさんの夢って…」
こまち「私の夢は立派な小説家になることよ。だってさっき、なおさんと出会う時に色々と風景を眺めていたからそのアイディアが次の目標に繋がっていくというわけよ」
物凄く熱意を込めるこまちさんがなんだか羨ましい。そういえば私に足りなかったことがまだあるのかもしれない。多分想像する力かも…。
こまち「なおさんも自分の心を感じさせればきっと何かを発見できるわ」
なお「自分の心を感じさせる?」
こまち「ハッキリとは断言できないけど少しでも自分の意思が緩やかになれると思うから。ところでなおさんには何か目標はあるの?」
なお「一応前に向かっていつも直球勝負してます。ただ、色々と…」
私の直球勝負という言葉にこまちさんは思わず笑い出した。って何がおかしいの?
こまち「直球勝負ってなんだか勇気を分け与えている気分だと思って(クスクス)」
なお「ほ、本気ですってっ!面白話じゃありませんってば!(オドオド)」
思わず動揺状態になってしまう私。結局そこらへんに関しては否定できない…。
ナッツ「買ってきたぞ。できたての内に食べた方がいい」
するとここでナッツが帰ってきた。両手にクレープを持ってそれぞれの味を渡した。
なお「ありがとうナッツ」
ナッツ「別に礼はいらない。腹を空いているなら当然だっただけだ」
こまち「そこだけは素直じゃないわねナッツさん。もったいぶらなくてもいいのよ?」
ナッツ「無理はしていない。今の時間はお前たちの時間だと思っているんだ」
なお「何それ?ちょっと笑っちゃうんだけど(クスクス)」
クレープを頬張りながら笑う私は、思わずむせてしまった。
なお「げほげほ…!」
こまち「大丈夫?ちゃんと噛んで食べないからこうなるのよ?はい、お水」
なお「ごめんなさい…(ゴクゴク)」
ナッツ「こっちこそ済まないな。余計なことを言って」
さりげなく私に謝るナッツはそっと私の背中を擦ってあげた。なんだか優しいな。
こまち「もう少しゆっくり休んだらあそこの広場へ行きましょう」
ナッツ「そうだな。向こうに観覧車があるし、後でゆっくり行けばいい」
なお「うん、そうするよ。むしろそっちが安心だし」
もう少しだけ公園の景色を眺めることにする私達。やっぱり私も初めて来る場所だけどかなり癒される。今度みゆきちゃん達も誘ってあげようかな。
L「それじゃ、早速あの二人に接近するとしようか。Hにキュアレモネードとキュアピースの討伐の手柄を取られたからその憂さ晴らしにはなれるかもね」