レモネード「キュアピース!!」
H「まずは一人ね。残るはあなただけよ」
レモネード「うぅ…。このままでは勝ち目が……」
たえ「大丈夫かねお嬢ちゃん!?」
H「無駄よ、キュアピースはもうやられてた。あなた達じゃ何もできないじゃない?」
ピース「誰がやられたんですって…!!」
たえ「まさか…」
バシュ!!
ピース「プリキュア・プリンセスフォーム!!」
たえさんを庇った私はなんとかプリンセスフォームへ変身し、Hの攻撃を弾き飛ばした。
レモネード「よかったぁ…(ホッ)」
たえ「よく生き延びたねぇ」
ピース「私なら大丈夫ですよ」
私の奇跡の瞬間にレモネードが胸を撫で下ろす。結局プリンセスフォームになっていなきゃ今頃やられていたけどね。
H「なんて小賢しい小娘なの…!」
ピース「当たり前だよ。私はこんなところで諦めるわけにはいかない。絶対に……、絶対に元の世界へ戻ってみせる!」
レモネード「そうです、私達は負けるわけにはいきません!何があってもです!」
決意を振り絞り、再び立ち上がる私達。だって、まだやりたいことがたくさんあるんだから!
たえ「ああ!?岩が崩れているじゃないか!?」
するとたえさんが古文書を封印していた岩を見て腰を抜かしてしまった。どうやら今の爆風であの巨大な岩が跡形もなく粉々になっていたみたいだね。あとHの攻撃が相当火力が高かったに違いはないし。だけど一つだけ欠点が生じてしまった。
H「あなたが開いてくれたおかげで私も手間が省けたわ」
レモネード「しまった、これじゃ古文書が…!」
H「迂闊だったようね。わざわざ開けてくれて感謝するわ、それからもうあなた達は二度と元の世界には帰れなくなると思うわね。ごめんあそばせ?」
私が岩を破壊したおかげで相手に侵入されてしまうデメリットが起きてしまった。このままではマズイ…!
たえ「お前ごときに古文書は渡さないぞ!」
ピース「そうだよ、あなたには絶対に渡さないんだから!」
H「もう手遅れよ。いくら水晶玉を持っていてもあれがないと全ての努力が水の泡となってしまうからね。恨むなら壁を開いた自分を恨みなさい?」
レモネード「だめぇ!!」
H「うるさいわね!!(ドゴォオオン!!)」
レモネード ピース「「ああああ!!」」
抵抗し続ける私達を薙ぎ払うHは古文書が置いてある部屋へ移動する。うぅ…、もう終わりなの……?
H「うふふ。これでこの古文書は私の物よ。さぁ、この世界を破滅に導くのよ!」
ついでに私が持っていた五個の水晶玉を奪って玉座に嵌め出して古文書に記されている呪術を唱え始めた。折角ここまで来たのに、もうおしまいになっちゃうの……?
たえ「あぁ…、おしまいだぁ……」
たえさんも完全に絶望してしまう。そしてHはこの光景に大喜びしていた。
H「あはははは!素敵だわ、この絶望の闇は!これでプリキュアは死ぬのよ!」
まだ、私にはやりたいことがたくさんあるのに…。みゆきちゃん、あかねちゃん、なおちゃん、れいかちゃん…。キャンディにポップ、そして私を支えてくれるみんな…。ごめんなさい、私にはもう生きる希望がどこにも残されていないかも。本当にごめんなさい……。私―――
H「え?どうしてなの…?」
レモネード「あれ…?」
ピース「何も起こってない…?」
H「どうして、何も起こらないの……?」
たえ「何がどうなってるっていうんだい…」
すると突如、Hが持っていた古文書の効果が消えてしまった。これは一体…。
H「これ、偽者のようね…!」
レモネード「偽者?一体どうやって?」
シロップ「待たせたロプ~!!」
ピース「この声は…?」
H「どうやら本物はあの妖精が持っていたようね…!」
なんと、Hが持っていたのは偽者の古文書だった。ということは本物は…、
シロップ「間に合ったロプ!大丈夫ロプ?」
レモネード「シロップ!(ギュ!)」
シロップ「苦しいロプ…」
ピース「レモネード、知ってる?」
レモネード「知ってるもなにも、私の仲間ですよ」
あの妖精が持っていたんだね。よかったぁ~。
たえ「へぇ~、この小鳥が古文書を守ってくれたのかい?」
シロップ「小鳥って呼ぶなロプ!」
レモネード「でもどうやってここにこれたの?」
シロップ「話せば長くなるロプ」
~~一時間前~~
シロップ「くそ、なんだったんだよあの怪物は…。全く見たことないやつだな…。早く避難勧告を終わらせないと…ってあれはなんだ?」
ピキュン…
シロップ「なんだこれは、ん?何か入れるみたいだな。行ってみるか…」
ヒュウウウウ…
シロップ「この感じは…、うららの感じがする…。もしかしてピンチか…!早く急がないとうららが危ない!」
~~十分前~~
街人A「大丈夫だろうか、彼女達…」
街人B「心配ないさ、たえさんがいるじゃないか」
シロップ「すま~ん!お兄さん達、ちょっと聞きたいことがある」
街人A「どうしたんだい?」
シロップ「さっき黄色の髪をしてツインテールの女の子通ってなかったか?」
街人B「あの娘達のことか?それならこの街のふもとの神社へ移動したが…」
シロップ「そうか、でも今あいつらが危ないんだ。俺にできることはないのか?」
街人A「そうだねぇ、そしたら神社に行ったら彼女達が帰るために必要な古文書が眠っている。もしものことがあればこの偽者とすりかえてほしいんだよ」
街人B「結構乱雑な行為だとは思うけど、やれるかい?」
シロップ「勿論、俺にまかせてくれよ」
街人A「ただし、チャンスは一度っきりだからね」
街人B「偽者を渡しておくから、誰かに取られないようにしてくれよ?」
シロップ「ありがとうお兄さん達。俺、行ってくるよ!」
街人A「やっぱり男の子ってやる時はやるもんだなぁ…」
街人B「あぁ、あとは彼に任せるか」
~~そして現在に至る~~
シロップ「ということになったロプ」
レモネード「シロップってやっぱり逞しいね♪」
ピース「私もそういうの好きだよ」
シロップ「そこまでからかうなよっ!(オドオド)」
たえ「どうやらアンタが古文書を守り抜いたみたいだね。感謝するよ」
何はともあれ古文書は無事だったことだし、あとは……、
H「ええい!こうなったら意地でも奪うわ!」
レモネード「行きますよ?」
ピース「いつでもいけるよ、はぁあああ!」
あとはHを退けるだけ。それから元の世界へ戻るだけ!だがしかし…、
H「そういえば何かを忘れていない?(ドゴン!)」
ピース「何かって…まさか!?」
レモネード「ピース、残り時間があと五分しかありませんよ!」
この世界から脱出するまでのタイムリミットが間もなく迫ってきている。草子してる間に日没が近づいてきてしまった。
シロップ「時間稼ぎをしているから早く願い事を唱えるロプ!」
レモネード「わかった、私にまかせて!」
ピース「私も時間を稼ぐから!」
たえ「アンタら子供は必死だねぇ…(ぐすん)」
H「何を足掻こうとも、もう時間はないのよ!」
ここで私とシロップが時間を稼いでる間でレモネードとたえさんは五個の水晶玉と本物の古文書を広げて呪術を唱え始めた。
ピース「ピースハリケーンランス!!(バシュ!)」
H「そんな技、見たことないわよ!はぁ!(ボォオオオ!)」
シロップ「すごい破壊力ロプ…。だけど負けないロプ!(ビュン、ビュン!!)」
必死で相手の猛攻を防ぐ私達。これなら時間を稼げる!
たえ「水晶玉よ、子供達を元の世界へ帰らせておくれ…!」
レモネード「お願い、私達を元の世界へ……!」
ピカァアア……!
一方、古文書の呪術を唱えながら水晶玉に祈りを込めているレモネードとたえさんはなんとか成功させようとしている。もう少し、頑張って…!!
H「いい加減に諦めなさい!(ドゴォオオン!!)」
ピース「やだ!まだやりたいことはたくさんあるんだから!(バゴォオン!!)」
シロップ「その強い意志がプリキュアを強くさせるロプ!」
H「戯言などもうたくさんなのよぉおおおおお!(バボボボボボ!!)」
ピース「プリキュア・ピースサンダーハリケーン!!(ビシャァアアアアア!!)」
シロップ「間に合ってくれロプ!!」
ピキュン……!
すると五個の水晶玉が一斉に光り始めた。どうやら成功したみたいだね…。
たえ「今だよ、アンタら!早くあのゲートを通り抜けるんだよ!」
レモネード「はい、二人とも今です!」
ピース「わかった!お願い、間に合って!!」
シロップ「急ぐロプ!」
H「ぐっ…。どうやら作戦は失敗だったようね…。早い内にRとLに知らせないと…!(バシュ!)」
レモネード「たえさん、本当にありがとうございました!!」
ピース「いつまでも無事でいてくださいね!!」
シロップ「俺達のことを忘れないでほしいロプ!!」
たえ「気をつけて帰るんだよ!」
そしてようやく時間内に元の世界へ脱出することができた。助かったぁ…。
~~元の世界~~
うらら「うぅ…。どうやら戻ってきたようですね」
やよい「本当だ。やったんだよ私達…」
シロップ「これで一件落着みたいだロプ」
~~数十分後~~
それから中断されていた私の出展ステージは無事に再開され、見事に作品を描き上げることができた。勿論、観客のみんなは結構気に入ってもらえてくれた。あとそれからさっき私達を漫画の世界へ吸い込んだジコチューは既に浄化されていたらしい。どうやらさっき入り込んだやつと同じだったのかもしれない。
そして無事に漫画展は幕を下ろした。
うらら「楽しかったですよ、やよいさんのステージ」
やよい「ありがとう。私も緊張しちゃったけどなんとかうまくいってよかったよ」
シロップ「でもすごかったロプ。やよいって案外天才かもしれないロプ」
夜の道を歩いている私とうららちゃんとシロップは景色を眺めながら今日の出来事を振り返っていた。本当に一時はどうなるかと思ったけどねぇ。
やよい「シロップって意外と優しいんだね、ありがとう♪(ムニュ)」
シロップ「ほわわわぁ!後頭部に柔らかい感触が…!?」
うらら「シロップ?あまり嫌らしいことや不健全なことを考えちゃだめだよ…?」
シロップ「誤解だロプ!」
シロップを思わず抱く私。なんだか励まされた感じがするなぁ。
うらら「そういえばですけど、今度また私達でどこかへ行きませんか?」
するとうららちゃんが閃くように私に諭してきた。そうだねぇ…、
やよい「次はシロップとのダブルデートもありかも☆」
シロップ「俺、先に帰るロプ!!」
おもいっきり大胆なことを発言すると、シロップは頬を赤く染めながら帰ってしまった。どうやら照れてるみたい、うふふ。
うらら「それじゃ私はここで曲がります」
やよい「あ、うん。また会えるよね?」
うらら「はい、またどこかで会えますよ。絶対に」
やよい「そうだね。約束だよ、また会えることを信じて」
右の曲がり角で別れを告げる私達。これもまだ始まりにしか過ぎないし、また会いたいな。
うらら「それでは、さようなら」
やよい「また会おうね、バイバイ」
今日の出来事で私の新しいことが見つかったのかもしれない。それは、うららちゃんという新しい友達…。
~~春日野家~~
うらら「はい、実は今日起きたことを話しますとですね。今日私と新しくできた友達と探検ごっこをやっていたんですよ」
帰宅すると、早速りんさんに今日の報告をつげます。果たしてどんな答えが返ってくるのでしょうか…?
りん『アンタはどこまでおこちゃまなのよ!?それとあざといわね!!』
~~黄瀬家~~
やよい「実はね、私より一つ年下の娘と一緒に探検ごっこやったんだ」
家に帰宅すると、今日の出来事をあかねちゃんに報告する。一体どんな答えが返ってくるんだろう…?
あかね『めっちゃあざといな!』
うらら やよい「「ところであざといってなんですか?(なの?)」」
りん あかね『『ってそこからぁ!?(かい!?)』』
一応今年最後の投稿となると思います。そして無事にあざとイエローコンビ編は完結です。次回はおそらくこまちとなおちゃんメインになると思います。