たえ「あの大きな岩を壊せるのはアンタらだけかもね。あたしは年寄だから何もできないけど、アンタらならできると信じているさね」
レモネード「はい、私達ならできます。だから心配しないでください」
ピース「無事に成功してみせますよ」
プリキュアに変身し、あの大きな岩を壊すために準備を整えている私達。さっきたえさんから言われたけどあの岩は簡単には壊れない。勿論二人で力を合わせてでも破壊できる可能性はあまり高くない。でもどうしてあんなに頑丈なんだろう…?
たえ「ちなみになぜこの岩が簡単に壊せないかわかるかい?」
ピース「どうしてですか?」
たえ「昔に起きた話だけどねぇ。かつてこの島に侵略者が現れたんだ。そいつは仲間を引き連れてこの島の古文書を狙ってきたんだよ。それであたしが若かった頃に侵略者から古文書を守るためにこの大きな岩で古文書を守ったんだよ」
レモネード「それからどうなったんですか?」
たえ「ああ、勿論侵略者も諦めて帰った。あの古文書が盗まれてしまったら島の住民達全員絶望していただろうさ。だけど侵略者を退けてから重大な欠陥を引き起こしてしまったのさ。それが…(コクリ)この岩のことさ」
たえさんが顎で岩を示すように呟く。一体何が欠陥なんだろう?
たえ「この岩が古文書を守った挙句、あれから古文書が置いてある部屋に入れなくなってしまった。これもあたしのせいだよ。何も考えずに封鎖してしまったのが原因なのさ」
レモネード「というかどうやってこの岩を移動させたんですか!?」
ピース「あんな巨大な物を!?」
たえ「当然あたし一人では動かせないさね。この島の住民の約七~八割の人達が協力したからだよ。そして見事にビクともしないぐらいの位置に封鎖した。それが終わってからは古文書がどうなってるかも見れないし、何せ街の人達も一斉にクレームを発せられたり抗議を寄せられてしまうという非常に残酷な結果となったのさ。それからあたしはあの岩をどかせようと交渉してみたものの手伝ってくれた人達の内の半分が島を去ったり寿命で亡くなったりしたもんだからどうにもできなかったのさ」
とても難しそうな内容をたえさんは深刻な表情で説明してくれる。結局島の人達との蟠りは解けなかったってことだったんだね…。
たえ「ちなみに残りの人達は一応手伝ってくれたんだけど、すぐに諦めてしまった。もう成す術はなしってことさね」
レモネード「それから数十年の間この岩はこのままってことですね…」
たえ「それにうまく溝に収まるように設置してしまったから動かしようがないんだよ。だからもう壊すしかないってことになったのさ」
ピース「でも簡単には壊れないんですよね。だったら私達に任せてくださいよ」
たえ「まぁアンタらがそういうのならお願いしてるんだけどねぇ。そしてあたしの蟠りを代りにアンタらが島の人達全体に解いてもらうと思うよ」
私の言葉に思わず涙を流してしまったたえさんはすごく関心していた。誰かのためになるぼならそれはありがたく受け止めておいた方が幸せだしね。
レモネード「ところで一つ気になったんですけど、さっき仰っていた侵略者というのはどんな奴らでした?」
たえ「確か怪しい色をしていた怪物どもを従えていてその張本人は英語のアルファベットの文字を名前にしていたと思うさね」
ピース(アルファベットの文字を名前にしていた者…どこかで聞いたような―――ってまさか…!?)
突然何かを思い出してしまった私は思わず身震いしてしまう。
H「いたわよプリキュア。どうやら水晶玉を全て手に入れたってわけね」
レモネード「あ、さっきのお姉さん!」
ピース「今度は何をする気よ!」
H「あら?それはあなた達がこの世界から脱出するために必要な鍵を手に入れさせないために決まっているでしょ?」
案の定、Hがまた私達の前に立ち塞がった。今度こそ邪魔をさせないんだから!
たえ「こいつは…!」
H「随分と貧弱なおばあさんね。年寄はさっさと家にお帰りなさい」
たえ「アンタがかつてこの島の古文書を狙ってきた侵略者のようだね…!」
H「古文書…?ああ、あれのことね。どんな願いでも叶えられるという伝説の古文書のことよね。私は覚えているわ。要するにそれがプリキュアにとってこの島から脱出するための鍵ってことになるわね」
レモネード「たえさんから離れてください!でないと攻撃します!」
たえさんに近づくHに、レモネードが威嚇するように立ち塞がる。そうだよね。これ以上あの人の好きにはさせないよね…!
ジコチュー「面白くないシーンはいらないぞぉ!!」
H「ジコチュー、そろそろプリキュアを倒すのよ」
レモネード「現れましたね。ピース、早く浄化しますよ!」
ピース「わかった、すぐに蹴りをつけるよ!」
H「あなた達が求めている古文書は私がいただくわ、ジコチューによってやられなさい!!」
たえ「頑張るんだよ…。アンタらが唯一の希望さね」
ジコチューの猛攻を避けながら必死で古文書が置いてある先を守る私達。しかし…、
H「だったら私がこの岩を破壊すれば余裕ってことよね。そこをどきなさい!(ボォン!)」
レモネード「させません!シャイニングフルーレ!」
Hが岩を壊すとするが、レモネードが武器を出してHの攻撃を相殺した。よし、ナイスタイミングだよ!
ピース「このまま守り切ればあなたも諦めるはずだよね!はぁあああ!(ドォン!)」
H「そんな攻撃など通用しないわ。やりなさいジコチュー!」
ジコチュー「面白くないのは嫌いだぁ!!(ドカァアアン!!)」
ピース「きゃああああああ!!」
ジコチューの攻撃を受けた私をレモネードが受け止めてくれた。あ、危なかった…。
たえ「大丈夫かい!?」
レモネード「今の攻撃で損傷は大きくなりましたね…。ピースの傷が大きいようですね……」
ピース「まだ大丈夫だよ…。まだ、終わってないからね…!」
それでもまだ立ち上がる私はもう一度攻撃を開始した。次こそは倒すんだから!
ジコチュー「漫画は面白い方がいいんだよぉ!!(ズドォオン!)」
ピース「プリキュア・ピースサンダー!!(ドドドドォオオン!!)」
レモネード「プリキュア・プリズムチェーン!!(ジャリリリリィ!!)」
私達の全力の一撃をジコチューにお見舞いする。これなら倒せるはず…!
ジコチュー「ラ~ブラ~ブラ~~~~ブ!!(シュウウ…)」
H「なんですって!?ジコチューを浄化してしまったっていうの!?なら仕方ないわね、あのおばあさんには消えてもらうわ!!(ドォン!)」
ジコチューを失ったHはたえさんに攻撃を放ってきた。このままじゃ…!
ピース「危ない!!……!?」
ドォオオオオオン!!
レモネード「キュアピース!!」
H「まずは一人ね、うふふふ…!!」