近くの街のお兄さんとおじさんから残りの水晶玉の在り処を教えてもらった私達は街のふもとの神社へ移動することになった。確かあそこの女将さんに話を聞けばわかるとは思うけど、本当にあるのかな?
うらら「そろそろ神社へつきます」
やよい「ここまで歩いて約三十分だったね」
もう既に足がヘトヘト状態になっているのであまり派手には歩けない。そしてもう一分張りするように必死で目掛ける。
うらら「そういえばあのHって人って一体何者なんでしょうか?」
やよい「よくわからないけど、一応私達の敵だということは間違いなさそうだね…。でも、あまり憎めないところもあるみたいだけど…」
???「あたしの神社に来るとはいい度胸してるじゃないか」
うらら やよい「「いつの間にいたんですか!?」」
突然女将さんらしき人物が私達の懐へ現れた。び、びっくりしたぁ~…。
うらら「あの、あなたがこの神社の女将さんでしょうか?」
???「そうだよ、あたしはたえ。この神社の女将をやっているんだよ。アンタら子供がよくここまで来たもんだねぇ」
やよい「はい、実は女将さんお聞きしたいことがあります」
たえ「あたしのことはたえでいいさね。それであたしに用があるってわけかい…、ふむ。その顔つき、どうやらわけがあるみたいだね。いいさ、何でもいいな」
たえさんがそう言うと、私はさっきのことを説明する。
~~事情を説明中~~
たえ「なるほど。あの二人から聞いてあたしの神社にやってきたってことかね?」
うらら「そうなんです。私達は今いる世界とは別の世界から来たんです」
やよい「たえさんなら何か手がかりがあるではないかと思いまして」
たえ「そうかい。なら話は早い。ちょっとついてきな」
たえさんに誘われるように移動する私達。恐らく手がかりなるものがあるに違いないかも。
たえ「アンタらが探していたのはこれのことかい?」
うらら「残り三つの水晶玉!」
やよい「やはり持っていたんですね」
辿り着いたのはお参りする場所から数メートル離れたお札がたくさん貼られてる巨大な岩場。そこに残りの水晶玉である黄色と緑と桃色の水晶玉だった。
うらら「これです、私達が探していたものはまさしくこれですよ!」
やよい「これで元の世界に帰れるね!」
たえ「ちょっと待ちな。まさかこれをタダで持っていくと考えていないだろうね?」
するとたえさんが私の手を掴むように止めてきた。何か事情でもあるのかな?
うらら「どういうことですか?」
たえ「これが欲しかったらこの巨大な岩を破壊してその先にある古文書を手に入れてからにして欲しいさね」
やよい「その古文書っていうのはどんなものですか?」
たえ「ああ、あの古文書には五色の水晶玉を手に入れた時に起きる願い事が記されている。勿論古文書なしでは帰れないし、アンタらが思っていることは古文書がないと叶えることすらできないってことさ。それと古文書に記されている願いを叶えるためのやり方まで書いてある。これを間違えると全て水の泡となる。従って五個の水晶玉も古文書は全部塵と化してしまうのさ」
なるほど、そうでもしないと帰れないってことなんだ。一応現在の私達の状況を整理してみよう。
1 Hのジコチューによって二人は漫画の世界へ飛ばされた
2 そこから脱出するには五色の水晶玉とその鍵を入手しなければならない
3 しかも制限時間は日没の午後六時半まで。それを過ぎてしまうと二度と戻れなくなる
4 まずは赤と青の水晶玉を手に入れた。残りは女将であるたえが持っている
5 無論、水晶玉だけでは帰れない。そして岩場の奥にある古文書を入手しなければならない。更に古文書の指示通りのことをやらないと一巻の終わり。つまりチャンスは一度っきり
6 最後に手に入れるべきなのは鍵だが、岩場を破壊しないと入手できない。つまりあの古文書が鍵となる。
といった具合のことになる。それなら簡単だね。
うらら「それじゃ私達に任せてください」
やよい「私達があの岩を壊しますから」
たえ「だけど気をつけるんだよ。その岩は簡単には壊れないからね」
たえさんが警告してくるけど、あの大きな岩って見た目からしてどれくらい丈夫なんだろう…?ちなみに岩の大きさはざっと二十メートルは超えている。
うらら「それじゃ行きましょうか」
やよい「ええ!」
うらら「プリキュア・メタモルフォーゼ!」
やよい「プリキュア・スマイルチャージ!」
当然の如く岩を壊すにはプリキュアに変身するしかない。たえさんは真剣な目で私達を見守ってくれた。
レモネード「始めましょうか」
ピース「了解!こんな岩なんかすぐに壊してあげるわ!」
元の世界へ帰るための私達の戦いは、いよいよ大詰めに入りかかろうとしていた。
H「いたわね。そう簡単には帰すわけにはいかないんだから…」