プリキュアオールスターズ大戦   作:クワトロン大帝

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約2年と数ヶ月ぶりの更新となります。待たせてしまい申し訳ございません。


第210話 羽休め①

ことは「はー!このスクランブルエッグトロトロで美味しい〜」

 

リコ「魔法界では貴重で新鮮な卵を使っているらしいわ、どの料理にも相性抜群って感じね」

 

みんなで朝食を食べて賑やかに過ごす。どうやらはーちゃんはこういう場所での食事をとても楽しみにしていたみたいでウキウキな気分。一方リコは優雅にクロワッサンと見た目はブラックで砂糖をこまめに入ってるコーヒーをテーブルに並べていた 。私はモフルンと一緒にパンケーキをひたすら吟味していた 。

 

モフルン「どれも甘い匂いがするモフ、全部食べちゃいたい感じモフ」

 

みらい「その気持ちわかるけど全部は流石に無理じゃないかなー?」

 

他にもコーンフレークやグラノーラといった朝食シリアルがズラッと並んでいる。パンのコーナーは食パンは勿論、イチゴメロンパンも勢揃い。私とモフルンは尽かさず無言で確保した。

 

モフルン「これだけ取ったらお腹いっぱいになるモフ」

 

みらい「そうそう、朝はしっかり食べるのが一番。いざという時に身体を動かせないからね 」

 

リコ「だからって食べ過ぎは厳禁よ、お腹痛くなったらどうするのよ?」

 

クロワッサンを片手に取って頬張りながら心配するリコ。最近少食気味のリコはカロリーを摂取する方が効率的だと強調しているという。

 

ことは「でもイチゴメロンパンは別腹(モグモグモグ)、ん〜!最高〜」

 

そんなリコとは別ではーちゃんは無邪気になりつつどんどん食べる。でもこうして考えると本当に別腹っていうのはおとぎ話でしかないものだと思ってたけど人がその気になればなんでも食べてしまうことには納得せざるを得ないという実感が湧いてくる。だからいつも大好きなイチゴメロンパンをみんなで一緒に味わっていることに喜びを感じる。

 

みらい「まさかナシマホウ界以外で広まったのはビックリ、一体誰が広めたんだろう?」

 

リコ「たまたまじゃない?前までは全然出回ってなかったもの、そう考えると驚きね」

 

席に座り一度寄せ集めた食べ物を口にしていく。やはりイチゴメロンパンは私にとってメインディッシュとなるに違いはない。でも栄養バランスをしっかり意識しているリコは皿に盛りつけている料理は控え目だ。前菜でサラダを添えていて、その横には茹でたてでパリッパリなウインナーをチョイス。普段から栄養バランスをしっかり頭の中に叩き込んでいるだけはあるためリコの栄養管理は意外と侮れないのだ。それにしてもこういう思考なのはやはり親の遺伝なのかな?

 

ことは「細かいことなんて気にしない、食べられればいいんだから。あーん」

 

リコ「二人とも、たまには遠慮することも大事よ?さっきも言ったけど後でお腹壊しても知らないわよ。ね、モフルン?」

 

モフルン「モフルンは全く気にならないモフ。満足すれば結果オーライモフ」

 

とりあえず意見はそれなりにまとまったらしいがいかんせん個人差ということには変わりない。私は椅子に腰掛けて早速食事。

 

みらい「う〜ん!普段口にしているのと格が違うねえ〜」

 

リコ「ま、みらいが満足なら関心ね。それじゃ、このウインナーを…(モグモグ)はわぁ…ぢゅーひぃ…」

 

ことは「今度は和食にしよっと、えーっとどれがいいかなぁ?」

 

時間を忘れるように黙々と食べ進める私達、特にはーちゃんはやけに食欲旺盛だ。イチゴメロンパンを最後に和食にも手を染めた。

 

モフルン「みらい、あとで手入れして欲しいモフ」

 

みらい「そうだね 、昨日はできなかったからあとできちんとやってあげる」

 

リコ(みらいってばすっかり頑張り屋さんね、昨日より積極的になっちゃって。でもこのまま何もないといいんだけど…)

 

そんな中、周りの人達の会話を偶然耳にする。

 

老人「最近魔法界で人が襲われる事件が多発しているそうじゃのう」

 

男性「なんでも無差別で襲っているということもあるらしい」

 

女性「もしこの街にやってきたらたまったもんじゃないわね…」

 

どうやら観光で来た客の人達のようだ。表情もハッキリしてないし、色々不安を募らせてる。

 

リコ「あの人達、かなり警戒気味ね。でも人を襲うって話どこかで聞いた覚えが…」

 

ことは「人違いって可能性もあるんじゃない?私達が想像しているのとはきっと180度真逆だって」

 

ここで思い浮かぶものは現状なし。もし私達が追っている人物だとしても理由がハッキリしない限り不明瞭だ。いくら周りの話を鵜呑みにしたところで真相はそう簡単に出ない。

 

みらい「辛そうだね…。本当に魔法界が滅茶苦茶になったらどうしよう…」

 

リコ「その気持ちは十分伝わってるわみらい。でも時には割り切ることも大事よ、いざという時は私達が動かないと」

 

困ったことがあれば力を合わせていくのが私達の使命、市民達を危険に晒すわけにはいかない。今までだって上手くやれたんだから次もできるはず。

 

ことは「早く食べないと全部貰っちゃうよ~?」

 

モフルン「モフルンもいただくモフ~」

 

みらい「待って~!まだ完食してな~い!」

 

リコ「お気の毒ねみらい、誰にも食べられないように頬張るのが美しいレディの嗜みよ?」

 

みらい「あとヨーグルトと牛乳プリンとそれから―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後は慌ててしまったが朝食を終えてチェックアウトの準備をすぐに済ませる。はぁ、あそこのデザートが美味しくて今でも恋しい…。

 

みらい「身支度よし、忘れ物なし、準備完了っと」

 

ことは「今日は何からする?」

 

リコ「まずはゆっくり心を休めたいところね。各地にある観光スポットや有名なテーマパークとか、それから本題に入るって感じかしら」

 

羽休めということで思う存分遊ぶそうだ。リコが事前に調べておいた情報を頼りに色々と散策を予定する。

 

リコ「私のオススメはここかしらね、リッチでオシャレなファンシーショップとかはどう?」

 

ことは「はー!素敵~!」

 

みらい「私この店に興味あるかも!ねぇねぇ、順番に回ろうよ~」

 

リコ「全く仕方ないわね、モフルンはどうする?」

 

モフルン「モフルンはみんなが行きたいところならなんでもいいモフ」

 

みらい「今から楽しみでワクワクもんだぁ~!」

 

ことは「イエーイ!」

 

私とはーちゃんはノリノリでリコとモフルンは嬉しそうな表情で歩く。まず向かうのは老舗の和菓子屋さん、あそこの名物はモチモチで甘い大福。私達が到着した頃には既に色んな人達の列で埋め尽くされている。この待ち時間を少しでも気にしないようここではーちゃんが面白い変顔を披露した。

 

ことは「ふぉ、ふぉ、ふぉ。武士は食わねど高笑い~!」

 

リコ「それを言うなら高楊枝よはーちゃん。でも…ぷぷ、なんて顔をしてるのよ…ぷ~!」

 

ことは「そんなに面白かった?」

 

モフルン「その顔変モフ~、でもみらいが一番ツボに嵌るってるモフ」

 

みらい「ぶははははぁ~!!ヤバイヤバイ、それ絶対ヤバイって~!!」

 

リコ「みらいが一番受けてるみたいね」

 

大爆笑の沼に嵌る私は一目散に腹を抱えて思いっきり飛び跳ねる。テレビで見る時とは違う勢いだ。

 

リコ「次は私の番ね。たらり~ん、鼻から牛乳ー」

 

ことは「ははははははっ!何その顔ー!」

 

今度はリコが渾身の一発芸を披露する。ところが当の本人は凄く恥ずかしいようだった。

 

リコ「わ、私だって必死でネタを厳選したんだからね!これすっごい恥ずかしいかったのよ!」

 

モフルン「お笑いの番組を見た影響があるモフ」

 

みらい「よーし、最後は私が締めるとしよう。面白すぎて耳が……無くなっちゃったぁ!」

 

リコ「わかってないわね…」

 

ことは「うん、そうだね…」

 

みらい「えぇ~!?なんで私だけぇ~!?」

 

あまりに白けたのか二人が酒に明け暮れたかのようにやつれた。今のは渾身のギャグのつもりだったんだけどなぁ…とほほ…。

 

リコ「そろそろ空いてきた頃ね、早く行かないと後ろで待ってる人達の邪魔になるわ」

 

列がだいぶ減ってきたので時期に買えるようだ。メニューを確認しつつも黙々と順番が訪れるのを待つ。

 

みらい「やっと出番が来たね、待ってました!」

 

店員がメニューを伺い、順番に頼みたいものを決める。ここは常連の気分でテキパキと決めたいところだけどいざ口にしようとすると勿体振るような挙動をとってしまいそう。ただでさえ甘いものを好む身としては色々な種類を食べ尽くしたい気持ちが抑え切れないからだ。勿論、欲を抑えたいという気持ちはあるがいつの間にか食通気分で各地を巡ることを意識してしまうのだから余計に腹の中の虫が騒がしくなる。

 

リコ「えっと、ここのオススメは何ですか?」

 

リコがカウンターの前に貼ってあるメニューを確認しながら店員に尋ねる。今注文を伺っている店員は若い女性で笑顔を売りにしているらしい。

 

店員「当店のオススメはこちらのイチゴ大福になります。甘くて大きいのが特徴の自慢のイチゴを使用しておりますので大変人気の商品ですよ。本日は在庫に余裕ありますが、普段は開店から2時間弱で売り切れる程お客様に愛されております」

 

みらい「なるほど〜。まさに観光客お墨付きってことかぁ。ねえねえ、これにしようよ」

 

リコ「他の種類もあるから全部それって訳にはいかないわ。ただイチゴ大福となれば最初に食べてみたいわね」

 

そのあとも店員の説明が続き、色々と選んでから購入。最後にその店員は優しく私達に手を振ってくれた。少しだけ心が温まる気分で一安心した感じがまた清々しい。

 

みらい「いっただっきま〜す(モグモグ)、ん〜!!甘酸っぱくて水々しいイチゴが美味し〜!」

 

リコ「みらいったら、大福じゃなくてイチゴの方に夢中ね。でも、あそこの店員さんが言ってた通りだったわ。こんなにいい食感の大福を食べられるなんて、モチモチの食感に甘すぎないあんこが丁度良い塩梅ね」

 

ことは「イチゴメロンパンを食べ続けた身としては究極の至福…」

 

あまりの美味しさに身も心も魅了されてしまう私達。どこから例えるべきなのかよくわからないくらいの美味しさだった。

 

リコ「次はこの豆大福ね、実は一番食べたかったものだったのよね 。この香ばしく焼いた豆を柔らかい食感の大福で包み込むように…(モグモグ)、う〜ん!たまらな〜い!」

 

モフルン「豆が香ばしくて美味しいモフ」

 

リコとモフルンが次に食べたのは豆大福で如何にも和を強調する風味のようだ。それを頬張りながら啜る温かいほうじ茶もまた格別だ。

 

ことは「はー、何もかも忘れてしまいそう…」

 

最近豆を含むお菓子を少しずつ食べるようになってきたはーちゃんもこの表情だ。様々なスイーツ等を食べてきて思ったのがただ口にするだけではなく奥深く舌で味を確かめることにあるんだと思う。そんじょそこらの貧相なお菓子を幼い頃から食べ続けた結果、徐々に上品なものを求めるっていう考えは人それぞれだろうけど私達は常に美味しいスイーツが大好きで誰にも負けない欲が沢山あった。

 

リコ「今のところ季節はまだ微妙だけど、季節に合わせ食べたらもっと美味しく感じるわよね」

 

ことは「テレビでもやってたよね、今が旬のスイーツを季節に合わせて食べだたら一番いいって。えっと次はこの塩大福だね、どれどれ…(パクッ)」

 

モフルン「甘い匂いはしないけど塩の風味が絶妙なバランスをとっているモフ、モフルン気に入ったモフ」

 

みらい「ふむふむ、確かにモフルンの言う通りかもしれないね。こまめな塩分を補給するのにいいテイストだよね」

 

それから淡々と大福を食べ続けていき、あっという間に楽しいひと時が終わりを迎えようとしていた。

 

リコ「さてと、次はどこにしようかしら」

 

みらい「クァwせdrftgyふじこlp」

 

リコ「みらい、口の中の大福が無くなってから言いなさいよ…」

 

ことは「주요캐릭 름정리 허비랑 공한끝뮤 기터억이」

 

リコ「ってはーちゃんは口の中に大福入れ過ぎて訳のわからない言葉になってるわよ⁈」

 

リコは次の目的地をどうするか考えてた。最初に挙げていた候補は観光スポットや有名なテーマパーク、それからリッチなファンシーショップ。まずは行列のできる和菓子屋さんを巡ったわけだから全員で意見を一致させないと次の目的地まで行くのは難しい。

 

ことは「私、身体を動かしたいなぁ〜。さっきリコが言ってたテーマパークに行きたい!」

 

リコ「食べた分しっかり動き回るってことね、確かこのパンフレットにはここからすぐに行けるテーマパークがあるわよ。なんでも魔法界の中では屈指の人気を誇る場所なんですって」

 

モフルン「早く行ってみたいモフ」

 

みらい「よーし、そうと決まれば早速出発だ〜!今から有名なテーマパークについた方が勝ちね、よーいどーん!」

 

リコ「みらいー!場所わかるのー!?」

 

みらい「知らなーい」

 

リコ「じゃあ意味ないじゃな〜いっ!!」

 

ことは「私達はゆっくり行こうか」

 

モフルン「じっくりコツコツと進むモフ」

 

地道に行くのも吝かではないが私にとっては時は金なりだった。沢山大福を食べた分しっかりカロリーを消費しないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中明らかに煩雑な道が続いたがようやく次の目的地に到着。私はまだまだピンピンしていたけどリコ達は割とヘトヘトだったようだ。

 

リコ「進むの速すぎるわよ……ちゃんと私の言う通りにしていればこんなことにならなかったんだからね……(ゼェ、ゼェ…)」

 

既に息切れを起こしているリコが私の胸ぐらを掴みながら静かに怒っていた。この様子だと機嫌を直してくれるのも相当時間がかかるっぽい。

 

みらい「ごめ〜ん…私はつい楽しみ過ぎてワクワクもんだったから張り切っちゃって…」

 

リコ「じゃあ、ここでの昼食をみらいが私の分奢ってくれるなら許してあげても…いいわよ?」

 

みらい「わかった。リコが食べたいものなんでも買ってあげるね、だから…」

 

リコ「はいはい、これに懲りたらもう勝手に先に行かないこと。いいわね?」

 

と思ったらあっさり許して貰えた。ずっと一緒に過ごしてきたからリコにとってはこの程度ならビクともしない。本当にありがとう…。

 

モフルン「モフルンとはーちゃんもついたモフー」

 

リコ「意外と追いつくの早かったわね。そうか、私がヘトヘトだったから…」

 

ことは「聞いてよ、さっきのみらいF1並みにホウキで爆走してたんだから」

 

モフルン「やっぱりみらいのワクワクっぷりにはリコでも敵わないモフね」

 

遅れて数分ではーちゃんとモフルンが到着した。私ってそんなに突っ走ってたっけ?

 

みらい「ここはどんな感じかな?」

 

リコ「今確認するわ。この施設は魔法界ではかなり有名な場所で遊園地とショッピングモール、更に飲食店等がいっぱい並んであるの。今までは行ったこと無かったけどこうしてみんなで来るのは初めてね」

 

ことは「魔法学校から物凄く距離あるよね、旅行気分で来たみたい」

 

実際ナシマホウ界と違って観光やお出かけ目的で魔法界に来ることなんて意外と稀かもしれない。私達は授業の一環で様々な場所に行き来しているが本当の意味での遠征は滅多になかったりする。余程のことではない限りナシマホウ界ぐらいのペースで自由に回る機会自体簡単ではないのだから。特に未成年が結構な頻度で遠征するのは明らかにおかしい、それで魔法学校の教師や生徒の保護者達が厳重に注意してる事例があったりする。知識をしっかり理解していれば大人達が訝しむことにならずに済むはずだ。でも今回私達がこうして各地を転々と回っているのは先日の魔法学校間で謎の殺人事件が起きているからだ。既に私達の友達からも死人が出ている、しかしここでこれまでの出来事を説明してもキリがないよね、今は忘れよう。

 

リコ「まずは休ませて、まだ疲れが取れてないから…」

 

モフルン「モフルンも休むモフ」

 

まだ昼まで結構時間ある、朝早くから動いているが実はそこまで時間が経過していない。まぁ私がおもいっきり飛ばした分短縮されたってこともあるけどね。普段なら休日を満喫しているだけであっという間に時間が過ぎていくだけだしある意味効率がいいんじゃないかな?

 

みらい「じゃあちょっとの間仮眠しよーっと」

 

ことは「私トイレ行って来るね」

 

そんなこんなで休憩タイムに差し掛かる。しっかり身体休めてその後のカロリー消費に備えるとしよう。

 

モフルン「気持ちいいモフ、風がとても爽やかモフ」

 

みらい「このまま明日の朝まで寝てたい気分だねー。そうなったら風邪ひいてしまってそうだけど」

 

目を閉じて眠りにつくまでにのどかな空気を堪能する。なんたって嫌なことなんかすぐに忘れてしまう感じだから尚更心地いい。

 

みらい(こうしていると、また眠りにつきそう…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???(プリキュア、果たして彼女達に未来があるのでしょうか…)

 

誰だろう?昨日見た夢とはまた違うみたいだけど…。

 

???(どうすれば世界を救うことができるのか、全ては彼女達にかかっているはずです。答えはきっとーーー)

 

え?何?どういうことなの?一体何をーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「……!」

 

リコ「みらい…?」

 

夢だと言え、あまりの勢いで自然と目が覚めた。これは自分でもよくわからなかった。

 

みらい「私…一体どうしたんだろう…?」

 

リコ「また悪い夢…見たの?」

 

みらい「ううん、そうじゃないけど…なんていうか…。すごく不思議な夢だったんだ」

 

モフルン「ちょっと気になるモフ、でもみらいしか見れないから残念モフ」

 

ちょっぴり残念そうな顔をするモフルンが地味に可哀想。相談しておけばよかったのかも、と言いたいところだけど突然見た夢だから言いようがない。

 

ことは「ねえねえ、もうそろそろ遊びに行かない?退屈で仕方ないよー」

 

気づいたらそれなりに時間が経過していた。まだ昼まで若干時間あるけどはーちゃんがとても楽しみにしているしこのままじっとしてはいられないね。

 

みらい「お昼ご飯までの間にある程度回ろうか」

 

モフルン「賛成モフ」

 

ことは「まずジェットコースターに乗るー!」

 

みらい「おぉー!はーちゃん張り切ってる、ワクワクもんだぁ〜!」

 

リコ「ちょっと待って!いきなりジェットコースターに乗るなんて聞いてないわよ〜!!」

 

はーちゃんの要望により、ジェットコースターに乗ることになった。どうやらここのジェットコースターは一味も二味も違うらしい。

 

ことは「早く降りないかなー?」

 

リコ「大丈夫よ、こういう時の流れは大抵頭の中でシュミレーションしたから…絶対叫ばない」

 

どんどん上がっていきいよいよ下まで降りようとしていた。私も色々と楽しそうでドキドキワクワク状態、さぁいよいよ本番だね。

 

ことは「はー!気持ちいいー!」

 

モフルン「モフー!スリル満点モフー!」

 

みらい「わぁ〜!グルグル回るよこれ、大きくこまめに!」

 

私達はあまりの動きにテンションマックス。一方リコは、

 

リコ「@#¥&*()’l%-+=/;:,.$€£_^[]{}§|~…\<>!?^_^qawsedrftgyhujikolp」

 

口では言い表せないぐらいの表情と奇声で溢れていた。このジェットコースターは小さく派手に動いたり大きくこまめに回ったりするのが一番の特徴で、ある程度の耐性がないと楽しめないしすぐに酔ってしまうという。だからはーちゃんはウォーミングアップがてらに乗りたかったんだね、関心。にしてもリコにはちょっと刺激が強かったのかな?

 

みらい「あー楽しかったね」

 

モフルン「モフルン、本当に空を飛んでいる気分だったモフ」

 

ことは「またいつか乗りたいね」

 

リコ「よくそう簡単に言えるわね…ゲホッゲホッ…!」

 

みんな降りて一旦ベンチに腰掛ける。リコのこの様子だと、相当苦しかったんだと思う。

 

ことは「えぇ〜?面白くなかったの?」

 

リコ「こんなの、普通の人間じゃあ不可能よ…。はーちゃんは特別だからまだいいとして、みらいは異常……うッ、 もう無理…」

 

みらい「わぁ〜‼︎ リコ、ここで吐いちゃダメぇ〜‼︎」

 

ことは「お食事中の皆様には多大なご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます」

 

みらい「ってはーちゃんは誰に向かって言ってるの!?」

 

ことは「独り言だよ、気にしない気にしない」

 

と、とにかく次に移るとしようかな…。これじゃあキリがないしね。ちなみに道中で幼い姉妹にこのことが噂されたのは最早説明不要であった。

 

リコ「ふう、密かに持っていた冷凍みかんがなかったら今頃のたれ死んでいたわ。冷たくて美味しい」

 

スッキリしたリコは保冷していた冷凍みかんを次々と頬張っていた。いい非常食になるよね、 冷凍みかんって。

 

ことは「あれぇ?さっきまではやたら気持ち悪がってたのに随分ハキハキしてるね」

 

リコ「ち、違うし!私はたまたま酔っただけよ、決してああいうのが怖いわけじゃないし」

 

モフルン「今度はモフルンがちゃんと側にいてあげるモフ」

 

みらい「その通り。モフルンがいるだけで怖いものなんてあっという間だよ」

 

勿論ただの気休め程度にしか過ぎないけど。

 

ことは「次どこ行きたいかリコが決めて」

 

リコ「私が?そうね、折角案内しようと思っていたからもっと落ち着きやすいところにしたいわ」

 

さっきはあんなにもがいていたっぽいから行きたい場所をリコに譲歩させよう、きっと今度は上手くやりたい雰囲気だろうし。

 

モフルン「リコにとって一番いいのは何モフ?」

 

リコ「観覧車 …は最後のお楽しみで、メリーゴーランド…はあまりにも子供っぽいし。う〜ん、中々思うようにならないわね…」

 

みらい「お・ば・け・や・し・き…」

 

リコ「却下よ」

 

みらい「あー!リコってば現実から逃げようとしてるー!」

 

自分の苦手なところは極力避けたかったらしい。でもリコは頭を常に回転させて行きたいところを必死になって絞り出していた。

 

リコ「別に怖がってないし!私はもう心は大人だからわざわざ入らなくても平気よ?」

 

ことは「へえー、本当にそうなんだー。だったら今入っちゃう?」

 

リコ「あのねはーちゃん。そうやって誘ってもその手には乗らないわよ、もっと楽しくしなきゃだから」

 

モフルン「結局どこに行くモフ?」

 

こうしている間にどんどん人が増えていく。リコは今一度パンフレットを確認しつつ、どのアトラクションがいいか隈なく探す。

 

リコ「私が行きたいところはここよ。これ、みんなで楽しめるんじゃないかしら?」

 

リコが指差したのはゴーカートのページ。とても人気とされてるらしい。

 

みらい「おぉ、ゴーカートかぁ。いいねいいね、行ってみようよ!」

 

モフルン「面白ろそうモフ、いろんな景色見れるモフ」

 

リコ「まぁモフルンの言う通りかもね。ここのゴーカートはぐるっと一周回っていくタイプよ、途中で山や海などのいい眺めを堪能できるのよ」

 

ここならば安全第一に考えたいえるかもしれない、そうリコは思った。できるだけ苦しい経験を回避した選択だろうけど、そもそもリコって非科学的なものは平気だったのかな…?

 

ことは「ふふふっ、終わったら絶対お化け屋敷に連れて行かせるんだから…」

 

みらい「はーちゃんが呪いの力を宿している…」

 

モフルン「きっと気のせいモフ。あれは興奮した時に出る気持ちモフ」

 

リコ「それよか早く行きましょう、人が並ぶと順番回って来ない可能性あるから。ほら、急いだ急いだ」

 

ことは「もう一度競争だ〜!」

 

みらい「わあぁ〜!いきなりすぎるよ〜!」

 

モフルン「さっきのみらいを思い出すモフ。モフルンはリコと一緒に行くモフ」

 

というわけでリコが言っていたゴーカートのある南のエリアに急行。身も心を休んでのんびり過ごす羽休めはまだまだ続きそうだった。


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